サイバー流系メスガキinデュエルアカデミア   作:カイナ

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前書き:今回はArc-V世界線になります。
今回の一話だけの予定だし別にいいかなって思うんですけど、本作の原作名「遊戯王GX」から「遊戯王」に直して、タグの方で調整した方がいいのかな?


もしも彩葉ちゃんがアカデミアにいたら

 崩れた建物が立ち並ぶ廃墟。アカデミアと呼ばれる組織が蹂躙した跡地であるハートランドを一人の少女が黒猫を模したパーカーを着てネコミミ付きのフードをまるで顔を隠すように被って、鼻歌を歌いながら歩いていた。

 

「ん?」

 

 するとどこからか爆発音が聞こえてくる。その時、彼女はその音が聞こえてきた方を見て猫目を細めにんまりと笑うのだった。

 

 

 

 

 

「いくぜ、俺は古代の機械工兵(アンティーク・ギアエンジニア)に装備魔法[古代の機械掌(アンティーク・ギアハンド)]を装備! このカードはアンティーク・ギアモンスターにのみ装備可能。装備モンスターと戦闘を行ったモンスターを、そのダメージステップ終了時に破壊する! こいつでそこのでかぶつのビッグベン-Kを破壊してやるぜ!」

 

 その爆発音が聞こえてきた地点では、青い服に仮面を被った三人の男達が、赤と緑の髪をした青年、黒髪リーゼントの青年、金茶髪の青年と戦っている光景があった。

 そして仮面の男の一人がそう言い、黒髪リーゼントの青年の場のモンスターを指さす。

 

「いくぜ、バトルだ!」

 

「そうはさせない! メインフェイズ終了時にリバースカードオープン!」

 

 しかし彼がバトルを宣言した瞬間、赤と緑の髪をした青年が叫び、彼の場に伏せられていたカードが翻る。

 

「[エンタメ・フラッシュ]! このカードは自分フィールドにEMモンスターが存在する場合に発動でき、相手フィールドの表側攻撃表示モンスターは全て守備表示になり、そのモンスターは次のターンの終了時まで表示形式を変更できない! 俺の場には[EMプラスタートル]が存在する!」

 EMプラスタートル 守備力:1800

 

「ちっ……」

 古代の機械工兵 攻撃力:1800→守備力:1500

 古代の機械兵士 攻撃力:1600→守備力:1300

 

「くそっ!」

 古代の機械合成獣 攻撃力:2900→守備力:1300

 

「ちっ」

 古代の機械獣 攻撃力:2300→守備力:2000

 

 彼の場に翻ったカードから放たれた光に怯んだかのように、機械工兵が守備の構えを取り、彼の仲間である仮面の男の場のモンスターも同じように守備の構えを取った。

 

「くそ、邪魔しやがって。俺はこれでターンエンドだ」

 

 仮面の男──見分けがつかないのでここでは仮面の男Aとしよう──がターンエンドを宣言し、デュエルが次のターンに進む。その時だった。

 

 ──乱入ペナルティ、2000ポイント

 

『……え?』

 

 突然そんな電子音声が聞こえてくる。それはつまり、このデュエルに乱入者が現れたということだ。

 

「私もまーぜて♪」LP4000→2000

 

 そして空中から落っこちてきたのは黒猫を模したパーカーの少女。着地の合間にフードが脱げた彼女は銀髪のショートヘアをなびかせ、赤い瞳を宿す目を細めて微笑んでいた。

 

「き、君! ここは危ない! すぐに逃げるんだ!」

 

 自分達より年下だろうか、そんな少女の姿に赤緑の髪の青年が大慌てで叫ぶ。

 

「こ、こいつっ!?」

「まずいぞ、《ヘルサイバー》だ!」

 

 しかしそんな青年とは対照的に仮面の男達──それぞれ仮面の男B、仮面の男Cとしよう──は大慌て、その光景に青年達が不審げに仮面の男達を見る。

 

「私のターン、ドロー♪」

 

 だが少女は全く気にせずに自分のターンを勝手に進めていた。

 

「お、おい、お前達!」

 

「私は手札の[サイバー・ダーク・クロー]を捨てて効果発動。このカードを手札から捨てて発動でき、デッキからサイバーダーク魔法・罠カード一枚を手札に加えるよ。[サイバネティック・ホライゾン]を手札に加え、発動。手札及びデッキからそれぞれ一体ずつ、ドラゴン族・機械族のサイバーモンスターを墓地へ送って発動でき、デッキからドラゴン族・機械族のサイバーモンスター一体を手札に加え、エクストラデッキから機械族のサイバー融合モンスター一体を墓地へ送る。

ただし、このカード名のカードは一ターンに一枚しか発動できず、このカードを発動するターン、私は機械族モンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない。

私は手札から機械族の[サイバー・ドラゴン・ヘルツ]を、デッキからドラゴン族の[サイバー・ダーク・カノン]を墓地に送り、デッキから[サイバー・ダーク・ホーン]を手札に加え、エクストラデッキから[サイバー・エンド・ドラゴン]を墓地に送るよ。

さらにこの瞬間[サイバー・ドラゴン・ヘルツ]の効果発動、このカードが墓地へ送られた場合に発動でき、自分のデッキ・墓地からこのカード以外の[サイバー・ドラゴン]一体を選んで手札に加える。私は[サイバー・ドラゴン]を手札に加える」

 

 そして仮面の男Aが対戦相手である青年に呼びかける。その間にも少女は勝手にプレイを進めていた。

 

「え、な、なに?」

 

「一時休戦だ! まずはこの女から倒すぞ!」

 

「はぁ!? いきなり何言ってんだお前ら!?」

 

「手札の[サイバー・ドラゴン]を捨てて、[サイバー・ドラゴン・ネクステア]の効果発動、手札からこのカード以外のモンスター一体を捨てて発動でき、このカードを手札から特殊召喚するよ。そしてネクステアの効果発動。このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、自分の墓地の、攻撃力か守備力が2100の機械族モンスター一体を対象とし、そのモンスターを特殊召喚する。ただしこの効果の発動後、ターン終了時まで自分は機械族モンスターしか特殊召喚できない。私は[サイバー・ドラゴン]を特殊召喚するよ。

さらに「私は[サイバー・ダーク・ホーン]を召喚し、効果発動。このカードが召喚に成功した場合、自分の墓地のレベル3以下のドラゴン族モンスター一体を装備カード扱いとしてこのカードに装備し、このカードの攻撃力はこのカードの効果で装備したモンスターの元々の攻撃力分アップする。私は墓地のレベル3のドラゴン族、サイバー・ダーク・クローを装備するよ」

サイバー・ドラゴン・ネクステア 守備力:200

サイバー・ドラゴン 攻撃力:2100

サイバー・ダーク・ホーン 攻撃力:800→2400

 

 赤緑髪の青年の困惑に対し、仮面の男Aの叫びに金茶髪の青年がこっちもやや困惑しながら叫び返す。その間に少女はモンスターを展開していた。

 

「いきなり敵であるお前らとこんな女一人倒すのに協力しろだぁ!? 寝言もやすみやすみ言いやがれ!」

 

「お前達はこいつの恐ろしさを知らないからそんな事が言えるんだ!」

 

「魔法カード[融合]を発動、フィールドに存在する時カード名を「サイバー・ドラゴン」として扱うサイバー・ドラゴン・ネクステア(サイバー・ドラゴン)とサイバー・ドラゴンを融合して、[キメラテック・ランページ・ドラゴン]を融合召喚するよ。

キメラテック・ランページ・ドラゴンの効果発動。このカードが融合召喚に成功した時、このカードの融合素材としたモンスターの数までフィールドの魔法・罠カードを対象として発動でき、そのカードを破壊する。私はおにーさん達の場の[融合塹壕-フュージョン・トレンチ-]と[古代の機械城(アンティーク・ギアキャッスル)]を破壊するよ。

さらにキメラテック・ランページ・ドラゴンに装備魔法[ブレイク・ドロー]を装備。このカードは機械族モンスターにのみ装備出来、装備モンスターが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、自分のデッキからカードを一枚ドローする。ただし、このカードは発動後三回目の私のエンドフェイズ時に破壊される。

さらにさらにキメラテック・ランページ・ドラゴンの効果発動。一ターンに一度、自分メインフェイズに発動でき、デッキから機械族・光属性モンスターを二体まで墓地へ送ることでこのターン、このカードは通常の攻撃に加えて、この効果で墓地へ送ったモンスターの数まで一度のバトルフェイズ中に攻撃できる。私は[サイバー・ドラゴン・ツヴァイ]と[超電磁タートル]を墓地に送り、このターン合計三回の攻撃権をキメラテック・ランページ・ドラゴンに与えるよ」

キメラテック・ランページ・ドラゴン 攻撃力:2100

 

 金茶髪の青年と仮面の男Aが言い合いを始める。その間に少女の場に融合モンスターが出現していた。

 

「いいか、この女はアカデミアの──」

 

「バトル。キメラテック・ランページ・ドラゴンで古代の機械工兵と古代の機械獣と古代の機械合成獣を、サイバー・ダーク・ホーンで古代の機械兵士を攻撃! サイバー・ダーク・ホーンは貫通効果を持つよ」

 

「──え? ぐはあああぁぁぁぁっ!!」LP4000→2900

「ぐううぅぅぅっ!」

「ぐああぁぁぁっ!」

 

「サイバー・ダーク・ホーンに装備されているサイバー・ダーク・クローの効果発動。このカードを装備カード扱いとして装備しているモンスターが戦闘を行ったダメージ計算時に発動でき、エクストラデッキからモンスター一体を墓地へ送る。私は[鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴン]を墓地に送るね。

 さらにブレイク・ドローの効果、キメラテック・ランページ・ドラゴンは三回モンスターを戦闘破壊して墓地に送ったから合計三枚ドロー」

 

 いきなり少女の総攻撃が決まり、仮面の男達の場が全滅。さらに全てのモンスターが守備表示だったにも関わらず貫通効果を活かしてダメージを与えるのにも成功し、さらにさらに複数回攻撃を利用して複数枚のドローにも繋げる無駄のなさだった。

 

「ん~……私はこれでターンエンドだよ」

 

「いよっしゃ! よくやった! 褒めてやるぜ。俺様のターンだ!」

 

 少女がターンエンドを宣言すると、金茶髪の青年が少女を褒めながら自身のターンを宣言し、カードをドロー。そして仮面の男達をどや顔で見た。

 

「大嘘つきやがって、明らかにお前らの敵じゃねえか! この沢渡シンゴ様を騙そうったってそうはいかねえぜ!」

 

 金茶髪の青年──沢渡シンゴがそう言い、二枚のカードを手札から取る。

 

「俺はスケール2の[魔界劇団-ワイルド・ホープ]とスケール8の[魔界劇団-ファンキー・コメディアン]でペンデュラムスケールをセッティング!」

 

 沢渡の声と共に彼の隣の両端に二つの光が立ち上る。その光の中には先ほど彼がペンデュラムスケールなるもののセッティングに使用した二体のモンスターが封じられ、そこに大きな「2」と「8」の数字が描かれていた。

 

「ペンデュラム……?」

 

「あいつらのモンスターを全滅させた褒美だ。見せてやるぜ!」

 

 それを見た少女がきょとんとした顔で見上げ、沢渡がニヤリと笑みを見せ、右手を掲げてポーズを取る。

 

「これでレベル3から7のモンスターが同時に召喚可能! ペンデュラム召喚!」

 

 沢渡の掛け声に合わせ、二つの柱の間の中央に光の穴が開き、そこから光が沢渡の場に降り立つ。

 

「レベル7[魔界劇団-ビッグ・スター]! [魔界劇団-メロー・マドンナ]!」

 魔界劇団-ビッグ・スター 攻撃力:2500

 魔界劇団-メロー・マドンナ 攻撃力:1800

 

「わー! おにーさんすっごーい!!」

 

「だーっはっはっはっ! そうだろそうだろ。だがまだ終わらねえぜ! ビッグ・スターの効果発動! 一ターンに一度、自分メインフェイズに発動でき、デッキから魔界台本魔法カード一枚を選んで自分フィールドにセットする。ただし、この効果でセットしたカードはエンドフェイズに墓地へ送られるが、それならこのターン中に発動すりゃいいだけだ! 俺は[魔界劇団-オープニングセレモニー]をセットし、そのまま発動! 自分フィールドの魔界劇団モンスターの数×500ポイント、俺のライフを回復する!

 さらに! メロー・マドンナの効果発動! 魔界台本魔法カードの効果が発動した場合に発動でき、デッキからレベル4以下の魔界劇団ペンデュラムモンスター一体を特殊召喚する! ただし、この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに持ち主の手札に戻る。俺はレベル4の[魔界劇団-ティンクル・リトルスター]を特殊召喚!

 さらにさらにぃ! メロー・マドンナの攻撃力は自分の墓地の魔界台本魔法カードの数×100アップするぜ!」LP4000→5000

 魔界劇団-ティンクル・リトルスター 攻撃力:1000

 魔界劇団-メロー・マドンナ 攻撃力:1800→1900

 

 ペンデュラム召喚。彼女にとって未知の召喚法であるそれに少女が目を輝かせて沢渡を賛美すると、沢渡は調子に乗ったようにビッグ・スターの効果を発動、それによってサーチした魔界台本を利用してライフを回復したのち、がら空きの仮面の男達を指さした。

 

「さあ覚悟しな! ビッグ・スターでまずはダメージを負ってるお前から攻撃だ!」

 

「ちぃっ! 俺は手札から[速攻のかかし]を捨てて効果発動! 相手モンスターの直接攻撃宣言時にこのカードを手札から捨てて発動でき、その攻撃を無効にし、その後バトルフェイズを終了する!」

 

「チッ。俺はリバースカードを二枚セットしてターンエンドだ。この瞬間、メロー・マドンナの効果により特殊召喚されたティンクル・リトルスターは俺の手札に戻る」

 

 沢渡は仮面の男Aに狙いを定め、攻撃を行うも。仮面の男Aはそれを上手くいなし、沢渡は舌打ちを叩くと残る二枚の手札を全て伏せてターン終了を宣言。同時に色々行われた処理が終わった時、少女が口を開く。

 

「ねーねー魔界劇団のおにーさん。次、私の番でもいいかなー? おにーさん達っておにーさんチーム三人で、この仮面のおにーさん達も三人チームでしょ? 魔界劇団のおにーさん達、私、仮面のおにーさん達、私、また魔界劇団のおにーさん達の順番でいいかなー?」

 

「おう! 好きにしろ!」

 

「お、おい沢渡!? 何勝手な事言ってるんだ!?」

 

「大丈夫だって、あいつ今さっきアカデミアの連中を攻撃してたの見たろ? ならつまり俺達の味方って事じゃねえか。そいつに多くターンが回るんだから得だろうよ」

 

「た、確かにそうかもしれんが……」

 

 少女の提案を沢渡は勝手に了承、それを聞いた彼のチームの残り二人が文句を言うも沢渡はどこ吹く風、しかも彼の言葉は一応正論に聞こえ、二人は渋々と言った様子で黙り込むしかなかったのだった。

 

「じゃあ私のターン、ドロー♪」

 

 そして少女は笑いながらカードをドローする。しかしその時彼女の笑みが若干歪んだのに彼らは気づかなかった。

 

「私はキメラテック・ランページ・ドラゴンの効果を発動するよ。一ターンに一度、自分メインフェイズに発動でき、デッキから機械族・光属性モンスターを二体まで墓地へ送ることでこのターン、このカードは通常の攻撃に加えて、この効果で墓地へ送ったモンスターの数まで一度のバトルフェイズ中に攻撃できる。私は[サイバー・ドラゴン・コア]と[サイバー・ドラゴン・ヘルツ]を墓地に送ってこのターン合計三回の攻撃権をキメラテック・ランページ・ドラゴンに与えるよ。さらに[サイバー・ドラゴン・ヘルツ]の効果発動、自分のデッキ・墓地からこのカード以外の[サイバー・ドラゴン]一体を選んで手札に加える。私は墓地に存在する時にカード名を[サイバー・ドラゴン]として扱う[サイバー・ドラゴン・コア(サイバー・ドラゴン)]を手札に加えるね」

 

「よっしゃ! これでがら空きのアカデミア共に致命傷だ!」

 

 少女は再びランページに三回の攻撃権を与え、それを見た沢渡がガッツポーズ。その瞬間、少女の歪んだ笑みが彼らに向けられた。

 

「バトル。キメラテック・ランページ・ドラゴンで──魔界劇団-メロー・マドンナに攻撃」

 

「……へ?」

 

 少女が攻撃対象と宣言したのは沢渡の場のメロー・マドンナ。その宣言に沢渡が呆けた声を上げた時、少女が手札の一枚をデュエルディスクに差し込んだ。

 

「速攻魔法[リミッター解除]。この効果により私の場の機械族モンスターの攻撃力は倍になる」

 キメラテック・ランページ・ドラゴン 攻撃力:2100→4200

 サイバー・ダーク・ホーン 攻撃力:2400→4800

 

「な、なにー!?」

 

 さらに一気に攻撃力が急上昇。沢渡は悲鳴を上げるとその場を離れて走り出し、まるで何かを探すようなその視線の動きに少女がきょとんとした顔を見せた時、

 

「あった!」

 

 沢渡は何かを見つけてダイブ、

 

(カード?)

 

 少女がまたもきょとんとした顔で、沢渡が拾い上げた何か──一枚のカードを見ている間に沢渡はそのカードをデュエルディスクに差し込んだ。

 

(アクション)マジック、[回避]! その攻撃を無効にするぜ!!」

 

 そしてその声と共にメロー・マドンナが優雅に踊るようなアクションを見せてキメラテック・ランページ・ドラゴンのレーザーブレスを回避、その挙動に少女が「はぁっ!?」と驚愕の声を上げていた。

 

「な、なにそれー!?」

 

「へんっ、裏切り者に特別に教えてやるぜ! こいつは(アクション)カード。俺様達ランサーズの武器だ!」

 

「なにそれずるい! まあいいや! もう一回攻撃!!」

 

 少女の叫びに沢渡は律儀に解説、その内容に少女はずるいと毒づきながらも追撃を指示。再びキメラテック・ランページ・ドラゴンのレーザーブレスがメロー・マドンナへと向かい、沢渡は再びAカードを探し始める。

 

「ぐあああぁぁぁっ!」LP5000→2700

 

 しかし今度は間に合わず、メロー・マドンナはキメラテック・ランページ・ドラゴンのレーザーブレスに撃ち抜かれて爆散、沢渡もその衝撃波でダメージを負って吹き飛び地面に叩きつけられる。

 

「ブレイク・ドローの効果! 装備モンスターが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、デッキからカードを一枚ドロー……あれ!?」

 

 そしてモンスターを戦闘破壊したことでブレイク・ドローの発動条件が整ったと少女がカードをドローしようとするも、その時デュエルディスクから警告音が鳴り響く。

 それに少女が慌てている間に立ち上がった沢渡がふんぞり返った。

 

「残念だったな! ブレイク・ドローの効果発動条件は俺の場のモンスターを破壊して墓地に送った時。だが! ペンデュラムモンスターは破壊された時墓地ではなくエクストラデッキに表側表示で送られる! つまりブレイク・ドローの効果は発動しないんだ!」

 

「そんなのずるい! 知ってたら狙わなかったのに……それならそっちの大きなおにーさんのモンスター、それはペンデュラムじゃないよね! そっちに攻撃!!」

 

「ぬぅっ!」

 

 沢渡の説明を聞いた少女はまたもずるいと憤った後、八つ当たりのように黒髪リーゼントの青年の場のモンスター、仮面の男にビッグベン-Kと呼ばれていたモンスターへと攻撃を命令。

 キメラテック・ランページ・ドラゴンのレーザーブレスがビッグベン-Kを貫き、破壊。しかしさっきの沢渡と違って微動だにしなかった黒髪リーゼントの青年は少しも慌てずに動き出した。

 

「この瞬間、俺は手札の[超重武者装留マカルガエシ]の効果発動! 守備表示モンスターが戦闘で破壊され自分の墓地へ送られた時、このカードを手札から墓地へ送る事で発動、そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する! 黄泉帰れ、[超重武者ビッグベン-K]! そしてこの特殊召喚成功時にビッグベン-Kの効果発動! このカードが召喚・特殊召喚に成功した時に発動でき、このカードの表示形式を変更する!」

 超重武者ビッグベン-K 攻撃力:1000→守備力:3500

 

「でも破壊して墓地に送った事には変わらないからブレイク・ドローの効果で一枚ドローするね。そしてサイバー・ダーク・ホーンでビッグベン-Kに攻撃!」

 

「ぐううぅぅぅっ……」LP4000→2700

 

「サイバー・ダーク・ホーンに装備されているサイバー・ダーク・クローの効果でエクストラデッキから[F・G・D]を墓地に送るね」

 

 黒髪リーゼントの青年は辛うじて少女の猛攻を防ぎ切る。すると彼らの敵である仮面の男Bがガッツポーズを見せた。

 

「よし! これでヘルサイバーのモンスターは全て攻撃が終了した! あとはリミッター解除のデメリット効果で破壊される! そうすればがら空きのまま次は俺のターンだ!」

 

 その通り。リミッター解除は機械族モンスター全ての攻撃力を倍加する強力な効果を持つ代わりに、そのターンの終わりに強化したモンスター全てを強制的に破壊してしまう恐るべきデメリットがある。だがしかし、少女はにんまりと笑みを見せた。

 

「んふふ~。そんな事期待するなんて、おにーさん達ポジティブすぎー♡ メインフェイズ2に入って、速攻魔法[スター・チェンジャー]を発動、フィールド上に表側表示で存在するモンスター一体を選択して、そのモンスターのレベルを一つ上げるか下げる。私はサイバー・ダーク・ホーンのレベルを一つ上げるよ」

 サイバー・ダーク・ホーン レベル:4→5

 

「こ、これでレベル5のモンスターが二体……もしかしてあの子……」

 

 赤緑髪の少年が、少女の目的に感づいたのかまさかと声を上げた、その時だった。

 

「私はレベル5の機械族、キメラテック・ランページ・ドラゴンとサイバー・ダーク・ホーンでオーバーレイ! 二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚! 現れろランク5[サイバー・ドラゴン・ノヴァ]!」

 サイバー・ドラゴン・ノヴァ 攻撃力:2100

 

「エ、エクシーズ召喚……」

「き、貴様! 仮にもアカデミアの者がエクシーズ召喚を使うなんて恥を知れ!!」

 

「はぁ? 使える手札は多い事に越したことないでしょー? ま、これで終わりなんて一言も言ってないんだけど」

 

「なに!?」

「っ、もしかして……」

 

 少女の扱ったエクシーズ召喚を見た途端仮面の男Aが憤り始めるが少女はどこ吹く風、さらに続けての宣言を聞いた仮面の男Aが不思議そうな顔を見せ、赤緑髪の少年がまさかというような表情を見せた時。

 

「私はランク5のサイバー・ドラゴン・ノヴァでオーバーレイネットワークを再構築! ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!!」

 

「な、何が起きている!?」

「そんな!? RUMも使わないでランクアップなんて!?」

 

「出でよランク6! [サイバー・ドラゴン・インフィニティ]!!」

 サイバー・ドラゴン・インフィニティ 攻撃力:2100

 

 二陣営が異なる反応を見せている間に、少女の場にはランクアップを果たし、無限の名を得たサイバー・ドラゴンが顕現していた。

 

「サイバー・ドラゴン・インフィニティの攻撃力は自身が持つオーバーレイユニット一つにつき200ポイントアップする。インフィニティの持つオーバーレイユニットは三つ、よって攻撃力は600ポイントアップするんだけど……それだけじゃないんだなー♪」

 サイバー・ドラゴン・インフィニティ 攻撃力:2100→2700

 

 少女はにんまりと笑って、沢渡の場のビッグ・スターを見る。沢渡がびくりと反応した。

 

「な、なんだよ!?」

 

「サイバー・ドラゴン・インフィニティの効果発動♪ 一ターンに一度、フィールドの表側攻撃表示モンスター一体を対象として、そのモンスターをこのカードのオーバーレイユニットにするよ。ビッグ・スターは貰うね、おにーさん」

 

「んなぁっ!?」

 

 少女の言葉に沢渡が口をあんぐりと開けるが、そんな事で効果処理が中断されるはずもなく。ビッグ・スターはあっさりとサイバー・ドラゴン・インフィニティに吸収され、その周囲を旋回する光の球──オーバーレイユニットへと化してしまった。

 

「当然、オーバーレイユニットが増えたことでインフィニティの攻撃力もアップするよ。ごちそうさまでしたー♡」

 サイバー・ドラゴン・インフィニティ 攻撃力:2700→2900 オーバーレイユニット数:3→4

 

 少女はぺろりと舌を出してお礼を言い、沢渡がぐぬぬと唸り声をあげる。

 

「じゃ、私は[サイバー・ドラゴン・コア]を召喚して効果発動。このカードが召喚に成功した場合に発動して、デッキからサイバー魔法・罠カードまたはサイバネティック魔法・罠カード一枚を手札に加える。私は[サイバネティック・レボリューション]を手札に加えて、カードを二枚セットしてターンエンドだよ」

 サイバー・ドラゴン・コア 攻撃力:0

 

 さらにリミッター解除の効果を受けないようにタイミングを調整して新たなモンスターを召喚し、その効果で新たなカードをサーチしてカードを二枚セットしてターンエンド。

 だがその次のターンプレイヤーである仮面の男Bがカードをドローする前に沢渡が声を上げる。

 

「おいテメエら! なんなんだこの女!? お前らの味方じゃないと思ってたら俺達にまで攻撃仕掛けてきやがって!」

 

「だから最初から一時休戦だと言っただろうが!!」

 

 沢渡の怒号に仮面の男Aも怒鳴り返し、少女を指さす。

 

「こいつは我らアカデミアに逆らう反乱分子、コードネーム《ヘルサイバー》! 本名、柳里彩葉! 最初は我々と共にエクシーズ次元に来たのだが突如暴走、アカデミアに離反したのだ!」

 

「エクシーズ次元に着た途端、離反……もしかして!」

 

 仮面の男Aの言葉を聞いた赤緑髪の少年がもしかしてと声を上げ、少女──彩葉の方を見る。

 

「君はもしかしてアカデミアがエクシーズ次元の人々を襲っている事に怒って、エクシーズ次元の人々から笑顔を奪うなんて間違ってるって思っているんじゃないのか!? だったら──」

「へ? 何言ってるのおにーさん?」

「──え?」

 

 赤緑髪の少年の呼びかけに対しての彩葉の返答。それは相手の言葉の意図が理解できないという様子の呆けたものだった。

 

「私はただ、強い人と戦いたいだけだもん。次元がーとか笑顔がーとか、そんなのどうでもいいよ」

 

「な……」

 

 あまりも平然とした顔で言い切る彩葉に少年は呆然、仮面の男Aが苦虫を嚙み潰したような顔を見せる。

 

「ああそうだ。こいつはそんな訳の分からない理由で崇高なるアカデミアの使命の邪魔をしてくるんだ! 以前もアカデミアの作戦を妨害するように襲来……」

「奴の襲来を知ったエド・フェニックス総司令が来てくださったから何とか持ちこたえられたが……」

 

「エド・フェニックス……あいつがいて持ちこたえるのが限界って……」

 

 アカデミアの証言を聞いた少年が信じられないという顔で彩葉を見る。だが先ほどの容赦ない連続攻撃、融合次元出身だと予想できるのにエクシーズ召喚を使いこなす手腕、それを見るとその言葉もあながち嘘ではないように直観させられていた。

 

「ねーねーおにーさん達ー、早くしてよー。おにーさん達がアカデミアだろうが反乱軍だろうがどうでもいいからさ──―」

 

 彩葉がクスクスと冷たい笑みを彼らに向ける。

 

「──もっと戦おうよ♡」

 

 その言葉を聞いた全員の背筋にぞくりとしたものが走るのを感じるのだった。

 

「とにかくだ! こいつを放置しておいたら俺達全員ただじゃすまん! お前達を倒すのはまずはこいつを倒してからだ! 俺のターン、ドロー!」

 

 恐ろしさを身をもって知っているのか一方的にそう叫び、カードをドローする仮面の男B。

 

「よし、俺は手札の[起動兵長コマンドリボルバー]の効果発動! 墓地のイエロー・ガジェットとグリーン・ガジェット、二体のガジェットモンスターを対象とし、コマンドリボルバーを特殊召喚! その後、対象となったガジェットをこのカードに装備! さらにコマンドリボルバーの攻撃力は自身の効果で装備しているモンスターの数×1000アップする!

 さらに永続魔法[起動指令 ギア・チャージ]を発動! このカードの発動時、自分フィールドの装備カード扱いのガジェットモンスターカードを任意の数だけ対象にし、そのカードを特殊召喚する! 出でよ、イエロー・ガジェット! グリーン・ガジェット! そしてイエロー、グリーン二体のガジェットの効果発動! 特殊召喚に成功したことにより、デッキからグリーン・ガジェットとレッド・ガジェットを手札に加える!」

 起動兵長コマンドリボルバー 守備力:2000

 イエロー・ガジェット 攻撃力:1200

 グリーン・ガジェット 攻撃力:1400

 

 仮面の男Bは彼らオベリスクフォースが使う古代の機械にガジェットの要素を組み込んだデッキを使用しているのか、召喚権を使用せずに一気に三体のモンスターを並べ、さらに手札を補充。サーチしたガジェットと合わせて三枚になった手札を見てニヤリと笑みを浮かべた。

 

(よし。これで起動司令ギア・チャージのさらなる効果によって手札一枚をコストに[起動提督デストロイリボルバー]をサーチ。さっきサーチしたレッド・ガジェットを召喚して新たなガジェットをサーチしてから手札のガジェット二体をコストにデストロイリボルバーを特殊召喚し、デストロイリボルバーの効果でサイバー・ドラゴン・インフィニティを破壊。デストロイリボルバーのダイレクトアタックでヘルサイバーを撃破し、さらにガジェット達の連続ダイレクトアタックを決めれば反乱分子達にも致命傷を与える事が出来る……)

 

 一気に標的を一人仕留め、他の敵にも大ダメージを与える算段がつき、仮面の男Bはニヤリと笑う。

 

「俺は起動司令ギア・チャージのさらなる効果発動! 手札を一枚捨てて発動し、デッキから[起動提督デストロイリボルバー]を手札に加える!」

 

「残念でしたー。この瞬間、サイバー・ドラゴン・インフィニティの効果を発動するよ、一ターンに一度、カードの効果が発動した時にこのカードのオーバーレイユニットを一つ使って発動、その発動を無効にし破壊するよ。でもオーバーレイユニットが減った事で攻撃力も下がっちゃうね」

 サイバー・ドラゴン・インフィニティ 攻撃力:2900→2700 オーバーレイユニット数:4→3

 

「なっ!?」

 

 効果発動を示すかのように輝いていた起動司令ギア・チャージ向けてサイバー・ドラゴン・インフィニティがレーザーブレスを放ち、粉砕。自分の作戦が失敗したことに仮面の男Bは焦ったように彩葉に顔を向けた。

 

「馬鹿な!? 何故もっと早くその効果を使わなかった!? その効果はいつでも発動できるはずだろう!?」

 

「それは、今の状況を見れば分かるんじゃないのー?」

 

「……っ!?」

 

 彩葉のニヤニヤ笑いの言葉を受けた仮面の男Bがはっとした顔になる。

 今彼の場には攻撃表示でステータスではインフィニティに劣るモンスターが二体、つまり次のターン下手をすればインフィニティに吸収されてしまうも自爆特攻すれば大ダメージは免れない。さらに起動提督デストロイリボルバーの特殊召喚コストを捻出するために残る手札は二枚ともガジェットモンスターであるという情報アドバンテージを握られていた。

 つまり彩葉は彼の行動を読んだ上でここまで彼を泳がせて、一番やられたら困るタイミングでの妨害を試みていたのだ。

 

「く、くそう! 俺は[レッド・ガジェット]を召喚し、その効果でデッキからイエロー・ガジェットを手札に加える。バトルだ! グリーン・ガジェットでサイバー・ドラゴン・コアを攻撃!!」

 レッド・ガジェット 攻撃力:1300

 

「はいざんねーん。トラップ発動[サイバネティック・レボリューション]。自分フィールドのサイバー・ドラゴン一体をリリースして発動でき、サイバー・ドラゴンモンスターを融合素材とする融合モンスター一体をエクストラデッキから特殊召喚する。ただし、この効果で特殊召喚したモンスターは、直接攻撃できず、次のターンのエンドフェイズに破壊される。サイバー・ドラゴン・コア(サイバー・ドラゴン)をリリースして、[サイバー・ドラゴン・エタニティ]を特殊召喚するよ」

 サイバー・ドラゴン・エタニティ 守備力:4000

 

「しゅ、守備力4000……くっ、巻き戻しが発生。そこのお調子者にダイレクトアタックだ!」

 

「おっと、トラップ発動[ペンデュラム・リボーン]! 自分のエクストラデッキの表側表示のペンデュラムモンスターまたは自分の墓地のペンデュラムモンスター一体を選んで特殊召喚する。俺は[魔界劇団-メロー・マドンナ]を守備表示で特殊召喚!」

 魔界劇団-メロー・マドンナ 守備力:2500

 

 沢渡の場に再び現れるメロー・マドンナ。優雅な女優でこそあれどその守備力はガジェット達を超えており、攻撃を続行するわけにもいかずグリーン・ガジェットが足を止めた。

 

「ちぃっ! 再び巻き戻しが発生、ならばそこのデカブツに連続攻撃だ!」

 

「ぬぅっ! だが、俺が戦闘ダメージを受けた瞬間手札の[超重武者ココロガマ-A]の効果発動! 自分の墓地に魔法・罠カードが存在せず、自分が戦闘ダメージを受けた時にこのカードを手札から特殊召喚する! さらにこの効果で特殊召喚したこのカードは、このターン戦闘・効果では破壊されない!」LP2700→1300

 超重武者ココロガマ-A 守備力:2100

 

「くそっ! 俺はこれでターンエンド!」

 

 攻撃対象をたらいまわしにされたグリーン・ガジェットも最後はなんとか敵に多少のダメージは与えたものの守りを固められて思ったようには攻撃できず、残る手札もサーチしたガジェットのため何も出来ないのは明らか、仮面の男Bはそのままターンエンドを宣言した。

 

「私のターン、ドロー……インフィニティの効果発動! グリーン・ガジェットを吸収!」

 サイバー・ドラゴン・インフィニティ 攻撃力:2700→2900 オーバーレイユニット数:3→4

 

 サイバー・ドラゴン・インフィニティがグリーン・ガジェットを吸収し、攻撃力を上げる。攻撃表示モンスターを戦闘を行う事すらせずに除去し、さらに攻撃力をアップさせる。さらにオーバーレイユニット一つで魔法・罠・モンスター効果にも容易に対処できる。厄介なモンスターに全員が冷や汗を滲ませていた。

 

「んーと……これが一番面白いかな? サイバー・ドラゴン・エタニティを攻撃表示に変更して、バトル。私はサイバー・ドラゴン・インフィニティでイエロー・ガジェットを攻撃! エヴォリューション・インフィニティ・バースト!!」

 サイバー・ドラゴン・エタニティ 守備力:4000→攻撃力:2800

 

「ぐああああぁぁぁぁっ!!」LP4000→2400

 

「さらに、次はおにーさんのターンだからね。サイバー・ドラゴン・エタニティで超重武者ココロガマ-Aを攻撃!」

 

「ぬぅっ!」

 

 彩葉はイエロー・ガジェットを除去しつつ次のターンプレイヤーである黒髪リーゼントの青年の場のモンスターを除去することに決め、一掃。そしてそのままターンエンドを宣言し、同時にサイバネティック・レボリューションの効果により特殊召喚されたサイバー・ドラゴン・エタニティはその効果によって消滅していった。

 

「俺のターン、ドロー!」

 

「権現坂、頑張れ!」

 

「おう!」

 

 黒髪リーゼントの青年──権現坂は彼女が乱入してきた時には切り札が鎮座していたにも関わらず場ががら空きの状態でターンを託され、赤緑髪の少年から声援を受けながら気合いを入れ直して三枚の手札を見る。

 

「俺は手札から[超重武者ビッグワラ-G]と[超重武者ホラガ-E]を特殊召喚! このカード達は俺の墓地に魔法・罠カードが存在しない時、特殊召喚できる。ただし、ホラガ-Eを自身の効果で特殊召喚したターン、俺は超重武者モンスターしか特殊召喚出来ない。この効果は発動を伴わないもののため、サイバー・ドラゴン・インフィニティの効果も発動できんはずだ!

 さらに俺は[超重武者グロウ-V]を召喚!」

 超重武者ビッグワラ-G 守備力:1800

 超重武者ホラガ-E 守備力:600

 超重武者グロウ-V 攻撃力:100

 

「凄い! 一気にチューナー含めた三体のモンスター!」

 

「ちゅーなー?」

 

 権現坂は一気に三体のモンスターを展開し、赤緑髪の少年が声援を送る。その中の聞き覚えのない言葉に彩葉がきょとんとした顔で首を傾げると、権現坂がくわっと目を見開いて口上を述べる。

 

「知らぬば寄って目にも見よ! 俺はレベル5のビッグワラ-Gとレベル3のグロウ-Vに、レベル2のホラガ-Eをチューニング!」

 

「チューニング!?」

 

「荒ぶる神よ、千の刃の咆哮と共に砂塵渦巻く戦場に現れよ! シンクロ召喚!! いざ出陣! レベル10! [超重荒神スサノ-O]!!!」

 超重荒神スサノ-O 守備力:3800

 

 二体の超重武者が星となり、ホラガ-Eの変化した緑の輪に包まれる。そして同調して放たれた光から現れたのは荒ぶる神の名を持つ超重武者の進化した姿。

 

「シンクロ召喚……きゃは、おもしろーい♡」

 

「超重武者グロウ-Vの効果発動! 自分の墓地に魔法・罠カードが存在せず、このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。デッキの上からカードを五枚確認し、好きな順番でデッキの上に戻す。さあ、インフィニティの効果で無効にするか否か!」

 

「ん~……ま、デッキの確認と並べ替えくらいなら別にいいよ。通してあげるね」

 

 シンクロ召喚というまた未知の召喚法を見た彩葉が楽しそうに笑い、権現坂はその間にシンクロ素材にした超重武者の効果発動を宣言、それを通すと確認した彼は効果処理としてデッキの上から五枚の確認と並べ替えを終えた後、ドンと震脚のように踏み込んで彩葉にメンチを切った。

 

「こちらをおちょくるような行い、断じて看過できん! アカデミアの蛮行を止めねばならぬ身だが、まずは貴様に説教の一つを入れてくれよう!」

 

「でもおにーさん。そのモンスター守備表示だよ? そんな啖呵切ってて守りを固めるしかないなんて恥ずかしくないのー?」

 

「心配ご無用。超重荒神スサノ-Oは守備表示のまま攻撃できる! さらにその場合、このカードは守備力を攻撃力として扱いダメージ計算を行う!」

 

「……つまり、攻撃力3800?」

 

 権現坂の宣言と共にスサノ-Oが動き出し、彩葉はシンクロ召喚という見たことのない召喚法に加え、さらに守備表示のまま守備力を攻撃力に変換して攻撃可能だというモンスターの姿に目を輝かせる。

 

「バトルだ! スサノ-Oでサイバー・ドラゴン・インフィニティを攻撃! クサナギソード・(ZAN)!!」

 

「おもしろーい! じゃあ、受けてあげるね!!」LP2000→1100

 

 スサノ-Oの武装クサナギソードがサイバー・ドラゴン・インフィニティを一閃し、粉砕。それによって生じた衝撃波が、きゃはははと笑いながら両手を広げて受けた彩葉のライフを一気に削り取った。

 

「相手を舐めるからこうなるのだ! 俺はこれでターンエンド!」

 

「うん、面白いねー。私のターン、ドロー」

 

 妙に会話が噛み合っていないまま、権現坂がターンエンドを宣言して彩葉がカードをドロー。

 

「んー……魔法カード[手札抹殺]を発動するよ。全てのプレイヤーは手札を全て捨て、その枚数分新たにデッキからカードをドローする。私の手札四枚捨てて、四枚ドロー」

 

 手札が悪いのか全て捨てての入れ替えを決める彩葉と、それに従って手札のあるプレイヤーも手札を交換。

 

「来た」

 

 そしてカードをドローした彩葉の静かな声が、妙に大きく響くのだった。

 その声を聞いた全員がぞくりと背筋を震わした時、妖しい笑みを浮かべた彩葉が動き出す。

 

「速攻魔法[サイバネティック・フュージョン・サポート]! ライフポイントを半分払って発動し、このターン、自分が機械族の融合モンスターを融合召喚する場合に一度だけ、その融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを自分の手札・フィールド上・墓地から選んでゲームから除外し、これらを融合素材にできる!

 [融合]を発動! サイバネティック・フュージョン・サポートの効果により、私は墓地の[鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴン]と[サイバー・エンド・ドラゴン]を除外融合!! 出でよ、[鎧皇竜-サイバー・ダーク・エンド・ドラゴン]!!!」LP1100→550

 鎧皇竜-サイバー・ダーク・エンド・ドラゴン 攻撃力:5000

 

「こ、攻撃力……5000……」

 

 彩葉の場に出現するのは巨大な三つ首の機械竜を腹部に捕らえ、己のエネルギー源としている漆黒の機械竜。その圧倒的な威圧感を見た誰かが静かにそう呟いた。

 

「サイバー・ダーク・エンド・ドラゴンの効果を発動するね、一ターンに一度発動でき、自分・相手の墓地のモンスター一体を選び、このカードに装備する。私は[サイバー・ダーク・カノン]を装備するよ☆」

 

 さらにその漆黒の機械竜は新たなモンスターを捕らえ、己の力とする。そして彩葉はニヤァと笑いながら、権現坂を見た。

 

「返礼だよ、おにーさん。バトル。サイバー・ダーク・エンド・ドラゴンで超重荒神スサノ-Oを攻撃!  エターナル・フル・エヴォリューション・ダークネス・バースト!!!」

 

「そ、そうはいかん! スサノ-Oの効果発動! 一ターンに一度、自分の墓地に魔法・罠カードが存在しない場合、相手の墓地の魔法・罠カード一枚を対象として発動し、そのカードを自分フィールドにセットする! 遊矢、お前のカードを借りるぞ! 俺は遊矢の墓地にあるAマジック[奇跡]をセットし、発動! スサノ-Oの戦闘破壊を無効にし、俺が受ける戦闘ダメージは半分になる!……まあ、戦闘ダメージの半減はここでは意味がないがな」

 

 スサノ-Oの守備力を遥かに上回るモンスターの出現と猛攻、しかし権現坂は冷静に対処しており、赤緑髪の少年──遊矢に一声かけつつ彼の墓地にあったカードを使用して防御、スサノ-Oの破壊を免れる。

 

「きゃはっ♪ ホントおにーさん達の戦い方って面白いねー☆ 私はサイバー・ダーク・カノンの効果によりデッキからモンスター一体を墓地に送る。私は[サイバー・ダーク・エッジ]を墓地に送るね。そしてメインフェイズ2に入って、魔法カード[タイムカプセル]を発動。デッキからカードを一枚選択して、そのカードをタイムカプセルに入れる。発動後二回目の自分のスタンバイフェイズ時にタイムカプセルは破壊され、中のカードは私の手札に加わる。何が入るのか楽しみにしててね♪ 私はリバースカードを一枚セットしてターンエンドだよ☆」

 

 万能な効果を持つインフィニティを処理したと思えば今度は単純に高いステータスのモンスターを呼び出してきた。その代償として彼女のライフは大きく削られているとはいえ、そのライフを削るためには原則として彼女の場のサイバー・ダーク・エンド・ドラゴンを超える必要があり、仮面の男Cはやや困ったように唸っていた。

 

「お、俺のターン、ドロー!」

 

「ほらほら頑張っておにーさん♡ 私のライフ600以下だよ、古代の機械猟犬(アンティーク・ギアハウンドドッグ)出せばハウンド・フレイムで削り切れちゃうよ♡」

 

「ぐ……」

 

「あれぇ? もしかして引けなかったぁ? おにーさんってば引きわるーい♪」

 

 彩葉は仮面の男Cをめちゃくちゃ煽りまくる。だが彼はクククと笑みを浮かべていた。

 

「たしかに古代の機械猟犬は引けなかったがな。お前を倒すには古代の機械を使わなくても充分なんだよ! 俺は手札の[マシンナーズ・フォートレス]と[古代の機械兵士]を捨て、墓地からマシンナーズ・フォートレスを特殊召喚! こいつはレベルの合計が8以上になるように手札の機械族モンスターを捨てて、手札・墓地から特殊召喚でき、自身を捨てた場合、墓地から特殊召喚する。

 バトルだ! マシンナーズ・フォートレスでサイバー・ダーク・エンド・ドラゴンを攻撃!!」

 マシンナーズ・フォートレス 攻撃力:2500

 

「へ?」

 

 仮面の男Cは攻撃力が倍程劣っているにも関わらず攻撃を宣言、思わず彩葉が呆けた声を出すもののその間にマシンナーズ・フォートレスが砲撃を開始、しかしサイバー・ダーク・エンド・ドラゴンは一切意に介さないままあしらうように尻尾を振るってマシンナーズ・フォートレスを粉砕していた。

 

「何がしたいの?」

 

「フン、余裕もそこまでだ。マシンナーズ・フォートレスの効果発動! このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた場合、相手フィールドのカード一枚を対象とし、その相手のカードを破壊する! マシンナーズ・フォートレスの自爆に巻き込まれるがいい、サイバー・ダーク・エンド・ドラゴン!!」LP4000→1500

 

 思わずツッコミを入れるように聞く彩葉に返答する仮面の男Cの叫びと共に、どごぉんという爆発がフィールドを包み込む。尻尾で押し潰すために至近距離にいたサイバー・ダーク・エンド・ドラゴンはひとたまりもないだろう。

 さらに仮面の男Cの場を覆っていた煙が晴れた時、彼の場には新たなモンスターが立っていた。

 

「俺は[マシンナーズ・カーネル]の効果を発動していた! このカードが墓地に存在する状態で、マシンナーズ・カーネル以外の自分フィールドの表側表示の機械族・地属性モンスターが戦闘・効果で破壊された場合に、このカードを特殊召喚する! これでサイバー・ダーク・エンド・ドラゴンが破壊されがら空きになった貴様へのダイレクトアタックで終わりだ、ヘルサイバー!!」

 マシンナーズ・カーネル 攻撃力:3000

 

 どうやら彼のデッキは古代の機械とマシンナーズの混合らしく、かっこつけてビシッと指さす仮面の男C、それと共に煙が完全に晴れていく。

 

「残念でしたー♪」

 

 そこには傷一つないサイバー・ダーク・エンド・ドラゴンの姿があった。

 

「な、馬鹿な、何故!?」

 

「サイバー・ダーク・エンド・ドラゴンは相手が発動した効果を受けない耐性を持ってるの。そんな小手先の技じゃなくて、真正面から超えてきてね。またのお越しをお待ちしておりまーす♡

 さらにこの瞬間、サイバー・ダーク・カノンの効果によりデッキから最後の[サイバー・ドラゴン・ヘルツ]を墓地に送り、さらにヘルツの効果発動。墓地から[サイバー・ドラゴン・ネクステア]を手札に加えるよ」

 

「な、に……くそ、ならばせめて反逆者のモンスターだけでも削ってやる! マシンナーズ・カーネル! 魔界劇団-メロー・マドンナを攻撃だ!」

 

「く……」

 

「カードを一枚セットしてターンエンド!」

 

 サイバー・ダーク・エンド・ドラゴンを破壊すること叶わず、仮面の男Cはならばせめてと沢渡の場のメロー・マドンナを破壊し、カードを伏せてターンエンドを宣言した。

 

「私のターン、ドロー。サイバー・ダーク・エンド・ドラゴンの効果発動、墓地から[サイバー・ダーク・クロー]を装備するね。そ・し・てぇ♪ おにーさん達に良いお知らせでーす♪」

 

 彩葉はさらなるサイバー・ダークをサイバー・ダーク・エンド・ドラゴンに装備した後、明るい声でお知らせを始める。

 

「サイバー・ダーク・エンド・ドラゴンはね、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()☆」

 

「な!?」

「ん!?」

「だ!?」

「っ!?」

「て!?」

「え!?」

 

 きゃは、とあざとく笑いながらの彩葉のお知らせに全員が驚愕の声を上げる。

 攻撃力5000という桁違いのステータスに、相手の発動した効果を受けないという掟破りレベルの耐性、さらに条件付きとはいえ連続攻撃効果。その上その連続攻撃の条件はある程度自力で満たせるというおまけ付き。

 つまり対処に手間取って装備カードが増えれば増えるだけ手が付けられなくなるという事だ。というか既に今の時点で二回攻撃が可能になっている。

 

「というわけでバトルだよ。まずはさっきのターンのお礼をしてあげるね、おにーさん。サイバー・ダーク・エンド・ドラゴンでマシンナーズ・カーネルを攻撃! エターナル以下略ダークネス・バーストォ!!」

 

「やられてたまるかぁ!! トラップ発動[機甲部隊の超臨界(マシンナーズ・オーバードライブ)]! 自分フィールドの機械族モンスター一体を対象としてそのモンスターとはカード名が異なるマシンナーズモンスター一体を手札・デッキから特殊召喚し、対象のモンスターを破壊する! 俺は[マシンナーズ・パゼストレージ]を守備表示で特殊召喚し、マシンナーズ・カーネルを破壊する!

 さらにマシンナーズ・パゼストレージの効果発動! このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、マシンナーズ・パゼストレージ以外の自分の墓地のマシンナーズモンスター一体を対象とし、そのモンスターを守備表示で特殊召喚する! ただしこの効果で特殊召喚したモンスターは、このターン効果を発動できない 俺はマシンナーズ・フォートレスを守備表示で特殊召喚!」

 マシンナーズ・パゼストレージ 守備力:1500

 マシンナーズ・フォートレス 守備力:1600

 

「じゃ、効果発動できるようになる前にマシンナーズ・フォートレスを破壊しとくね。そしてサイバー・ダーク・カノンとクローの効果発動。デッキからは[サイバー・ダーク・キール]を、エクストラデッキからは[サイバー・ツイン・ドラゴン]を墓地に送るね」

 

「ぐうぅっ! だが、[マシンナーズ・カーネル]を再び特殊召喚!」

 マシンナーズ・カーネル 守備力:2500

 

 仮面の男Cはマシンナーズの戦線維持能力をフルに活かして守りを固める。その光景に彩葉がふぅと息を吐いた。

 

「めんどーだなぁ。ま、それじゃあ──」

 

 彩葉は標的を切り替えたかのように遊矢に目を向ける。

 

「──次はおにーさんのターンだもんね。プラスタートルを攻撃するよ、やれ

 

「ぐぅっ!!」

 

 Aカードを拾いに行く暇もなくプラスタートルがやられる遊矢。そのまま彩葉は「ターンエンド」と宣言した。

 

「俺のターン、ドロー!!」

 

 彩葉が乱入してきてから彼らのチーム最後の一人である遊矢にバトンが回される。

 

「沢渡、お前のペンデュラムカードの力を借りるぞ! 俺は速攻魔法[揺れる眼差し]を発動! お互いのペンデュラムゾーンのカードを全て破壊し、その後、この効果で破壊したカードの数によって異なる効果を適用する! 一枚以上の場合は相手に500ダメージを与え、二枚以上の場合はデッキからペンデュラムモンスター一体を手札に加える事ができる! 俺が破壊したペンデュラムカードは[魔界劇団-ワイルド・ホープ]と[魔界劇団-ファンキー・コメディアン]の二枚、よってこの効果が適用される!」

 

「くぅ……」LP550→50

 

「さらに俺はペンデュラムモンスター[オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン]を手札に加える!」

 

 手札に入れるのは彼の切り札。しかしそのレベルは7、フィールドががら空きの彼にはそのままの状態での召喚は不可能。だがそれを可能にする召喚方法が彼にはある。

 

「俺はスケール3の[EMパートナーガ]と、スケール8の[EMドクロバット・ジョーカー]でペンデュラムスケールをセッティング!」

 

 遊矢の両隣に立ち上る光の柱。「3」と「8」が描かれている二つの柱の間、その中央部分に巨大な振り子が出現した。

 

「これでレベル4から7のモンスターが同時に召喚可能! 揺れろ、魂のペンデュラム! 天空に描け光のアーク! ペンデュラム召喚!! 出でよ、俺のモンスター達!!」

 

 空中に現れたペンデュラムの描く軌跡から空間に穴が開かれ、そこから三つの光が降り立つ。

 

「レベル4[EMセカンドンキー]! レベル5[EMドラミング・コング]! そしてレベル7、雄々しくも美しく輝く二色の眼! [オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン]!!」

 EMセカンドンキー 攻撃力:1000

 EMドラミング・コング 攻撃力:1600

 オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻撃力:2500

 

 上級・最上級を含めた一気に三体のモンスターの展開。その光景に彩葉はニヤァと笑みを見せた。

 

「でも、私のサイバー・ダーク・エンド・ドラゴンには敵わないよ? とりあえずアカデミアの皆から倒してみるの?」

 

「いや、まずは君を止めてみせる! セカンドンキーの効果発動! このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、デッキからセカンドンキー以外のEMモンスター一体を墓地へ送る。ただし、自分のペンデュラムゾーンにカードが二枚存在する場合、墓地へ送らず手札に加える事もできる。俺はこの効果で[EMフレンドンキー]を墓地へ送らず、手札に加え、フレンドンキーを召喚!

 そしてフレンドンキーの効果発動! このカードが召喚に成功した時、自分の手札・墓地からレベル4以下のEMモンスター一体を選んで特殊召喚する。俺は墓地の[EMチア・モール]を特殊召喚!」

 EMフレンドンキー 攻撃力:1600

 EMチアモール 攻撃力:600

 

「おお! いきなりモンスターが五体!」

 

「でも、攻撃力は全然足りないよ?」

 

 権現坂が感嘆の声を上げているように、遊矢の場には一気に五体のモンスターが並ぶ。だが彩葉の言う通りその攻撃力はサイバー・ダーク・エンド・ドラゴンには及ばない。

 

「分かってるさ。俺はドラゴン族・闇属性のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンと、獣族のセカンドンキーをリリースし、融合!!」

 

「リリースして融合だと!?」

 

 遊矢の宣言と共に神秘の渦が出現、アカデミアの得意技である融合、だが融合系の魔法カードを使わない単体での融合に仮面の男Aが驚愕の声を上げ、彩葉は楽しそうに笑みを見せる。

 

「友情を秘めし健脚よ。二色の眼の龍と一つとなりて新たな力を生み出さん! 融合召喚!! 出でよ! 野獣の眼光りし獰猛なる龍! レベル8! [ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン]!!!」

 ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻撃力:3000

 

「わー!! ペンデュラム召喚だけじゃなくって融合召喚まで! おにーさんすっごーい!!……でも、まだ攻撃力は足りないよ?」

 

「お楽しみはこれからだ! EMパートナーガのペンデュラム効果発動! 一ターンに一度、自分フィールドのモンスター一体を対象として発動し、そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで、自分フィールドのEMカードの数×300アップする! 俺が対象にするのはビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!

 そして俺の場のEMカードはパートナーガ、ドクロバット・ジョーカー、フレンドンキー、ドラミング・コング、チアモールの五枚! よって1500ポイント攻撃力がアップする!」

 ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻撃力:3000→4500

 

 パートナーガの力により、まるで手を繋ぐようにビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴンにEMの仲間達から力が分け与えられる。だがまだ力は足りず、遊矢は己の場にいるチアモールへと目を向けた。

 

「さらにEMチアモールの効果発動! 自分メインフェイズに元々の攻撃力と異なる攻撃力を持つモンスター一体の攻撃力が元々の攻撃力より高い場合、そのモンスターの攻撃力は1000アップする!」

 ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻撃力:4500→5500

 

「いよっしゃ! これでサイバー・ダーク・エンド・ドラゴンの攻撃力を上回ったぜ! 決めてやれ遊矢!」

 

 これで攻撃力がサイバー・ダーク・エンド・ドラゴンを上回り、沢渡がビシッと指さして叫ぶ。それに応えるように遊矢も頷いた。

 

「これで終わりだ! でも君をカードになんて絶対にさせない。しばらく大人しくしていてくれ! ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴンでサイバー・ダーク・エンド・ドラゴンを攻撃! ヘルダイブバースト!!!

 この瞬間ドラミング・コングの効果発動! 一ターンに一度、自分のモンスターが相手モンスターと戦闘を行う攻撃宣言時に、その自分のモンスター一体の攻撃力はバトルフェイズ終了時まで600アップする!」」

 ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻撃力:5500→6100

 

 ダメ押しの攻撃力アップ。これでサイバー・ダーク・エンド・ドラゴンの攻撃力を1000ポイント以上上回り、残りライフ50の彩葉ではどうあっても耐えきれない。それを示すかのように、ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの炎を纏った突進がサイバー・ダーク・エンド・ドラゴンへと直撃、巨大な爆発が辺りを包み込む。

 

「やったか!?」

 

 思わず遊矢の敵であるはずの仮面の男Aが叫び、全員が固唾を飲んで見守る。

 

「キャッハハハハハハハハハハ!!!」

 

 直後、爆発の中からそんな高笑いが聞こえてきた。

 

「まさか、サイバー・ダーク・エンド・ドラゴンまでやられちゃうなんて思わなかったなー」

 

 そして爆発で生じた煙が晴れた時、彩葉は三枚のカードによって作られた障壁に守られ、無傷のままそこに立っている。その傍らには一枚のリバースカードが翻っていた。

 

「トラップ発動[パワー・ウォール]。相手モンスターの攻撃によって自分が戦闘ダメージを受けるダメージ計算時に発動できて、その戦闘で発生する自分への戦闘ダメージが0になるように500ダメージにつき一枚、自分のデッキの上からカードを墓地へ送る。私が受ける戦闘ダメージは1100、これが0になるように500ダメージにつき一枚、つまり三枚のカードを墓地に送って、今回の戦闘は無傷で終了したんだよ。残念でしたー☆」

 

「っ……まだだ! ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴンは戦闘でモンスターを破壊した時、このカードの融合素材とした獣族モンスター一体の元々の攻撃力分のダメージを相手に与える! セカンドンキーの元々の攻撃力は1000。よって1000ポイントのダメージを与える!」

 

 だが遊矢の追撃は防げないはず。そう叫ぶようにビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴンが咆哮し、それが衝撃波となって彩葉に迫る。

 

「これでどうだ!!」

 

遊矢が叫ぶ。その時、彩葉がニヤリと笑みを浮かべた。

 

「トラップ発動[ダメージ・ポラリライザー]!」

 

「なにっ!?」

 

彼女が宣言し、カードが翻った瞬間。彼女の前に半透明のエネルギー障壁が出現。咆哮の衝撃波から身を守る。

 

「効果によるダメージが発生した時、そのダメージを0にするよ」

 

「な……く、後たった50なのに……」

 

戦闘ダメージをしのがれ、二の矢に放った効果ダメージも防がれる。

 

「ダメージ・ポラリライザーの効果はまだ続くよ。お互いにカードを一枚ドローする。おにーさん、私からのプレゼント受け取ってね?」

 

「く……ドロー!」

 

 彩葉はきゃはっと笑いながらそう言い、カードをドローして遊矢にもドローを促す。

 しかしそんな彩葉の言葉にはどこか相手を見下した傲慢な様子さえも伺える気がした。

 

「ま、まだだ! チアモール! 彩葉ちゃんにダイレクトアタックだ!!」

 

 だが風前の灯火には変わりはない。しかも彩葉の場はこれでがら空き、この攻撃は通るはずだと遊矢は彼女を止めるためにチアモールへの攻撃を指示、チアモールが一気に彼女目掛けて突進する。

 

「墓地の[超電磁タートル]を除外して効果発動。相手バトルフェイズに墓地のこのカードを除外して、そのバトルフェイズを終了するよ」

 

「なっ……」

 

 しかしまるで彼女の場に相手を拒絶し弾き飛ばす磁場が発生したかのようにチアモールが遊矢の場へと弾き返される。

 

「まさか本当にサイバー・ダーク・エンド・ドラゴンの攻撃力を真っ向から超えてくるなんて思わなかったから。ご褒美に攻撃受けてあげたんだよ? まさか、何の策もないと思ってたの?」

 

「な、ぐ……」

「このガキ、バカにしやがって……」

「だが、なんという……」

 

 にへ、と笑って傲慢に告げる彩葉の姿に遊矢、沢渡、権現坂が唸り、仮面の男達もどこか怯えた様子で歯をギリリと噛みしめる。

 

「俺はカードを一枚セットして、ターンエンド……この瞬間、ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの攻撃力も元に戻る……」

ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻撃力:6100→3000

 

 しかしもう遊矢はもう、先ほど彩葉曰くプレゼントとしてドローしたカードを伏せ、ターンエンドを宣言する事しか出来なかった。

 

「私のターン、ドロー。そしてタイムカプセル発動後、二回目のスタンバイフェイズ。私はタイムカプセルを破壊し、棺に入れたカードを手札に加えるよ♪」

 

 彼女の場に密かに残っていたカード──タイムカプセル。それが破壊され、棺の中に封印されていたカードが彩葉の手に渡る。彩葉はそれをそのままデュエルディスクへと差し込んだ。

 

「魔法発動[エヴォリューション・レザルト・バースト]。デッキから[オーバーロード・フュージョン]一枚を手札に加える」

 

「……え? サーチカード?」

「わざわざサーチカードを時間のかかる方法でサーチしたのか?」

「……我々に破壊されることを警戒して、直接的なサーチはしなかったのか?」

 

 だがタイムカプセルでサーチしたカードは単純なサーチカードと思しきカード。その内容を聞いた遊矢達三人がきょとんとした顔を見せるが、彩葉はそんな彼らに見下すような視線を向けた。

 

「恐ろしいのはこれからだよ、おにーさん達♡ 魔法カード[オーバーロード・フュージョン]を発動! 自分のフィールド・墓地から、機械族・闇属性の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、その融合モンスター一体を融合召喚する! 私は墓地の[サイバー・ドラゴン]を始め、サイバー・ドラゴン・ヘルツ、サイバー・ドラゴン・ツヴァイ、サイバー・ドラゴン・ヘルツ、サイバー・ドラゴン・ノヴァ、キメラテック・ランページ・ドラゴン、サイバー・ドラゴン・インフィニティ、サイバー・ダーク・ホーン、サイバー・ダーク・エッジ、サイバー・ダーク・キール、サイバー・ドラゴン・ヘルツ、サイバー・ツイン・ドラゴン、サイバー・ダーク・エンド・ドラゴン。十三体の機械族モンスターでオーバーロード・フュージョン!!」

 

「じゅ、十三体融合!?」

 

「出でよ、[キメラテック・オーバー・ドラゴン]!!!」

 キメラテック・オーバー・ドラゴン 攻撃力:?

 

「攻撃力が決まっていない!?」

 

「キメラテック・オーバー・ドラゴンの攻撃力は融合素材になったモンスターの数×800ポイントになるんだよ♪ そして融合素材になったモンスターは十三、よって攻撃力は──」

 キメラテック・オーバー・ドラゴン 攻撃力:?→10400

 

『こ、攻撃力10400ゥ!?』

 

 先ほどのサイバー・ダーク・エンド・ドラゴンをも、そして皆の力を借りて強化されていたビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴンすらも上回る圧倒的な攻撃力に全員が声を裏返して悲鳴を上げる。

 

「そして、キメラテック・オーバー・ドラゴンのさらなる効果だよ。キメラテック・オーバー・ドラゴンはね。一度のバトルフェイズ中に、このカードの融合素材としたモンスターの数まで相手モンスターに攻撃できるんだよ? つまり~、十三回もモンスターに攻撃できるって、わ・け♡」

 

「な……」

 

「あ、って事はモンスターがいない俺は平気ってことか……」

 

 攻撃力10400の十三回モンスターに攻撃権を持つモンスター。そんな化け物に四体のモンスターを有する遊矢が絶句し、隣のモンスターがいない沢渡は攻撃対象がいないからとほっと息を吐く。

 

「って、言いたいんだけどね☆ ここでさっき発動した魔法カード[エヴォリューション・レザルト・バースト]が効いてくるんだ♪」

 

「なんだと!?」

 

「エヴォリューション・レザルト・バーストにはもう一つ効果があってね。このターン中に、[オーバーロード・フュージョン]の効果で六体以上のモンスターを素材として融合召喚した場合、そのモンスターはこのターン、その融合素材としたモンスターの数まで一度のバトルフェイズ中に攻撃できるんだよ♡

 つまり……モンスターに限らず、直接攻撃もオッケーってこと♪

 まあこのカードの発動後、ターン終了時まで私は魔法カードの効果でしかモンスターを特殊召喚できないんだけど……些細な事だよね」

 

 彩葉の言葉に全員が絶句する。攻撃力10400の連続攻撃だけでも厄介なのに、モンスターのみという制約が上書きされてダイレクトアタックも可能ときたものだ。そうなるのも無理はない。

 

「さらに、魔法カード[アームズ・ホール]を発動。デッキの一番上のカードを墓地へ送って発動でき、自分のデッキ・墓地から装備魔法カード一枚を選んで手札に加える。このカードを発動するターン、自分は通常召喚できないんだけど……ま、問題ないよね。

 私はこの効果で装備魔法[エターナル・エヴォリューション・バースト]を手札に加え、そのままキメラテック・オーバー・ドラゴンに装備! この装備魔法は機械族の融合モンスターにのみ装備でき、このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分バトルフェイズ中に相手は魔法・罠・モンスターの効果を発動できない!」

 

「な…(…まずい、俺の伏せカード[ドタキャン]は、相手モンスターの攻撃宣言時に発動して自分フィールドのモンスターを全て守備表示にするカード。つまり発動がバトルフェイズに限定されてる。あのカードの効果で封じられた! いや、それだけじゃない。回避も、奇跡も、防御用のアクションカードが使えない!)」

 

 つまりは反撃も出来ずになぶり殺しにされるわけだ。

 彩葉が「きゃは♡」と無邪気な笑顔を、そう、子供が虫を潰したりして遊んでいるかのような無邪気な笑顔を浮かべる。

 

「やっちゃえ、キメラテック・オーバー・ドラゴン──エヴォリューション・レザルト・バースト!!」

 

「くっ!」

「おわわわわ!?」

「ぬぅっ!」

 

 彩葉の命令と共にキメラテック・オーバー・ドラゴンに生えた十一個の首から光線が放たれ、フィールドを蹂躙。咄嗟に遊矢がビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴンに乗って走り出し、沢渡が光線から逃げようと右往左往。権現坂の場のスサノ-Oがレーザーを受け止めようとするも抵抗むなしく粉砕され、アカデミアの方もモンスターが蹂躙されていく。

 

「スサノ-Oで一回、パゼストレージで一回、カーネルで一回、起動兵長コマンドリボルバーで一回。これで守備表示モンスターは全滅かなっと」

 

 彩葉がフィールドを見回し、確認する。遊矢のフィールドのモンスターは全て攻撃表示であり、沢渡の場には元々モンスターがいなかった、権現坂の場にはスサノ-O一体だけ、アカデミアの方も仮面の男Aの場にモンスターはおらず、仮面の男Bの場には攻撃表示のレッド・ガジェットと守備表示の起動兵長コマンドリボルバー、仮面の男Cの場はマシンナーズ・パゼストレージとマシンナーズ・カーネルが守備を固めていた。その内スサノ-O、パゼストレージ、カーネル、コマンドリボルバーが破壊。

 これで四回攻撃権を使ったものの、まだ九回の攻撃権が残っている。

 

「……九回?」

 

 遊矢がはっとした顔になる。アカデミアチーム三人はB以外はがら空きだしBも残るは攻撃表示のレッド・ガジェットのみ。自分達の方もこれで沢渡と権現坂はがら空き、そして自分の場のモンスターは四体とも攻撃表示。

 つまり自分達及びモンスター全てをちょうど撃破できる攻撃回数だった。

 

「きゃは♡ ちょっと大盤振る舞い過ぎたかな? ま、ともかく……これで終わりだよ。六人がかりで勝てなかった雑魚のおにーさん達♪ キメラテック・オーバー・ドラゴン、全てを蹴散らせ! エヴォリューション・レザルト・バースト、九連打ァ!!!」

 

 無造作に放たれたレーザーが迫る。彼女にとって本来は味方であったはずのアカデミアの仮面の男達が次々と光線に飲み込まれ、レーザーを浴びた地面が爆砕したことで吹き飛ばされ、それは沢渡と権現坂も同じくがら空きの状態でレーザーをモロに受けてしまう。

 

「権現坂! 沢渡!」

 

 遊矢が悲鳴を上げながらも己が跨っているビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを操り、必死でレーザーから逃げ惑う。だが彼の仲間であるEM達は次々と光線に飲み込まれていき、ついに三本のレーザーが遊矢とビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを包囲、徐々に迫ってくる三本のレーザーに逃げ場を失ったところに本命である四本目のレーザーがビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを打ち砕く。

 

「うわああああぁぁぁぁっ!!!」LP4000→0

 

 そして粉砕されたビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴンから吹き飛ばされた遊矢のライフも0を示し、彼が地面に叩きつけられるのをゴングの音にしたかのように、このデュエル終結のブザーが響くのであった。

 

 

 

 

 

「がはっ……」

 

 偶然にも遊矢が吹き飛ばされた場所に権現坂と沢渡も吹き飛ばされたようだが、三人ともあまりのダメージを受けたのか動けない。それはさっきまで彼らと戦っていた仮面の男達も同じであり、唯一このデュエルの勝者である彩葉が微笑みを浮かべながら彼らに歩み寄る。

 

「く、くそっ……」

「俺達、このままカードにされちまうのか……?」

「ごめん、柚子……」

 

 権現坂は自分が壁になって遊矢達を逃がそうとするも立ち上がる事すら出来ず、沢渡も悔しそうに歯ぎしり、遊矢は柚子に助けられなかったことを詫びる。そして彩葉が彼らの元に辿り着いた。

 

「けっこー面白かったよ、おにーさん達♡ またやろーね☆」

 

「「「……は?」」」

 

 そうとだけ言って、彩葉はくるりんと踵を返して歩き出す。

 

「ま、待てよお前……俺達をカードにしないのか……?」

 

「されたいの?」

 

「いや、そういうわけじゃ……」

 

 思わずツッコミを入れる沢渡だが、彩葉からの質問を受けると首を横に振って否定。「じゃあいーじゃん」と彩葉も答えた。

 

「だってカードにされちゃったらもう戦えないでしょ? そんなのつまんないじゃん……それにぃ、もうお迎えが来たみたいだよ」

 

「「「え?」」」

 

 彩葉の言葉に呆けた声を出した時だった。

 

「遊矢! 大丈夫か!?」

 

「黒崎!」

 

 

「お前達、無事か!?」

 

「総司令!」

 

 遊矢達の元に駆けつけたのは黒崎隼を始めとするレジスタンス、アカデミアの元に駆けつけたのはエド・フェニックスを始めとする部隊。彼らは倒れている仲間達を見て表情を歪めた後、そこに唯一立っている彩葉を睨みつけた。

 

「柳里彩葉ァ! 貴様、よくもまた!」

「ヘルサイバー! 性懲りもなく!」

 

「きゃはっ♡ 久しぶり、おにーさん達☆ けど私、さっきまでこのおにーさん達と遊んで疲れてるから帰りたいんだよねー……まあ、おにーさん達がここでドンパチやるっていうのなら、面白そうだから付き合うけど?」

 

「「……」」

 

 黒崎とエドに睨まれているのにどこ吹く風や彩葉はニタァと好戦的に微笑んでおり、二人は互いに一瞥すると苦渋に満ちた顔を見せる。

 

「遊矢達を連れて引くぞ!」

 

「彼らを回収し、本部に戻る!」

 

 無策で彩葉と戦ったら被害が大きくなる。そう直感したのか互いに彩葉を刺激せずに仲間を連れて戻る事に決めてそれぞれ仲間を回収していく。多少睨みあってはいたもののそれ以上は何もなく対立する二組は仲間の回収が完了。

 

「じゃ、また遊ぼうね。おにーさん達☆」

 

 そう言うと共に彩葉はリアルソリッドビジョンシステムを作動させ、[鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴン]を召喚。その背に飛び乗ってひゅーんと飛び去っていく。

 それを警戒しながら見届けつつ、レジスタンスとアカデミアもそれぞれの拠点へと戻っていくのだった。




《後書き》
 皆様「もしも彩葉ちゃんがアカデミアにいたら(ただしアカデミアが制御できているとは言ってない)」、ご読了いただきありがとうございます。え、タイトルがおかしい?何のことですか?(すっとぼけ)
 今回は若干ヘル化したイメージで書いてみました。というか今まで何も考えずに書いてたら「メスガキ」と「リスペクトデュエル」が噛み合わなくなってきて……いっそリスペクトデュエルを取り払ったヘルカイザーに寄せてかつメスガキっぽくしたらどうだろうという考えで作ってみました。
 で、それをやるとしたら既に若干リスペクトデュエルモードが入っているGX世界線だとノイズが入ってやりづらいからArc-V世界線に放り込みました。こっちならヘル化しててもまあまあ言い訳が利くし。

 そんな感じでエクシーズ次元内を渡り歩きつつ、面白半分でエクシーズ次元のレジスタンスに喧嘩売ったりアカデミアに反逆したり、時には今回みたいに両方が戦ってる中に第三勢力として乱入して全部ぶっ潰したりした上で「カードにしたらもう戦えないから」とほっぽっときます。
 そのためレジスタンス側からも「レジスタンスを襲ってきたと思ったらアカデミアにも構わず襲い掛かる。訳が分からない危険人物」、アカデミア側からも「反逆者、コードネーム《ヘルサイバー》」と危険視されながらエクシーズ次元をふらふらしています。

 ちなみに本編では「免許皆伝の証としてサイバー・エンド・ドラゴンの継承の代わりに裏サイバー流デッキを継承した」という設定上裏サイバー流に寄ったデッキ構築になっていたり、そのせいでサイバー・エンド・ドラゴンは未所持という設定上の弊害があるけど、こっちではそういうもの全くないし、なんなら最新のサイバー流カードも設定上問題なく使用出来たり「エクシーズ系のサイバーもこっち来てなんか入手しました」で説明付けたり出来るので、サイバー流と裏サイバー流の混合という意味ではこの彩葉ちゃんが多分一番強いです。(ちなみに本編の彩葉ちゃんも設定上はサイバー・ドラゴンを三積みしてサイバー・ツイン・ドラゴンもデッキに投入してるけどそれ止まり)

 まあそういう感じのお話でしたが正直もう書きたくないです……途中で彩葉を乱入させて、実は既にデュエルは進んでたからある程度カードが墓地に溜まってました&手札を消費していました&元々敵同士だから隙あらば寝首をかこうとしますって体にしなきゃ彩葉が物量で押し切られてたかもしれない……。
 そして実を言うと今回の話、たまたま「エヴォリューション・レザルト・バースト」というカードが出る事を知らなきゃ多分没になってました。いやホントなんなんですかこの「キメラテック・オーバー・ドラゴンで蹂躙しちゃえよ」なカード。今回の彩葉ちゃんの決めのために誂えたようなカードじゃないですか。

 では今回はこの辺で。ご指摘ご意見ご感想はお気軽にどうぞ。それでは。
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