ストライクウィッチーズ 大空の傭兵の軌跡 作:sontakeda
自室禁錮を言い渡された夜、外はポツポツと雨が降り始めた。あの後、宮藤はリーネに連れていかれ、お風呂に入ることになった。その際ウィッチ達が揃っていた為、あの人型ネウロイの件について話したが、誰も信じてもらえなかった。
仲間の誰にも信じてもらえず、宮藤はベッドに体育座りして考えていた。部屋の外ではバルクホルンが鍵を掛ける音がしていた。
「いいな宮藤軍曹、必要な時以外、外出禁止だ」
そう言い残すとバルクホルンは部屋から離れていった。
(どうして…………誰も信じてくれないの……?あれは間違い?)
誰も話を信じてもらえず自分の言動に怪しく感じてしまう宮藤。しかし自分の目で見たものは間違いがなく現実だと再確認した。
「ううん……違うよね」
そう言うと宮藤は枕に倒れこんだ。
(わたし…………どうしたらいいんだろ……)
目を瞑ると、あの時、あの光景が思い出される。人型ネウロイがコアを見せる場面が脳内に焼き付いていた。その瞬間、宮藤はハッとした表情で起き上がった。そして足立が言っていた事を思い出した。
俺には何か……伝えようとしたと思ったけどな
「足立くんも言ってた……だったら……確かめたい……!!」
悲哀な感情が渦巻いていたが、宮藤は足立の言葉を信じて窓辺に顔を向け、何かを決心た表情に変わっていた。
夜の格納庫、明かりも最低限しか点いておらずほぼ真っ暗な状態。そんな中、そこに現れたのは窓から脱走してきた宮藤だった。
格納庫を歩いていると、待ち伏せていたかのように名前を呼び止められた。
「芳佳ちゃん!!」
「!、リーネちゃん!!」
暗がりから現れたのはリーネだった。リーネは宮藤に駆け寄っていった。
「………やっぱり…行っちゃうんだね……」
「えっ、やっぱりって……」
まるで予想してたかのような言い方に宮藤はドキッとした。
「足立さんに言われたの、もし芳佳ちゃんがしたいことがあればさせてあげてって……」
「そうなんだ……」
宮藤が目覚める前に言っていた足立の頼み事とはこのことだった。足立は宮藤の行動を先読みしてリーネに言っておいたのだ。
「今度出て行ったら禁錮処分なんかじゃ済まないよ……?」
「どうしても確かめたいの」
宮藤の身を案じリーネは警告を教えるが、宮藤は覚悟の上だった。
「私、ネウロイの事は分からない……でもね!芳佳ちゃんの事は分かる!諦めないところ……まっすぐなところ……」
「だから……私も一緒に行く!!」
「えっ!?」
てっきり引き止めに来たかと思ったら、リーネも協力するつもりのようで予想外の答えに宮藤は驚いた声が出た。
「すぐに支度するから!!」
「ダメ!!リーネちゃん!!」
しかし宮藤は、リーネの協力を拒否した。
「……どうして……?私じゃダメ……?」
「違うの……これは、わたし1人でやるって決めたの……お願い!」
悲しそうなリーネの声、自分が頼りないからなのか疑問を投げかけると、理由は自分で決めたことだから。周囲を巻き込まないために自分ひとりでやると覚悟を決めたからである。
「ごめんね……」
何もさせてあげられないリーネに宮藤は申し訳ない気持ちで涙目になりながら謝罪した。
「早く帰ってきてね……」
「うん……」
「ずっと待ってるからね……」
「うん……」
二人は抱きしめながら帰ること約束した。
外は雨と風が強い天候の上、夜で視界がほとんど見えない状態で宮藤は飛び立った。それを滑走路先で見守るリーネ。すると、もう一台のエンジン音が聞こえてた。リーネはその音に気づき、振り返えると同時に横で何かが横を飛び去っていった。それは、足立だった。
「!!、足立さん!?」
飛び去ったのが足立だと確認できたリーネ。なにか言う暇もなく、その姿を見ていることしかできないリーネ。しかし、リーネは足立が飛び立った意味を汲み取った。宮藤を守るため、とリーネは思った。
(……芳佳ちゃんを……お願いします……)
リーネは二人に祈った。
「宮藤さんが連れ去られたわ!」
緊急招集されブリーフィングルーム集まったメンバーたち。開口一言目にミーナは大声で話し始めた。その報告にメンバーたちはざわついた。
「連れ去られたって……誰に!?」
「足立君よ」
『えっ!?』
シャーリーが問いかけると予想外の返答で、周囲はどよめいた。仲間だと思っていた人物がまさか誘拐を働くとは微塵も思わなかったであろう。
3人を除いて。
(これでいいのよね………足立君……)
これは事前に打ち合わせておいた話であった。
宮藤が禁錮処分を言い渡された後、執務室にやってきたのは足立であった。
「失礼するぜ?お、カールスラント組3人いるじゃねえか。丁度いいや」
「なんの用かしら?」
処遇言い渡したあとだということでッミーナは真剣な表情のままだった。
「アンタらに先に言っておこうと思ってな」
「何だ」
バルクホルンが聞き返すと、足立はニヤリと笑った。
「今夜辺り、俺はアンタらを裏切る」
『!?』
突然の宣言で3人は言葉が詰まった。そして当然の如くバルクホルンが聞き返す。
「そ、それはどういうことだ!?」
「あーまぁ落ち着けって、話を順序立てて話してやるから」
質問攻めになりそうなバルクホルンを足立はなだめるようなジェスチャーをし、話し始めた。
「俺の予想じゃ、今夜辺りに宮藤が脱走するはずだ」
『!?』
なんの根拠もない予想にバルクホルンとハルトマンは口が開いたままだった。
「どうしてそう思うの?」
「俺がそう仕向けたから」
「仕向けた……?」
怪訝そうな表情をするミーナに足立はしたり顔で話し続けた。
「アンタらにも宮藤は言ってたんじゃねぇか?あのネウロイは何か違うって」
「そういえばお風呂でそんなこと言ってたね」
ハルトマンは指を口に当てながら、お風呂での出来事を思い出していた。そしてバルクホルンが返す。
「ああ、だがそんな話は信じられん。アイツの見間違いだろう」
「クックック、やっぱ俺以外そういう反応するわな」
「当たり前だ、何が言いたい?」
足立のしたり顔に少しイラッっとしたバルクホルン。
「俺はアイツに証拠が必要って言ったんだ」
「証拠だと?」
「そんでもってアイツはおせっかい、おせっかいな奴ほど行動力もスゲェんだ」
「………………」
基地に来てからの宮藤の行動に足立もミーナ、ウィッチ達全員がそう思っていた。
「自分が見たものが夢じゃない、でも証拠がないんじゃ誰も信じられない、んじゃどうする?」
「…………証拠を見つけてくる」
「あぁ、そうだ」
ミーナは少し考え込んでから答え、足立は頷きながら肯定した。
「だからアイツはあのネウロイに会いに行くはずだ」
「そ、そんなバカな!!」
うろたえるバルクホルン。しかしミーナとハルトマンは大人しく聞いていた。
「けどな、今のアイツが脱走したらマズイだろ?」
「うん、重罪に更に脱走、ホントに銃でバーンされちゃうかもね」
いつもノリが軽いハルトマンですら、真剣な表情をしていた。
「そこでだ、俺が裏切って宮藤を連れ去ったって事にするんだ」
「えっ!?」
驚くハルトマンに足立は続けてこう言った
「宮藤を助けるためだ」
「!」
今までニヤついていた足立の顔から一気に真剣な表情に豹変した。それだけは偽りない目をしていた。その時、ミーナはあることに気づいた。
「……なるほど、裏切るとはそういうことか」
「うん?……でもそうなると…」
「ちょっと待って」
ハルトマンが何かをいい掛けた時、ミーナは遮るように中断させた。
「足立君、アナタの話、矛盾してるわよ」
「…………へっ」
待ってましたと言わんばかりに、足立は先程のニヤけた表情に変わっていた。
「最初は宮藤さんに仕向けたって言っていたのに、今は助けるって変わっていたけど」
「あ、ホントだ」
「つまり自作自演ってことか!?」
「その通りだけど、何かを別の狙いがあるのかしら」
「さっすが中佐!気づいたか?」
ミーナの指摘にご機嫌な様子な足立。そして、再び悪巧みを考えているような表情に戻った。
「俺の狙いは、ネウロイの情報を得ることだ」
「!、ネウロイの……!?」
足立の本当の狙いを聞いてミーナたちは黙ったまま、足立の話を聞いた。
「この身体になってから、俺はネウロイの情報を探してたんだ。そんで今回、チャンスがきた」
先程までの軽いノリでなく、真面目な口調で話続ける足立。
「正直、俺ひとりでも良かったんだが、あのネウロイは宮藤が気に入ってるかもしれない。もしそれで現れてくれるなら、概ね成功だ」
「……宮藤さんをだしに使うってわけね」
足立の言い分にミーナは皮肉めいた言葉で返した。
「……そうだな、否定はしねぇ、けど安心してくれ。宮藤は絶対無事に帰す、ネウロイの情報も教える」
「……どうして、そう言いきるんだ?」
「約束だからだ、宮藤と宮藤博士とのな」
真っ直ぐな瞳にバルクホルンはそれ以上追求はしなかった。しかし、ミーナは次にこう返答した。
「……全く、扶桑の人は勝手な人ばかりね」
「ああ、褒め言葉として受け取っておくぜ」
執務室に入ってから真剣な表情でしか話してなかったミーナだが、思わずクスっとした笑顔で言った。足立もまたしてもしてやったり顔で言った。
「って、そんなことよりさ!その連れ去ったあと、足立はどうするの?」
「……大人しく捕まるさ」
ハルトマンが言おうとしていたのは、後程の足立の行動について疑問があったようだった。そしてその答えは意外な選択だった。
「奴の言う通り、ホントに脱走するとは……」
「すっごいね、ホントにエイラみたい」
席が隣同士のバルクホルンとハルトマンは小声で話していた。足立の策略とは言え、脱走したのは宮藤自身。数少ない日々を過ごして足立は宮藤の行動を熟知していた。
その時、ミーナの前の教卓にある電話が鳴り響いた。上層部からの電話であろう。間髪入れずに足立が拉致をしたと情報が届いたのだ。
ミーナは覚悟を決めて受話器を取った。
「はい……」
受話器越しにしか分からない会話。沈黙が少し続いた。しかし、ミーナは驚愕な言葉を聞いた。
「!?、しかしそれはあまりにも……!!」
ミーナの反応と表情からでしか会話を読み取れないメンバーたち。いつもあっけらかんとしているシャーリーやルッキーニさえヒヤヒヤした雰囲気に飲まれている。
「……はい……わかりました……」
そう言うとミーナは会話が終わり、受話器を置いた。一呼吸置いて、次の指令を話した。
「宮藤さんと足立君の撃墜命令が下ったわ」
『ッ!?』
撃墜、つまり射殺命令が下ったということになる。
(やっぱり夜は何も見えないな……)
一方、嵐の中飛行している宮藤。1人で心細いと感じているが、自分で決めたこと。寂しいなどと口が裂けても言えないと思っていた。そんな時、雨と風とエンジン音の騒音の中で、聞きなれた声が耳に届いた。
「よくまぁこんな中飛ぼうなんて思えるな!!」
「!!」
声がした後方に顔を向けると、ストライカーボードに乗ってきている足立の姿が見えた。
「足立くん!!」
足立の姿を確認すると、宮藤は喜ばしい声で名前を呼んだ。
「来てくれたの?」
「予定が被っただけだ」
「予定……?」
足立の不思議な言い回しに宮藤は頭に?マークが浮かんだ。
「会いに行くんだろ?」
「……うん」
言わずもがな足立も宮藤も、何をすべきなのかお互い分かっていた。それからしばらく二人に会話は無かった。ただただ前に、あのネウロイと出会った場所を目指していた。
しばらく飛行していると、雨が止み雨雲が無くなってきたころ、宮藤たちの目の前にはちょっとした光景が広がっていた。
「わぁー!」
「………………」
朝日だった。夜明けの時間となり、地平線の向こうには太陽の日が二人を照らすように昇っていた。その光景に宮藤は感動していたが、足立は顔色ひとつ変えず真剣な眼差しで地平線を見つめていた。すると、そこで宮藤からこんなことを言ってきた。
「……ありがとう、足立くん」
「あぁ?いきなりなんだよ」
唐突にお礼を言われた足立は、宮藤を変な目で見るような眼差しで聞き返した。
「ホントは1人で行くつもりだったのに……足立くんが来てくれてスゴい心強いって思ったんだ!だからありがとう!」
「………………」
宮藤は身体全体で感謝を伝えるのに対し、足立は何も反応が無かった。むしろ、眉間にシワを寄せて罪悪感を感じているとも取れる表情していた。そして耐えきれず、足立は真実を話した。
「あんまカン違いすんな」
「え?」
怒った様子でもなく、足立は淡々と話していった。
「俺はお前ならあのネウロイに出会えるんじゃないかって思って利用しただけだ、感謝される事はしてねぇよ」
「………………」
(悪いな……)
怒られるか幻滅されるかを想定して足立は話し、罪悪感が少し感じて、心の中で謝罪をしていた。そんな足立の思惑を聞いて宮藤は固まったままだった。しかし、宮藤は次にこう言った。
「………でも」
「?」
「それでも、ありがとう!」
「…………」
怒るわけでもなく、悲しむわけでもなく、全てを飲み込んだ上で宮藤は笑顔で感謝を述べた。予想外の事に今度は足立が固まったままになったが、すぐにしかめっ面に変わった。
「お前ほんっとにお人好しだな!!」
「えっ、えぇ!?なんで怒ってるの!?」
「そりゃお前が怒らないからだろ!!普通利用されてるって分かったらイヤだろ!」
「それはそうだけど……」
いきなりの足立の怒声に宮藤はびっくりし、何故怒られているのか理由がさっぱり分からなかった。
その時だった。
ふたりの前に黒い物体が現れたのは。
『!?』
例の人型ネウロイだった。ふたりはすぐに臨戦態勢になった。
「足立くん……!」
「わーってる、向こうが何もしなければこっちもしねぇさ」
3人は見つめあったまま動かなかった。しかし、しびれを切らしたのは足立だった。一言、言い放った。
「俺らに何を伝えたいんだ!!」
足立の問いに無視するかのように反応が無いネウロイ。
が、次の瞬間。
「ッ!??」
「足立くん!?」
足立が頭を抱え込む姿を見て焦る宮藤。足立の頭には割れそうな程の激痛が走っていた。それは前の聞いたノイズだが、前回よりハッキリ言葉が聞こえた。
ツ イ テ キ テ
「!?」
「足立くん…?」
心配する宮藤の横で、頭を抱えていた足立であったが、言葉が聞こえた瞬間、ハッとした表情で顔を上げネウロイを見た。
「ついてきて………って言ったのか?」
「えっ!?そう言ってたの!?」
「あぁ………」
驚きを隠せない宮藤に、足立は若干放心状態であった。すると、ネウロイはひとりでにとある方向へ進みだした。すると一定の距離で離れると止まり、こちらを見た。
「……ホントに付いてきてって言ってるみたい……」
「……行くぞ」
「うん……!」
宮藤と足立は覚悟を決め、大人しくネウロイの後を追う形で付いて行った。
「そうか、足立が……」
病室でペリーヌから事態を聞いた坂本は取り乱す様子でもなく、なんだそんなことか程度な温度だった。
「まさか宮藤さんを人質にするなんて……」
「いや、それは演技だろう」
「えっ?」
焦るペリーヌ対し、坂本はまるで全て分かっているかのような言い方だった。
「なにかやろうとしてるな、アイツ……ペリーヌ」
「はい!」
「お前にしか頼めないことだ、いいか?」
「は、はい!」
坂本の頼み事に快く承諾するペリーヌ。坂本も次の一手を打ち出した。
宮藤と足立を追いかけているウィッチたち、上空でバルクホルンとハルトマンの会話が行われていた。
「やつの予定と違うじゃないか…!!」
「まさか宮藤も一緒にやるなんて……おかしくない?」
奴の予定、足立が捕まると言っていた事であろう。そしてその予定が狂い始めた事にハルトマンは怪しんだ。
「ふたりとも!!私語は厳禁よ!!」
「!、すまないミーナ!」
「はーい」
2人が話しているのを聞いてミーナは会話を中断させた。しかし、ミーナも心に思っていることは同じだった。
(……彼の予想じゃ、足立君が拘束されるか、その場で射殺されるはずだった、けど上からは二人を撃墜しろと言ってきた……なぜ宮藤さんまで?)
上層部からの指令に違和感を感じるミーナ。新人ウィッチの宮藤をどうしても消したいという思惑が見え隠れしていた。
すると、一緒に飛行しているルッキーニが何かを発見した。
「……あ!あれ!!」
「宮藤と足立か!それと……ネウロイ!?」
ルッキーニが指す方向に全員が顔を向けると、シャーリーが先に確認した。
「坂本少佐をやったネウロイか!!」
「追いかけなきゃ!!」
「待って!!」
バルクホルンの言い方に怒りは感じ、ルッキーニが飛び出して追いかけようとした時、ミーナが止めに入った。
「……なんだアレは……?」
シャーリー達の目の前には、海上に大きな黒い雲の塊が天高く聳え立っていた。
「ネウロイ巣よ」
その正体をミーナは知っていた。
「前にも見たことあるよ、あそこからヤツらは来るんだ!」
最前線に立っていたハルトマンとバルクホルンはそれがどんな脅威なものなのかを知っていた。
「アレを破壊しようと多くの仲間が攻撃をした……だが、誰ひとり近づくことさえ出来なかった……」
「芳佳たちが入ってくよ!!」
「なんだと!?」
ルッキーニが観察していると足立と宮藤がネウロイに誘導されて巣に導かれていった。それにバルクホルンは驚愕した。
「わぁ……雲の廊下みたい……」
「これが……ネウロイの巣か……」
詩的な感想を述べる宮藤に対し、足立は警戒心がいっそう強まった。敵地に乗り込むのだから当たり前と言えば当たり前だった。
「誰も入れなかったのに」
誰も出来なかったことをあっさりとやられてしまい、これにはハルトマンも困惑していた。
「ヤツらの罠か!!」
「芳佳!!」
「待ちなさい!!」
ルッキーニが再度追いかけようとすると、再びミーナが制止した。
「様子を見ましょう」
ミーナは足立が言っていたネウロイの情報を探るため、あえて待ち伏せをすることに決めたこと。
ネウロイの巣の中を進む2人。そこはまるでトンネルのような通路でどこまでも闇が続いていた。そしてとある場所に出てきた。まるで大きなドーム上の空間でに出てきたもである。
すると、中央にコアをとその下には世界地図が光ながら広がった
「こ、これは……?」
「!」
「コア……?」
中央のコアに興味津々な宮藤。そして宮藤の横にいる足立はコアとネウロイに対し睨んでいた。
「あの……」
『!!』
宮藤がなにか問いかけようした時、周りにはいくつもの映像が流れてきた。2人はそれを見て驚いた。
「地球……?」
「コイツは……過去の映像か……てことはそうか……」
「何か分かったの?」
いくつか戦闘の映像、地球が侵略されていく様を見て、足立はあることに気づいた。
「情報共有してんだ、コイツらは」
「情報共有?」
「過去にどこを襲った、戦ったかをそれぞれの個体がひとつの記憶にまとめられてるってことだ」
「そ、そうなんだ……」
足立は噛み砕いた説明をしたが、宮藤は自信がない相槌をうった。
すると、ついこないだの戦闘の映像が流れていた。そこに映っていたのは、撃墜される前の坂本の映像だった。
「坂本さん!」
映像の坂本に思わず宮藤は名前を呼んでしまった。そして次の映像には、隕石のように落下してきたかのような、ネウロイの破片が地面に刺さっている映像。そこには研究者達の姿もあった。
「ネウロイの……破片?」
「…………」
(ネウロイの研究をしているチームが居たってことか……?)
次の映像にはネウロイの破片が培養液に浸かっており、その周辺には大きな人型の機械が薄暗く映っていた。
「あの大きな機械もネウロイ……?」
「分からねぇ……」
何を見せられているのかさっぱりな2人。
が、次の瞬間。
2人は更に驚愕する映像が映っていた。
「!!」
「あ、足立くん!!これって……足立くんと……」
「あぁ…………クソ親父だ……!!」
そこに映っていたのは、ネウロイの攻撃で焼き払われた後の町に、事切れて倒れている足立と、瀕死になっても這いつくばりながら、自分の息子にネウロイのコアを差し出している足立の父、足立宗次郎の姿があった。