「義勇さん、実弥さん、天元さん、カナヲさんとアオイさんも行っていいと言ってくれました」
「わかった、でもいくのは一週間後だ。」
「俺たちが夜去を鍛える」
夜去は、ずっと稽古を続けているだろ。だからある程度の基礎はある。この六日間で全集中の呼吸を所得してもらう」
三人に稽古をしてもらうのは久しぶりだ。全集中の呼吸を所得するには骨身を削りながら修練を重ねる他ない。
一日目は天元さんとの体の動かし方、走り込みを徹底的に行なった。
天元さんは僕だけを走らすのではなく一緒に走ってくれた、とても優しい人だと思う。
日の出とはともに稽古を始めて、終わったのは日が沈んだ頃だった。ちょうど十二時間ぐらい稽古した。
その日、ぼくは稽古が終わるとお風呂で寝てしまっていた。
目が覚めた時にはご飯が並べられていた、僕を運んでくれたんだ。
天元さんと、天元さんの奥さん達と夜ご飯を食べた。
「夜去は腕も細いし、筋力もあまりない、だからたくさん食え。そして鍛えろ」
体も細いし、あまり背も高くない、天元さんみたいに大きくなりたいな。みんなが安心して僕に任せれるように大きくなりたい。
その日はたくさんご飯を食べた、生まれて初めてこんなに食べたと思う。
ニ日目は義勇さんに剣術と呼吸の使い方を教わった。
義勇さんの説明だとわかりにくいと言うことで、炭治郎さんも教えに来てくれた。
午前中は刀の振り方、刀の持ち方、踏み込みなどをもう一度確認した。
そして午後から、二人の日の呼吸と、水の呼吸を見せてもらった。あまりにも凄すぎて、僕は言葉にできなかった。
僕は鬼殺隊の人達が自分に合った呼吸で戦っていることは知っていた。でもその技を自分の目で見たことはなかった。
僕も試したかった、でも試すことができない、寿命を使ってしまうから。
他の呼吸を試してみたけど、全部出来なかった。
稽古が終わって義勇さんには錆兎さんと真菰さんの話を聞いた。八年前に戻ったら二人はまだ生きている、義勇さんの大切な人たちを守りたい。
炭治郎さんには家族と杏寿郎さんの話を聞いた。炭治郎さんの大切な家族は絶対に失わせない、家族全員で平穏に暮らしてほしい。
杏寿郎さんは、炭治郎さんたちの道標になった人だ。自分より力ない人を守るそんな姿がとてもかっこよく、僕も憧れた。大丈夫、杏寿郎さんとも笑って沢山のお話ができる未来にするから。
三日目は実弥さんと無限に打ち込みをした。
実弥さんとの稽古が一番辛かった。
実弥さんの優しさで、僕を絶対に鬼に殺させないようにしようという思いが伝わってきたから、僕も必死で食らいついた。
「夜去、食べるか?」
後ろから言われたが、何を食べるかと言ってくれたかは見なくとも分かってしまう。
実弥さんはよく連れて行ってくれたから。おはぎを食べている間2人でお話をした。
「なぁ、昔の俺に伝えてくれ、素直になれって」
玄弥さんと実弥さんは僕をとても可愛がってくれた。僕はそんな2人が好きだ。
二人は大切に思っていたからこそ、すれ違ってしまった。
失わせない絶対に。二人で時に喧嘩しながら、でも支え合って、何気ないことで笑って、生きてもらうんだ。
それが二人から、沢山与えられた僕にできることだから。
「わかりました」
「僕、玄弥さんも実弥さんも大好きです」
「何、いきなり言ってるんだ。俺の分のおはぎはやらねえぞ」
「俺もお前が好きだよ、夜去」
なんて言ったんだろう、声が小さくて聞こえなかった。
「実弥さん、何て言ったんですか???」
「何もねえよぉ、稽古だ稽古」
四日目、僕は全集中・常中を所得することができた。
あとは模擬戦を行なった。何度も負けた、でも最後に一本取ることができた、三人の優しさで負けてくれたことは分かっていた。
僕に自信をつけようとしてくれたんだと思う、手加減してたとはいえ三人に勝利することができたということは少しだけ僕の自信になった。
何より三人が僕を認めてくれたこと、それが心の底から嬉しくて嬉し涙が溢れた。前に泣かないと決めたけど嬉し涙はいいだろう。
「夜去、お前はよく頑張ったよ。俺たちの誇りだ」
「これで俺らとの稽古は終わりだ」
あと三日残っているが後の三日は誰と稽古するんだろう。
次に稽古をするのはカナヲさんと言われた。
「カナヲさん、次はカナヲさんに稽古をつけてもらえと言われました」
「うん、私が稽古をつけるよ」
「夜去にはね、しのぶ姉さんの突きを覚えてほしいの」
それは僕がしのぶさんのように鬼の首が切れなくなるから。
しのぶさんは本当にすごいと思う。首が切れないと諦めるのではなく自分の戦う方法を見つけた。それは毒を作ることであったり、切るではなく、突くということだったりと。
まず模擬戦をすることになった。僕は少しカナヲさんの相手になれると思っていた。
でも違った、カナヲさんに当てることすらできなかった。
「夜去、全然ダメ。それでみんなを守れるの?生きて戻れるの?笑わせないで」
「私と約束したでしょ、絶対に戻ってくるって」
「相手の顔を見て戦って、どんなに追い詰められている状況でも、いつか反撃できる時は必ずくるから」
もっと強くならないといけない、心配させないように。
そのあとはただ、ガムシャラに、カナヲさんの顔を見ながら戦った。
さっきまでは一方的に負けていたけど、少し余裕を持ち、食らいつくことができた気がした。
お昼からしのぶさんの突きを習う予定だったのが、僕があまりにも弱すぎたから一日中、模擬戦やら、戦い方などを教えてもらった。
「カナヲさん、ごめんなさい」
僕のせいで、明日一日でカナヲさんは突きを教えないといけなくなってしまった。
「何言ってるの、今悪いところに気付けたことはいいこと」
竹刀で頭を優しく叩かれた。
「明日、がんばろ?ね」
翌日、僕はカナヲさんが道場に来る前から、昨日、カナヲさんから習ったことを復習していた。
カナヲさんが来てしのぶさんの突きを見せてもらった。目では追えないぐらい速かった、これ一日でできるようになるのかな。
「しのぶ姉さんのはもっと速かった、夜去にはこれぐらいまではできるようになってほしい」
突き技のコツは、体に力をあまり入れないことだった。すると突き技に才能があったのか午前中のうちにはカナヲさんと同じぐらいのスピードでできるようになった。これも全集中・常中のおかげだと思う。
「あともう少ししたら、今日はもう終わりにしよ。夜去、朝早くからしてたでしょ、私知ってるよ」
────
「僕、もっとカナヲさんと稽古したいです」
夜去がそう言ってくれて、私は凄く嬉しかった。
しのぶ姉さんもあの時、こんな気持ちだったのかな。
「今日はもうダメ」
この一週間、夜さりはすごく頑張っていると思う。朝、日が登る前から、夕方、日が沈むまで。
休んでいるのなんて、ご飯を食べている時と寝ている時だけではないだろうか。
咲夜さんと輝夜さんに稽古をつけてもらえなくなった後も、夜去は毎日、柱の人たちや私のところに来て稽古をしてくださいと言っていた。
柱の人たちでさえ稽古をつけなくなった後も、一人で竹刀を振っていた。今思えば、教えるのが嫌になったのではなく、輝夜さんと、咲夜さんが教えないでくださいとお願いしたんだと思う。
その頑張りが間違いなく今の夜去の力になっている。
輝夜さん、咲夜さん、あなた達の弟は本当に立派です、見守ってあげてください。
「カナヲさんの呼吸を見せてください。お願いします」
夜去が私の呼吸を見たいと言った、時の呼吸以外使えないのに何故だろうと思いながらも、私は全部見せることにした。
あまりにも真剣な顔で見ていたから私は少し恥ずかしかった。
「よく頑張ったね」
私との稽古は今日で終わりだ。
────
一週間稽古の最終日、連れてこられた場所は、よく僕の親友と来た場所だった。そしてある約束をした場所だ。
「夜去」
この優しい声を僕はよく知っている。一緒によく稽古をしていたから。
一人で稽古していた僕を一緒に稽古しようと外に連れ出してくれた、君は日輪刀の色が変わらない自分を恥じていたのかもしれない。
でもずっと一緒にいた僕が言うんだ間違いない、恥じることはない。君は絶対に諦めなかった、努力することをやめなかった。
僕はそんな君に憧れた。ずっと君は僕の太陽であり道標なんだ。
「千寿郎…」
「最後の稽古は僕と一緒にしよう」
懐かしい、咲夜姉さんが元気な時はいつも一緒に稽古していた。
「夜去、約束覚えてるよね」
「杏寿郎さんのように、弱き人、助けを求めている人を助けれるぐらい強くなろう」
「兄のように、弱き人、助けを求めている人を助けれるぐらい強くなろう」
忘れるはずない。二人でした大切な約束だから。
──
千寿郎と稽古をしているところに杏寿郎さんが来た。初めて会った時は怖くて姉さん達の後ろに隠れてしまい何も話すことができなかった。
でも、その日話してみるととても暖かい人だと思った。その日から僕たち二人の稽古をたまに見に来てくれた。
杏寿郎さんは僕のことも本当の弟のように接してくれた。三人でよく焼き芋を食べたのを覚えている。
「千寿郎も夜去も強くなる。でも手に入れた力で人を傷つけてはならない。その力は弱き人、大切な仲間のために使わないといけない」
「約束してくれるか?」
「はい!」
「わっしょい!わっしょい!わっしょい!」
杏寿郎さんはとてもかっこいい人だった。僕もあなたみたいになりたいと思った。
また次会った時も、また同じように稽古をつけてもらおうと思っていた。でも杏寿郎さんに稽古してもらうことはできなくなってしまった。
杏寿郎さんが亡くなったという、知らせを姉さんからきいて涙が止まらなかった。
でも列車に乗っていた人、炭治郎さん、伊之助さん、善逸さん、禰豆子さんを守り通したことを聞いて、僕は涙を拭き、姉さんに行かないといけないところがあると言い竹刀を持って走り出していた。
その場所では竹刀を持った千寿郎が稽古をしていた。
「千寿郎」
「夜去、僕、僕」
「千寿郎、二人で強くなろう」
「約束しよう、杏寿郎さんのように弱き人、助けを求めている人を助けれるぐらい強くなるって」
「うん、約束するよ。兄のように強くなる」
千寿郎は泣いていた。だから僕はずっと背中をさすっていた。
「千寿郎と夜去が足を止めて蹲っても時間の流れは止まってくれない」
「俺が死んで泣くのは今日だけにしろ
俺は沢山の人を守れたんだ悔いはない」
「心を燃やせ、
歯を食いしばって前を向け
後ろを向きたくなっても俺が背中を押すだから、安心して前を見て進み続けろ」
「夜去、千寿郎を頼む。千寿郎、夜去を頼む
そして兄は弟を信じている。自分が正しいと思う道を進んでくれ」
「二人は俺の自慢の継子だ」
杏寿郎さんは最後に僕たちに伝えにきてくれた気がした。
二人でたくさん泣いた、明日から泣かないためにも。
──
「時間を戻れるって本当なの」
「戻れる」
「夜去は大丈夫なの?」
過去に戻るという行為は未来を変えることができるかもしれない、そんなこと何の代償もなくできるはずがない。
「鬼の首は切れなくなるし、寿命を使わないと時の呼吸は使えない」
「そうなんだ…でも僕は止めないよ」
やはり何か代償はあると思っていたが寿命だったとは。
夜去は一度決めたことは絶対やめない。それは親友の僕が一番分かっている。
だから絶対に止めない。いってらっしゃいと言って送り出す、それが親友の僕にできることだと思う。
本当は夜去に寿命を使ってほしくない、ずっと側にいてほしい。
僕の大切な大切な親友だから。
でもここで僕が止めたら夜去は苦しんでしまう。
「ありがとう、千寿郎。帰ってきたら、また稽古しようよ。焼き芋も食べよ、三人で」
できたらどれほどいいだろうか。夜去の見ている未来には兄もいる。
それが嬉しい。
「僕も夜去のことを信じる、約束ね」
兄が僕を信じてくれたように、僕も夜去を信じる。
指切りをしその後は2人で昔していた稽古を一通りして、焼き芋を食べた。
────
二人の姉の羽織を着て、二人の姉から継承した日輪刀を手に持ち、もう1人の姉からもらった日輪刀を腰に差した。
「夜去、必ず帰ってきて。ずっと待ってるから」
カナヲさん絶対戻るから、守らないといけない約束が沢山ある。
「夜去、みんなでご飯食べれるように待ってるから」
アオイさんの料理をみんなで食べれるなんて、想像したら幸せが溢れてる。
「自分を大事にしろよ」
天元さん、分かってます。みんなに助けられた、僕だけの命じゃない。
「どんな苦しみにも耐えろ、夜去。男に生まれたなら」
義勇さんに言われると勇気が湧いてくる、どんな苦しみにも耐えてみせる。
「死ぬんじゃねぇぞ」
実弥さん、大丈夫です。稽古をしてくれた、もう姉さん達の後ろに隠れていた時の僕じゃない。
「頑張れ、頑張れ、夜去ならできる」
炭治郎さんに言ってもらったらできる気しかしないです。
「夜去はおれぇだじのほごりぃだよぉ」
善逸さん、泣かないでください。みんなの誇り、その言葉がが本当に嬉しい。
「夜去は俺の子分だ。子分の帰りを親分は待ってるぞ」
伊之助さんの子分なら僕、嬉しいや。親分、待っててください。
「どんな時も前を向いてね夜去」
はい禰豆子さん。絶対に後ろは向かない、前だけを向きます。
「夜去、千寿郎は僕の親友だ。だから帰ってきてね、またたくさんお話しよう」
輝利哉の家族も僕が守る、今度は家族の時間を過ごせるように。
「夜去、心を燃やせ。戻ってくるの待ってるよ」
その言葉は僕たちに勇気をくれる言葉、心の灯火は絶対に消えない。
「夜去、いってらっしゃい」
いつものように時屋敷から外に行く時のように二人の姉が背中を押してくれた。
「輝夜姉さん咲夜姉さん、みなさん。行ってきます」
「時の呼吸・一ノ型 遡時」
「夜去、これを」
カナヲさんが何かを背中にかけてくれた。それはカナヲさんの羽織だった。
「ありがとうございます、カナヲ姉さん」
────
白い光に包まれた。私は手を伸ばしたがそこに夜去の姿はなかった。
ありがとうございます、カナヲ姉さんと聞こえた、渡すことがができたんだ。
そして私のことを姉さんと呼んでくれた、それが心の底から嬉しかった。
遅いよ、また夜去に姉さんと呼んでほしい。
「夜去をどうか、どうか守ってください。お願いします、お願いします」
私は何度も何度も天に、姉さんたちに祈った。
僕もヒロインというのを入れたくなりました。誰が人気あるのかなー?
-
しのぶさん
-
カナエさん
-
真菰ちゃん
-
カナヲさん
-
蜜璃さん