~羽沢珈琲店~
珈琲の香りが漂う羽沢珈琲店…ここの看板には注意書きが書かれている
◎言葉を話せない従業員に対する誹謗中傷を禁止
◎従業員に対するSNSの投稿を禁止する
など
どれも追われている僕を守るためお義父さんが作った。お約束だった
ここに来てくれるお客さんは、この事理解してきてくれる
たまに厄介なお客さんがやって来ることもある…
つぐみ「庄司くん!6番テーブルお願い!」
義父「庄司!2番テーブルのオムライス出来た」
今日は休日の所為か。人が多い…
義母「厨房の方頼めるかしら?こっちは私が」
コクリ
お義母さんと入れ替わり厨房でお義父さん手伝いをすることになった
―数分後―
大半のお客さんが帰り、ようやくお昼ご飯を食べれそうだ
義父「よし、これを持って行ってくれたらお昼休憩入れようか」
コクリ
ミートスパゲッティを持ち、お客さんの元に運ぶ
庄司『お待たせしました』
???「おや?少年また会ったね」
この前会ったボサボサ頭の男性だった
???「ここで働いていたんだね。てことは看板に書いている喋れない従業員は君だね」
この前会った時には、僕が喋れないことは話していないのにどうしてわかったんだろう?
???「おっと冷めてしまっては台無しだな。折角少年が作ってくれたんだからな」
「おい!このトースト作ったやつは誰だ!」
何か問題があったのか。お客さんの元に駆け付ける
『何かありましたか?』
「お前が作ったフレンチトーストに髪の毛が入っていたんだよ」
髪の毛…たしかにフレンチトーストに黒髪の毛が入っていた
だけどおかしい。お義父さんもお義母さんも髪は茶色っぽい色、僕の髪は灰色の髪をしている
『失礼ですが、その髪はお客様のものだと思いますが』
「なんだと⁉そんな証拠何処にあるんだよ!大体お前なんだよカンペみたいに紙に文字を書いて俺をバカにしているのか⁉」
つぐみ「も、申し訳ございません。当店では喋ることが出来ない従業員がおりまして…」
「そんなこと知るか!お前取り敢えず謝罪しろよ。しっかり言葉でな!」
そんな無茶な…どうするか悩んでいると――
蘭「いい加減にして!!庄司は話すことが出来ないってそこの紙に書いているでしょ⁉」
美竹さんのいう通り、店内にもそこの看板と同様の注意書きが書かれている
「そんなこと知るか!どうせコミュニケーションが出来ないガキだろう!」
巴「黙って聞いていれば!アタシたちの仲間に馬鹿にしやがって‼」
宇田川さんが男性に怒鳴る。お互い一触即発の状態…
???「そこまでにしてもらおうか」
先ほどのボサボサ頭の男性が僕たちの間に入ってきた
「な、なんだよ!お前」
???「俺?俺はこういった者だ」
胸ポケットが手帳サイズあるものが出てきた。
???「どうも、警察の者です。これ以上騒ぎを起こすなら威力業務妨害で逮捕しますよ」
「う、ぬぬぬ…」
???「この少年が話すことが出来ないのは事実だ。俺はこの子のように不自由な人をいたぶる奴は大っ嫌いなんだ!」
「うぐぅ···」
先程まで怒鳴っていた男性は大人しくなった
つぐみ「あ、ありがとうございます」
???「なに、礼を言われる必要はないさ。さっき言ったとおり、この少年のように理不尽な目に遭う子をそっとできないんだ。俺は“武崎 宗太”(たけざき そうた)」
ひまり「じゃあ、この前あそこに居たのは…」
宗太「あぁ、あれはただの休暇だよ。今日はたまたまここに来ているけどね」
モカ「なるほど~うん?蘭どうかしたの?」
蘭「宗太…何処かで聞いたことがあるような気がして…」
宗太「あぁ、それはたぶん…」
???「おい。何をしているんだ。馬鹿宗太」
声がした方向を見ると白髪の男性がいた
宗太「おぉ!来てくれたんだな相棒!」
???「誰が相棒だ。こっちは折角の日本に帰って来たばっかりでゆっくりしたいのに···」
白髪の男性は髪を掻きながらそう言った。
ひまり「あの…その人は?」
白髪の男性について上原さんが訊ねると…
宗太「あ、こいつは俺の相棒の…」
蘭「義兄さん?」
モカ・巴・ひまり・つぐみ「「「「え、ええええええ⁉」」」」
義兄さん?美竹さんの?
???「7年ぶりだな。蘭。その子たちが…手紙に書いていた子か?」
白髪の男性は青葉さん達に指を指し確認をする
???「おや?君は···」
蘭「うん。後で紹介するよ」
???「あぁ、頼む。俺の名前は“美竹 蒼(みたけ あおい)”」
蒼「そこにいる。美竹蘭の義理の兄だ。ここの近くにある病院に転勤してきた医者だ。そこの馬鹿ともどもよろしく」
(*- -)(*_ _)ペコリ
つぐみ「ご、ご丁寧にどうも…」
蒼「さて、コーヒーをブラックで頼めるかな?」
コクリ
~数分後~
蒼「ふむ…いい香りだ。君が淹れたのかい?」
コクリ
蒼「なるほど。お見事だ!蘭が夢中になるわけだ」
蘭「ちょ、ちょっと!義兄さん」
蒼「ははは…冗談だ。そう怒るなよ」
冗談を言う蒼さん。先ほどの威圧を感じられない…
蒼「さて、俺と蘭の関係は義理の兄妹。蘭は宗家。俺は分家の子。まぁ、なんやかんやあって、今は医者として働いているけどな···ハハハ」
カチャカチャ…
蒼さんの左手が動くたびに、金属音が聞こえるような
つぐみ「何か音が聞こえない?」
ひまり「確かに…金属が擦れるような…」
モカ・巴「「コクコク」」
どうやら音は僕以外にも聞こえていたみたい
蘭「……」
蒼「あぁ、この音か?それはこれだな」
そう言い蒼さんは手袋を外し、腕を捲る。そこには白い腕が現れた
一目見ればわかる。これは義手だ。
蒼「もう十年ぐらい前かな?」
宗太「あぁ…それぐらいだな。だがその話はまた今度にしよう」
蒼「そうだな。ところで羽沢君、君は冨田医師の事は知っているかい?」
コクリ
宗太「何か詳しいことは知らないか?」
武崎さんが食い入るように聞いてきた
僕は首を振る。冨田先生と別れてから数か月経っている
宗太「そうか…」
つぐみ「その…冨田先生がどうかしたのですか?」
蒼「いや、何でもない。その富田に代わり俺がやって来たわけだ」
巴「ってことはしばらくこっちに住むってことになりますよね」
蒼「あぁ、そうだな。また本家に住むことになるな」
蘭「それって本当?」
蒼「あぁ、ここに来る前に叔父様に話は通している。嬉しいか?」
蘭「べ、別に…嬉しくなんかないし…///」
そう言いつつ美竹さんは頬を赤くしている。本当は嬉しいみたいだ
蒼「さて、俺はそろそろ…」
つぐみ「もう行くのですか?」
蒼「あぁ、蘭の顔も見れたし仕事に戻らないとな。お前もな宗太」
宗太「ハイハイ。仕事に戻りますよ。あ、義妹さんこれを上げよう」
武崎さんが美竹さんに渡したのはお守りだった
蘭「これは…」
宗太「なんの変哲もないお守りだ。その少年を守ろうとした覚悟に感服した」
蒼「受けととっけ。深く考えるな」
蘭「わかった。ありがとうございます」
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あの二人がお店を出てから、僕たちは蒼さんについて聞いてみた
巴「蘭、義兄さんについて教えてくれないか?」
モカ「まさか。蘭にお兄さんがいるなんてね…」
つぐみ「ビックリしたね」
ひまり「どうして何も言わなかったの?」
蘭「どうしてって…何も聞かれなかったから」
『あの人はどうして左腕がないのですか?』
蘭「あたしもよく知らない…けど事故で無くなったとしか…」
モカ「そうだったんだ…」
ひまり「宗太さんについては?」
蘭「義兄さんの幼馴染としか知らない」
巴「あまり知らないんだな」
蘭「義兄さんが家を出て行ったのはあたしが10歳の時だったから」
つぐみ「そうだったんだね。あ、庄司くんの担当医になるって言ってたね」
コクリ
丁度、僕の定期健診は来週にある。その時に色々聞いてみよう
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蒼「あの子がそうか?」
宗太「あぁ、おそらくあの子が笹野庄司だ」
蒼「そうか。早く何とかしてやらないとな」
宗太「そうだな。お前の義妹あいつに恋しているんだからな」
蒼「お前が早くアイツを見つければいいのだがな」
宗太「ど、努力します…」
蒼「恋愛か…もう25の俺たちに縁がない話だな…若いっていいな…」
宗太「寂しいこと言うなよ…年寄りじゃあるまいし」
蒼「ふん。そうだな」
はい···謎の二人は諦めた夢をもう一度に出てきた二人でした
※これはIFの世界線です。設定も色々変わっています
もしも主人公(庄司)が学校に通うなら?
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羽丘
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花咲川