結局蝶屋敷で親睦会をすることになったけどよかったのかな…
私は夜去を取られてしまわないかとても心配。
しのぶのお祝いに何かお料理を作ってくれてると思うけど、倍以上作らないといけなくなった。帰ったら私も手伝わないといけない。
蝶屋敷が見える、ただいまと言うといつも玄関まで迎えに来てくれる。それがとても嬉しいし、本当に可愛い。
今日だけは来ないでほしいと思う、柱全員で押しかけでもしたら夜去に恐怖を与えるからだ。
本当は可愛い夜去を見せたくないんだけど…
「夜去という少年に会うのが楽しみだ!!思うよな!宇髄に不死川!」
「煉獄珍しく意見が合うな。夜去は俺が派手ないい男にしてやろうと思っている」
「上弦の鬼と一人で戦ったんだ、気になって仕方ねぇよ」
柱全員が一人の隊士にここまで興味を示すなんてしんじられない。
私は嫉妬で可笑しくなりそうだ……
絶対に私が夜去の事を一番大好きなのに!しのぶと真菰ちゃんにも負けない自信がある。
「夜去はいるんだろうな?」
伊黒君をここまで想わせるなんて…夜去の事が本当に大切なんだね、蜜璃ちゃんと同じくらい大切な人なんだ。
蜜璃ちゃんにも同じように想われているし、皆から好かれすぎてない?それを自覚していないのが夜去だけど…
「蝶屋敷で夕飯の支度をしてると思うわ」
「夜去ご飯作れるんだ!定食は一人で食べれなかったよ、今度行くときは伊黒さんと私の分を分けてあげるんだ!」
伊黒君が蜜璃ちゃんと一緒に夜去を連れて行ったの??
それより三人でご飯を食べに行ったの?私、それ聞いていないけど?今日の夜話を聞かないといけないわね。
最近は二人でお話しできていない、真菰ちゃんは夜一緒に寝ているから沢山お話しできていると思う。
少しでもいいから二人だけでお話ししたいな…
「ただいま」
他の柱の人には外で待っててと言ったのに、早く会いたいからと言い一緒に入ってきた。
一般隊士が私たち見てしまったら腰を抜かすと思う。
夜去泣かないといいけど、私に泣き虫と言うけれど夜去が一番の泣き虫だから。
中から走ってくる音が聞こえる、夜去とカナヲの声が近づいてくる。
「カナエさん、しのぶさんおかえりなさい。しのぶさんのお祝いにおにぎり作ったんです………」
夜去は自分の作ったと言う上手とは言えないおにぎりを持ったまま、顔を見られないように下を向いた。
私たち柱は夜去が泣いている事にすぐ気付いた、足元に大粒の涙がとめどなく落ちてくる。
何か声をかけてあげないといけないと思ったが、夜去が泣いている姿が綺麗で私たち柱とカナヲは見ることしかできなかった。
「すまない夜去少年…怖い思いをさせてしまった」
煉獄君が謝ったのをきっかけに他の柱も頭を下げている。
夜去は何かを言いたそうに顔を上げたが、声が出ていない。
自分の想いが伝わっていない事が分かると、夜去はその場から逃げて自分の部屋に閉じこもってしまった。
「夜去どうしちゃったのかな…カナエちゃんにしのぶちゃん。私たち柱が怖かったのかな…」
「わかりません、でも何か言いたそうだった」
しのぶの言う通りだ、何か一生懸命伝えようとしていた。
「胡蝶待っていいか?夜去が来てくれるのを」
夜去もそれを願っていると思う、感情の整理ができたら出てきてくれるはず。
お料理を作る人、机を出したりする人に分かれ準備を始めた。
意外にも早く終わり夕方には親睦会を始められるようになったが、夜去は部屋から出てきてくれなかった。
しのぶと真菰ちゃんが夜去を呼びに行きたいと言っていたが、蝶屋敷の主の権限を使って私が呼びに行くようにした。
「夜去大丈夫?」
部屋の中からは鼻を啜る音が聞こえる、今も一人で泣いてるんだ。
だから外に出てきてくれないんだ、私たちに涙を見せないように、不安にさせないようにしている。
「入っていい?」
障子を開けると壁際に座っている夜去がいた、その姿を見て私は抱きしめてあげたくなった。
夜去の前で泣くといつも揶揄われるから、私が今度は意地悪してあげよう。
「何で泣いてるの??もしかして私たちが怖かった??」
夜去を抱きしめ頭を撫でていると、私の肩に顔を埋めて先程以上に泣き始めた。
本当は男性が女性にしてあげる事だと思うけどね、いつか私にもしてよね…
「怖くなんてない、会えた事がすごく嬉しかった……それを伝えたかったのに、声が出なかった…」
「またみんなの前で声を出せないと二度も傷つけてしまう…それが嫌だったから部屋から出られなかったんです」
「いつも伝えられない、あの時も姉さんがいたから伝えられた…」
気にする事ないのに、みんなわかっていた夜去が何か伝えようとしてくれていたことは。
あの時というのがわからないけど、お姉さんが勇気をくれたのかな、手を引っ張ってくれたのかな。
仕方ない今日だけは私が夜去の姉になろう。
私がいるから一緒に行こう、みんなも夜去の想いを聞きたいはず。私も一緒に行くから伝えられる。
「大丈夫、私もついて行くからいっしょに行こ」
「手を繋いであげよっか?泣き虫さん」
「うるさい、カナエさんも同じでしょ泣き虫」
前言ってたでしょどんな私でも受け入れてくれるって。それは私も一緒どんな夜去でも受け入れる。
だからこれからも一緒に泣いて、一緒に笑って。なんか告白みたいで恥ずかしくなってきた、夜去が言ってくれないなら私から言うから待ってて。
こんなに好きと思える人ができるなんて幸せなことだと思う。
生きていてよかった、この人とずっと一緒にいたい。
「私の方が年上で階級も上だけど?柱の命令に逆らうの?」
命令とは私と手を繋ぐこと、夜去は顔を紅くしながら何か文句を言っているが繋いでくれるまで何も聞いてあげない。
「カナエさんは意地悪です。他の人には女神のように優しいのに」
「繋ぐよ、みんなの前では離して」
「好きな人には意地悪したくなるものよ?夜去は私のことどう思ってるの?」
「どうしよっかな〜」
好きと言ったのにわかってないんでしょ、夜去は私のことをどう思ってるのかな。
どうしようと言いつつも離す気はない、みんなに見せつけてやるつもりだ。
それに恥ずかしがっているところを見たいのも少しある。
「カナエさんはとても意地悪な人。帰るの少し遅れただけで色々言ってくるし、入夜さんの名前出しただけで怒るし、それに怒ると一番怖い」
本当にわかってない!それは私が貴方を愛してるからなのよ、ほんっと天然なんだから女心を勉強して?
ちょっと待って、それで終わり?いいところ一つも言ってないよ?
「でも僕はカナエさんが大好きです、貴方の笑顔が大好きです」
「相手の事を想いやる事のできる、カナエさんを心から尊敬しています」
「……」
「カナエさん照れてる!顔紅くなってるよ?」
それは反則だと思う、夜去にそれを言われてしまったら私は嬉しさ隠しきれない。
すごく笑われている、さっきまで泣いていたのに…私を揶揄う人なんて夜去の他にいない。
私を揶揄って楽しんでいる事は絶対に許さない、手を絶対に離してやらないと決めた。
夜去と繋いだ手はこの先も離さない、貴方が離して言っても離さないから。
「夜去覚悟してね?」
「え…カナエさんはごめんなさい、許してください」
「もうダメ、許さないから安心して」
手を引いてみんなが待っている部屋に夜去を連れて行く。
部屋の前まで着くと、手を離してと子供のように駄々をこねる人が横にいたけど無視をした。
私と繋いだ手も解けないほど力がないのかな…私を守ってくれた時はあんなに力強そうにしていたのに。
私が絶対に離さないから夜去を見失うことはない、どこにいても見えなくても貴方を見つけだす。
「連れてきたよ今日の主役」
もう今日の主役は夜去だと思う、みんな親睦会のことは頭にない。
部屋にいた全員が私たちを見ている、夜去の顔を見たあと私と繋いでいる手を見ていた。
「主役じゃないから!それに手離して……みんなの前では離すって言った」
「かわいいね夜去は、そんなこと言った??それより、みんなに言いたいことがあるんじゃないの?」
「あります………怖くて泣いてたんじゃないんです、会えた事が本当に嬉しくて泣いてしまったんです」
「皆さんは僕に手を差し伸べてくれた、暗い場所から救い出してくれたんです。本当にありがとうございます」
「ずっと会いたかった。皆さんは僕の憧れで、僕にとっての英雄なんです」
自分たちが怖いから泣いたのではない事を聞き、柱は安心した。
私にはわからない事を夜去は一人で話していた。頭でではわからないけど、心ではわかった気がする。
私たちが知らない事を知っている、それは辛くて悲しい現実なんだと思う。
夜去は一人でずっと抱えている、話してしまうと私たちの心が折れてしまうかもしれないから。
私の心が折れる時、それは夜去を失った時だ。
その場にいた全員が思った、夜去を守ってあげないといけないと。
「僕はどこに座ればいいですか?」
そこからは夜去の取り合いになってしまった、私が一番恐れていた事だ。
「夜去少年は俺の横がいいという顔をしている!俺の横に来るといい、たくさん話をしよう!」
「夜去と千寿郎を一緒に稽古をつけてあげたい!いや、していたような…むぅ、いつしていたのだろう!」
どんな顔なんですか?そんな顔はしてないと思いますけどね煉獄君…
稽古をつけていたら煉獄君の継子になってるでしょ、夜去はお師匠とかいるのかな?
「俺の横に来い、派手ないい男にしてやる」
「約束したからな夜去を派手ないい男にしてやると…誰とした約束だ?まぁ、いいから俺の横に来い」
誰とした約束かぐらい覚えてて?夜去はいい男の子になってると思うけどな、少し頼りないところもあるけど…そこも可愛くていい。
「ここに来い…」
不死川君から誘うなんて珍しい、座布団をぽんぽんと叩きながら呼んでいる。
不死川君も夜去を好きになったんだ。
みんなから好かれすぎよ?その中でも私が一番なんだけどね。
「夜去、私と伊黒さんの間に来てよ!ご飯食べさせてあげるよ、前食べられなかったでしょ」
「俺と甘露寺の間に来るといい、胡蝶みたいに夜去を縛らないぞ」
どういうことかな夜去?前は食べられなかったから蜜璃ちゃんに食べさせてもらったの?
伊黒君の言葉を聞き二人の方に行こうとした夜去を抱きしめた、二人の元に行かせないために。
失礼な事言わないでほしい、縛っているんじゃない。いなくならないように、消えてしまわないように離さないだけだから!
「僕二人のところがいい…」
「行かせないよ?行ってもいいけど、ずっと手を繋いでいるんだから私も行くよ?」
しのぶと真菰ちゃんが慌てている、今日は二人にも夜去をあげない。
「夜去、俺と義勇の間に来るか?」
「夜去、俺の膝の上が今は空いている」
水柱の二人は一番注意しなくてはいけない、今日なんて夜去を連れて帰りそうな気がする…
膝の上が空いていない人なんて今いないから、私だって空いてる。
「夜去、僕と兄さんと一緒に食べようよ」
霞柱の二人も水柱の二人と同じような感じがする。第二の水柱として要注意しておかないといけないと思った。
「私のところへおいで。夜去」
悲鳴嶼さんに言われてしまったら私は何も言えない。悲鳴嶼さんは私としのぶの命の恩人だから。
それに夜去と悲鳴嶼さんは対照的だ、二人が仲睦まじくしているのが想像できる。
悲鳴嶼さんだけじゃない、鬼殺隊全員に可愛がってもらい、笑い合っている夜去の姿が、鮮明に頭の中に浮かぶ。
「姉さんいつまで夜去を抱きしめてるの!手も離してあげて、困ってるから!夜去私のところに来て」
しのぶがすごく怒っている、困ってないと思うけど?しのぶの気のせいじゃないかしら。
「カナエちゃんずるい、夜去は私の横がいいはずだよ」
真菰ちゃんだけにはずるいと言われたくない、いつも二人で寝てる、手も繋いでるでしょ。
「夜去どこに座るの?私は夜去の横だけど」
「姉さんずるい。姉さんだけ絶対横になるじゃない」
しのぶに続いて他の柱も言いだした、夜去と会う前は、遠慮をして誰かに譲ってたんだと思う。
でも夜去のことになると誰にも譲ることができない、諦められない。
「私は夜去の横だから、手を繋いでおくって約束したから」
「約束したよね?それでどこに座るの?」
どこに座るか、誰の横を選ぶのかすごく気になる。
「座布団あと二枚ありますか?」
丁度二枚あったけど…誰か他に来るのかな。
帰ってきたら私とまた手を繋ぐ事を約束して、夜去は座布団をとりに行った。
「ここに二枚置いてもいいですか?」
いけないと言う人はいない。けどその場にいた全員が驚いた、夜去が誰のためにしているのかわからなかったから。
不思議そうにしている私たちを見て、夜去は話を始めた。
「二人にも幸せな時間を過ごしてもらいたい…自分の席がなかったら二人は悲しいと思うから、忘れられたままだと辛いから。二人も皆さんとお話をしたり、一緒にご飯を食べたいと思いますけ」
「いつも一緒にいてくれるんです、そうですよね輝夜姉さん、咲夜姉さん」
二人のお姉さんも夜去が弟で心から嬉しいと思う、自慢の弟で大切な家族なんだ。
いつか私も二人に挨拶をしたい、結婚相手として。
夜去は本当に優しい、愛おしすぎてまた抱きしめてしまった。夜去のお姉さんの前なのに…恥ずかしいことしちゃった。
「カナエちゃん夜去の事がそんなに好きなんだ……また会えたら、夜去の好きなところや、惚気話をたくさん聞かせてね」
「カナエちゃん今度は蝶屋敷のみんなと夜去と幸せになって、そして私と咲夜の大切な夜去をどうかよろしくお願いします」
とても懐かしく優しい声が私には聞こえた、その声を私は知っている。
誰かは思い出せない、でも私にとってとても大切な人だと思う。
周りを見渡しても誰もいない、夜去に聞いてみる事にした。
「夜去、声がきこえなかった?すごく優しい声」
「私はその人のこと思い出せない…この先もずっと思い出すことができないのかな?」
「私も聞こえた」
「知っているのに、わからない。早く思い出したい、忘れていたくない」
「絶対に思い出せます。カナエさんとしのぶさんの親友だから」
いつか思い出し鬼がいなくなったら、笑ってお話しをしたい、二人で普通の女の子のように遊んでみたい。
大切な夜去をよろしくお願いしますと言われてしまった、夜去との結婚を認めてくれたってことかな?
「しのぶは何て言われた?」
しのぶも同じような事を言われている気がする。
「今度はカナエさんと蝶屋敷のみんなと夜去と幸せになってって。そして私と輝夜姉さんの大切な夜去をよろしくお願いしますって言われた」
絶対そうだと思った、二人とも結婚を認めてもらったってこと?私としのぶは、今度はという言葉が妙に引っかかった。
「夜去のお姉さんがね、結婚を認めてくれたの」
「姉さんだけじゃない。夜去、私も認められた!」
「どういう事ですか?絶対に違うよ、まだ早いし……絶対に輝夜姉さんと咲夜姉さん言わない」
「二人はわかってるはずだから……」
認められたよ、ですよね輝夜ちゃん。久しぶりに名前を呼んだ、とても懐かしい。
何がわかってるの?夜去は結婚や恋の話になるといつも悲しそうな顔をする。
「カナエちゃんとしのぶちゃんは賢いけど、たまに天然なところがあるよね」
「夜去に結婚の話はまだ早いよ…」
「いつか夜去が自分から話すと思う。それを一緒に背負ってがあげてください、お願いします」
よく輝夜ちゃんには慰めてもらっていたような気がする、私にとっては親友で姉のような人だったんだろうな。
結婚の許しではなかったんだ、でもいつか認めてもらいたいな…
輝夜ちゃん大丈夫だよ安心して、私はどんな夜去でも私は受け入れるから。
「ありがとう、カナエちゃん…」
輝夜ちゃんは泣いていた、夜去にすごく似ている。
三人はすごく似ているんだろうな、夜去が美形だから輝夜ちゃんも咲夜ちゃんも綺麗な人なんだと思う。
「夜去どういうこと!私も夜去のお姉さんと仲良くなれるかな?」
「はい!真菰さんなら絶対に仲良くなれます」
「よかった!」
話に夢中になり今とても大事なことに気がついた。
さっきまで横にいた夜去がいない、繋いでいた手も離れている、そして反対側の煉獄君たちの横に座っている。
もう私に気付かれないと思い何事もなかったかのようにお話をしている。
「夜去…わかってるよね?手を繋ぐって、離さないって約束したよね?」
「今日は私と同じ部屋で寝ようね。聞かないといけないことも沢山あるし」
「胡蝶、夜去とは俺が手を繋ぐから大丈夫だぞ!」
「大丈夫ですよ煉獄君。夜去わかった?」
「カナエさんわかったから…怒らないでよ?」
「大変だな、胡蝶姉妹もこんなになるのか…」
「助けてください天元さん。カナエさん他の人には優しいのに、僕にだけ怒ったり、意地悪してくるんですよ」
「夜去、これは私の気持ちの現れなんだからね?わかった?」
夜去だけでいいの、私がこんな風になってしまうのは…
日常回を少し書いてもいいですか?三人との日常もあります
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イーオ
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ヨロシクナイ