ストライクウィッチーズ 大空の傭兵の軌跡   作:sontakeda

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ストライクウィッチーズ2 ロマーニャ解放編
第1話 約束の再会 Aパート


「ハァ……ハァ……」

 

「どうした宮藤!!ペースが落ちてきているぞ!!」

 

「は…………はいっ!!」

 

滑走路で息を上げながら走り込みの訓練をしている宮藤。そんな苦しそうな表情などお構いなしに、坂本は更に追い込むように怒声を飛ばす。それに宮藤は気合いで返事をしていた。

 

「……………体調でも悪いのか!!」

 

「いえ!!大丈夫です!!」

 

「………………ふむ」

 

気合いだけで走っている宮藤を見て坂本は考え込んだ。体調でも悪いのか、だがそんな雰囲気でもなさそうだった。だから坂本は判断を下した。

 

「宮藤!!もういい!!休め!!」

 

「ハァ……ハァ……え……?」

 

坂本の突然の指示に宮藤は一瞬理解が遅くなった。宮藤は身体を止めると、坂本の下に駆け寄った。

 

「あ、あの……坂本さん!私まだ……」

 

「体調不良でもないのに、考えながら走っていたら怪我の元だ、しばらく頭を冷やせ」

 

「………………はい……」

 

ピシャリと冷たい言葉を浴びせると宮藤はシュンとしまい元気が無い返事をした。そう言い残すと坂本はその場を後にした。

 

「はぁ…………」

 

宮藤の口からため息が思わず出てしまった。そんな時、声を掛けてくれる者がいた。

 

「芳佳ちゃん!」

 

「!、リーネちゃん」

 

宮藤の下に駆け寄ったきたのは遠くから見守っていたリーネだった。

 

「どうしたの芳佳ちゃん、どこか調子悪いの?」

 

「ううん、そうじゃないんだけど……考え事しちゃってて……」

 

「考え事……?」

 

宮藤が悩みを打ち明けると、リーネは少し考え込んだ。そして思い当たる節を言ってみた。

 

「…………もしかして、足立さんこと?」

 

「!、う……うん……」

 

言い当てあられた宮藤は一瞬ドキッと驚いてしまった。

 

「501のみんながまた集まったのはすごく嬉しい……けど、足立くんからなんの音沙汰ないのが気になっちゃって……」

 

「……大丈夫だよ、足立さんと……約束したんでしょ?」

 

「…………うん」

 

宮藤を出来るだけ心配させまいとリーネは安心させようと言葉を掛けるが、宮藤の表情は曇ったままだった。

 

 

1944年9月。

ガリア海上のネウロイを巣を消滅と共に、501統合戦闘航空団、ストライクウィッチーズは解散した。ウィッチたちは原隊に戻ったり、故郷に戻る者も。そして宮藤は故郷の扶桑に戻り、再び日常に戻った。それから半年が経ち、中学を卒業した宮藤の下に驚くべき物が届いた。

 

宮藤一郎からの手紙が届いたのだった。

 

驚く宮藤は理由を聞くべく坂本の下に訪れる。1度は宮藤を戦いから遠ざけようとするが、坂本が再び戦うと聞いて宮藤もストライカーを勝手に履き、坂本が乗っていた二式大艇に追い付きそしてこう言った。

 

「私、守りたいんです!!」

 

それを聞いた坂本は宮藤に手を差しのべた。

宮藤と坂本はロマーニャに向かっていた時、危機が訪れた。航路の途中にネウロイが現れたのだった。しかし、新しい技を身につけた坂本はネウロイのビーム攻撃を切り裂き、必殺技「烈風斬」を放つとネウロイは真っ二つになり倒したか見えた。

 

しかし、再び危機が訪れる。坂本が倒したと思えたネウロイは再生をし始めた。ネウロイからの攻撃を持ちこたえようと奮闘するが限界が迎えそうになったその時。501部隊の面々が続々と集まり、最終的に全メンバーが集結しネウロイを撃破したのだった。

 

そしてアドリア海に面した基地に全員が集まると、ベネツィア海上のネウロイの巣を消滅すべく、再び501統合戦闘航空団「ストライクウィッチーズ」の再結成が宣言されたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

そして現在、1945年3月。

 

「………どうしたの?そんな怖い顔をして」

 

「いや、宮藤がな……気にするな」

 

「気にするなって……言われたほうが気になるわよ」

 

執務室にて書類作業をしているミーナの前に、腕を組み眉間にシワを寄せてソファに座っている坂本の姿があった。

 

「なにやら上の空みたいでな、何を考えてるのやら……」

 

「そう……でも予想はつきそうじゃない?」

 

「と言うと?」

 

「まだ私たちには足りないピースがあるわ」

 

「…………アイツか」

 

「ええ」

 

2人は濁しながら喋るが歴戦のウィッチ、何を言いたいのかが手に取るように分かる。

 

「目撃情報も無いのもそうだけど、もうひとつ気になるのがあるわ」

 

「なんだ?」

 

ミーナは資料を坂本に渡した。

 

「先日の504部隊が実行した『トラヤヌス作戦』。失敗したのは聞いた?」

 

トラヤヌス作戦とは、宮藤が人型ネウロイと接触したことをきっかけに、再び人型ネウロイと接触し和解を試みようという作戦だった。

 

「あぁ醇子から聞いた、人型ネウロイが目の前で消されたと言っていたな」

 

「ええ、確かにそう報告を受けたわ……けど」

 

「ん?」

 

歯切れの悪いミーナに坂本は目を細めた。

 

「その作戦から数日後、人型ネウロイらしき影を目撃したって報告も受けてるの」

 

「なに?」

 

坂本は資料を確認した。

 

「新しいネウロイの巣の近くにそれらしき影が写っていたのよ、ただ……」

 

資料の写真には、巨大なネウロイの巣の近くに全身黒いローブらしきものを被っている人影があった。

 

「……遠目だから分からないが、確かにウィッチとも人型とも言えないな…………まさかアイツか!?」

 

「かもしれないし、もうひとつ……最悪のパターンもあるわ」

 

「最悪のパターン?」

 

「新しい人間ネウロイかもしれないという可能性よ」

 

「………………」

 

ミーナの可能性に坂本は黙ってしまい、再び資料を見直す。敵か味方か、もうひとつの脅威に坂本は悩まされた。

 

 

 

 

 

 

 

「…………なんだか場違いなとこに来ちまったなぁ」

 

場所は変わってロマーニャ。他の国と比べると賑やかで華やかな場所だった。レンガの建物や家が並び、美味しそうな匂いも漂ってくる。しかし、少年が興味を引かれるものはなかった。

 

「まぁ通るだけなら別に…………ん?」

 

くびれまで伸びたフード付きマントから少年が見えたものは、カフェで男が新聞を読んでる姿だった。注目したのは新聞の記事、大々的に載っている記事に興味を持った。

 

「………………ハハッ、マジか……」

 

少年の声は驚きを隠せなかった。この街に来て一番興味を引かれたのはその新聞を記事だった。

 

「そうとなればどうやって行くか……」

 

どうやら少年は目的地を決めたようだったが、移動手段に困っている様子だった。その時、後ろからとある女の子たちの声が聞こえてきた。

 

「ちょっとー!もう帰るのー?」

 

「そうですよマルチナ、じゃないと竹井大尉に怒られますよ」

 

「私たちは遊びに来たんじゃないのよ」

 

「そう言ってフェルも楽しんでたじゃないですか……」

 

「…………そう?」

 

黒のジャケットに赤シャツ、そして派手な真っ赤なズボン。なにやら彼女達は買い物の話らしく、なんてことはないと思っていた少年。しかし、彼女たちの服の腕の紋章に注目した。

 

「アレって…………しゃあねぇ、聞いてみるか」

 

少年は彼女たちに声を掛けた。

 

「あー……ちょっとスマン、アンタらウィッチだろ?」

 

「?、そうだけど?」

 

一番背が低く、白い髪のポニーテールの少女が答えた。彼女の名前はマルチナ・クレスピ。

 

「501統合戦闘航空団ってチームの基地を探してるんだ、教えてくれるか?」

 

「いいですよ、どこの場所は……」

 

「ちょっと待ったルチアナ」

 

キツネ色のミディアムヘアの少女が、背の高いショートの黒髪の少女の言葉を遮った。キツネ色の髪少女の名前はフェルナンディア・マルヴェッツィ、フェルと呼ばれている。もう一人黒髪の少女はルチアナ・マッツェイ。

 

「なんですかフェル」

 

「貴方、いかにも怪しいわね」

 

「…………まぁ否定はしねぇけどよ」

 

怪しがるのも無理もない、少年の格好は黒のフード付きマントで顔を隠し、黒のタンクトップ、そして軍用の黒い長ズボン、背中には身長よりも高い布で覆われた物を背っているのだから。

 

「貴方みたいな輩がどうしてウィッチーズの基地に行きたがるのかしら?」

 

「会いたいやつがいるんだ」

 

「誰によ」

 

「……宮藤芳佳って言えば分かるか?」

 

フェルナンディアは少し考えた後こう聞いた。

 

「……ルチアナ!」

 

「はい」

 

「知ってる?」

 

「一応名前だけは……」

 

「マルチナ!やっておしまい!」

 

「よしきた!!」

 

「あぁッ!?」

 

いきなりフェルナンディアが合図を出すと、マルチナが飛びかかるように少年を組み伏せた。少年は抵抗する間もなく捕まってしまった。

 

「…………ロマーニャじゃこうやって場所を教えてくれるのか?」

 

「あら、まだそんなこと言えるのね、マルチナ!」

 

「それ!!」

 

「痛ててててててッッ!?」

 

マルチナが更に絞め技を強くすると、少年は悲鳴を上げるほどの痛みを味わった。

 

「フェル……流石にやりすぎじゃ……」

 

「アナタたち何をしているの!!」

 

『!!』

 

そんな現場にもうひとり、新しい少女の声が響いた。その正体は……。

 

「竹井大尉!」

 

一番最初に反応したのはルチアナだった。彼女は竹井醇子。坂本と同じ白い軍服でショートヘアに垂れ下がっているもみあげが特徴的。

 

「一体なにがあったの?そんな乱暴なことして」

 

「不審者を捕まえてただけよ」

 

「不審者?」

 

竹井はマルチナに組み伏せられている少年をジッと見ると少し考え込んだ。

 

「…………顔を見せてもらっていいかしら」

 

マルチナは少年の代わりに黒いフードを勢いよく剥いだ。すると、竹井の表情は一変した。

 

「!!、貴方はッ……!!」

 

「アラ、意外と可愛い顔をしてるのね」

 

驚愕している竹井の横でフェルナンディアは茶化した。

 

「貴方……足立進也君ね?」

 

「…………ああ」

 

フード付きマントの正体は足立だった。しかも竹井はそのことを知っていた様子みたいだ。

 

「竹井大尉の知り合いですか?」

 

「いいえ、初対面よ……けど彼は……」

 

ルチアナの質問に否定するが何かを知っている様子、そして竹井の口から衝撃的な発言が発せられた。

 

「彼は国際指名手配犯、そしてネウロイよ」

 

『…………えええッ!?』

 

3人は当然の如く驚く声を上げた。

 

「た、大尉、それ本気で言ってるわけ?」

 

「この事を知っているのは上層部と上の階級の者のみよ、私も少佐から聞いた話なの」

 

信じられないと言いたげにフェルナンディアは聞くが、竹井は事情を知っていた。

 

「なぁひとつ聞いていいか?」

 

「!」

 

じっと聞いていた足立はたまらず質問をした。

 

「国際指名手配犯ってつってたけどよ、俺捕まったらどうなるんだ?」

 

「……とりあえず私たちの基地、504部隊の基地で拘束して、その後501部隊に引き渡すことになっているわ」

 

「マジか!!」

 

501部隊に引き渡すと聞いて足立は目の色が変わった。

 

「そいつは丁度いい!俺も501に用があるんだわ!」

 

「………………」

 

足立の豹変ぶりに竹井は呆気に取られた表情になった。

 

「てかいつまで乗ってるんだよ!」

 

「犯罪者が何言ってんのよ!!」

 

「マルチナ、降りてあげて」

 

「えー!!でも大尉!コイツ何するか……」

 

「いいから、多分大丈夫よ」

 

「…………はーい」

 

竹井の説得によりマルチナは不満そうにも、足立の上からようやく解放され、足立は手足をの伸ばしつつ立ち上がった。

 

「基地までおとなしく付いてきてもらえるかしら?」

 

「あぁもちろん」

 

「良かった、じゃあ車の手配を……」

 

「あー、アンタらストライカーで来たんじゃねえか?だったら空から行ったほうがいいだろ」

 

「それはそうだけど……貴方はどうやって……」

 

「コイツさ」

 

足立が背中には背負っている布を剥ぎ取ると、ストライカーボードが現れた。

 

「なんなのそれは……」

 

「ただの板じゃない」

 

困惑する竹井と意図がつかめないフェルナンディア。しかしふたりは更に驚くことになる。

 

「よっ」

 

足立が掛け声と共にジャンプすると同時に、空中でストライカーボードを装着した。すると、エンジン音とプロペラ音が回る音がし始め、足立の瞳の色は赤色に変わった。そして、4人の前で空中浮遊をしていた。

 

 

「と、飛んだ!?」

 

『………………』

 

思わず声が出てしまう竹井と唖然とする3人。足立は気にせず続けた。

 

「あ、そうだ」

 

足立は両手を背中に回すとこう言った。

 

「悪ぃけど拘束しといてくれるか?」

 

『………………』

 

足立の訳の分からない頼みごとに全員言葉にならなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ローマから504部隊の基地に向かって飛行する5人。前に竹井と足立、その少し後ろに離れて飛行している3人組。フェルナンディアの目は依然として怪しむ目になっていた。

 

「……どう思う?ルチアナ」

 

「えっ?どう思うって……」

 

「敵だと思うかって聞いてるのよ」

 

「うーん……」

 

「敵でしょ!だってネウロイなんだよ?」

 

悩むルチアナ対してマルチナは深く考えず足立を敵と認識していた。

 

「でも……私は悪い人じゃなさそうに見えるんですけど」

 

「そうなの……なーんか演技に見えないのよね……」

 

怪しむフェルナンディアは結論が出なかった。

 

「………………」

 

足立と竹井の間では沈黙が続いていた。しかし、それを破ったのは竹井の方からだった。

 

「……ねぇ、ひとつ聞いていいかしら?」

 

「あぁ?」

 

神妙そうな顔つきで竹井は聞いたわ。

 

「貴方は本当にネウロイなの?」

 

「…………ハハッ!それ今聞くことか?」

 

こうやって飛行しているのに何を今更と言いたげな言い方をする足立。

 

「証拠は……そうだな……俺の皮膚に触ってみたら分かるんじゃないか?」

 

「皮膚?」

 

「あぁ、顔や手に触れてみろ」

 

「……失礼」

 

足立に言われ竹井は足立の顔に触れてみた。

 

「っ!!、冷たい……!!まるで鉄みたいに冷たいじゃない……!」

 

皮膚に触れた瞬間竹井は火傷をした時のような勢いで手を離した。

 

「皮膚はネウロイみたいな装甲になってるってことだ、あと怪我した時とかは再生能力が働いてくれるし、銃弾数発なら半日で治るぜ」

 

「………………」

 

足立言っていることに信憑性が無いと思うが、今の話がウソとも思えなかった。

 

「あー、あとコアは心臓の所な、心臓の代わりにコアがあるって感じだ」

 

「…………どうして」

 

「あ?」

 

「どうしてそんなことまで教えてくれるの?貴方の弱点まで……」

 

「………………」

 

竹井からしたら敵であるはずの足立がなぜここまで話してくれるのか解せなかった。足立は少し間を置いて話始めた。

 

「死ぬ気はさらさらねぇんだけどよ、ひとつはウィッチになら殺されてもいいと思ってる、ネウロイだからな」

 

話している足立の表情は遠くを見ていた。

 

「もうひとつは……俺がいつ暴走しても仕留められるように、だ。長いことこの生活してるけど何があるか分からねぇからな」

 

「………………」

 

話している足立に竹井は目を離さなかった。

 

「つまりは保険だな保険、何かあった時は頼むってことだ」

 

「…………ぷっ」

 

「ん?」

 

「あっははは!!」

 

突然吹き出したと思ったら上品に指を口元に持っていき笑いだす竹井。

 

「た、竹井大尉が……」

 

「笑ってる……」

 

後ろから見ていたルチアナとマルチナも唖然とする光景だった。

 

「お、おいなんだよいきなり!」

 

「ご、ごめんなさい、美緒の言う通りだと思ったらおかしくって……」

 

「…………美緒?」

 

竹井から出た名前を聞いて足立は聞き覚えがあると思い横目で思い出していた。するとピンときた。

 

「!、もしかして少佐のことか!」

 

「えぇ、私達小学校の時からの親友同士なの」

 

「幼なじみってやつか……てか少佐の言う通りってなに言ってたんだ?」

 

竹井の言っていた坂本の発言が気になった。

 

「…口が悪くてキザったらしくて、おまけにお喋りな扶桑の男って」

 

「……言いたい放題言いやがったな少佐め……」

 

微笑みながら竹井は喋るが、聞いている足立は聞いていて面白くなさそうだった。

 

「でも……心の芯は熱い人って言ってたわ」

 

「……ハッ、そりゃ買い被り過ぎだな」

 

最後の一言に足立はフッと鼻で笑い、大袈裟だなと言わんばかりに少し笑っていた。

 

「…………貴方になら話しても良さそうね」

 

「あ?なんだ?」

 

微笑んでいた竹井の表情から一変、真剣な表情に変わった。

 

「501部隊が再結成する前、ある作戦を決行したの」

 

「作戦?」

 

「『トラヤヌス作戦』宮藤さんが人型ネウロイと接触したという報告を聞いたの、それを元にネウロイとコミュニケーションを取って和解できるじゃないかという意見が出たわ」

 

「……マジかよ」

 

ネウロイとは長年の因縁である相手。そんな相手に和解を試みようと言う作戦に足立は目を疑った。

 

「そして私達504部隊が決行したわ、結果は……失敗したわ」

 

竹井の顔には悔しいやら悲しい気持ちが伝わってくる表情をしていた。

 

「人型と接触しようとした瞬間、あのヴェネツェア海上の巨大なネウロイの巣が、人型ネウロイを目の前で消し去ってしまった」

 

「……交渉する気はさらさら無いってことだな」

 

「ええ…………ただ」

 

「?」

 

歯切れが悪い竹井に足立は眉を潜めた。

 

「その数日後、その巨大なネウロイの巣の近くであるものを見かけたの」

 

「あるもの?」

 

「人型ネウロイに酷似したもの、写真からじゃハッキリ分からないけれど、ウィッチとも言いがたい、なんせ布で覆われていたから」

 

「ただのゴミとかて言うオチじゃ?」

 

「いいえ、だから貴方に聞きたい事があるの」

 

「……あぁ?」

 

竹井の真剣な眼差しは足立に向けて言い放った。そして足立も竹井の目から離さなかった。

 

「ここ最近で海上を飛んでた覚えはある?」

 

「……いや、この半年は海じゃ一回も飛んでねぇ」

 

「そう……やっぱり……」

 

「……何が言いてぇんだ?」

 

足立の質問は無意識に圧が強くなっていく。

 

「…………貴方と同じ、新しい人間ネウロイの可能性があるの」

 

「ッ!?」

 

竹井からの一言に足立は胸がざわつき始めた。心臓は動いてないはずなのに、緊張する感覚が蘇ってきた。

 

「もちろん断定的ではないわ、ただ……貴方という例が出来た以上、否定も出来ない」

 

「………………」

 

足立は地平線の向こう側を見つめながら考えずこう言った。

 

「……もしそうだとして、味方になると思うか?」

 

「分からない……」

 

「……だよな」

 

ふたりの表情からは先ほどの笑っていた顔が消え、これから先の苦難を考えていた。もし敵であるならば、只ではすまないだろうと、足立は静かに覚悟をしていた。




お疲れ様です。細々と続けさせてもらっているソン武田です。
今回から2期の話なっていきますが本格的にオリジナルの話になっていきますが、所々はアニメ寄りの話も加えていきます。

ベルリン解放後の話では服部にみんなで細かい話を教えているって体で書いています。

あまり返信とかに返せない人間はありますがよろしくお願いします。
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