「ようやくここまで来たか…」
春、それは新しい生活が始まる季節。そして、例に漏れず雄英高校の門前に立ち、独りでごちるこの男
(それにしても…まじで無駄にデケェなここは…)そう思いながら歩いていると【1–A】と書かれたドアの前に立つ。
バリアフリーの為か通常よりも大きいドアを開け、さっさと教室の中に入ろうとすると、ドアが開いたことですでにいた他の生徒たちが興味の目を向ける。その視線を(うざってぇ)と思った五郎であるが無視し、さっさと自分の席を確認して、席に座る。やることも無いので寝たフリをしようとすると、横から声がかかる。そこには、浮かぶ女子制服があった。
「ねぇねぇ!試験の時、助けてくれた人だよね?あの時はホントにありがとね!死んじゃうかと思ったから助かったよ〜。こぉ〜ビュン!!って感じでめちゃくちゃ速くてかっこよかった!あっ、私の名前は葉隠透って言うの!よろしくね!」
葉隠と言うらしい女がグイグイとくる。正直、あまり触って欲しく無いし、喋りたくも無い五郎は無視をして寝たふりをする。すると、無視をされた葉隠もムキになったのか、五郎を揺すって起こそうとする。
「ねぇ〜ねぇ〜、なんで無視するのー」
「…(うるせぇなこいつ、どー言う神経してんだ?)」
それでも無視をする吾郎であったが、ドア付近に生徒では無さそうな気配を感じ、素早く起き上がる。
「うわっ!!も〜びっくりしたじゃん!!急に起き上がらないでよ〜」
「うるせぇ女…「女!?」それよりも教師っぽいのがきたからさっさと席に座れ…」
「え!?先生?」とその言葉に葉隠を含め数人がドア付近で喋っている生徒たちの方を見る。すると
「お友達ごっこがしたいなら他所へ行け。ここは……ヒーロー科だぞ」
声のする方へ目を向けていると、寝袋が独りでに立ち上がり、その寝袋から出てきた男が喋る
「はい、静かになるまで5秒かかりました。時間は有限。君たちは合理性に欠くね……担任の相澤消太だ。よろしくね」
どうやら担任で当っていた様だ…
「早速だが、体操服着てグラウンドに出ろ」
そう言われた五郎は即座に立ち、更衣室へ独りで向かう。それを見た他の生徒たちも五郎につづき更衣室へ移動する。
「一番はやはりお前か…蜚蠊、他の奴はどうした…」
「いちいち知りませんよ、んな事…」
「…(やはり、周りの人間に対して興味がない様だな…俺を見る目も他の生徒の様な懐疑的なものでは無く、明らかに敵視している目だ。他の生徒にも同様の目を向けている様子。入学前から分かっていた事だが、ひと筋縄ではいかないな… こいつは)」
相澤が蜚蠊について思考をめぐらしているとゾロゾロと他の生徒も集まってきたため一時中断する。
「……揃った様だな。これから個性把握テストを行う」
「個性把握テストォ!?」
「入学式は!? ガイダンスは!?」
「ヒーローになるならそんな悠長な行事、出る時間ないよ。」生徒たちの言葉をそう切り捨て、相澤は話し続ける
「雄英は”自由”な校風が売り文句。そしてそれは先生側もまた然り。お前達も中学の頃からやっているだろう? 個性禁止の体力テスト。爆豪、中学の時ソフトボール投げ何メートルだった」
「67m」
「じゃあ個性を使ってやってみろ。円から出なきゃ何してもいい、早よ。」
「思いっきりな」「…んじゃまぁ──死ねぇっ!」
爆音と共に、ボールが遥か彼方へと飛翔する。
「まずは自分の『最大限』を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」
相澤の手元にある機械に出された数字は、705.2m。
「なんだこれ!!すげー
「705mってマジかよ!?」
「さすがヒーロー科、"個性"思いっきり使えるんだ!」
口々に声をあげる生徒の言葉に、相澤の変化に気付いたのは、人間を常に警戒している五郎ただ一人。
「…面白そう…か。ヒーローになるための3年間、そんな腹積もりでいるのかい? ……よし、トータル成績の最下位の者は"見込み無し"と判断し、除籍処分としよう」
「「「「はああああ!?」」」」
「生徒の
「最下位は除籍って…!」
「入学初日ですよ!? いや初日じゃなくても、理不尽すぎる!!」
「自然災害…大事故…身勝手なヴィラン達…いつどっから来るか分からない厄災、日本は理不尽にまみれている。そういう
「さて、デモンストレーションも終わり、こっからが…本番だ」
その言葉に不敵に笑う者、気を引き締める者、不安に思う者と様々な反応を見せる生徒達がいる中、テストは始まる
そして、この物語の主人公である男、蜚蠊 五郎はというと
「…(ぜってぇ1位になって見下してやるよ人間ども)」ととんでもなくあくどい顔をし、そう決意するのであった。
わざわざ読んでくださって誠にありがとうございました。できる事なら感想などで、読み難い点の指摘と改善の仕方などを教えて頂けるとありがたいです。一つだけ教えていただきたいのですが、人の見下しかたってどうすればいいんですかね?