ストライクウィッチーズ 大空の傭兵の軌跡   作:sontakeda

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ベルリン奪還後 その2

「そういえば……みんな作業してたはずだけど、全然見当たらないね」

 

ベルリンの街を歩く宮藤、リーネ、服部、足立の4人。復興作業を目の当たりにしながら、他の仲間たちの様子を見てないことに宮藤は気づいた。

 

「言われてみれば……居ないですね」

 

「あ!アレ見て!」

 

リーネが指した方向には人集りが出来ていた場所があった。

 

「……なに集まってんだ?」

 

「行ってみよ!」

 

宮藤の一言で4人は人集りの中に入っていった。そして一番前に出ると、そこは驚くべき光景だった。

 

「…………なに……してんだ?……オマエら……」

 

「おー!宮藤たちじゃん!」

 

「じゃん!」

 

足立が怪訝な表情と呆れた声で掛けたのは、胸元に何かが書かれている看板を下げているシャーリーと楽しそうにしているルッキーニの姿であった。

 

「ふりー……はぐ?(Free HUG)」

 

ぶら下げられている看板を目を凝らしながら服部は読んだ。

 

「これなんですか?シャーリーさん」

 

「ふふん、よくぞ聞いてくれた宮藤!」

 

宮藤の質問にシャーリーは待ってましたと言わんばかりに説明しだした。

 

「この待ちに待ったベルリン奪還、民衆は喜びに満ちているだろう…………だがしかし!」

 

「……聞かないとダメか?」

 

「……とりあえず話だけでも……」

 

力説するあまり手に力が入るシャーリーを前に、足立は呆れながら聞くもリーネがにこやかに宥めた。

 

「復興をするにしても体力、精神力共に疲弊しきるのは当然!!そこでだ!その疲れを私たちが癒そうって訳だ!!」

 

「アタシたちがハグをすれば疲れも吹っ飛ぶよ!!」

 

『……な、なるほど……』

 

「……サボりたいだけだろ要は」

 

2人の極論に宮藤、服部、リーネの3人は困惑しながらも頷いた。そして足立は変わらず呆れた表情で2人の核心に触れた。するとシャーリーはムッとした表情で反論し始めた。

 

「失敬だな!!仕事はちゃんとやった後だぞ!!」

 

「そ、そうだそうだ!!アタシだってちゃんと運んでたよ!!」

 

「…………もしかして使えなくて外されたのか?」

 

『ッ!!』

 

2人は足立に噛みつくように言うが、足立はそれに違和感を感じある予想をしながら聞いてみた。すると、シャーリーとルッキーニはビクッと図星を突かれた声が出た。

 

「図星……みたいですね……」

 

服部も苦笑いになりながら呟いた。

 

「そ、それよりさ!お前らもハグしてほしくないか?」

 

シャーリーは話をはぐらかすように話題を変えた。

 

「いやいらん」

 

「私もいいかな……」

 

「私も同じく……」

 

「はいッ!!」

 

『おいッ!?

 芳佳ちゃん!?

 宮藤さん!?』

 

3人が拒否する中で唯一元気良く返事をしたのは宮藤だった。3人は思わずツッコミを入れるような形で宮藤の名前を言った。

 

「はぁ~……」

 

シャーリーはその豊満な胸の中に迎え入れるように宮藤を腕の中に包み込んだ。包み込まれた宮藤は幸せそうな表情をしており、正に疲れを癒している様子だった。

 

「い、いいんですか足立さん……」

 

「……俺は知らん……」

 

困惑する服部とリーネ、服部は横目で足立に聞くが、怪訝な顔で呆れた様子の足立は止めようとせず諦めていた。

 

「ありがとうございました!シャーリーさん!」

 

「おう!」

 

心ゆくまで堪能した宮藤はシャーリーにお礼を言うと活きの良い返事が返ってきた。

 

「なに騒いでんだオマエらー」

 

「!、エイラさん!サーニャちゃん!」

 

みなの前に現れたのは、怪しいものでも見るかような怪訝な表情をしているエイラと、不思議そうな顔をしているサーニャだった。

 

「みなさん……何してたんですか?」

 

「シャーリーがくだらないことを考えてたってだけだ、気にすんな」

 

「くだらなくはないだろー!」

 

足立が説明を省くように要約して言うとシャーリーは口を尖らせて不満をもらした。

 

「エイラさんたちは何をしてたんですか?」

 

おもむろにリーネがエイラたちに尋ねた。

 

「いやー、ワタシたちはずっと洗濯させられてさー」

 

「おかげで手が真っ赤になっちゃいました」

 

エイラとサーニャはその証拠にと言わんばかりに、真っ赤になった手を見せた。

 

「わぁー……ホントに真っ赤だね……痛そう……」

 

真っ赤になった手を見せられ、宮藤は見ているだけで痛さが伝わってきた。

 

「まぁ時間経ってるし、もうあまり痛くないな」

 

「うん、もう平気だよ」

 

「ホントに?」

 

エイラとサーニャが痛みを感じないと聞いた瞬間、ルッキーニがエイラの手にチョンっとつついた。

 

「いッ!!!」

 

その瞬間、エイラは電流でも流されたかのような痛みが走った。

 

「ナニすんだルッキーニ!!!」

 

「えー?だって痛くないか確かめただけだよー?」

 

ルッキーニのイタズラに流石のエイラも怒鳴った。そうこう言い合っていると、追いかけ回す2人の姿にサーニャは笑顔になっていた。

 

「それで……芳佳ちゃんたちの方は何をしてたの?」

 

「私とリーネちゃんと進也くんは瓦礫を撤去してたよ、いくら片付けても終わらなくて大変だったんだ……」

 

「そうだったんだ……」

 

宮藤が苦笑いしながら作業の話をすると、サーニャもその大変さが伝わってきた。

 

「私も後から参加して、休憩の時にみなさんのお話を聞かせてもらいました!」

 

「……私たちの?」

 

服部も話に加わると休憩時の話題を持ち出した。すると、サーニャはキョトンとし目を丸くした。

 

「はい!みなさんのご活躍、ガリア解放への道のり、ブリタニア基地での生活などの話を、宮藤さんとリネット曹長からお聞きしました」

 

「ブリタニア基地かぁ!懐かしいな!」

 

思い出話にシャーリーも食いついてきた。

 

「ブリタニアもよかったけど、アタシはロマーニャの時の方が面白かったよ!」

 

「おっと」

 

「そりゃオマエ地元だからダロ」

 

追いかけられていたルッキーニはシャーリーに助けを求めるように抱きつきながら話に参加し、追いかけていたエイラも口を出した。

 

「まぁロマーニャも中々大変だったしなぁ」

 

「そうなんですか?」

 

「あぁ、服部も絶対驚く話だってあるんだぞ?」

 

「えぇっ?」

 

服部が興味を示そうとすると、シャーリーはニヤッとしながら言った。その謎の自信に服部は少しビクッとした。

 

「あぁそうだな、俺でさえビビった話もあったなそういや」

 

「あの足立さんが!?」

 

あの怖いもの知らずの足立が驚いたと聞いて服部は驚愕し、俄然その話に興味を持った。

 

「……イェーガー大尉!その話、聞かせてもらってもよろしいですか!!」

 

「あぁもちろん、ただし……」

 

シャーリーは快く承諾してくれたが、なにやら条件があるようだった。

 

「服部も参加な!」

 

「えっ…………えええぇぇッ!?」

 

シャーリーがにこやかに服部に渡したのはシャーリーたちが持っていたFreeHAGという看板。つまりは一緒にやれという上官命令だった。そのシーンを見ていたウィッチ達から笑い声が絶えなかった。

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