こえ無き声を届けたい   作:hirag

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6話

 

変われない証と変わることができる証…

 

 

僕は縁からボーっと外の景色を見ていた

 

 

美竹さんの回答を聞いてから2週間。

 

 

告白の事も含めて…いまだに僕は答えを見つけることが出来ていなかった

 

 

 

蒼「おや?庄司君。丁度良かった」

 

リビングから蒼さんがやって来た

 

蒼「少し付き合ってくれないか?」

 

――?取り敢えず、蒼さんの後ろをついていった

 

 

 

~蒼の部屋~

 

 

蒼「さて、定期健診をしようか。口を開けて」

 

言われたまま口を開ける。蒼さんは長い管みたいなのを僕の口の中に入れた

 

 

嗚咽しそうなのをじっと我慢した

 

 

蒼「声を出してみて」

 

声を出してって言われても出ないんですが…

 

言われたように声を出すふりをする

 

蒼「OK~じゃあ、今度は息を吸って…はい、息を吐いて~」

 

息を吸い吐く。管が喉にあたって気持ち悪い…

 

蒼「はい。もう十分だよ~ふむ…声帯は異常なしっとなると脳の方に問題があるのか…」

 

今の行為にいったい何の意味が…

 

蒼「もしかしたらだけど、声を取り戻すことが出来るかもしれない」

 

『本当ですか?』

 

蒼「あぁ、喉にある声帯には異常がなかったし、原因は脳の中にあると思うから精密検査をしないと…」

 

本当にもう一度声を出すことが…

 

蒼「病院に行く必要があるが…それは君の父親が去ってからにしよう。いいね?」

 

コクリ

 

蒼さんの部屋を後にし、自分の部屋に戻ると

 

蘭「おかえり」

 

『どうして美竹さんがここに?』

 

蘭「いたらなにかまずい?」

 

僕は首を横に振る

 

蘭「義兄に何されたの?」

 

蒼さんにされたことや僕の声が戻る可能性があることを美竹さんに伝えた

 

蘭「よかったじゃん」

 

『もし、声が戻ったら初めは美竹さんに聞いてほしいな』

 

蘭「そ、そう…楽しみにしとく///」

 

そう言いつつ美竹さんはノートで顔を隠した

 

ノートを見ると作詞用の赤いノートだった。こういう時は話しかけるのは良くなさそうだ

 

そう思い僕は部屋を後にした

 

_________________

 

~キッチン~

 

 

そろそろ何かお菓子作りたくて身体がうずうずしてきた…

 

幸い、美竹さんのお母さんに台所を使うことは許されている

 

そうだ!クッキーでも作ろう

 

 

数分後

 

 

生地も出来たし、後は焼くだけ…

 

電子レンジに生地を入れて30分待つ

 

さて、完成したら美竹さんに…

 

あれ?

 

 

 

どうして僕は美竹さんのためにクッキーを焼こうと思ったんだろう

 

 

最初はただクッキーを作りたいと思っただけなのに。声の件もそうだ

 

 

どうして一番に美竹さんに聞かせようと思ったんだろう?

 

 

それに美竹さんのことを考えると心が···

 

 

蒼「いい香りがすると思ったらクッキーか?」

 

匂いにつられてまた蒼さんがやってきた

 

『お仕事は大丈夫なのですか?』

 

蒼「あぁ、今日は幸いながら休みだよ」

 

食卓に座りながら蒼さんは左腕を小刻みに動かしている

 

蒼「こいつが気になるかい?」

 

コクリ

 

蒼「そうだな。君には話しておこうか…」

 

 

□□□□□□□□□□□□

 

 

十年前、当時の俺は15歳で父親の言いなりで華道を無理やりやらされていた

 

そんなある日、俺は息抜きに散歩をしていた。その時、公園から歌声が聞こえてその方向に足を進めた

 

公園には父親らしき人物と女の子が二人、銀色の髪の子が歌って、父親がギター。もう一人の子が小さなベースを弾いていた。

 

不思議なことに俺はその声に聞き惚れた。

 

その日から俺はその子の歌を聞くために公園に行くようになった。

 

そんなある日に、何が原因だったか忘れたが…銀髪の子が車に轢かれそうになってた

 

俺の身体は自然とその子に向かって走った

 

 

□□□□□□□□□□□□

 

 

蒼「それで気が付けば俺は病院に居た。左腕がない状態でな…」

 

『その女の子は無事だったのですか?』

 

蒼「その子は無事だったらしい。まぁ、結局その子とは直接話をすることは無かったがね」

 

庄司「……」

 

 

蒼「それで、腕がない俺に新しい腕をくれた恩人がいた。俺はその人の元で人を助ける術を教えてもらった。つまり…誰かに助けてもらった者は誰かを助けたくなるってことだ」

 

 

助けてもらった者は誰かを助けたくなる……

 

 

『立派な考え方ですね』

 

 

蒼「そうでもないさ。この理想は正直に言うと夢物語に過ぎない…どんなに苦労しても助けられない命がある」

 

 

庄司「……」

 

 

蒼「30人…この数だけは忘れられない。俺が執刀中に命を落とした人の数…俺に腕があればもっと助けられたはずだった…」

 

 

 

ピーピー

 

 

蒼「っと···湿っぽい話はここまでだ。クッキーを蘭に持って行ってやるといい。俺はまた少し散歩に行こう」

 

この人は自分で生き方を変えることが出来た人。

 

華道を辞め、医者として生きることが出来た強い人

 

僕もこの人みたいにできるだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時、僕は気が付いていなかった。

 

ある残酷な運命が迫っていることを――

 

 

_________________

 

~公園~

 

蒼「この公園も久しぶりだな…」

 

蒼は事件の日と同様にベンチに座って公園の全体を見渡していた

 

蒼「十年前とそんなに変わらないな…うん?」

 

一匹の猫が足元にすり寄ってきた。

 

蒼「おぉ、どうした?悪いが飯は持ってないぞ~」

???「にゃんちゃん…」

 

蒼「うん?」

 

声がする方に顔を向けると銀髪の少女が猫を見つめていた

 

蒼「き、きみは⁉」

 

 

 

 

 

もしも主人公(庄司)が学校に通うなら?

  • 羽丘
  • 花咲川
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