こえ無き声を届けたい   作:hirag

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4話

あの日から一週間経ったある日。それは僕にとっては悪夢の始まりだった

 

~正午~

 

いつものように注文を取り、それを厨房の義父に伝える。偶に厨房の手伝いをする

 

宗太「やぁ、少年。いつもの頼むよ」

 

そして武崎さんはほぼ毎日のようにお店にやって来てコーヒーとミートスパゲッティを頼む。

 

でも、どうしていつも奥の席に座っているのだろうか?

 

まぁ、あそこは日当たりがいいし日光浴にはいいかも

 

そう思い厨房に戻ると――

 

カランカラン

 

ベルが鳴り来客を知らせる。厨房から入り口を見ると…

 

???「よぉ!羽沢」

 

この声!あの姿!どうしてアイツが!僕の父が――!!

 

義父「正明…5年ぶりだな。何の用だ?」

 

義父が奥に隠れるように目で訴えかけてきた。その指示に従い厨房の奥に逃げた

 

宗太「少年こっちに…」

 

なぜか武崎さんも厨房にいた。ともかく武崎さんの傍により聞き耳を立てる

 

正明「人を探してな。俺の息子だが…」

 

やっぱり僕を探しに来たみたいだ…

 

義父「息子?お前に息子なんていたか?」

正明「なんだもう忘れたのか?庄司だよ庄司。俺の可愛い息子だよ」

 

可愛い息子?酒の飲み過ぎで頭がおかしくなったのか?こんな体にしたくせに

 

宗太「少年。彼は君の父親かい?」

 

コクリ

 

宗太「そうか…」

 

武崎さんは僕の頭を抱え、フロントの様子を伺う。そんな中でも話が進む

 

義父「で?その子がどうしたんだ?」

 

正明「家出したんだって!それで探してんだ!千葉で見つかんないからこっちに逃げてきたはずだ!」

 

 

義父「知らないな。千葉からここまで何キロあると思ってるんだ?それにお前家出でここまで逃げてくるのは無理だろう?」

 

 

そう。普通なら無理な話だ。傷だらけの身体なら尚更…

 

 

宗太「俺はあいつを追いかけてこっちに来た。君の捜索願を出され少々素性を調べさせてもらった」

 

僕のいない間に何があったのだろうか…

 

宗太「近所の人に君の事。そして虐待の事も。――ッ!動かないで!」

 

正明「お前が暇していることは新人でも雇っているのか?」

義父「まぁな。そんなところだ」

 

正明「ふぅ~ん。ちょっと見ていいか?」

義父「別に構わんぞ」

 

アイツがこっちに来る!どうしたら…

 

宗太「ここは任せて」

 

武崎さんはそう言うとコック帽を被り、僕のエプロンを身に着けてお玉を手に持ち立ち上がる

 

宗太「ど、どうも…新人です~」

正明「ふぅ~ん。変わったやつだな」

 

義父「そ、そうだな」

 

お義父さんも想定外の出来事のようだった。

 

正明「まぁ、頑張って」

宗太「はい」

 

義父「帰るのか?」

正明「あぁ、急いで息子を探さないといけないからな」

 

カランカラン

 

義父「しのげたか」

宗太「そうみたいですね。すいません勝手に厨房に入っていしまって」

 

義父「構いません。庄司を守っていただきありがとうございます」

 

宗太「まだ、安心できません。アイツはまた来るかもしれません。用心してください」

 

義父「何とかならないんですか?」

宗太「現時点で警戒対象ですから、勝手に捕まえることが出来ないのです」

 

義父「そうですか…」

 

二人の話を聞いた限り、アイツがここを去るのを待つしかないみたいだ

 

宗太「それより、暫く外出を控えてもらった方がいいでしょう」

 

義父「そうですね分かりました。庄司すまないな」

 

僕は静かに首を横に振る

 

分かっている。アイツがいる以上僕が外に出ることは命取りになる。

 

それならば部屋で暫くジッとしていた方がいいみたい

 

_________________

 

つぐみ「そんなことがあったんだね」

巴「益々外に出られなくなったな」

 

コクリ

 

『しばらくこの部屋に出られませんね』

 

モカ「早く帰ってくれたらいいけど…」

ひまり「あ、そうだ!蘭の家で匿ってもらえれば?」

 

蘭「はぁ⁉な、なんであたしの家に⁉」

 

モカ「おにいさんが家にいるし、その親友の宗太さんも場所が分かってて安心じゃない?」

 

つぐみ「確かにその方が安心かも…」

 

確かに青葉さんのいう事にも一理あるでも、美竹さんに迷惑をかけるわけには……

 

巴「そういえば蒼さんは普段何やってんだ?」

 

蘭「義兄さんは普段から難しそうな本を読んでる。偶にあたしも手伝っているけど…」

 

『手伝いって何を?』

 

蘭「声だしたり、腕を動かしたり。あたしには何の意味があるのか分からないけど」

 

モカ「う~ん…謎だね~」

 

ひまり「それで…庄司君の事をどうするの?」

蘭「どうするって…お父さんに聞いてみないと…」

 

_________________

 

~夜~

 

まさかアイツがこっちにまで探しに来るとは……

 

今日は武崎さんが居たから何とかなったけど、次からはどうにかしないと…

 

本当にここに居てよかったのかな?美竹さんの所に行っても迷惑になるだけなのに…

 

コンコン

 

誰か来たみたいだ。体を起こし扉を開ける。

 

つぐみ「庄司くん。少しいいかな?」

 

コクリ

 

つぐみ「蘭ちゃんがお父さんとお義兄さん話した結果、しばらく引き取ってくれるって」

 

まさかの回答だった。

 

もしも主人公(庄司)が学校に通うなら?

  • 羽丘
  • 花咲川
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