作品内容に関しては先生に監修していただいておりますが、今回のお話は先生の作品とは平行世界という設定になっており、こちらで明示された設定が先生の作品に反映されるとは限りません。
また、こちらの設定と先生の作品の設定に齟齬や矛盾が発生する可能性も大いに存在します。
あくまでも今回のお話は平行世界であったかもしれない物語であり、先生の作品の世界線とは一切関係ありません。予めご了承ください。
デュエルフィールドに立つ二人のデュエリスト。
一人はこのデュエルアカデミア本校の校長――才災校長に「才村」と呼ばれていた、オベリスクブルーの制服を着たサイバー流の門下生。もう一人は見た事がない、銀色の髪を緩くウェーブのかかったショートヘアにした、紅色の瞳の猫目な女子。
口元にはニヤニヤとした笑みを浮かべており、オシリスレッドの制服そのものではないが、手作りなのだろうかそれを模した紅色の服をまるで何かの当てつけのように着用。その上から黒色のネコミミパーカーを羽織っている。
「中学生……いや、小学生か?」
「中等部一年生……のはずよ」
俺――猫崎俊二が呟くと、俺の隣に立つ女子――才波光里がぼやいた。
「知ってるのか?」
「一応ね……彼女は
随分と物々しい二つ名だった。
彼女の話によるとサイバー流の免許皆伝には至っているのだが素行に問題があり、他の門下生にデュエルを吹っかけては散々に煽りまくるというリスペクトの欠片もない行動を繰り返しており、本人は「私なりのリスペクトデュエル」と言い逃れしていたそうだが才災が師範になってから激突。ついには彼女がサイバー流を去ったということだ。
「鮫島前師範は、彼女にサイバー流免許皆伝の証であるサイバー・エンド・ドラゴンの継承の代わりにあるデッキを託したそうなんだけど……そこまで詳しい事は知らないわ」
「というか、そもそもなんで中学一年生がここにいるんだ?」
「さあ?」
そんなこんなの間にデュエルが開始された。
「柳里彩葉! お前のリスペクトのないデュエル、この俺のリスペクトデュエルで打ち砕いてやる!」
「んふふ☆ よろしくお願いしまぁす♡」
血気盛んに叫ぶ才村に対し、彩葉は猫目を細めてんふふと余裕そうに笑い、形だけでも礼儀正しく頭を下げる。その余裕が癪に障ったのか、先攻になった才村は額に怒りマークをくっつけながらカードをドローした。
「俺はモンスターをセットしてターンエンド!」
「……? え、それだけ?」
「黙れ! 次のターンになればそんな減らず口なんて叩けなくしてやる!」
しかし才村が行うのはセットモンスターを一体出すだけの静かな立ち上がり。それを見た彩葉がややきょとんとした顔で呟くと才村の方も怒号で返し、彩葉は「はいはい」と受け流しながらデッキからカードをドローした。
「えーっとそうだなー……じゃあ、まずは[サイバー・ダーク・クロー]を捨てて効果を発動♪ このカードを手札から捨てて発動でき、デッキからサイバーダーク魔法・罠カード一枚を手札に加える。私はこの効果で……[サイバネティック・ホライゾン]を手札に加えるよ☆」
「ふざけるな! そいつのカード名には“サイバーダーク”がないだろ!」
「リスペクトもなければルール違反もする卑怯者め!」
「お前の反則負けだ!」
彩葉がデッキからカードをサーチした途端、周りのサイバー流門下生から怒号のようなブーイングが響く。
しかし周りから聞こえてくるそれらに対し、彩葉は「あは☆」と一笑いで応えてみせた。
「サイバー流のおにーさんもおねーさんも知らないの? サイバネティック・ホライゾンは“このカードはルール上「サイバーダーク」カードとしても扱う”っていう効果外テキストがちゃんと書かれてるんだよ? サイバー流に関わるカードのテキストも把握してないなんて。それでもサイバー流なのぉ?」
ほらほら見てごらん、というようにサーチしたサイバネティック・ホライゾンのカードを見せつける彩葉と空気を読んだのか見せびらかすサイバネティック・ホライゾンのカードを巨大モニターに映すカメラ。
ニヤニヤと笑いながらのその言葉に先ほどブーイングを出していた門下生が揃って顔を赤くして黙り込む。だが……
「いきなり観客を煽ってきたな、あの子……」
「ええ……」
サイバー流最大の問題児と呼ばれる所以が分かった気がする。だがあの子の言う「サイバー流に関わるカードのテキストも把握してないなんて」という言葉には一理ある。流石に全てのカードのテキスト・効果を把握するなんて不可能だが、自分がメインで使うカードに関するカードの効果くらいはおおよそでも把握しておくのはデュエリストとして当然だろう。
そんな事を考えていた時にふと視界の端にちらりと見えたが、丸藤亮がこめかみを押さえながらうつむいていた。才波によると彼は彼女がサイバー流にいた頃によく世話を焼いていたらしい、彼も苦労するな。
「じゃあ私は[サイバネティック・ホライゾン]を発動。手札及びデッキからそれぞれ一体ずつ、ドラゴン族・機械族のサイバーモンスターを墓地へ送って発動でき、デッキからドラゴン族・機械族のサイバーモンスター一体を手札に加え、融合デッキから機械族のサイバー融合モンスター一体を墓地へ送る。
ただし、このカード名のカードは一ターンに一枚しか発動できず、このカードを発動するターン、私は機械族モンスターしか融合デッキから特殊召喚できない。
私は手札から機械族の[サイバー・ドラゴン]を、デッキからドラゴン族の[サイバー・ダーク・カノン]を墓地に送り、デッキから[サイバー・ダーク・ホーン]を手札に加え、融合デッキから[サイバー・ツイン・ドラゴン]を墓地に送るよ」
「お前、サイバー・ドラゴンを墓地に送るなんて、仮にも元サイバー流としてサイバー・ドラゴンへのリスペクトはないのか!?」
「リスペクトしてるからこそ、なんだけどなぁ……私はさらに魔法カード[竜の霊廟]を発動。デッキからドラゴン族モンスター一体を墓地へ送り、この効果で墓地へ送られたモンスターがドラゴン族の通常モンスターだった場合、さらにデッキからドラゴン族モンスター一体を墓地へ送る事ができる。
ただし、このカード名のカードは一ターンに一枚しか発動できない。
私はドラゴン族の通常モンスター[トライホーン・ドラゴン]を墓地に送り、さらに[比翼レンリン]を墓地に送るよ」
まだ手札は二枚しか減っていないのに既に墓地には六枚もモンスターが送られている。しかし自ら墓地にモンスターを送るという行動自体が引っかかるのか、周りからは「リスペクトがない」「所詮はサイバー流を追い出された卑怯者」などぼそぼそと彼女への陰口が飛んでいた。
「私は[サイバー・ダーク・ホーン]を召喚し、効果発動。このカードが召喚に成功した場合、自分の墓地のレベル3以下のドラゴン族モンスター一体を装備カード扱いとしてこのカードに装備し、このカードの攻撃力はこのカードの効果で装備したモンスターの元々の攻撃力分アップする。私は墓地のレベル3のドラゴン族、サイバー・ダーク・カノンを装備するよ」
サイバー・ダーク・ホーン 攻撃力:800→2400
彩葉の場に現れるのはその他の通り巨大な
「サイバー・ダーク……やっぱりリスペクトの欠片もないだけあるな! そんな不気味なデッキを使うなんて!」
才村が我が意を得たりとばかりに彩葉の場のサイバー・ダーク・ホーンを指差して声を上げ、同時に周りのサイバー流門下生からも「サイバー流の恥さらし!」とか「所詮は落ちた鮫島の下にいた奴だ!」とか「さっさと負けちまえ!」とかの暴言が飛び始める。
その言葉に対し、彩葉は猫目を細めて貼りつけたような笑みを浮かべつつ、才村の場を指差した。
「バトルだよ。サイバー・ダーク・ホーン、あの守備モンスターを攻撃。サイバー・ダーク・ホーンは貫通効果を持つよ」
「ぐああっ! く、破壊された[シャインエンジェル]の効果発動!デッキから[プロト・サイバー・ドラゴン]を特殊召喚!」LP4000→2400
プロト・サイバー・ドラゴン 攻撃力:1100
貫通効果を持つサイバー・ダーク・ホーンの一撃が大きく才村のライフを削るが、相手もプロト・サイバー・ドラゴンを出す。次のターンの布石だろう。
「サイバー・ダーク・カノンの効果発動。このカードを装備カード扱いとして装備しているモンスターが戦闘を行ったダメージ計算時に発動でき、デッキからモンスター一体を墓地へ送る。私は[サイバー・ダーク・エッジ]を墓地に送るね。リバースカードを二枚セットしてターンエンド」
「俺のターン、ドロー!」
彩葉がターンエンドを宣言し、才村がカードをドローすると途端に彼は得意気な笑みを見せる。
「見せてやる! これがリスペクトデュエルの頂点ってやつだ! 俺は魔法カード[融合]を発動! フィールドの[
サイバー・エンド・ドラゴン 攻撃力:4000
才村の場に現れるサイバー・エンド・ドラゴン。だが奴はまだ終わらないというように手札を取った。
「魔法カード[
フィールドの[
サイバー・エンド・ドラゴン 攻撃力:4000
「よっしゃあ! いいぞぉ才村!」
「二体のサイバー・エンド・ドラゴン!」
「リスペクトデュエルに反する恥知らずなんてこれで終わりだ!」
手札を全て使い切ったが二体のサイバー・エンド・ドラゴンが並び、サイバー流門下生から声援が響く。だが彩葉の余裕そうな笑みは消えていなかった。
「そんな空元気の笑い顔もこれで終わりだ! サイバー・エンド・ドラゴンでサイバー・ダーク・ホーンを攻撃! エターナル・エヴォリューション・バースト!!」
攻撃指示を受けたサイバー・エンド・ドラゴンがサイバー・ダーク・ホーン目掛けてレーザーを発射する。しかしその時、サイバー・ダーク・ホーンがケーブルを動かしてサイバー・ダーク・カノンを盾にするように展開する。
「サイバー・ダーク・ホーンの効果。このカードが戦闘で破壊される場合、代わりにこのカードの効果で装備したモンスターを破壊するよ。さらに破壊されたサイバー・ダーク・カノンの効果発動。モンスターに装備されているこのカードが墓地へ送られた場合、私はデッキからカードを一枚ドローする」LP4000→2400
サイバー・ダーク・ホーン 攻撃力:2400→800
「モンスターを墓地に送って、無理矢理装備して、しかも盾にするなんて卑怯者が!」
「だけどたかが一時しのぎに過ぎないわ!」
「あんな雑魚やっちまえ!」
「ああ! もう一体のサイバー・エンド・ドラゴンでサイバー・ダーク・ホーンを攻撃!! これで終わりだ!」
周りのサイバー流門下生のヤジ交じりの声援に応えるように、二体目のサイバー・エンド・ドラゴンがレーザーを放つ。今のサイバー・ダーク・ホーンは実質ただのノーマルモンスター、ステータスの差は歴然、この一撃を受ければ勝負は決まる。
「ざんね~ん♪」
だが彩葉の煽るような笑みと共に彼女の場のリバースカードが翻った。
「トラップカード[パワー・ウォール]。相手モンスターの攻撃によって自分が戦闘ダメージを受けるダメージ計算時に発動でき、その戦闘で発生する自分への戦闘ダメージが0になるように500ダメージにつき一枚、自分のデッキの上からカードを墓地へ送る。私が受ける戦闘ダメージは3200、これが0になるように500ダメージにつき一枚、よって七枚のカードを墓地に送るよ」
デッキの上から七枚のカードを抜いて前方に放り投げ、そのカードが壁になったようにサイバー・エンド・ドラゴンの放ったレーザーを防ぐ。サイバー・ダーク・ホーンを守ることこそ出来なかったものの自分のライフは1ポイントたりとも削られていない。
「ねーねーおにーさん。もう終わりー? あんなに偉そうに言っておいてまさかそんなわけないよね~?」
投げた七枚のカードをすぐさま拾って改めて墓地に送った後、彩葉はニヤニヤと笑いながら才村を煽り始める。才村もぐぬ、と唸り声を上げた。
「お前、自分を守るためだけにデッキをそんなに削って! どこまでリスペクトがなければ気が済むんだ!?」
「あは☆ 何それ負け惜しみ~? ダッサ♪ 攻撃反応型のトラップなんだから先にサイクロンで割っとくなりトラップカードなんだからトラップ・ジャマーで防げばいいだけなのに、何もしないなんてそっちの怠慢じゃん☆ ねーねー、まだ何かする事あるんなら早く進めてよ~♪」
「ぐ、ぐぎぎ……」
才村の煽りに彩葉も煽りで応える。その言葉に才村が再び唸り声を上げた。
というのも彼に手札はなく、伏せカードもない。つまり既に彼にこのターンやれる事はなく、デュエルを進行させるために出来るのはたった一つだけだ。
「タ……ターンエンド」
「きゃはっ☆ じゃあ私のターンだね。ドロー。魔法カード[貪欲な壺]を発動、墓地からモンスターを五体選んでデッキに戻してシャッフルし、デッキから二枚ドローする。私は[サイバー・ドラゴン]、[サイバー・ツイン・ドラゴン]、[サイバー・ダーク・クロー]、[ベビードラゴン]、[比翼レンリン]をデッキに戻してシャッフル。二枚ドローするよ」
先攻ワンターン目での墓地肥やし以外にもパワー・ウォールの効果で大量にカードが墓地に送られた。貪欲な壺に使うモンスターに事欠くこともなく彩葉は手札を増やしている。
「魔法カード[アームズ・ホール]を発動。デッキの一番上のカードを墓地へ送って発動でき、自分のデッキ・墓地から装備魔法カード一枚を選んで手札に加える。私は装備魔法[自律行動ユニット]を手札に加えるよ。
ただしこのカードを発動するターン、自分は通常召喚できないんだけど……まあ問題はないよね」
そう呟いて、彩葉はニヤリと笑みを見せた。
「魔法カード[オーバーロード・フュージョン]を発動! 自分のフィールド・墓地から、機械族・闇属性の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、その融合モンスター一体を融合デッキから融合召喚する
私は墓地の[サイバー・ダーク・ホーン]、[サイバー・ダーク・エッジ]、[サイバー・ダーク・キール]でオーバーロード・フュージョン! 現れろ、[鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴン]!!」
鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴン 攻撃力:1000
さっきのターンで戦闘によって破壊されたホーン、カノンの効果で墓地に送られたエッジ、そしてパワー・ウォールで墓地に送られたと推測できるキール。この三体が爆発的な融合エネルギーに包み込まれ、サイバー・ダーク・ドラゴンが彼女の場に降臨した。
「サイバー・ダーク・ドラゴンの効果発動! このカードが特殊召喚に成功した場合、自分の墓地のドラゴン族モンスター一体を装備カード扱いとしてこのカードに装備。このカードの攻撃力はこの効果で装備したモンスターの元々の攻撃力分アップする。私は墓地の[トライホーン・ドラゴン]を装備、その元々の攻撃力2850、サイバー・ダーク・ドラゴンの攻撃力がアップ」
鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴン 攻撃力:1000→3850
「はっ、大層な方法で召喚しておいて攻撃力はサイバー・エンド・ドラゴンより下だ! そんな奴次のターン俺のサイバー・エンド――」
「さらに、サイバー・ダーク・ドラゴンの攻撃力は自分の墓地のモンスターの数×100アップする。私の墓地のモンスターは[サイバー・ダーク・カノン]と[ネクロ・ガードナー]の二体」
鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴン 攻撃力:3850→4050
「――で……な、あ……」
「バトル♪」
合計攻撃力4050。そう、40
その光景に才村が絶句している中、彩葉は純粋な笑みでバトルを宣言。サイバー・エンド・ドラゴンを指差した。
「サイバー・ダーク・ドラゴンでサイバー・エンド・ドラゴンを攻撃! フル・ダークネス・バースト!!」
「ぐあああぁぁぁぁっ!!!」LP2400→2350
サイバー・ダーク・ドラゴンの放つレーザーがサイバー・エンド・ドラゴンの一体を撃ち抜き、爆散させる。同時にまさかサイバー・エンド・ドラゴンがやられるとは思わなかったのか周りのサイバー流門下生から困惑の声とざわめきが広がった。
「だ、だがたった50だ! 強化カードの一枚も来ればそんな奴……」
「メインフェイズ2に入るね。私は装備魔法[自律行動ユニット]を発動。ライフを1500ポイント支払い、相手の墓地のモンスター一体を自分フィールドに攻撃表示で特殊召喚し、このカードを装備する。このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。私が特殊召喚し、自律行動ユニットを装備するのは当然[サイバー・エンド・ドラゴン]」LP2400→900
サイバー・エンド・ドラゴン 攻撃力:4000
「サ、サイバー・エンド・ドラゴンが奪われた……」
「相手のカードを奪うなんて卑怯者!」
「正々堂々と戦いやがれ恥知らず!」
「……きゃは☆」
サイバー流最大の切り札がやられたどころか奪われた、その光景にサイバー流門下生からの怒号が彩葉へと浴びせかけられる。だが彼女は何も気にしていないというように目を細めて笑い、さらに一枚のカードを見せる。
「魔法カード[パワー・ボンド]を発動。機械族モンスターを融合召喚するよ」
「な、なに!? だがお前の場にいるのは……っ、ま、まさか!?」
「そう。私は[鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴン]と[サイバー・エンド・ドラゴン]を融合!!!」
バチバチとフィールドに電流が走る。サイバー・ダーク・ドラゴンとサイバー・エンド・ドラゴン、表裏のサイバー流の切り札が光に包まれて混ざり合う。
「現れろ[鎧皇竜-サイバー・ダーク・エンド・ドラゴン]!!! パワー・ボンドの効果で攻撃力は倍になる!!!」
鎧皇竜-サイバー・ダーク・エンド・ドラゴン 攻撃力:5000→10000
「こ、攻撃力……10000……」
紫電のようなエネルギーを身体中に走らせながら現れるのは、ビジュアル的にはサイバー・ダーク・ドラゴンの腹部にサイバー・エンド・ドラゴンを装備したような姿とでも言おう巨大なモンスター。
サイバー・エンド・ドラゴンの攻撃力を倍以上上回る、文字通り桁違いの攻撃力に才村は引いていた。というか隣の才波もポカンと口を開いているし、周りのサイバー流門下生もおおよそ似たような反応である。いや、唯一亮だけはまるで妹の成長を目の当たりにした兄のように嬉しそうな表情を僅かに見せていた。
「く、くはっ、はははっ!!」
だが突然才村が笑い出した。
「策士策に溺れる。いや、ただ攻撃力が高いモンスターを出したくて焦ったな! パワー・ボンドはエンドフェイズ時、融合召喚したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを受ける! だがお前はもうバトルを終えている、そうなれば攻撃力10000だろうがなんの意味もない!」
そう。パワー・ボンドの効果でこのターンのエンドフェイズに、彩葉は5000ポイントのダメージを受けなければならない。だが今はバトルフェイズが終了した後に行われるメインフェイズ2。既に彼女に攻撃の権利はなく、何もしなければこのままエンドフェイズに5000ポイントのダメージを受けて彼女の負けだ。
周りからも「所詮はリスペクトのないデュエルだ!」、「卑怯者にはお似合いの末路ね!」、「さっさとターンエンドして負けちまえ!」などとヤジが飛ぶ。
「リバースカードオープン」
そのヤジに彼女は言葉ではなくプレイングで応えた。
「[レインボー・ライフ]。手札を一枚捨てて発動でき、このターンのエンドフェイズ時まで、私は戦闘及びカードの効果によってダメージを受ける代わりに、その数値分だけライフポイントを回復する」
そう言って彩葉が最後の手札を捨てた時、彼女を守るように虹色の膜が包み込む。
「え……? だ、だめーじが……かいふく……?」
その言葉を聞いた才村がぼんやりとした声で呟く。まるで彼女の言った言葉を信じたくないように。
「あ、そーそー。サイバー・ダーク・エンド・ドラゴンの効果を発動するね、一ターンに一度発動でき、自分・相手の墓地のモンスター一体を選び、このカードに装備する。私は[サイバー・ダーク・カノン]を装備するよ☆」
サイバー・ダーク・エンド・ドラゴンにサイバー・ダーク・カノンが装備されるがもはや才村はそれどころではないというように無反応。
そして彼女が「ターンエンド」と宣言した時、本来以上の力を得たサイバー・ダーク・エンド・ドラゴンが、反動となるその余剰エネルギーの放出を開始。
しかしそれを浴びる彩葉は苦しそうではなく、むしろ虹の膜に守られている事で本来ならダメージとなるエネルギーが回復へと変換されていた。
「ごちそーさまでした☆」LP2400→7400
「こ、攻撃力、10000で……しかも、あいつのライフは7400……は、はは……あはははは……」
にへ、と笑う彩葉のライフは自爆するどころかむしろ初期ライフの倍にはちょっと届かないくらいにまで膨れ上がっており、例えダイレクトアタックを決めるとしてもパワー・ボンドかリミッター解除で攻撃力を倍加したサイバー・エンド・ドラゴンクラスでないと削り切れない。
その上彼女の場には攻撃力10000のサイバー・ダーク・エンド・ドラゴンが存在していた。もはや戦意喪失していてもおかしくはなく、実際に才村は顔を引きつらせて変な笑い声を出し始めていた。
「ほらほら、どーしたのおにーさん? おにーさんのターンだよ☆」
だが才村が心折れて膝を屈しそうになった直前、彩葉が口を開く。まるで戦意喪失なんて許さないとでも言うように。
「正々堂々、攻撃力を上げて立ち向かうのが
最後には手拍子を打って可愛らしい笑顔と可愛らしい声で応援する彩葉。なかなかの美少女である彼女に応援されれば男としてはやる気が出そうなものだが、才村は軽く涙目になりながら、サイバー流という最後の矜持だけで己を支えているかのように震える手でカードをドローする。
「お、お……俺は……モンスターをセット、して……サイバー・エンド・ドラゴンを、守備表示に変更……ターン、エンド……」
サイバー・エンド・ドラゴン 攻撃力:4000→守備力:2800
だが才村が出来たのはモンスターのセットとサイバー・エンド・ドラゴンを守備表示に変更し、守りを固めるのみ。
無理もない、ドロー前のあいつの場のカードはサイバー・エンド・ドラゴン一体のみ。それで攻撃力10000の大型モンスターを除去するにはリミッター解除ですら足りない。効果による除去の方が手っ取り早いが、この場にいる才村のような才災校長の教えを受けたサイバー流の門下生は相手のカードを効果で除去するカードの使用を批判しているし、攻撃を封じるカードにも否定的だ。
そこで新たにドローする一枚のカードのみで場をひっくり返せというのは無茶な相談にも程がある。それを可能にするにはそれこそ十代のようなチートドローが必要だろう。
「私のターン、ドロー」
さっとカードをドローし、彩葉はサイバー・ダーク・エンド・ドラゴンを見上げる。
「サイバー・ダーク・エンド・ドラゴンの効果発動。あなたの墓地から[サイバー・エンド・ドラゴン]を装備するね」
「え、あ……待て、待って……やめろ……」
サイバー・ダーク・エンド・ドラゴンにサイバー・エンド・ドラゴンが装備される。サイバー流最大の切り札、それが奪われて相手の切り札の融合素材にされただけでは飽き足らずさらに装備カードにさせられるのに才村は呆然としながらも弱々しい声で拒否しようとするが、それも許されなかった。
だが周りはブーイングを出さない。彼女の戦い方を肯定しているわけではない、ただ、ここで声を出して彼女に目をつけられる。それを恐れているのはさっきまでヤジを飛ばしていたサイバー流の門下生が揃ってドン引いたような恐れた表情を見せている事から簡単に伺えた。
「さらに装備魔法[ジャンク・アタック]をサイバー・ダーク・エンド・ドラゴンに装備。装備モンスターが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手ライフに与える」
「……だ、大丈夫だ、サイバー・エンド・ドラゴンを戦闘破壊されてもダメージは2000、まだライフは残る……次のターン、まだ、次のターンが……」
才村はまだ負けていないと必死に自分に言い聞かせている……ここまで来ればどうやっても命尽きるのが数ターン遅くなるだけのような気がするんだがな。
「あ、そーだ言い忘れてた。ごめんねおにーさん♡」
「え?」
てへ、と舌を出して両手を合わせ、可愛らしく謝る彩葉に才村はぽけっとした顔を向ける。
「サイバー・ダーク・エンド・ドラゴンはね、
「……へ?」
今、サイバー・ダーク・エンド・ドラゴンに装備されている装備カードはサイバー・ダーク・カノン、サイバー・エンド・ドラゴン、そしてジャンク・アタックの三枚。つまり三回攻撃が可能というわけだ。
その言葉が事実だと証明するように、サイバー・ダーク・エンド・ドラゴンの四つの頭の内、サイバー・エンド・ドラゴン部分の三つの頭の左右の二つの頭にエネルギーが集中していく。
「バトル。サイバー・ダーク・エンド・ドラゴンでサイバー・エンド・ドラゴンに攻撃」
「ひぃっ、あああぁぁぁぁっ!!」LP2350→350
「サイバー・ダーク・カノンの効果でデッキから[超電磁タートル]を墓地に送るね」
放たれたレーザーにサイバー・エンド・ドラゴンが抵抗も出来ずに呑み込まれ、爆散。
守備表示だから戦闘ダメージは受けないが、ジャンク・アタックの効果でバーンダメージは発生。これで次の守備モンスターの攻撃力が700以上ならその時点で敗北。仮にそれ未満だとしても……。
「守備モンスターを攻撃」
「つぅっ……」LP350→200
破壊されたモンスターは攻撃力300のサイバー・ジラフ。ギリギリで踏み止まったがこれであいつの場はがら空き、手札も伏せカードも何もない。そもそも妨害カードを批判・否定している以上その手のカードも存在しないだろう。
「ダイレクトアタックだよ、サイバー・ダーク・エンド・ドラゴン。エターナル」
「や、やめろ……」
「フル」
「やめてくれ……」
「エヴォリューション」
「いやだ」
「ダークネス」
「おれは」
彩葉の言葉と共に、サイバー・ダーク・エンド・ドラゴンの四つの頭の内、サイバー・ダーク・ドラゴン部分の頭にエネルギーが溜まっていく。
もはや防ぐ手段は何もなく、何も出来ずにサイバー・ダーク・エンド・ドラゴンを見上げる才村は完全に涙を流しながら震え、うわごとのように何か呟いている。
「バーストォ!!!」
「まけたくないいいぃぃぃぃっ!!!」LP200→0
サイバー・ダーク・エンド・ドラゴンから放たれたレーザーに才村が呑み込まれ、周りが完全にドン引きしている事によって生まれた静寂の中、才村の敗北を示すブザー音だけが鳴り響いた。
「そこまでです」
デュエルが終わった途端、どこに待機していたのか才災校長がデュエルフィールドに上がると、まるで親の仇でも見るような厳しいどころではない目で彩葉を睨みつけた。
どう考えても大人の男が中学生になったばかりの女の子に向けるような視線ではない。
「君のデュエルはやはり、リスペクトに反しています」
ああ、やはりか。
俺は才災校長のセリフをある程度予想していた。
「第一に、デュエル中の態度が悪いです」
え? それお前が言うの? ブーメランというレベルでは無いぞ?
「相手を見下すような傲慢な言動……そこに私はリスペクト精神を感じられませんでした。さらに、元とはいえサイバー流で教えを受けておきながら、サイバー・ドラゴンを自ら墓地に送りにするだけでは飽き足らず、相手のサイバー・エンド・ドラゴンを奪って融合素材にする、装備カードにする……実に残念としか言いようがありません」
本当に、本当にもうこの校長は救いようがない。
「パワー・ウォールのようなモンスターとの絆を断ち切るような罠カードや、ジャンク・アタックなどというバーンカードは言うまでもありませんが……」
一呼吸おいて、才災校長は言葉を続ける。
「ラストターンで、高攻撃力の連続攻撃で反撃するチャンスすら与えず蹂躙するデュエルに、リスペクト精神はありません」
そうなると、キメラテック・オーバー・ドラゴンもリスペクト精神を持たないカードになるが……。
もしかして、使用を禁じているのか?後で才波に聞いてみるか……。
「……ごめんなさい」
彩葉が頭を下げて謝罪の言葉を口にする。先ほどの煽りまくっていた姿と相反するあまりにしおらしく素直な態度に才災校長の方が目を白黒させていた。
「私は普通にやっていたつもりなんですが……サイバー流の方々が色々と言ってくるので、てっきり才災師範の教えているサイバー流ではこれがデフォルトなのかと思い、郷に入っては郷に従うつもりで……」
「い、いけしゃあしゃあと……」
要は「このデュエルで先に煽ってきたのはてめーらだろ」だ。
たしかに思い返せば彼女は本性はどうあれデュエル開始前はきちんと頭を下げて「よろしくお願いします」と挨拶しているのに対し、才村の方は「お前のリスペクトのないデュエル、この俺のリスペクトデュエルで打ち砕いてやる!」と彩葉を煽っているように聞こえなくもないし、サイバネティック・ホライゾンを発動した時も観客のサイバー流門下生が次々と彩葉にブーイングを出してきた。これも煽りと取ればたしかにこのデュエルにおいて先に煽ってきたのはサイバー流側である。
才波の話によれば彼女はサイバー流に所属していた頃から似たようなものらしいが、ここはサイバー流の道場ではなくデュエルアカデミア。当然話に聞いているだけの俺を含めて当時の彼女の事を知らない生徒も多く、そういう生徒から僅かに「たしかになぁ」とか「あの子だけ責められるのは可哀想かも……」という彼女に同情的な声がほんの僅かながら出ていた。
「で、ですが才村君のサイバー・エンド・ドラゴンを奪ったり、パワー・ウォールというカードとの絆を断ち切るカードやジャンク・アタックのようなバーンカードを使うというリスペクトが感じられないプレイングをしていたのは事実!」
「そこはまあ、リスペクトデュエルの解釈違いです」
続けてカードに対するリスペクトのなさを標的にする才災だが、彩葉はけろりとそう返していた。会場内がざわつく。
「そもそも私の使う裏サイバー流……もとい、サイバー・ダーク達は墓地にいるモンスターを装備する事で攻撃力を上げ、デュエルを優位に進めるモンスター」
「それらを使うためにモンスターを墓地に送る! それがリスペクトのない行動だと言っているのです!」
「私はそうは思いません」
気づけば、彼女は才災校長と真正面から言い合いを行っていた。
「たしかにデュエルモンスターズにおいて、モンスターはフィールドに出て相手モンスターと戦う事で相手のライフを削り、自分のライフを守るのが主な役目」
「その通り! そのモンスターを戦わずして墓地に送るなどモンスターの役目を最初から放棄させるも同然! そんなものモンスターへのリスペクトを欠いた行動と言わざるを得ません!」
「ですが。デュエルモンスターズは進化し続けています」
そう言い、彩葉が提示するカード。そのカード名はネクロ・ガードナー。
「ネクロ・ガードナーは墓地にある時、このカードを除外する事で相手モンスター一体の攻撃を無効にする。即ち
そう。ネクロ・ガードナーはフィールドに出せばリクルータークラスの攻撃さえ防げない程度のステータスだが、墓地にあればサイバー・エンド・ドラゴンの攻撃でさえ一発は確実に防ぐことが出来る。
墓地がルール上公開情報である以上存在が相手にばれる事は避けられないため奇襲性はないが、場に伏せているわけではないのでサイクロンなどの汎用的な除去効果は通じないしフィールドを圧迫するわけでもない、そういう部分であればその手の防御カードを上回る。
「私の使った[オーバーロード・フュージョン]もその一枚。闇属性・機械族モンスターに限定されるものの墓地にモンスターがいさえすれば、融合よりもコスパを良くして融合モンスターを融合召喚出来ます。今回それで出したサイバー・ダーク・ドラゴンや、サイバー・ドラゴンが墓地に残っていて、もっと機械族モンスターが墓地にいればキメラテック・オーバー・ドラゴンの融合召喚も狙えました」
「キメラテック・オーバー・ドラゴン……あんなサイバー・ドラゴンを食い物にした挙句、相手に反撃を許さないリスペクトに真っ向から反するモンスターまでも採用しているなど! あなたはどこまでリスペクトがないんですか!?」
「いえ。これが私のリスペクトデュエルです」
彩葉の語る言葉を己の理念に合わないと否定する才災校長。だがそれに対し彼女は強く言い切った。
というか、やっぱりキメラテック・オーバー・ドラゴンもリスペクト精神のないカード扱いなんだな。
「墓地のドラゴン族を装備する事で攻撃力を上げるサイバー・ダーク。これを主軸にするためには墓地にモンスターを送る事が最も効率がいい。そんなデッキなら、墓地にいてこそ真価を発揮するモンスターも活躍できる。私はそのモンスター達をリスペクトし、このデッキを作りました。即ち、これこそが私がサイバー流でリスペクトデュエルを学び、その殻を破る事で辿り着いた境地を示すデッキ」
守破離という言葉がある。弟子はまず師から教わった型を「守り」、修行・鍛錬を行う事で一人前になっていく。そして修行の中で身に着けた型を研究してより自分に合った型を模索していく中で師から教わった既存の型を「破る」。そしてその上でさらに修行を重ねていく事でやがて既存の型に囚われることなく「離れる」事になる。という考え方だ。
そう考えれば才災校長と話が噛み合わないのも当然だろう。サイバー流を学んでいない俺が言うのもなんだが、彼女のデュエルは既にサイバー流に有ってサイバー流に非ず。その型を破り、新たな境地に至るために既存のサイバー流の型から離れようとしているのだから。
……まあもっとも、才災校長のリスペクト精神を曲解したデュエルをしているサイバー流を既存の型と言っていいのかは疑問が残るわけだけど。
「全てのモンスターを、いえ、全てのカードをリスペクトし、それらを勝利のために最大限に活躍させる。そして相手を対等と認めリスペクトする。だからこそその相手に勝つために全力を尽くす。それが私のリスペクトデュエルです」
格下と相手を見下さず、格上と己を卑下せず、対等であると認める。だからこそそんな相手に勝利するために全力を出す。か弱い兎を狩るにも全力を尽くす獣の王たる獅子を思わせる言葉に才災校長が一瞬ぐぬっと言葉を詰まらせた。
「あ、あの相手を小馬鹿にする言葉も、そうだというのですか!?」
「あ、いえあれは趣味です」
どんがらがっしゃん、と生徒達が昭和のコントのように一斉にずっこける。台無しだった。
「ぐ、ぐぬぬ……認めません! 私はそんなリスペクトから外れた邪道のデュエルなど!」
一緒にずっこけていた才災校長もすぐに立ち上がって再び彩葉を睨みつけて外を指差した。
「今すぐに出ていきなさい! 私が校長の座にいる限り、あなたがこのデュエルアカデミア本校に入学・転入できるなど思わないように!」
おいおい、今の台詞って自分の考えに従わない奴はデュエルアカデミアに入学させないっていう圧力にしか聞こえないぞ……
「は~い。ちょっと面白そうだったから遊びに来ただけですし~了解で~す」
だがそんな才災校長の言葉に対して彩葉は両手を頭の後ろで組んでくるりっと周り、デュエル場から出ていこうと歩き出す。
「あ~でも」
デュエルフィールドから降りようとした時、彼女は才災校長の方を振り返る。猫目が細まり、口元にも怪しい笑みが浮かんだ。
「別に入学についてはご心配なく。私が進学を考えなきゃいけない頃にはもう全部終わってるだろうし♪」
そう言い残すと彼女はネコミミパーカーのフードを被り、「にゃは☆」と無邪気な笑顔を観客席にいる俺達にサービスして悠々とデュエル場を出ていく。その間、誰一人として何か捨て台詞を残すどころか一言も喋れず、身じろぎ一つせずに彼女を不気味そうに見送るしか出来なかった。
《後書き》
前書きで申し上げた通り、今回のお話は交響魔人先生の作品「猫シンクロ使いが行く遊戯王GX!」とのコラボです。
改めて交響魔人先生、快いコラボの許可及び執筆へのご協力ありがとうございました。
今回のお話は、あちらの作品のサイバー流門下生曰く「効果によるバウンス(つまり効果除去)は卑怯」「攻撃力を上げて戦え」等がリスペクトデュエルとのことでしたので「じゃあ圧倒的な攻撃力で蹂躙するなら問題ないよね?」という、いわば才災流リスペクトデュエルへのアンチ小説としての意味合いも込めて執筆いたしました……交響魔人先生、本当に執筆へのご協力ありがとうございました。(深々)
重ねて申し上げますが、今回のお話は特に才災校長による彩葉の批判部分に関しては交響魔人先生にご協力いただき、先生のご厚意による多少開示された設定を元に執筆いたしましたが、今回の話に合わせて多少変化した部分もありますので先生の作品の設定と矛盾や齟齬が発生する可能性が大いに存在します。あくまでも今回の話は先生の作品の世界線とは平行世界であり、世界観やストーリー的には一切関係ありません。
この話と先生の作品の間で設定的な齟齬や矛盾が発生しても私及び交響魔人先生は一切責任を持ちませんのでよろしくお願いいたします。
では今回はこの辺で。ご指摘ご意見ご感想はお気軽にどうぞ。それでは。