あの日から一ヶ月…外も一気に暑くなり始めた事
僕は普段と変わらない…‘いつも通り’の生活を送っていた
そんなある日――
巴「いやぁ~庄司が元通りになってよかったな」
蘭「症状は?」
つぐみ「うん。最近は収まってきているみたい」
ひまり「良かった…」
つぐみ「でも、たまにあの時みたいじゃないけど怯えて…」
モカ「やっぱり嫌な思い出は抜けないよね。蘭~何とかしてあげたら?」
蘭「な、なんであたしが……」
モカ「しょーくんを導いてあげるんでしょ~」
蘭「うぅ…確かにそういったけど…」
つぐみ「こればっかりは、庄司くん次第だよ」
ひまり「ねぇ!みんなで井ノ島に行こうよ!今度は庄司も連れて!」
『僕も?』
モカ「そう言えばしょーくんは行ったことなかったよね」
巴「偶には息抜きは必要だと思うし、いいんじゃないか?」
つぐみ「そうだね!海に連れて行くには…庄司くんの身体の傷が目立つと思うし」
蘭「それを考えると…井ノ島の方がいいと…うん、悪くないね」
井ノ島…確か、水族館とかあったような。あと名物は何だったけ?
ひまり「じゃあ、決まり!みんな着替えを用意しておくように!」
―翌週―
つぐみ「庄司くん大丈夫?」
コクリ
時刻は午前6時…少し早いけど集合場所の駅に待っている
蘭「おはよう二人共」
つぐみ「おはよう蘭ちゃん!」
『おはようございます』
蘭「今日は大丈夫そうだね」
コクリ
蘭「あ、襟が曲がっている。これで良し!」
美竹さんが服装を正してくれた。でも、さっきまで襟なんて曲がってなかったはずなんだけど…
ひまり「みんなー!おはよう!」
巴「もう来ていたか!」
上原さん達も到着したみたい。あれ?青葉さんは…
モカ「Zzz……」
宇田川さんの背中で眠っていた。
蘭「モカは相変わらずか…」
巴「だな。そろそろ行くか」
コクリ
~数時間後~
ひまり「うーん!!とうちゃーく」
井ノ島駅に到着した。ほのかに潮の香りがする。
モカ「まずは何処から行く~?」
蘭「前と同じルートでいいんじゃない?」
ぐぅぅ~
つぐみ「あれ?庄司くん。朝食食べたよね?」
コクリ
巴「先に軽く食べに行こうか」
ひまり「さんせ~い!丁度気になっていたお店が近くにあるのよ」
コクリ
行く先は逆方向だったから振り向いた瞬間――
ドンッ!
「おっと!」
茶髪でボサボサ頭の男性とぶつかってしまった
つぐみ「す、すみません。怪我はありませんか?」
「大丈夫ですよ。こちらこそよそ見をしていた。すまない」
男性は頭を軽く下げる。僕もそれにならい頭を下げた…
「あ、そうだ。お嬢さん達、観光もいいけど荷物はしっかり持っとくように。ここは人が多いからで盗難に遭わないようにね」
巴「確かにこの前来た時より人が多いな」
蘭「はい。気を付けます」
「じゃあ、気を付けてね。少年」
男性はそう言い残しこの場を去っていった。
モカ「あの人何者なのかな?」
つぐみ「さぁ?でも、悪い人じゃなさそうだったね」
コクリ
それから僕たちは上原さんの後についていき、家とは違うスイーツを食べお腹を膨らませた
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~水族館~
人生初の水族館…大きな水槽にいろんな色をした魚が泳いでいる。
ツボから長い首を伸ばしている魚?これは見た目からして蛇?
とにかく、見たことがない魚がいっぱいいて面白い…スケッチしたいが動きが速くて中々描けそうにない…
写真も撮りたいけど…
つぐみ「写真は撮ったらダメだよ」
『なぜですか?』
ひまり「なんでって…」
蘭「魚の中には、ライトでビックリして死んじゃうのもいるらしい」
モカ「おぉ~蘭って物知りだね~」
蘭「いや、ここに書いてるけど。庄司?」
知らないとは言え僕は魚を殺してしまうところだった…
人だろうと魚であろうと同じ命…申し訳ない気持ちでいっぱいだ
巴「蘭」
蘭「なに?」
巴「しばらく庄司と二人で回ってきたらどうだ?」
蘭「はぁ?どうしてあたしが…」
モカ「いまのしょーくんには蘭が必要だからね~」
つぐみ「蘭ちゃん。私からもお願い…」
蘭「わかった…庄司いくよ」
コクリ
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写真のことを伝えてから庄司は顔色が悪くなったけど…
蘭「あ、ま、待って…」
あたしが連れ出してからまるで子供みたいにはしゃぎまわっている
でも…庄司の暗い顔に比べたら、笑っている顔の方があたしは…好きだ
ほどなくして興奮が収まったのか。庄司はゆっくり息を吸い始め、ペンを構える
蘭「しょ…」
声をかけようとした瞬間――
彼はスケッチブックにペンを走らせた…
その様子は家で絵を描いている時同じく真剣な眼差しだった
あたしはそれを見守ることにした。
―数分後―
庄司「――!」
絵が完成したらしく。庄司はスケッチブックを高く掲げあげた。
蘭「出来たの?」
コクリ
庄司は満面の笑みを浮かべあたしに絵を見せて来た。
蘭「これって…クマノミ?」
コクリ
蘭「あんたって絵のセンスあるよね」
スケッチブックの中身を遡り、絵を見ていくと改めてセンスを感じた
先ほどのクマノミや犬、猫。花やラテアートで見たことがある絵が描かれていた
最後のページを見ると人型骨組みが描かれていた
蘭「これは…」
この絵について尋ねようとした瞬間――すごい勢いでスケッチブックを取り上げられた
どうやらまだこの絵は見てはいけなかったみたい
「ただいまよりイルカショーが始まります。ご覧になる方はK―12までどうぞ」
アナウンスが館内で鳴り広がった。それは巴たちと合流の合図でもある
蘭「庄司、そろそろ行くよ」
コクリ
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イルカショーは僕にとっては初めて見るものだった。イルカが飛んだり跳ねたり。ボール遊びをして面白かった。
最後の大ジャンプで最前列の人たちはびしょ濡れになっていた。
つぐみ「蘭ちゃん。ありがとう」
蘭「別に…あたしも退屈しなかったし」
モカ「偶に見かけたけど子供みたいにはしゃいでいたね」
巴「水族館のチョイスは良かったかもな」
ひまり「じゃあ、次はお土産見に行こう!」
お土産屋さんでいろんなものが売っている。煎餅に饅頭。ぬいぐるみなど。
なぜか?タコのフード付きのパーカーがあった。
折角だし美竹さんに…
蘭「またタコ…」
モカ「お!しょーくんもそのパーカーを選んだんだね」
蘭「だからなんでタコなの?」
『赤いメッシュが入っているから?』
蘭「モカと同じ理由…」
モカ「しょーくん、アタシと息が合うね~」
他にも色々売っていたけど、みんなお土産物を買っていった
巴「なぁ、今回もあそこに行かないか?」
モカ「さんせ~い」
ひまり「夏だと違う景色が見れるかもね」
つぐみ「確かにあの時と違うかもね」
あそこ?…景色?なんのことを話しているのか僕にはわからない
蘭「付いてくれば分かるよ」
~数十分後~
巴「ここだ」
やって来たのは砂浜…夕日が海を照らしていた
つぐみ「やっぱり綺麗だね」
蘭「うん。ここから見た景色は格別だね」
美竹さんの言う通り、普段の夕焼けとは全然違ってとても綺麗だった
この景色は普段見られるものではない。
僕は少し下がり、シャッターを切った
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おまけ
「悪い悪い···道に迷った」
??「Das ist doch totaler Unsinn 人の義妹に手を出しといて何が道に迷っただ」
「え!?誰がそうだった?」
??「あの赤いメッシュがそうだ」
「ありゃーそうだったか~もっと見とけば良かった」
??「絞めるぞ」
「ひぇ~おっかねぇ」
??「早く行くぞソーボウ」
「その呼び方はやめてくれ!」
??「お前は変わらないな」
「それはどうゆう意味だ?」
??「そのままの意味だ」
もしも主人公(庄司)が学校に通うなら?
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羽丘
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花咲川