こえ無き声を届けたい   作:hirag

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7話

 

10月の中旬。普段の校内と違い、今日は鮮やかな飾り付けがされている

 

そんな中、僕は体育倉庫で前日に持ち込んだ衣装に身を包む

 

少し体が…特に頭が重たい気がするけど…まぁ、仕方ない

 

壁とか人にぶつかりそうになりながら教室に戻ると、皆が似たり寄ったりの執事服を着ていた

 

モカ「みんな中々似合っていますな~。あ、しょーくん。こっちにおいでよー」

 

蘭「さっき、見かけた着ぐるみ。あんただったんだ」

ひまり「でも、どうして着ぐるみなの?」

 

モカ「ひーちゃん。ここは女子高だよー」

巴「あー言われてみれば、女子高なのに男子生徒がいたら変だもんな」

 

蘭「そう考えれば、着ぐるみなら男だと分からないし、呼び込みにもいいかも…でも、なんで黄色い猫?」

 

『なんとなく』

 

本当は伯父さんが猫の頭部を勝手に作って、材料が無くなっただけ・・・

 

モカ「いい考えでしょう~それに文化祭にマスコットは必要でしょう」

 

青葉さんは何故か得意気に胸を張る。僕が考えた案なのに…

 

「はいはい!美竹さんと羽沢君は準備に取り掛かってください」

 

教室の隅にある看板を手に美竹さんと教室を出ようとするが、突っかかって出られない

 

蘭「アンタってホント手間がかかるんだから!!」

 

美竹さん達が押してくれている。入るときはスッと入れたのに――

 

巴「看板を一回下ろせば出れるんじゃねぇか?」

 

看板を下ろそうとするがつっかえてどうしようもできない

 

つぐみ「あれ?どうゆう状況なの?」

 

廊下からつぐみさんが変なものを見たような眼をしていた

______________________

 

蘭「だ、男装喫茶~!こ、コーヒーにパンケーキ・・・」

 

校内を歩き回って1時間が経った。美竹さんははにかみながら呼び込みを続けていた

 

多くの人から視線を感じるけど、特に3年生の教室前を通ると異様な感じがする

 

リサ「あ、蘭じゃん!」

蘭「リサさんに湊さん」

友希那「・・・・・・」

 

何故か、湊さんが僕の事をずっと見ている

 

蘭「湊さん?」

友希那「は、あら、美竹さん。いらっしゃい。中々似合っているわね」

 

蘭「あ、ありがとうございます・・・」

 

美竹さんを見てみると頬を赤らめて何とも言えない複雑な顔をしていた

 

リサ「この着ぐるみよくできてるじゃん!誰が入っているの?」

蘭「秘密です。リサさんの所は何をやっているのですか?」

 

リサ「あたし達のクラスはチュロスを売っているの。二人はどう?」

蘭「いただきます。あんたは?」

 

右手を上げて欲しい合図をする

 

蘭「じゃあ、二つお願いします」

リサ「まいどあり~。友希那~紙袋二つ用意して」

友希那「・・・・・・」

 

湊さんはまだ僕の方を見て呆けていた

 

リサ「友希那~」

友希那「な、なに?」

 

リサ「紙袋を二つ用意して」

友希那「わかったわ」

 

リサ「はい。二人合わせて300円ね」

 

左ポケットに入っている財布から300円を取り出し、穴が開いている目の部分か腕を伸ばそうとした

 

蘭「ここはあたしが払うから!」

リサ「み、見てないから。な、何もみていないからね」

 

何故か慌てた美竹さんが支払いを済ませて、支えられながら二人で屋上に向かった

 

蘭「ほら、ここなら人も来ないし、頭取れば」

 

頭を取り、タオルで額の汗を拭く

 

『どうしてさっきは止めたのですか?』

 

蘭「さっき目の部分から腕伸ばそうとしていたでしょう。トラウマになるからやめて・・・」

 

確かに…着ぐるみの目から腕が生えたら…うん、怖い

 

だからリサさんがすごい顔をしていたのか。

 

蘭「ねぇ、あんた。モカの事をどう思っている?」

 

『どう…とは?』

 

蘭「モカの事…好きなの?」

 

青葉さんの事は好きかどうか言われても、僕は分からない

 

人を好きになったことがないから分からない…このモヤモヤした感じはなに?

 

蘭「あんたがどう思っているのか分からないけど…後悔だけはしないように選択して」

 

後悔しない選択…

 

______________________

 

~教室内~

 

つぐみ「モカちゃん」

モカ「う~ん?なに?」

 

つぐみ「昔、家でやっていた演奏会のこと覚えている?」

モカ「うん。覚えているよ~ぼんやりだけど」

 

つぐみ「雄二さんに教えてもらったのだけど、昔は庄司くんの両親を呼んだりして賑やかだったんだって」

モカ「へぇ~でもモカちゃん的には、今の方が静かでいいけどね~」

 

つぐみ「でも、一日だけお店で演奏会してみたいね」

モカ「おお、それなら雄二さんのお店でやってみたいね~」

 

つぐみ「そうだね。あ、庄司くんも一回だけお店で演奏していたらしいよ」

モカ「知ってるよ。確かその時に弾いていた曲も・・・」

 

あたしは知っている。あの時の男の子が彼だってことも…

 

つぐみ「うん?モカちゃん?」

モカ「なんでもないよ~ねぇ、つぐはしょーくんの事どう思ってるの?」

 

つぐみ「ど、どうって…」

モカ「好きかどうかって事だよ」

 

つぐみ「庄司くんの事は…す、好きだよ…でも、私は庄司くんが幸せになってくれたら、私はそれでいいよ」

 

モカ「…つぐってるね」

 

つぐの言う通り。あたしは彼が蘭と一緒になって幸せになってくれたらそれでいい

 

あたしのこの気持ちはずっと胸の内に秘めておく

もしも主人公(庄司)が学校に通うなら?

  • 羽丘
  • 花咲川
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