「うまい!うまい!この味噌汁はうまい!」
杏寿朗さんの横で一緒にご飯を食べている事が夢のようだ。今度は千寿郎も一緒がいいな。
やはり声は大きく、どこを見ているのかはわからなかった。
何も変わらない僕の知っている杏寿朗さんだった。
「杏寿郎さん、さつまいものお味噌汁好きですもんね」
「夜去はなぜ俺の好物を知っているんだ?超能力か何かか?」
超能力か…今そういうことにしておこう。
この幸せな時間を壊したくない、今日だけは暗くしたくない。
僕の我儘で本当にごめんなさい、いつか笑顔で自分の口から伝えるから。
「夜去は未来が分かるんでしょ?」
カナエさんとしのぶさんには気付かれている、しのぶさんが蟲柱になると前から言っていたからだ。
でも気付かれているのは、それだけだと思う。
「そうなんです、僕超能力が使えるんです。好きなものを当てたり、少しなら未来が分かります」
「本当か!試しに俺の未来を予想してくれないか!」
杏寿郎さんの勇敢な姿、誰も死なせず全員を守ったこと、その姿に僕と千寿郎を含め沢山の人が勇気をもらったことを伝えたい。
心を燃やせという言葉に僕と千寿郎がどれほど背中を押してもらっただろう。杏寿郎さんから多くの事を教えてもらった。
僕の持っている力は大切な仲間のために、助けを求めている人のために使います。
これは貴方が教えてくれた、とても大切な事だから。
「杏寿郎さんは仲間の為、助けを求めている人のために最後まで戦います。誰も死なせない、守り抜きます」
「そんな姿に二人の少年は憧れるんです、沢山の人に勇気を与えます」
「鬼がいなくなったら、お父さんと弟さんとたまに親子喧嘩をしながらも、三人で仲睦まじく暮らしていると思います」
最後のは僕の願いだけど…二人は杏寿郎さんの帰りを待っています。
今度は三人で幸せな未来を生きてください。
千寿郎、安心して絶対に守るから。
「俺はちゃんとできているだろうか…俺の責務を全うできるのだろうか……」
「父上と千寿郎とか…それはいい未来だ」
千寿郎もお父さんもお母さんも杏寿朗さんの事を誇りに思っている。
今の自分に自信がないんだ、杏寿朗さんにもこんな時があったんだ。
「杏寿郎さん、心を燃やすんです」
「絶対に大丈夫です、杏寿郎さんなら絶対に守れます」
杏寿郎さんは驚いていた、それは僕がこの言葉を知っていたからだと思う。
僕は知っているんです、貴方が成し遂げた事を。
「ありがとう夜去、そうだな!時間の流れは止まってくれない、下を向いてなどいられないな!」
本当に何も変わらない、やっぱり貴方はすごい。
僕なんかすぐに下を向いてしまうのに。
「ところで夜去、二人の少年とは誰なんだ?」
それは僕と千寿郎のことだけど、貴方に憧れ二人で毎日稽古をしたんです。
「それは……内緒です。恥ずかしくて言えません」
いざ本人に言うとなると恥ずかしい。
いつか二人で言いたいな。三人でまた稽古もしたい、そして焼き芋を食べるんだ。
これは親友の千寿郎との大切な約束。
「とても気になる!夜去がなぜ照れている、可愛いな!」
「俺は夜去が好きだ!胡蝶」
可愛いはやめてもらいたい、全員から言われる一人ぐらいかっこいいとかにしてよ。
いきなり好きだと大きな声で言うからびっくりした。
僕も同じです、杏寿郎さんの事が好きです。
「ダメですよ煉獄君」
「むぅ…」
「煉獄と面白い話をしているじゃないか」
「俺の未来はどうなる?夜去」
天元さんは自分だけ最期の戦いに参加できなかった事をずっと後悔していた。
自分だけ痣も出ずに生きてしまった事を気にして、夢を持つ事を姉さんたちのように諦めていた。
諦めなくていいんです自分のしたい事をしていいんです、お化粧の仕事は辞めた方がいいかもしれないですけど…
天元さんに、お化粧をしてもらった事が嬉しくて輝夜姉さんと咲夜姉さんの元に行くと二人はとても嬉しそうに笑っていた。
あの時の二人の笑った顔は今でも忘れない。
あとで気が付いた、僕の顔があまりにも酷かったから二人は笑っていたんだ…でも嬉しかった、二人が笑ってくれた事が。
随分と前の事なのに昨日の事のように思える。
「天元さんは仲間と協力して強い敵に打ち勝ちます」
「鬼のいない世界で夢を見つけ、大切な奥さんたちと平和な日々を過ごしていると思います」
「俺にできるのか?俺は他の柱のように才能がない、強くもない」
「そんな未来だったらいいのにな…」
できます、天元さんには柱の皆さんと同じように多くの才に恵まれている。
そして仲間のために命を懸けることができる、強くて優しい人です。
僕も何度も貴方に背中を押してもらった、みんなから反対されても天元さんだけは送り出してくれた。
「天元さんは仲間のために命を懸けれる強い人です」
「天元さんはわからないと思うけど、僕は何度も貴方に背中を押してもらったんです、支えてもらったんです」
「本当にありがとうございます」
「本当か?本当に俺が夜去の支えに?それはいつなんだ?」
「はい!もう少し先ですけど、いつかわかります」
「天元さん、ありがとうございます」
先じゃないよ、ずっと前から貴方は僕の支えでした。
天元さんに頭をくしゃくしゃとやられた、大きな手で頭を乱暴に撫でてもらうのが僕は大好きだった。
その大きな手で背中を押してもらった。だから一歩踏み出すことができたんです。
感謝をどれほど言っても伝えきることはできないと思う。
成長した姿を見せたい、それが僕にできることだから。
久しぶりに頭を撫でてもらい、嬉しくて顔は気持ち悪いくらいの笑顔だと思う。
「夜去は可愛いな!俺の家に連れて帰りたい」
「胡蝶」
「ダメです」
「俺の未来を教えてくれ夜去」
実弥さんと玄弥さんは僕の事を弟のように可愛がってくれた。
二人が連れて行ってくれた場所はよく被っていた、二人は誰がなんと否定しようとも兄弟なんだよ。
最初実弥さんに会った時は怖くて泣いてしまった、でも次にあって少しお話をすると僕は実弥さんのことが好きになっていた。
実弥さんは僕を外に連れて行ってくれた、綺麗な景色を見たり、二人で美味しいもの食べたりした。それが楽しくて嬉しかった。
実弥さんと玄弥さんには二人で時に喧嘩をしながらも、二人で笑い合いながら生きてもらいたい。
それに今の実弥さんには言わないといけないことがある。
「実誠さんは最後まで柱として、仲間のため、弟さんのために戦います。風のように沢山の人の背中を押します」
「鬼のいない世界で実誠さんは弟さんと二人で喧嘩をしながらも、笑い合いながら一日一日を生きてほしい」
「俺が柱としてか…」
「弟はいねぇ、一人だ」
やっぱりだ、二人は勘違いをしている。一人じゃないよ、玄弥さんもいる、僕たちもいます。
「実弥さんによく似ていた人を知っています。その人から伝えてほしいと言われました」
「素直になれと」
実弥さんに伝えてくれと言われた、やっと伝えられた。どちらかが勇気を出したら二人は仲直りできる。
二人とも相手の事を大切に思っている、どれほどすれ違ったとしても昔のように仲直りは絶対にできます。
「実弥さん、今じゃなくてもいいです。弟さんのお話も聞いてあげてください、想いは同じはずです」
「何で夜去が泣くんだ、俺が泣かしたみたいじゃねぇか。わかった、わかったから。でも今はまだ無理だ」
「でも、いつか三人で行くか……おはぎを食べに」
三人で行ったことなんてない、実弥さんと二人で、玄弥さんと二人でなら行ったことがある。
きっと賑やかなんだろうな、二人はおはぎの取り合いになりそう。
「はい!行きたいです」
「あぁ、約束だ」
新しい約束ができた、僕には守らないといけない約束が沢山ある。
「俺も夜去のことが好きだ…」
あの時もそう言ってくれたのかな、そうだったら嬉しい。
僕も同じです、優しい実弥さんが玄弥さんが好きです。
「夜去、私の未来はどうなるの!?」
蜜璃さんは自分は人とは違って異常だと言っていたがけど、異常なんかじゃない。
でもひとつだけ特別な事がある、それはみんなを笑顔にできる事。
自分では気づいていないかもしれないけど、蜜璃さんがいると明るくなるんだ、貴方はみんなの明かりなんです。
蜜璃さんを幸せにしてくれる人はすぐ近くにいます、誰よりも貴方のことを想っています。
「鬼のいない世界で蜜璃さんは優しい人と結婚をして幸せに暮らしています。二人で定食屋を始めているかもしれないです」
「えぇぇぇぇぇぇぇ、本当なの?私にそんな人が現れるの?私は人とは違うのに…こんな私を認めてくれる人いるの?」
人と違っていいんです、それは蜜璃さんのいいところだと思います。
小芭内さんはどんな蜜璃さんでも受け入れてくれます。
小芭内さんや僕を含め蜜璃さんのことを認めている人はたくさんいます。
「蜜璃さんは確かに特別です…」
そんな暗い顔をしないでください、僕が伝えたいのはこの後なんです。
「それはたくさんの人を笑顔にできる。貴方にしかできない特別な事です」
「みんな蜜璃さんんの事を認めています」
「蜜璃さんを幸せにしてくれる人はとても近くにいますよ?」
今度は二人で未来を生きてほしい、来世とかじゃなくて今世を二人で。
二人が願ってくれたように僕にも願わせて、蜜璃さんと小芭内さんの幸せな未来を。
「夜去……ありがとう。私やっぱり夜去のことが大好きだよ!」
「僕も同じです」
「恥ずかしいからやめて、みんな見てますよ」
蜜璃さんに抱きしめられた。それをみんなが見ている、小芭内さんも見てるし。
でも小芭内さん嬉しそうに笑っていたけど、どこか悲しそうだった。
他の人だったらどうなっていたんだろう…
「もう離さないんだから、本当に可愛い。独り占めしたくなっちゃう!」
「蜜璃ちゃん夜去恥ずかしがってるから離してあげて?伊黒君あれ許していいの?」
「蜜璃さん離してあげてください、かわいそうですよ!」
「カナエちゃんもさっき同じことしてたよ?しのぶちゃん変わりたいの?二人にも譲らない!」
「あのこと夜去に言っちゃうよ?」
「それは…何もありません」
「夜去俺の未来も聞かせてくれ。自分ではわかっている、俺の未来なんて…だからこそ夜去の口から教えてほしい」
小芭内さん今なら僕は貴方が幸せになっていいと断言できる、あの時は言えなくてごめんなさい。
貴方が幸せになる事がいけないわけがない、小芭内さんは蜜璃さんと一緒に未来を生きて。
過去がどうであろうと関係ない。小芭内さんが幸せになってはいけないと言う者がいるなら、僕が殴り飛ばす、絶対に許さない。
「小芭内さんは大切な人と二人で幸せに暮らしています、誰かは言わないでおきますね」
「そんなことありえない、俺は幸せになってはいけない人間だ」
「誰か言ったんですか?小芭内さんが幸せになってはいけないって」
僕に沢山の幸せを与えてくれた人が幸せになってはいけないはずがない、お願いだからそんなふうに思わないで。
「自分でわかっているんだ、だから夜去が泣く必要はない」
「貴方は沢山の幸せを僕に与えてくれた、なんで幸せを手にしちゃいけないの?お願い、お願いだから、そんなふうに思わないでください」
「僕がそんな世の中は変えるから、小芭内さんを助け出すから。だから自分も幸せになりたいと、好きな人と生きたいと願ってよ」
小芭内さんが泣いているのを初めて見た、僕の想いが届いていたらいいな。
「夜去にそれほど泣きながら言われたら断れないな…俺を救い出してくれるのか……」
「夜去は俺にとっての英雄だ」
「こっちに来い」
小芭内さんの方に行くと、蜜璃さんと同じように抱きしめられた。やっぱり二人は似ている、とてもお似合いですよ。
頭も天元さんのようにぐしゃぐしゃと撫でられた。
「小芭内さん恥ずかしい、頭もそんなに撫でなくていいから」
「ありがとう夜去」
感謝するのは僕の方なんです、こちらこそ僕に沢山の幸せをくれてありがとうございます。
「それでさっきの話なんだが…俺は本当に…甘露寺と……」
絶対にそうなります、二人は両思いなんだから。でも言ってしまったら面白くないよね。
蜜璃さんとの幸せを願っていてほしい。
だから誰かは言わないし、さっきのも嘘と言うことにした。
「そんなこと言いました?忘れてしまいました、小芭内さんに未来は絶対に教えません!」
「言ってもいい嘘といけない嘘があるぞ、逃げるな夜去!俺の元に戻ってこい、お仕置きで俺の膝の上に座らす」
「一つだけ、小芭内さんの未来は明るくて暖かくて幸せが溢れています」
「そうか、俺は夜去を信じる」
「俺と義勇の未来はどうなる?」
「錆兎さんと義勇さんは水柱として戦い抜くんです」
「そして、錆兎さん義勇さん真菰さん鱗滝さんで仲良く暮らしていると思います」
義勇さん、もう一人で抱え込まなくてもいいんです。錆兎さんに真菰さんもいる三人そろえば無敵だから。
僕がいなくても、一人でご飯を食べなくてもいいんです、大きな部屋で一人で寝なくてもいいんです。
「俺は錆兎のようにはできない、水柱を務める事ができない」
それぞれの出来ない事を補い合っていけば大丈夫です。
今度は一人じゃないから二人で、いや三人で乗り越えていけばいいんです。
「二人でなら務められますよ、二人でならどんな困難も乗り超えていけると思います」
「買い被りすぎだ、俺も義勇もそれほど大した人間じゃない」
二人は僕の憧れだ、でも僕に憧れられても嬉しくないよね。
「僕は二人のようになりたいです、勝手に目標にさせてもらっています、憧れなんです。僕にとって二人は偉大な人です」
「僕に憧れられても、目標にされても嬉しくないよね…」
「いや、俺たちには一番嬉しい言葉だ。待ってるから追いついてこい」
絶対に追いつきます、柱の皆さんに。そして横に並びます、真菰さんと一緒に。
義勇さんと錆兎さんは僕を膝の上に座らせて、頭を撫でている。二人といると安心する、姉さんたちのようだ。
そう思っていると背筋が凍るような嫌な視線を感じた。
「あははは……カナエさんにしのぶさんに真菰さん、どうしたんですか?」
「いいのよ、気にしないで。後でね?」
絶対に後で何か言われるな…覚悟しておかないといけない…
「錆兎さん義勇さん、カナエさんとしのぶさんどうにかしてよ…真菰さんはまだ優しいけど二人はすごく怖いんです」
「いつでも水屋敷に逃げてこい、俺たちが匿ってやる」
「俺たちにとって夜去は弟のような存在だ」
「ありがとうございます、錆兎さんと義勇さん」
怒られた日は水屋敷に逃げることにしよう。
部屋に連れて行かれ正座で話し合いになるから…入夜さんの名前を出した時なんて…思い出したくない。
二人が弟のように思ってくれていることが嬉しい。姉さんたちのような感じがしたのも、僕が二人を兄さんのように思っていたんだ。
「何か言った?よく聞こえなかったけど」
「夜去わかってるよね?蝶屋敷からは逃げられないわよ?柱が二人いるんだからね」
大丈夫ですよ、柱二人が迎えに来てくれるんです。
ですよね錆兎さん義勇さん!二人の顔を見てそんな希望は儚く消えた。
「自分の足で逃げて来ないと、夜去のためにならない」
なんで棒読みなの……
「夜去さん、俺と無一郎の未来も教えてください」
二人は沢山の人を助けれために無限の力を出す事ができるんだ。
手に入れた力を杏寿朗さんのように助けを求めている人、弱き人のために使う事ができる。
二人は血の滲むような努力をしたんだ、だから二ヶ月という短な期間で柱になった。
「有一郎さんと無一郎さん弱き人、助けを求めている人に手を差し伸べることができます」
「二人はとても仲がいいから、支え合って楽しく生きてると思います」
「俺と無一郎は始まりの呼吸の子孫だから、二ヶ月という短な期間で柱になれた。あれほど強い夜去さんより先に柱になれるなんて、俺たちがすごいんじゃなく、流れている血がすごいだけなんです」
始まりのの呼吸の子孫だからすごいんじゃない、二人自身がすごいんですよ。
血の滲むような鍛錬を続けた、それは普通の人ではできない事です。
僕なんかと比べなくていい、二人は柱の皆さんと同様にもっと高い場所にいるんだから。
「始まりの呼吸の方の子孫だからすごいんじゃない、有一郎さんと無一郎さんがすごいんですよ」
「もっと自信を持っていいと思います、自分がわからなくなったら言ってください。二人のすごいところを嫌というほど話しますから」
「夜去さんの言う通りです。無一郎はすごい奴なんです。無一郎の無は無限の無だから」
「俺の有には特に意味がない」
名前の意味は絶対にあります、両親は絶対に名前に意味を込めてくれています。
例えなかったとしても自分で作ったらいいんです。
「有一郎さんの有は有り難うの有だよ。有一郎さんも無一郎さん同様、沢山の人を助けれます。そしてその方達から感謝を述べられるんです」
「僕も言いたいです、有一郎さん無一郎さん有り難う」
「なんで夜去が感謝するの?僕も有り難う兄さん、夜去!」
有一郎さんの涙を見て、無一郎さんも貰い泣きをしていた。あれ…さっきから泣いてる人多いような、気が僕もだけど…
「有り難う、夜去さん、無一郎。俺の名前の意味、有一郎の有は有り難うの有……とてもいい言葉ですね」
すごくいい言葉ですよ、人を幸せな気持ちに、暖かい気持ちにできる言葉。
「夜去さん…俺も無一郎と同じように呼んでもいいですか?」
無一郎さんと同じように…あ、夜去って呼んでくれるのかな。
「全然いいですよ!」
「今度、僕に恋のこと教えてくださいよ。友達として」
「夜去は好きな人ができたの?」
違いますけど…僕も気になる年頃ですよ…僕のことを受け入れてくれる人がいるならば…許されるならば恋をしてみたい
それに小芭内さんと蜜璃さんの願いだから。
「時透君、夜去との恋の話は私にも教えてね?」
「絶対に教えないでください、絶対に何かされるから…」
嫌な予感がした、部屋でまた正座させられるのはもう嫌です。
「夜去は天然で鈍感だ。俺は伝えれます、夜去の事が好きだよ」
「僕も僕も!兄さんと一緒、夜去の事すき」
僕も二人と同じ気持ちです。
有一郎さんと友達になれた、無一郎さんは前は心を閉ざしていたのに今はこんなにも明るい。
心を閉ざしているときでも、時屋敷に誰もいない時は僕が眠るまで側にいてくれた柱は忙しいのにも関わらず。
二人でずっと仲良く、今のように笑って生きて。
「夜去、私も未来を聞いてもいいか?
行冥さんは柱の中の柱として鬼舞辻無惨と戦うんだ、鬼殺隊を背負うというのはお館様同様すごく荷が重いはずだ。
でも決して逃げ出さない、人々が平和に暮らせる未来のために。
「行冥さんは鬼殺隊を最後までお館様と導きます。子供たちが笑える未来のために最後まで戦います」
「行冥さんに感謝している人は沢山います。カナエさんにしのぶさんもそうです、僕もそうだから」
前に行冥さんの屋敷に泊まった時に言われた、私は感謝して欲しかったと。
守れなかった子供たちも感謝しているはずです、きっと何か理由があったんだと思う。
行冥さんが助けた女の子がいつか伝えに来てくれます、ありがとうって。
「感謝してもらいたかった、沙代にだけは…」
「他の子供たちも私を信じずに逃げてしまった…」
沙代さんも感謝しているはずです。他の子供たちも行冥さんを信じていなかったのかな…いや信じていたと思う。
「行冥さんが信じてあげないでどうするんですか?」
「絶対に感謝してるはずです。いつか想いを伝えに来てくれるから信じて待ってあげてください」
「一番信じていないのは私の方か…夜去の言うように待つ。沙代がいつか会いに来てくれるのを」
「夜去は私が怖くないのか?」
行冥さんに初めて会ったのは…そうだ輝夜姉さんと行冥さんの屋敷に行った日だったな。
初めて会った時は怖くて姉さんの後ろに隠れてしまった、でも行冥さんは僕の手を握り目を見て話してくれた。
全然怖くなんてなかった、優しさに溢れている人だった、暖かい人だった。
次に目が覚めると行冥さんにおんぶしてもらっていた、その背中がとても好きだった。
それからはよく泊まりにも行った、炊き込みご飯美味しかったな、また食べたい。
「怖くなんてないですよ、優しい事を知ってるから」
「そうか…ありがとう夜去」
「夜去は他の者の言うように可愛い。何か私にしてほしい事はないか?」
してほしい事は沢山ある、おんぶもしてほしい、泊まりにも行きたい、炊き込みご飯も食べたい。
「お泊りに行きたいです…行冥さんの炊き込みご飯も食べたい」
おんぶしてほしいとは恥ずかしくて言えなかった。
「わかった、全部しよう。私の背中に来るといい」
「いいな、カナエにしのぶ」
昔と変わらない、安心する背中だった。僕も行冥さんのように大きくなりたかった、頼ってもらえる、安心させられる人になりたかった。
「はい…夜去は行冥さんに甘え過ぎ、私たちにももっと甘えてよ!」
とても賑やかだった、久しぶりに大勢でご飯を食べた。
最後にみんなで食べたのは、咲夜姉さんのお葬式の日だった。
またみんなで食べられるよね、その時に話そう未来の事、時の呼吸の事を。
輝夜姉さん、咲夜姉さん、その時は僕に勇気をください。
二人が一緒にいてくれたら、笑顔で言える気がします。
「大丈夫だよ夜去、私たちはいつも一緒にいるって言ったでしょ」
「夜去ありがとう、今日はすごく楽しい、幸せだよ」
ありがとう輝夜姉さん、咲夜姉さん。
早く二人に会いたいよ、笑顔を見たい、手を握ってもらいたい。
「甘えん坊さんだね夜去は。私たちも早く会いたい、貴方に触れたい」
「夜去は私たちの世界で一番大切な存在。世界で一番大好きだよ夜去」
すごく嬉しいけど、すごく恥ずかしい。
顔を見られない事をいいことに二人は…お陰で僕は顔が真っ赤だよ……
僕も二人のことが世界で一番大好きで、世界で一番大切な存在なんだ。
「嬉しい、夜去を抱きしめたい…」
たくさん抱きしめて…
未来で。
日常回を少し書いてもいいですか?三人との日常もあります
-
イーオ
-
ヨロシクナイ