雲居の空   作:くじぃらぁす

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帰るべき場所

選別は終わり、集合地点まで手鬼と一緒に戦った人たちと一緒に帰った。

その間はこれからの話をした。鬼殺隊に入って、鬼と戦い人々を守ると決めた人や、自分に合った道で人々を支える道を選んだ人。

僕は全員を応援したいと思った、自分の選んだ道を信じて進んでほしい。

 

 

戻ると、輝利哉とかなたがいた。

僕はいつも遊ぶ時のように、名前を呼んでしまいそうだった。

二人は少しびっくりしていた、なぜなら最終選別でこんなに生きて戻ってこられることはない。

鬼殺隊に入らないと決めた人たちが、それを二人に言って帰って行っている。

その時、僕と錆兎さんたちは言われた。助けてくれてありがとうと。

僕たちも、あなた達が勇気を出して助けにきてくれたからここにいる。

 

「こちらこそ、助けてくれてありがとうございます」

その人達が見えなくなるまでお礼をした。

 

まずは、体の寸法を測った。隊服を作るためで、隊服は後日届くらしい。

次に階級の説明をされて、一人一人に鎹鴉が降りてきた。僕にだけ鎹鴉が来てくれない、まさか嫌われている?少し悲しくなった。

最後は日輪刀を造る鋼を選ぶと言うことだった。でも僕は輝利哉とかなたに言った。

 

「僕は、この二つの日輪刀を使いたいです。なので、鋼は選ばなくてもいいですか?」

 

「はい、大丈夫です。明月さんは、自分の持っている日輪刀を使用するとことは伝えておきます」

 

「ありがとうございます」

 

「夜去は、その刀を使うの?でも一つは柄の部分しかなかったよね」

僕は焦ってしまった。歯がついてない刀を持っていたらなにか疑われるかも知れない。

 

「大切な人から、もらったんです。だから肌身離したくなくて。それに僕の背中を押してくれるんです」

嘘は言っていない、全部本当のことだ。

 

「大切にしないとダメだな」

はい義勇さん。義勇さんが、僕に渡してくれた刀でもあるんですよ。

 

 

全員が鋼を選び終えると、選別は終わり皆が帰路につき始めた。

また、どこかで会おうとみんなで約束をした。みんなはそれぞれ帰るべき場所に帰っていった。

 

「夜去、お前のおかげで俺も強くなれた気がする。一緒に手の届く範囲の人を守ろう」

 

「はい!村田さん」

村田さんも帰って行った。村田さんにも帰るべき場所がある。

僕はどこに帰ろう。帰るべき場所なんて、過去に戻った今はない。そう思いながら立ち尽くしていた。

 

「何をしている。夜去、一緒に帰るぞ」

「戻る場所がないんだろ、お前には俺たちがいる。鱗滝さんにも俺たちが説明する」

「その代わり、鱗滝さんの家は広くはないぞ」

錆兎さんがそう言ってくれた。

いいんだろうか。今回は皆さんのおかげで3人を助けることができた。

僕は、言ってしまったら異物のようなものだ。3人と深く関わることで、何か三人に悪いことが起きてしまうのではないだろうか。

 

「来い」

錆兎さんと義勇さんが僕の手を取り、真菰さんが背中を押している。

本当はこうだったのではないか思った。

義勇さんには、よく水屋敷に誘拐された。急に時屋敷に来たと思えば、僕の手を取って、水屋敷に連れて行かれた。

繋いだ手は片方だけ。

水屋敷に着くと、義勇さんが作った鮭大根を食べた。

僕と義勇さんの二人で。

姉さん達が夜迎えに来ると、夜は鬼が出るから危ない。だから泊まらないといけないと言われてよく泊まっていた。

そして二人で布団を敷いて、大きくはないけど、二人だからとても大きく思える部屋で寝た。

二人でも僕は幸せだった。義勇さんのことが僕は大好きだったから。

でも本当は、空いた片方の手は錆兎さんが繋いでくれて、後ろから真菰さんが押してくれていたのかもしれない。

二人じゃなく四人で鮭大根を食べて、四人で寝る。でもその部屋は四人だからとても窮屈に感じてしまっていたのかもしれない。

 

断らないといけないのかもしれない。一緒にはいけませんと。

でも、その言葉を口に出すことはできなかった。だって義勇さんがこんなにも笑っている。

僕と二人の時もたしかに笑っていた、その笑顔には幸せと悲しみが混じっていた。

でも、この笑顔は違い、幸せに満ち溢れている。だから、もう少しだけこの笑顔を見たいと思ってしまった。

日は沈み初めて暗くなり始めている、でも僕は眩しかった、三人の笑った顔が。

僕はまた泣いてしまった。泣かないのなんて無理だった、僕は泣き虫だ。三人にこの涙は見せたくない。

 

 

 

私と義勇と錆兎は、夜去が村田さんと話をしている時、夜去は帰るべき場所がないのではないかと話をしていた。

二人と話し合うつもりだった。でもそんなことは必要なかった、二人とも私と同じように鱗滝さんのところに一緒に連れていこうとしていたからだ。

みんなを送り届けるまで、夜去は動かなかった。送り届けた後の夜去の顔からは、少し悲しみが感じられた。

 

錆兎が一緒に帰ろうと声をかけた。でも、夜去はなかなか一緒に来ようとしない。

それを見て義勇と錆兎が手を繋ぎ、私は夜去の背中を押した。

どこか迷っているようだった、だから私が押して、錆兎と義勇が手を繋ぎ引っ張った。

少しすると夜去は自分で歩き始めた。それが私たち三人は嬉しく笑った。

私たちのそんな笑顔を見て、夜去は涙を流していたと思う。なぜかはわからない、でもこの涙は嬉し涙だと感じた。

 

 

「鱗滝さん、ただいま」

 

「鱗滝さん、ただいま戻りました」

 

「ただいま」

 

「おかえり、真菰、錆兎、義勇。よく戻った」

「その、少年は?」

鱗滝さんに生きてまた会うことができた。私たち三人は鱗滝さんに抱きついていた。

夜去を見ると、嬉しそうに笑っていた。

 

「明月夜去と言います」

錆兎が三人を代表して、選別であったことを話してくれた。

手鬼を倒したこと、一人では無理だったことが三人でできたこと。

夜去が助けにきてくれたこと、夜去だけじゃない私たちが助けた人も、私たちを助けに来てくれたこと。

 

「儂の大事な三人を、助けてくれて本当にありがとう」

 

「頭を上げてください、助けてもらったのは僕も同じです。3人はたくさんの人を助けていました」

 

「そうか。三人はたくさんの人を助けたのか」

「夜去、任務がくるまでここにいるといい。決して広くはないぞ」

 

「ありがとうございます」

私と錆兎と義勇は夜去を連れて家の中に入った。

 

 

 

 

日常回を少し書いてもいいですか?三人との日常もあります

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