午前中に英語等の必修科目の授業を受け、昼食後、いよいよ始まるのはヒーロー基礎学
「わーたーしーがー!! 普通にドアから来た!!」
「…!」
「オールマイトだ……! すげえや、本当に先生やってるんだな…!」
「銀時代シルバーエイジのコスチュームだ!!」
「画風が違いすぎて鳥肌が……」
「早速だが、今日はコレ! 戦闘訓練! そしてそいつに伴って〜こちら! 入学前に送ってもらった『個性届け』と『要望』に沿ってあつらえたコスチューム!!」
「「「おおおおおおおおおお!!!」」」
「コスチューム・・・!!」
「着替えたら順次、グラウンドβに集まるんだ!!」
「「「「はーい!」」」」
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「格好から入るってのも大切なことだぜ少年少女!自覚するのだ。今日から自分は、ヒーローなんだと!」
1年A組の生徒達はそれぞれが入学前に要望した自分の理想のヒーロー像を形にしたコスチュームを身に纏い、グラウンドβに集合する。
「いいじゃないか、かっこいいぜ!さあ始めようか有精卵ども!!」
そしてそれは五郎もまた同じ
「(冷暖房機能…思ったより軽いな…)」
伸縮自在の黒いスーツ型のコスチューム。そして、ベルトとネクタイには『G』の文字。これが五郎の考える理想のヒーローコスチューム。
「先生! ここは入試の試験場ですが、また市街地演習を行うのでしょうか!?」
「いいや、もう2歩先に踏み込む! これから君たちには"ヒーロー組"と"ヴィラン組"に分かれての、2対2の屋内戦闘訓練を行ってもらう!」
「基礎訓練なしに?」
「その基礎を知るための実践さ。ただし、今回はぶっ壊せばOKなロボじゃないのがミソだ。」
そう、オールマイトが言うと
「勝敗のシステムはどうなります?」
「ぶっ飛ばしてもいいんすか?」
「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか?」
「分かれるとはどのような分かれ方をすればよろしいですか?」
「このマントヤバくなぁい?」
生徒たちは各々疑問に思ったことを質問する。ただ、若干1名…全く関係ない事を聞く生徒もいるが、五郎は
「…(このマント人間…頭大丈夫か?)」
その生徒に、家族以外の人間で初めてかもしれない心配の目を向けるのであった。
「いいかい?状況設定は敵がアジトのどこかに核兵器を隠していてヒーローはそれを処理しようとしている。ヒーローは時間内に敵を捕まえるか核兵器を回収すること。敵は制限時間内までに核兵器を守るかヒーローを倒すこと。コンビ及び対戦相手はくじで決める!ただし、このクラスは21人いるから1チームだけ3人編成にする!」
「それだと一戦だけ3対2になって、2人チームの方達が不利になりませんか?」
「その辺りも心配御無用!!2人チームの方には少しだけハンデをあげるからね。内容は後で説明するからお楽しみに!それじゃあ、各自くじを引いてね」
そういってオールマイトはくじを出し、次々と生徒達はくじを引いていく。そして、五郎が引いたのは
「Gか…」
全員が引き終わりチーム分けはこうなった。
A:緑谷&麗日
B:障子&轟
C:峰田&八百万
D:爆豪&飯田
E:芦戸&青山
F:口田&砂藤
G:上鳴&耳朗&蜚蠊
H:常闇&蛙吹
I:尾白&葉隠
J:瀬呂&切島
「続いて最初の対戦相手は、Aコンビが「ヒーロー」!!Dコンビが「敵」だ!!敵チームは先に入ってセッティングを!5分後にヒーローチームが潜入でスタートする。他の皆はモニター室で観察するぞ!」
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戦闘訓練が始まり、他の生徒達は初戦の様子をモニター室から眺めていた。モニターでは爆豪が緑谷に奇襲をしかけている様子が映し出されており、緑谷との攻防を繰り広げる。すると、爆豪が掌を前に向けて構え籠手
「(なにする気だ?あいつ…)」
するとオールマイトが叫ぶ
「爆豪少年ストップだ!!殺す気か!?」
オールマイトの制止の言葉を無視し、モニターに映る爆豪は籠手にある引き金を引いた。すると
ドゴォォォォォォォォォン!!!!!
途轍もない威力の爆発とともに轟く爆発音。そして、爆煙の中からゆっくりと爆豪が姿を現す。
室内での大規模攻撃を行った爆豪にオールマイトは注意をする。
「爆豪少年。次それを撃ったら強制終了で君らの負けとする。屋内戦において大規模な攻撃は守るべき牙城の損壊を招く。ヒーローとしては勿論、敵としても愚策だぞそれは。大幅減点だからな。」
「(見る意味無さげだなこりゃ…寝るか)」
そう決めた五郎はモニター室の後ろで目をつむり、仮眠を取る態勢に入る。しかし仮眠の体制に入り少し経つと
「寝てないで一緒に見ようよ!!蜚蠊君!!」
そう言って葉隠が五郎の体を揺らし起こそうとする。
「…透明人間か」
「な!!失礼な!確かに透明人間だけど、私には葉隠透って名前があるからちゃんと名前で呼んでよ!!それよりも見なくていいの?」
「……どう考えても見る必要ねぇだろ、この試合は。」
「え?」その言葉に驚いた葉隠は五郎に理由を聞こうとするが
「ヒーローチーム・・・WIIIIIIIIIIIIIIIN!!!!!!!」
オールマイトの声に遮られるのであった。
––––––––––––––––––
「さて、講評の時間だ。」
モニター室では初戦の講評をするため、モニターの前で生徒達に向かって話し始めた。オールマイトの横には不負傷した緑谷以外の初戦のメンバーが並ぶ。
「つっても今戦のベストは飯田少年だけどな。」
「なっ!?」
「勝った緑谷ちゃんかお茶子ちゃんじゃないの?」
オールマイトの言葉に疑問を感じた蛙吹はそう質問する。
「なぜだろうなぁ?分かる人!」
「はいオールマイト先生。それは飯田さんが一番状況設定に順応していたからです。爆豪さんの行動は戦闘を見た限り、私怨丸出しの独断。そして先ほど先生が仰っていた通り、屋内での大規模戦闘は愚策。緑谷さんも同様、受けたダメージから鑑みてもあの作戦は無謀としか言いようがありませんわ。麗日さんは中盤の気の緩み。そして最後の攻撃が乱暴すぎたこと。ハリボテを核として扱っていたらあんな危険な行為は出来ませんわ。相手への対策をこなし、核の争奪をきちんと想定していたからこそ飯田さんは最後対応に遅れた。ヒーローチームの勝ちは訓練だという甘えから生じた反則のようなものですわ。」
「・・・・ま、まぁ飯田少年もまだ固すぎる節はあったりするわけだが・・・。まあ正解だよ。くぅ~。」
「常に下学上達。一意専心に励まねばトップヒーローになどなれませんので。それと質問よろしいでしょうか」
「もちろん!!なんでも聞きたまえ」
「先程、蜚蠊さんはこの試合を観戦する必要はないと仰っておりましたが、その言葉には一体どう言った意図があるのか教えていただきたいのです」
八百万の言葉に他の生徒達は勿論、オールマイトも五郎を見る
「フム…本当かい?蜚蠊少年」
「(ダリぃ事を)…まぁ、確かに言いましたが。それが?」
「理由は聞けるかい?」
「…言う必要ありますか?それ」
頷く一同。それをみた五郎は聞く
「はぁ、んじゃ聞きますがオールマイト、今回の訓練の設定はヒーロー対敵の屋内での核争奪戦ですよね?」
五郎のその言葉にオールマイトや生徒達は?マークを浮かべる。
「そうだけど…それがどうかしたのかな?」
「さっきの戦闘訓練にヒーローっていましたか?どう見ても敵同士の喧嘩だったと思うのですが、そこら辺はどうお考えで?」
「・・・・・っ!?」その言葉に大体の事を察したオールマイト
「緑谷さんと麗日さんがヒーロー役だったはずですが?」
「…はぁ、お前馬鹿だろ。「なっ!」そこの爆弾のことを私怨丸出しだとか言ってたが、敵役なんだろ?なら、なんら問題ねぇ。そこらの『個性』持て余してる敵の行動原理なんか大抵そんなもんだろ。それに、室内での大規模攻撃も敵ならなんら問題ねぇ。むしろ、なんで減点されてんのか知りてぇところだがな。なぁ?オールマイト」
「…それはさっきも言ったと「そんなことねぇだろ?」…」
「敵には死ぬ事よりもヒーローに負ける事の方が嫌いだって奴もいるだろ?違うか?オールマイト」
その言葉に生徒達は驚く。
「(今時ネットで調べりゃ、いくらでも情報は手に入るってのに。こいつら、敵の事知らな過ぎだろ…)」
すると、黙っていたオールマイトが口を開く
「…確かに…そう言った思考を持つ敵は少数であるが存在する…」
「だろ?なら、さっきの大規模攻撃は核を爆破させて自滅する覚悟もあるぞって意味の脅しと捉えることも出来るだろ。だから、
その言葉に黙る一同
「これ以上説明いりますか?オールマイト」
「…いや、蜚蠊少年の言う通りだ。ただ、今回は初めての訓練だからね。そこら辺は多めに見させてもらうよ」
「そうですか…」
「…正直、入学して間もないのにここまで敵の思考をトレース出来る子がいるのにビックリしちゃったけど、蜚蠊君みたいな考えは仮免取得レベルだからまだ気にしなくていいぞ!ただし、今後しっかりと学ぶ必要があるのもまた事実!!だから、次のチームからはもう少しだけ考えて行動してみようか!!」
「「「「はい!」」」」「はい…」
他の生徒達が気を引き締めている中、五郎をじっと見つめる目が三つ。一つは先の試合で負けた敵チームの一人である爆豪。二つ目は左半身を氷の様な物で覆ったコスチュームを着た轟。そして最後は、先程散々五郎に馬鹿かと言われた少女の八百万。三者三様、五郎にライバル心の様なものを向ける中
「それじゃあ次はこのチームだ!!」
戦闘訓練はまだまだ続く
今回も読んで頂き有難うございました。
お気に入り数も着々と増えていき、正直、下手なものがかけなくなったので怖いですが今後も失踪しない様に頑張ります。
また、五郎のコスチュームの詳細は設定の方でしっかりと書かせて頂きますのでよければご覧になってください