「咲夜姉さん僕をおいていかないで、ひとりにしないで」
違うんだ違うんだ、咲夜姉さん。こんなことが言いたいんじゃないんだ、でも言ってしまうと、すぐにでもいなくなってしまう気がして、だからずっと言えない言葉がある。
涙が溢れ出してきて止まらない、笑ってないといけないのに、もう泣かない涙は見せないと決めた。
「夜去、泣かないで。姉さんも悲しくなる」
「咲夜姉さんも泣いてる」
「そうね、あなたの成長を見れないのが悲しい」
「僕毎日会いにいくよ」
「嬉しいな」
と言って僕の手を握ってくれた。
おばあちゃんを殺され、鬼から逃げていた僕を助けてくれた時に繋いでくれた暖かい手ではない。
だから、今度は僕が姉さんの手を包み込むように握った。
「夜去、冨岡さんと不死川さんと宇髄さんと三人で少しお話をさせて?」
僕は首を縦に振り、お辞儀をして外に出た。
縁側に座って、お話が終わるまで待っていた。
「夜去、伝えたいことは伝えられた?」
そこにいたのは4年前に亡くなったもう一人の姉がいた。
「どうして、輝夜姉さんが」
「伝えられてない、怖くて言えないんだ。言ってしまうといなくなってしまう気がして。だからあの時も伝えられなかった。ごめんなさい、ごめんなさい」
「ちゃんと伝わってたよ、でも夜去に言ってほしかった。咲夜もそう思ってるはず、大丈夫姉さんもついて行くからいっしょに行こ」
そう言って僕の手をとってくれた。
「ありがとう、僕行くよ」
そっか咲夜姉さんを迎えに来たんだね。
────
「お前はまだ生きないとダメだろうがぁ」
「不死川さん、私はもうダメみたいです。夜去を可愛いがってくれてありがとうございました」
「稽古と言って連れ出しては色々なところに連れて行ってくれてたこと知ってますよ?」
「夜去、全部言ってたのかよ」
「冨岡さんも、宇髄さんも本当にありがとうございました」
「夜去は俺(達)の弟、当たり前だ」
「いや、違いますよ冨岡さん私達の弟です」
「夜去は、明月達に似て顔がいい、俺が派手ないい男にしてやる。だから安心しろ」
「それは、見てみたいです宇髄さん」
どんどん衰弱して行く私を見て笑顔を失う夜去を鬼殺隊だったみんなが心配してくれた。
夜去のことをお館様はじめ、鬼殺隊のみんなが家族のように想い大切にしてくれた、それが私たちは本当に嬉しかった。
「同じ柱として、あなた達と一緒に戦えてよかった」
「姉さんのようにはできなかったけど、それでも私はみんなの力に私はなれたでしょうか」
「ああ、お前ら姉妹は本当にすごい、多くの命を救った」
よかった。私も姉さんのように沢山の人を助けられたんだ。
「三人に最後にお願いがあります」
「夜去のことをどうかよろしくお願いします」
最初は私たちの時の呼吸を継承してもらうつもりだった。
けどできなかった、あなたが私たち二人の宝物だったから。
時の呼吸は使うのは本当に辛かった、でもね夜去あなたがいたから、私と姉さんはどんなに辛くても前を向けたんだよ。
普通の生活をしてほしい。
鬼のいない世界で長生きをして、好きな事を見つけて、そして好きな人と結婚をして、そんなふうに生きてほしい。
これが私たち二人の姉の願いだ。
だからどうかあの事を知らないで、知ってしまうとあなたは絶対その道を選んでしまう、あなたはみんなが大好きでとても優しいから。
三人はわかったと言ってくれた。あの事を知っているのは私たち姉妹、柱、お館様だけだ。
もう大丈夫、何も思い残すことはない。
息を引き取るところは見せたくない、悲しませたくないから。
廊下からバタバタと走ってくる音が聞こえる。廊下は走ったらダメと姉さんと二人で言ったのに。
やっぱりダメだ最後にもう一度会いたい。
────
輝夜姉さんが急ぐよと言って走り出したので僕も走った。
いつもなら廊下は走らない、でも今日だけは許して欲しい。
部屋の前について息を整えていると、中から義勇さん実弥さん天元さんが出てきて終わったら呼んでくれ外で待っているからと言って三人は行ってしまった。
「夜去、廊下は…なんで姉さんが…」
やっぱり見えているんだ。
「咲夜、夜去が伝えたいことがあるんだって」
「僕を、僕を」
落ち着いてと言って二人が僕の手を握ってくれた。
この二人の手はとても安心する、あの時助けてもらい二人に繋いでもらった手だった。
もう泣かないとさっき決めたのに、涙が止まらない。
「僕を二人の弟、家族にしてくれて一緒にいてくれてありがとうございました。僕はとても幸せでした」
本当によかったそう言って二人の姉は、泣いて喜んでいる。
やっと伝えることができた、伝えられなかったらまた後悔していた、今言えて良かったという気持ちと悲しい気持ちが混合している。
もうすぐ二人の姉は天国に行ってしまうとわかっているから。
「咲夜、夜去おいで」
輝夜姉さんに僕たち二人は頭を撫でられ、抱き寄せられた。
咲夜姉さんは顔が赤くなっていた、昔だったら恥ずかしいからやめてと言っていたのに今日は言わない。
「あら、今日は甘えんぼさんが二人も。かわいいわねぇ」
「もぉ姉さん、久しぶりに会えたらまた揶揄って!今日だけはいいでしょ」
久しぶりに三人で笑った、もうこんな日が来ることはないと思っていた。
それから縁側に出て、輝夜姉さんの肩に僕と咲夜姉さんは頭をおき日向ぼっこをした。
昔もよくお昼に三人でこうしていた、懐かしい。
時間が巻き戻ったみたいだ。時間を戻れたら、大切な人たちを救えるだろうか。
みんなと笑い合える未来は来るだろうか、そんなことできるはずもないのに考えてしまう。
「夜去、忘れないで私たちはいつも一緒にいる、他のみんなだっている。あなたは一人じゃない。自分を大切にして、そしてみんなを大切にしてね」
はい、と返事をして目を開けると三人で繋いでいた手のひとつはなく、もう一つの手は冷たい。
お疲れ様でした、ゆっくり休んでください、どうか天国で皆さんとお幸せにそう心で思った。
咲夜姉さんをお布団に運んでそっと寝かせた。
それから、僕は義勇さん実弥さん天元さんを呼びに行った。
三人は僕の顔を見て逝ってしまったか、そう言って僕を抱きしめてくれた。
溢れ出しそうな涙を我慢した。
「義勇さん、男なら男に生まれたなら涙は流すなですよね」
義勇さんには男なら涙を見せるな、どんな苦しみにも耐えろとよく言われた。
その言葉は義勇さんも、亡き親友の錆兎さんによく言われたらしい。
「今日だけはいいんだ、俺が許す」
そう言って頭を撫でてくれた、実弥さんと天元さんは黙って僕の手を握ってくれていた。
僕もヒロインというのを入れたくなりました。誰が人気あるのかなー?
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しのぶさん
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カナエさん
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真菰ちゃん
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カナヲさん
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蜜璃さん