今日から機能回復訓練が始まる、何をするのかとても気になる。それに炭治郎さんたちと一緒にできるので楽しみだ。
カナヲ姉さんとアオイさんが最初は教えてくれるらしい、一週間の稽古を思い出す。
あの日々が僕を支えてくれている、多くのことを教えてもらった。
きっと今回も学べることが沢山あるはずだ、頑張ろう。
「私たちも途中で参加するからね?」
カナエさんにはしのぶさんの膝の上で寝ているところが見つかった、今も笑顔だが怒っているのがわかる。
今日から参加じゃなくて本当によかったと心の中で思う。
それにしのぶさんには売られた、僕から膝の上に座ってきたと言われたんだ。
しのぶさんから言ったのに…あの時の悪意に満ち溢れた笑顔は一生忘れません
「ゆっくりでいいですよ?無理しないでください」
「わかったわ、できるだけ早く参加するようにするね?」
僕にはい意外の選択肢は残されていない。
返事をして炭治郎さんと伊之助さんが待っている病室へと向かった。
アオイさんから機能回復訓練の内容を教えてもらった。
まずは硬くなった体をほぐす柔軟をした後、反射訓練を行って、全身の訓練である鬼ごっこをするというのが訓練の全般だ。
最初の柔軟は大丈夫だと思う、蜜璃さんに前たくさん鍛えてもらったからだ。
機能回復訓練の柔軟はそれに比べれば、少しは我慢できるものだと思っている。
「今日は柔軟を教えにある人が来てくれています」
炭治郎さんと伊之助さんは誰だ誰だと辺りを見渡している。
誰が来てくれているかは薄々気づいている。
今からあれをまた受けるの…病み上がりなのに?
「夜去!!!」
来てくれたのはやはり蜜璃さんだった、そしてもう一人は真菰さんだった。
二人とも体が柔らかい、だから二人は思いもよらない動きができる。
僕ももっと体が柔らかかったら、二人のようにしなやかな技を出すことができたのかな…
「夜去、私にも手伝わせて」
今度は真菰さんも一緒にできるということがとても嬉しかった。
笑顔で僕の手を握ってくれている、その手はとても暖かかい。
「じゃあ夜去は私としよっか!!」
今日は耐えられる気がしない。
あの地獄のような柔軟を今はしたくない、してはいけない気がする。
「僕は真菰さんとが今日はいいです…」
真菰さんはとても嬉しそうに笑っていた、お願いします蜜璃さんのより優しくあってください。
「残念だったね蜜璃ちゃん!夜去は私がいいって」
「今日はって言ったよ?明日は私と一緒にするんだよ」
二人はとても仲が良くなっていた、友達になったんだと思う。
前は会ったことがあったのだろうか、友達になれたのだろうか…
蜜璃さんと真菰さんが笑って話している光景を見ていると目頭が熱くなった。
「じゃあ炭治郎君と伊之助君は私と一緒にしよっ!」
「はい!」
「おう!」
二人が蜜璃さんとするようになった、心の中で何度も謝った。
頑張ってください…
二人を応援しようと思っていた、でもする余裕なんてなかった。
真菰さんも蜜璃さんと同じくらい厳しかった。
どっちを選んでも地獄だったんだ、今僕は普通に泣きそうです…
炭治郎さんと伊之助さんは痛すぎて泣いている、蜜璃さんは喜んでいるし地獄絵図だ。
「痛い夜去?泣いてもいいんだよ?私が慰めてあげる」
痛いですよ真菰さん、これ病み上がりの人にしていいんですか?
絶対に泣きません。
真菰さんは僕に優しいと思っていたのに…
どんなに苦しい時間でも必ず終わる、時間が進むのがとても遅かった。
僕が時の呼吸を使っているのかと思った、一つ目から厳しすぎる。
蜜璃さんは柔軟の時だけ明日からも来てくれて、真菰さんは僕と一緒に機能回復訓練を受けてくれる。
僕たちの為に忙しいのに時間を作ってくれている、ありがたいことだ。
お昼ご飯を食べ、暫く休憩をしてから反射訓練が始まった。
湯呑みの中に入っている薬湯を相手にかけるのだが、この薬湯の匂いが本当にきつい。
カナヲ姉さんとアオイさんに勝つことはできた、でも薬湯をかけることはどうしてもできなかった。
二人は炭治郎さんと伊之助さんに容赦なくかけていたけど…
僕が勝つと二人は嬉しそうに頭を撫でる、それが恥ずかしく嬉しい。
二人に成長した姿を見せることができたのかな…だから頭を撫でてくれるのだろうか、そんなはずはないのに。
カナヲ姉さんとアオイさんにはわからないと思う、でも二人には成長した姿を見せたい。
そして伝えたいんだ。
二人のおかげです、ありがとうございますと。
「カナヲ姉さん、アオイさん
本当にありがとうございます」
「どうしたの夜去?」
「なんでもないです、続きやりましょう」
今はまだ二人には言えない、笑って伝えれないと思うから。
過去に戻ったこと、時の呼吸のことを伝えたらカナヲ姉さんやアオイさんを含め、皆さんはどう思うだろうか。
きっと辛く、悲しい思いをさせてしまう。
その時僕も悲しい顔をしていたら、皆さんは過去に行かせたことを後悔し、自分を責めるかもしれない。
そんな風に思わせるのだけは絶対にいけないんだ、あってはいけないことだ。
だから僕は笑顔で伝えるんだ。
僕も炭治郎さんと伊之助さんのお手伝いをしながら、皆で機能回復訓練を行った。
カナエさんが道場に来てくれるまで夕方になっているのに気付かなかった。
機能回復訓練が始まり一週間が経った、今日からはカナエさんとしのぶさんが参加する。
絶対にもっと厳しくなる、覚悟を決めないといけない。
毎日のように炭治郎さんと伊之助さんを呼びに病室へ急ぐ。
「夜去ちゃん、俺も今日から参加するよ!よろしくね」
善逸さんには僕は女性ではないことを伝え、謝ったのにずっと夜去ちゃんと呼ばれている。
また賑やかになるんだろうな、少し楽しみだ…
「俺ちょっと怖いんだ
炭治郎たちがいつもげっそりした顔で戻ってくるから」
柱が三人に増えるから今日からはもっと厳しくなると思う。
今日が初日になるのは運が少し悪いと思ってしまった。
「善逸さんなら大丈夫ですよ
炭治郎さんも伊之助さんもいます」
三人は多くの困難を乗り越え、鬼舞辻無惨を皆と倒したんだ。
努力家であること、決して諦めないことを僕は知っている。
だから大丈夫です。
「ありがとう!!!
夜去ちゃん」
「善逸!!!
夜去さんに抱きつくな!離れろ」
道場に行くまではとても賑やかだった、帰りはこんなに気力残ってないだろうな…
今日は善逸さんが初めてということで、アオイさんから内容を聞かされた。
話を聞き終えると、炭治郎さんと伊之助さんの二人を連れ外へ行った。
「正座しろ正座アァ!
この馬鹿野郎共」
外からは罵声が聞こえる、道場にいた全員が少し驚いた。
「あんなに綺麗な女の子がたくさんいるのに
天国にいたのに地獄にいたような顔してんじゃねえぇえぇぇ!
お前ら夜去ちゃんとも一緒にしていたんだろ!
あぁ羨ましい」
皆さんにも聞かれている、そんなに大きな声で言わないでほしい。
本当は一緒に外に連れて行かれる側じゃないのかな…僕は女性じゃなくて男性だから。
今聞いたことは全部忘れよう、何も聞いてない。
恐る恐るカナエさんたちの方を見る…
終わった…いつもの何を考えているかわからない笑みを浮かべ僕を見ていた。
善逸さんが戻ってからはすごかった。
蜜璃さんの柔軟にも余裕で耐え、鬼ごっこではアオイさんを一瞬で捕まえていた。
でも三人ともカナヲ姉さんには勝てなかった、多分全集中の呼吸をやっていないからだと思う。
きよちゃんたちに伝えてもらおう、僕では上手に教えてあげられる気がしない。
「今日は私としのぶが相手よ夜去
呼吸を使ってもいいよ、私たちも呼吸を使って全力で相手になるから
手加減しないで、本気でして」
なんか怒っていませんか?大丈夫かな…
「炭治郎君たちも集中して見てた方がいいよ!
夜去は今鬼殺隊の中で一番私たち柱に近いから、いや私たちよりも…」
今日は蜜璃さんも訓練に最後まで付き添ってくれている。
「わかりました!」
炭治郎さんたちやカナヲ姉さんには僕じゃなくて、カナエさんやしのぶさんの方を見てほしい。
僕を見ても何も参考にならないし何も教えてあげられない。
でも二人からは大切なことを沢山学べると思う。
時の呼吸を使わなければ、二人には手も足もでないとわかっている。
炭治郎さんたちにカナエさんやしのぶさんの動きを見せるために時の呼吸を使う。
今僕がしてあげられることはこれしかない、何か三人の手助けになればいいとな…
「炭治郎さん、伊之助さん、善逸さん
カナエさんとしのぶさんの動きをしっかり見ていてください」
「時の呼吸・二の型 朝明の風」
アオイさんの始めの合図で試合が始まった。
自分だけ時の流れを速くしている今は周りの人の動きはとても遅く感じる。
それでもカナエさんの動きが速いことは感じた、柱の中で一番速い。
しのぶさんと真菰さんと善逸さんはカナエさんに次いで速い人たちだと僕は思っている。
しばらくカナエさんの持つ湯呑みを押さえ、僕からはかけられないので押さえてくれるのを待つ。
結構時間は経ったと思う、時間の流れを元に戻して最後はカナエさんの頭の上に湯呑みを乗せた。
しのぶさんともそのあと行った、カナエさんと同じくらいの速さを感じる。
僕はしのぶさんが隠れて稽古をしていることを知っている。
やっぱり薬湯をかけることはできなかった。
「夜去の勝ちです……」
本当は負けようと思っていた、でも二人の手加減しないでという言葉が胸に引っかかった。
ここで僕が勝ったら、二人は負けず嫌いだからもっと成長すると思う。
だから卑怯とわかっていても、僕の勝ちなんかではないけど。
今は勝つという選択をした。
「夜去の動きが私には何も見えなかった
呼吸を使ったのに…」
「私も姉さんと同じ…
横で見ていてもわからなかった」
時の呼吸はずるみたいなものだ、だからそんなに落ち込まないでください。
でもカナエさんの花の呼吸、しのぶさんの蟲の呼吸や皆さんの呼吸は違う。
死ぬほど努力をして手に入れたものだ、僕も努力をしてないわけではないけど。
僕と皆さんは違うんです。
「蜜璃ちゃん見えた?夜去の動き」
「私も見えなかった…
柱の中で一番速いカナエちゃんに勝つなんて…」
「僕は勝ってなんかいませんよ、ずるいんです…
それより炭治郎さん、伊之助さん、善逸さん何かわかりましたか?」
「はい…
皆さんは呼吸が俺たちとは違う気がします」
三人とも気付いたみたいだ、よかった三人の力になることができて。
「そこに気付けたらもう大丈夫です
頑張ってください」
「はい!」
「夜去!!明日は絶対に負けない!」
二人とも負けず嫌いだな、明日からは二人に負けるとわかっている。
次に時の呼吸を使うのは…もう少し先になる。
それにカナヲ姉さんとアオイさんと約束したこともあるからあまり使いたくない。
「僕も絶対に負けません」
案の定次の日からは薬湯をかけられる毎日が続いた、負けるのは悔しい…
僕も二人に勝てるようになりたいな。
日常回を少し書いてもいいですか?三人との日常もあります
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イーオ
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ヨロシクナイ