『G』のヒーローアカデミア   作:金平糖

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連投です


蜚蠊五郎と言う人間(ゴキブリ)のオリジン

「まぁ、そこにかけるといいのサ!」

 

「…失礼します」

 

「お茶はいるかい?」

 

「いえ、お気遣いなく」

 

「…(校長に対しては敵意みたいなのは見えねぇな)」

 

「さてと、入学初日だと言うのに呼び出されてしまって不安に思ってしまったかも知れないけど、心配いらないのさ!今日じゃなくても良かったんだけどね、やっぱり校長だからね、忙しいのサ!だから…」

 

「校長…そろそろ話を始めましょう」

 

「!そうだったネ、と言う訳で今日は蜚蠊君にいくつかの質問をするけど、答えにくかったりしたら答えなくていいから気軽にネ!」

 

「まぁ、そう言うことだ。そんなに時間をかけるつもりはねぇからすぐに終わらせる」

 

「…それは分かったので、その質問とやらをさっさとして頂けませんか?」

 

「(やはり俺に対しては敵意剥き出しのようだな…)…そうだな、さっさと始めよう。その方が合理的だ」

 

「ではまず、この雄英高校を目指した理由は何かな?」

 

「…ヒーローになる上で最短距離かつ最高峰の教育が受けれると考えたからです。そして何より…根津校長、あなたがこの学校に居たのが理由です」

 

「そうなのかい!?それは嬉しい事だネ」

 

「いえ、あなたと言う指標があったので自分はここまで来る事ができました。」

 

「そうか、そうか、それは何よりなのサ!」

 そうして、五郎と根津が話す中、相澤は考える

 

「…(やはり、根津校長に関しては似た境遇だったためか対応の仕方が違うな)」

 そして…

 

「…じゃあ次の質問だ、ご家族との関係はどうなんだ?」そう質問するのであった。

 

「いたって良好な関係ですよ…幸福なことに」

 

「そうか…それは何よりだ(家族関係も資料の通り良好に見える…今の所はこれと言って問題はない。あるとすれば…)」

 

「それじゃあ、三つ目の質問なんだけどね、君がヒーローを志したきっかけを教えてくれないかい?」

 

 その言葉に五郎は考える…

「ヒーローを志したきっかけ…ですか…」

 

「そう!ただ、さっきも言ったけど言うのが嫌だったりしたら遠慮なく断ってくれてもいいのサ!」

 

「…いえ、問題ありません。…自分がヒーローを志したきっかけは母です…」

 そして始まるのは蜚蠊五郎と言う人間(ゴキブリ)のオリジン

 

 

 まだ、この人型の姿では無くゴキブリの姿をしていおり、声も発する事も出来なかった頃…

 その日も幼稚園の子供達にゴキブリの姿を理由にいじめられ、泣きながら家に帰りました。虐めて来た奴ら、いじめを無視する保育士たち。そいつらが憎くて…!憎くて…!何よりもこの『個性』が許せませんでした。なので、母に聞いたのです。「僕はどうやったら、あいつらに復讐できるの?」と。ただ、声を出す事ができないので、50音表を使い会話をしていたので、会話するのにもかなりの時間を使ってしまいます。ですがそれでも、どれだけ会話に時間がかかろうとも母は待ち、真摯に聞いてくれました。そして、少しだけ考えるそぶりをすると…

 

 『トップヒーローになってイジメてきた奴等全員見返してやりな!!そしたら、五郎みたいな個性で苦しむ人達を助けてあげれるでしょ?五郎にはそれができるだけの心と力があるよ』そう笑顔で言ってくれました。その言葉のお陰で俺は、この嫌われ者であるこの個性『ゴキブリ』でもヒーローになれると知れました。

 

「それが…その言葉が、俺がヒーローを志したきっかけです。」

 

「…いいお母さんだね」

 

「えぇ、この世で最も尊敬できる人間(・・)の一人です…」

 

「ウンウン、尊敬できるのはいい事だネ。僕も…一度話をしてみたいと思ったのサ!!」

 

「機会があれば…母も喜びます。」

 

「さてと、結構時間も経っちゃったし、そろそろ終わりにしようかな。相澤君は何か他に無いかな?」

 

「…それでは、最後に…なぁ蜚蠊、お前はさっきいじめて来たやつらに対して復讐する方法を母親に聞いたと言っていた訳だが…今もそいつらを怨んでいるか?」

 その質問に五郎は…

 

 

 

 

 

———————————

 

 

 

 

 

 

 

 

「失礼しました」

 

「さっきも言ったけど、何かあればここにおいで、いつでも歓迎するのサ!!」

 

「ありがとうございます」

 そう言って校長室を後にした五郎は帰路に就く。

 

 

 ー蜚蠊宅ー

 

「ただいま」

 

「おかえり〜どうだった?雄英は?」

 そう言って、家に帰って来た五郎を迎えたのは母である蜚蠊(ひれん)香織(かおり)

 

「別に、今までと大して変わらねぇよ。…荷物置いたら、ご飯の用意手伝うから待ってて」

 そう言って二階にある部屋に行こうとするが

 

「んー今日は手伝わなくていいかな」

 その母の言葉に足を止める

 

「何故に?別に疲れてねぇし手伝うぞ?」珍しく手伝いを断る母に疑問を感じている五郎

 

「今日はお母さん一人で作りたい気分だからかなぁー。ま、そゆことだからまた今度手伝ってよ」

 

「…なら分かった、ご飯できたらまた呼んで」仕方がないので、暇をつぶすために部屋に行こうとすると

 

「五郎!」そう母に呼び止められる

 

「何?母さん」返事をし、母の顔を見ると…笑っていた。

 

「今日、学校でいいことあった?」

 

「別に…何にもねぇよ」目を逸らして言う

 

「ふふ、そっか。ごめんね、呼び止めて」

 

「…(分かってる顔だよなあれ。…そんなに顔に出やすいのか?俺)んじゃ、また後で」

 気づかれている事が分かった五郎は、恥ずかしいのでそそくさと自室に逃げる。

 

「あいよー(雄英に入ってよかったみたいだなぁ、あんなに嬉しそうにしちゃって…)さてと、あの子の新しい門出を祝って美味しいものいっぱい作ってやりますか!!」

 帰って来た時から嬉しそうにしていた息子である五郎の”小さな変化”を喜ぶ香織はそう意気込むのであった。

 

 

 

 

 

 

 ー時は遡り。五郎が後にした校長室はと言うと

 

「どう思いましたか?最後の質問の答え…」

 そう言ったのは五郎の担任である相澤

 

「金の卵…だね。彼の今までの『人生』、何よりも彼の『個性』、とんでもないほどの努力をして来た事が容易に想像できるのサ。それに、並大抵の人間では心が折れ、敵になるか自殺…だろうね。しかし、彼は違う。母親のおかげでもあるのだろうが、あの言葉はそれだけじゃない」

 

「そうですね…」

 

 

 五郎が校長室を後にする前に相澤が行った最後の質問に五郎は

 

「何を当たり前な事を…今でも殺したい程憎いに決まっているでしょうが。幼稚園、小学校、中学校で俺をいじめて来た奴ら。そいつらのせいで、何度死にかけたことか…そしてそんな事があってもそれを黙認する大人たち。今でこそ、この姿になって無くなりましたが、街で人とすれ違えば恐怖と嫌悪感を露わにして走って逃げる事が基本でした。この『個性』のせいで妹はいじめられ。母は近隣の住民どもに俺と言う化け物を生んだ怪物だと煙たがられていた。自分なんかに愛を注いでくれる両親、兄である俺の所為でいじめられているにも関わらず慕ってくれる妹。そんな優しい俺の家族に人間達はクソみてぇなことしかしねぇ。憎まない理由がどこにある…貴方達人間は俺の”敵”ですよ」

 そう言って相澤を睨みつける五郎。そして、その言葉と目に篭っているのは家族以外の人間に対する途轍もない憎悪と敵意…

 

「…確かにそうだな。…なら、質問を変える。もし、お前や家族をいじめていた人間が助けを乞うてきたならばどうする?」相澤自身、嫌な質問をしている自覚はある。しかし、この生徒の本質を知るには聞くしかない。

 

 五郎は言う

「……当然、助けますよ。それがヒーローです」

 

「…お前の言う”敵”なのにか?」

 

「当たり前ですよ。俺が人間どもを敵とみなそうが、人間どもがどれだけ俺の事を嫌おうが関係ありませんね。ただ、助ける。それだけです。そうする事で、『個性』や見た目ごときでなんでも決めつける人間どもに、自分がどれだけ愚かな事をしているのかを知らしめてやるんですよ。そして、俺と同じ様に虐げられる奴らを助ける。それが、あの日母に示され、自分の理想と決めたヒーロー像ですから。」

 

「そうか…お前の考えは取り敢えず分かった」

 

「そうですか…それで?除籍にでもしますか?」

 

「分かっていたのか…」

 

「最初は良く分からなかったですがね…流石に三つめの質問の時に気づきましたよ。それで?どうなんですか?」

 

「…除籍になんかするわけねぇよ。これから教える事が山ほどあるからな。例えば、目上の人間に対する態度とかな…」

 

「特に問題はないと思いますが?」

 

「問題ありまくりだよ…根津校長は別として俺や他の生徒達に対して敵意剥き出しすぎだ。やめろとは言わねぇが、隠す努力をしろ」

 

「…善処します」

 

「あぁ、是非とも善処してくれ。それと蜚蠊。この雄英高校、特にヒーロー科にはお前が今まで会ってきた様な人間(・・)は基本いねぇ。何故かは知らんが、良く言えば個性豊かな、悪く言えば変な奴等が揃う。「…それ、俺の事言ってます?」…なんだ自覚はあるようだな。まぁ、流石にヒーロー目指しててお前みたいに誰彼かまわず敵意剥き出しの奴は初めて見るよ。要するに、お前の在籍する『1-A』も同じだ。だから常に観察しろ。他の生徒たちを。無理に仲良しこよしする必要はねぇが、ヒーローは時にチームを組んで行動する。その為にも最低限の交流は必要不可欠。ヒーローなるのに好き嫌いしている暇なんて無いからな…」

 

「分かっています」

 

「分かっているならそれで良い。それと、お前の『個性』のことだが…教師陣の方からはお前の『個性』については話さない。お前が生徒達を観察し、『個性』を打ち明けても良いと判断できたらすれば良い。まぁ、それで嫌われでもしたら校長の所に来たら良い。そうですよね?校長」

 

「その通りなのサ!」

 

「と言うわけだ。個性把握テストの時にも言ったが、雄英は常に君たちに試練を与える。Plus Ultraだ、張り切っていこう」

 

「…それじゃあこれぐらいにして、今日はわざわざごめんネ!気を付けて帰るのサ!」

 

「いえこちらこそ、それでは」そう言って立ち上がりドアの方へ向かうと

 

「そういえば蜚蠊、最後に一つ言い忘れていた事がある」相澤に呼び止められる。

 

「何でしょうか…」そう言って振り向いてみる

 

「俺は…嫌いじゃねぇぞ『ゴキブリ』…意外とかっこいいだろあいつら」そう言ってニヒルに笑う男が居た

 

「そうですか…」

 五郎の中でこの先生(・・)に対する評価は決まりつつある…なので、一度だけ信じてみる事にした、このニヒルと笑った相澤(・・)と言う先生(・・)を。それが吉と出るか凶と出るかは分からないが、信じてみる事にした。初めて家族以外の人間で自分の事をしっかりと見てくれている気がしたから…

 

 

———————————-

 

 

「『敵だとしても、嫌われていても、ただ、助ける』そう簡単に言える言葉ではない」

 

「そうだね、それにしても…この部屋に入ってきた時の君に向けていた目…昔の僕にそっくりだったのサ!」

 

「あんなに尖った時期が校長にもあったんですね」

 

「当然なのサ!本当に良く似ているよ…」

 

「…では自分はこれで、明日の準備などがあるので」

 

「そうするとしよう…そう言えばだけど相澤君から見て彼はどう見えたんだい?」

 大した意味はないが、先ほど自分に聞かれた事を彼が部屋を出る前に聞き返してみた

 

「最初はどうかと思いましたが…まぁ今は、とんでもなく教え甲斐のありそうな生徒…ですかね…」そう言って校長室を後にする。そしてその言葉を聞いた根津は

 

「ふふ、全くもってその通りなのサ」そう呟くのであった。




オリジン早くね?って思った方もいるかもですが、この辺でしとかないと五郎の人間関係の変化を書くのが遅くなってしまうと思ったのでご了承下さい。
それにしても、相澤先生は本当にかっこいいですよね
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