P.S.彼女の世界は硬く冷たいのか? 作:へっくすん165e83
数分も経たないうちにレミリアは美鈴を引き連れて応接間に帰ってきた。
レミリアは美鈴に紅茶を淹れるよう指示を出すと、先程まで座っていたソファーへ腰掛ける。
「改めて紹介するわ。スカーレット家に仕える従者の一人である紅美鈴よ。私が騎士団入りするということは、彼女も自動的に騎士団入りするという認識でいいのよね?」
レミリアの問いにダンブルドアが頷く。
だが、それを聞いて当の本人である美鈴が目を丸くした。
「え? お嬢様不死鳥の騎士団に入ったんですか? それじゃあ、もう完全にそっち側につくと?」
「まあ、そういうことよ」
「はぁ、そうですか……」
露骨に不思議そうな顔をする美鈴に、レミリアが言う。
「なに、不満なの?」
「いえいえ、意外だっただけで。お嬢様なら『名前を呼んだらあっけらぽいな人と一緒にこの世界を支配してやるぜぇ!』ぐらい言いそうだなと思っていたので」
「貴方の中の私どんなイメージよ。私はこれでも平和を愛する吸血鬼なの。そんな破滅を望むようなことはしないわ」
レミリアはふふんと鼻をならすと、得意げに胸を張る。
美鈴はそれを見て半分呆れた表情で言った。
「まあ、お嬢様がそれでいいなら私は何も言いませんけど……。でも、そうと決まれば、これから先よろしくお願いしますね!」
美鈴は手際よくティーカップを四つ机の上に並べると、ティーポットの中の紅茶を注いでいく。
そして私たちの前にティーカップを差し出し、自分もソファーへと座った。
「というわけで、ここから先は美鈴も話し合いに参加させていいわよね?」
私はダンブルドアの顔を窺い見る。
分霊箱のことを知っている騎士団員がどれほどいるかはわからないが、決して多くはない筈だ。
それに、私たちが分霊箱を探しているという情報は可能な限り伏せなければならない。
ヴォルデモートに勘付かれたら、その時点で分霊箱を誰も見つけられないような場所へと隠されてしまうだろう。
「勿論、彼女にも話し合いに参加してほしい。じゃが、ここで話した内容はたとえ騎士団員であっても口にしてはならぬ。秘密を共有するものは少なければ少ないほどいいからのう」
そう前置きしてから、ダンブルドアは分霊箱の効果や、その製造法、そして実際に破壊した分霊箱の一つである日記帳の例なども出しながら二人に分霊箱の説明をした。
ダンブルドアの話を聞き終わると、美鈴が難しい顔をしながら伸びをする。
「ということはですよ。私たちは一体いくつあるかも、どんなものかもわからない分霊箱を全て探し出して破壊しないといけないということですよね? それって無理ゲーなのでは?」
「わしは十よりかは少ないと見積もっておる。それ以上魂を引き裂いたら人間ではない何かへと変貌してしまうじゃろう」
「だとしたら十以下。日記帳と指輪で取り敢えず二個。残るは多くても八……」
レミリアは唇に指を当てて考え込む。
「分霊箱を作るのに殺人を犯さないといけないという特性上、リドルの殺人歴を辿るのが早そうね。それに、指輪を分霊箱にしているところから見ても、リドルはその辺の石やゴミに自分の魂を入れたくなかったと考えられる。だとしたら、ある程度の候補は絞れそうだけど……」
その時、美鈴がハッと顔を上げる。
「そういえばお嬢様、随分前にトム・リドルがこの屋敷に骨董品を買いに来てましたよね?」
「ああ、そういえば来てたわね」
随分前……というとヴォルデモートがホグワーツを卒業してすぐの話だろうか。
ヴォルデモートはホグワーツ卒業後はボージン・アンド・バークスで働いていたはずだ。
きっとそれの仕事でここを訪れたのだろう。
「あの時、投げナイフの代金の代わりに彼から色々話を聞いたじゃないですか。何か手がかりになるようなこと言ってませんでした?」
「確かに……えっと──あ、そういえば」
レミリアはポンと手を打った。
「そういえば、彼はホグワーツ創始者に縁のあるものを探していたわ」
「創始者に縁のあるもの?」
私が聞き返すと、レミリアが説明してくれる。
「ホグワーツの創始者であるゴドリック・グリフィンドール、ロウェナ・レイブンクロー、ヘルガ・ハッフルパフ、サラザール・スリザリンはそれぞれ遺品とも言うべきものを残しているの。グリフィンドールは剣、レイブンクローは髪飾り、ハッフルパフは金のカップ、スリザリンはロケットね」
「例のあの人はそれを探していた……」
レミリアは頷くと話を続ける。
「だからあの時、私は『カップとロケットはヘプジバが持ってるわよ』と教えてあげたわ」
それを聞き、ダンブルドアが少し身を乗り出した。
「それは一体何年頃の話か覚えておるじゃろうか」
「えっと、確か一九四五年ぐらいじゃない?」
「ヘプジバ・スミスが亡くなったのも同じ年じゃ。確かあの時は屋敷しもべ妖精の犯行だという発表がなされたが……」
「十中八九、リドルがヘプジバを殺してカップとロケットを奪っているでしょうね。それに、それと同時に分霊箱にしたと考えた方が自然だわ」
ということは、ハッフルパフのカップとスリザリンのロケットは分霊箱の可能性が非常に高いと言うことか。
問題があるとすればその二つがどこにあるかまるで見当がつかないことだが。
「まあ、その二つは分霊箱と断定しましょう。残るはグリフィンドールの剣とレイブンクローの髪飾りだけど──」
「グリフィンドールの剣はホグワーツの校長室で保管されておる。分霊箱にはされておらん」
ダンブルドアがそう補足する。
「じゃあ剣は白。髪飾りはグレーね。日記、指輪は黒で、カップとロケットもほぼ黒」
これで五つ。
あといくつあるかはわからないが、少なくとも半数は何が分霊箱にされているか突き止めたと言っても過言ではないだろう。
「分霊箱だと分かっているのはこれだけ……で、いいのよね? ダンブルドア」
レミリアはダンブルドアの瞳をじっとみる。
一瞬開心術をかけているのかと思ったが、ただ単に表情を窺っているだけのようだった。
「わかっているのはこれだけじゃ」
「嘘ね」
ダンブルドアの答えをレミリアは嘘だと言い切った。
「何かを隠しているでしょう? 目は口よりも雄弁に心を語るものよ。この期に及んで一体何を隠しているの?」
ダンブルドアは、何かを悩むように視線を落とすと、一瞬私の方を窺い見る。
そして、少し声のトーンを落として言った。
「わしの予想ではヴォルデモートがそばに従えている蛇のナギニと……ハリー・ポッターが分霊箱だったのではないかと考えておる」
ダンブルドアがそう言った瞬間、応接間の空気が凍りついた。
ハリーが分霊箱?
そんなことがあるはずは……。
「根拠はあるのかしら?」
レミリアは小さく深呼吸をすると、ダンブルドアに尋ねる。
「明確な根拠はない。じゃが、そうだと仮定するとあらゆることに説明がつくのじゃ」
ダンブルドアはそう前置きすると、ハリーが分霊箱であると考えた理由について述べ始める。
「少し前から、ハリーは自分自身がヴォルデモートの近くにいる大蛇、ナギニの中にいる夢を見るようになった。普通に考えたら、何の関係もない魂同士が繋がりを持つことはない」
「でも、双方共に分霊箱で、ヴォルデモートの魂で繋がっているとしたら……ということね」
「さよう」
レミリアの言葉にダンブルドアは頷く。
「ハリーがパーセルマウスである理由やヴォルデモートが近づくと額の傷が痛む理由も、わしはハリーが分霊箱であるからだと考えておる」
確かに、ヴォルデモートの魂の一部がハリーの中に入っていると考えればその辺の説明はつく。
だが、それと同時にハリーが分霊箱だと説明がつかないことがあるのも確かだ。
「でも、ハリーが分霊箱なのだとしたら、あの人がハリーの命を狙っていた……いや、あの人がハリーを殺した理由がわかりません。そもそも、敵であるハリーをなんで分霊箱なんかに……」
「ヴォルデモートは、ハリーを分霊箱にしようなどと考えてはおらんかったのじゃろう」
ダンブルドアの言葉に、レミリアが頷く。
「そうね。きっとハリー・ポッターの両親を殺した時、既に不安定になっていた彼の魂が零れ落ち、ハリーに入ってしまったんでしょうね。そして、そのことを知らずにリドルはハリーを殺した。なるほど、確かに突拍子もない考えというわけではなさそう。そして、分霊箱であるハリーと繋がった大蛇もまた、分霊箱だと」
レミリアは何度か頷くと、応接間にある棚から羊皮紙と羽根ペンを取り出し、今までの話をまとめていく。
「日記、指輪、カップ、ロケット、ハリー、蛇、そしてもしかしたら髪飾りも。これで分霊箱は七個。結構埋まってきたわね」
問題は分霊箱が何個あるかということだ。
そこがはっきりしない限り、ゴールは見えない。
そう考えていると、レミリアが口を開いた。
「ねえダンブルドア。リドルって一番初めの分霊箱は学生の頃に作ったのでしょう? それもホグワーツの生徒の魂を使って。当時学生だったリドルはどこで分霊箱というものの存在を知ったのかしら」
「当時、図書室の禁書の棚に分霊箱の作成方法が書かれた書物が一冊だけ存在しておった。ヴォルデモートはそれを読んだのじゃろう」
「いや、そんなもの学生が触れる場所に置いておかないでくださいよ」
美鈴が当然のツッコミをする。
ダンブルドアは既に禁書の棚にもないと付け加えた上で言った。
「じゃが、その書物にも複数個作った場合どうなるかまでは書かれておらんかったはずじゃ」
ダンブルドアは一度そこで言葉を切ると、私の方を見る。
「サクヤ、この場合、お主ならどうするじゃろうか?」
「分霊箱を複数個作りたいけど、本当に作ってしまってもいいか知りたい時、ということですよね?」
ホグワーツの禁書の棚にも殆ど情報がない魔法だ。
学校の外に情報を探しに行くとしても、大した情報は手に入らないだろう。
「うーん、私なら人体実験をしますね。取り敢えずその辺の魔法使いに服従の呪文を掛けて、分霊箱を作らせまくる……みたいな。まあ、作らせた分人が死ぬんであんまり大っぴらにはできませんけど」
「その方法は少し難しいと思うわよ。その頃リドルは学生だし、分霊箱を作る際の殺人も神経質に偽装しているわ」
私の意見にレミリアが反論する。
「だとしたら、詳しそうな人にそれとなく聞くというのはどうでしょう。本を読んでいるときに偶然分霊箱のことを知って、何個も作ったらどうなるか興味本位で気になった……みたいな」
私がそう言った瞬間、その言葉を待っていたと言わんばかりにダンブルドアが口を開いた。
「わしもその可能性が高いのではないかと考えておる」
「あら、その様子だと、心当たりがあるのかしら」
「ヴォルデモートが在学中、スリザリンの寮監にホラス・スラグホーンがついておった」
ホラス・スラグホーン、聞いたことのない名前だ。
だが、レミリアには通じたのか納得したように頷いていた。
「ああ、スラグホーンなら教えかねないわね」
「誰ですそれ?」
私が首をひねっていると、タイミングよく美鈴が質問をしてくれる。
「半世紀ぐらいホグワーツで魔法薬を教えていた人材マニアよ。スリザリンの寮監もやっていたわ」
「人材マニア?」
「そ、人材マニア」
レミリアは紅茶を一口飲むと、スラグホーンについて説明を始めた。
「スラグホーンは優秀な人材を発掘するのが好きでね。自分が目を付けた生徒を集めてよくお茶会を開いていたらしいわ。確かええっと……」
「『スラグ・クラブ』じゃ」
「そうそう、『スラグ・クラブ』ていう集まりを定期的に開いていたらしいのよ。よくスラグホーンが自慢していたから覚えているわ」
「では、例のあの人はそのスラグホーンさんに分霊箱のことを聞いた可能性が高いと」
私が確認するように言うと、ダンブルドアが頷いた。
「当時のホグワーツの教員の中で、わし以外に分霊箱という魔法の存在を知っておるものがいたとすれば、それはスラグホーンだけじゃろう」
「だとしたら話は早いわね。スラグホーンに連絡を取りましょう。そういえば、最近名前を聞かないけど何をやっているの?」
「隠居しているという話は聞いているが、わしも最近連絡を取っていないからのう。どこに住んでいるのかすらわからん」
それを聞いて、レミリアは大きなため息をついた。
「元教員の連絡先ぐらい把握しときなさいよ。なんにしても、スラグホーンへの接触はそっちに任せるわ。私はスラグホーンに避けられてるし」
レミリアはそう言って肩を竦めると、ダンブルドアに右手を伸ばした。
「私は分霊箱探しに尽力することにするわ。っと、そのためにも蘇りの石は私に渡しなさい」
ダンブルドアはその右手を見て少し迷うような表情を見せる。
「何よ。嫌なの? 安心しなさいな。分霊箱としての機能は破壊するから。私はその死者を蘇らせる機能さえ残っていれば十分だわ」
私はレミリアとダンブルドアの表情を交互に伺い見る。
ダンブルドアが何を考えているかはわからないが、蘇りの石をレミリアに渡したくないように見えた。
なんにしても、この流れはまずい。
このまま険悪な雰囲気になっては、今後の連携に支障が出るだろう。
なので、少しでも場の空気を誤魔化すために私は口を開いた。
「蘇りの石が分霊箱探しに役立つのですか?」
私の問いに、レミリアは得意げな顔になる。
「さっきも話したでしょう? 死者が持つ記憶は例えるならば、際限なく蔵書が増え続ける大図書館。蘇りの石は、その大図書館の扉の鍵ってところかしら」
まあ、レミリアの言うことがもっともだろう。
確かに蘇りの石は分霊箱探しに役に立つ。
ヴォルデモートに殺されたとされる人物から話が聞ければ、分霊箱探しは大いに捗るだろう。
「……先生、確かにスカーレットさんの言う通りです。別に預けてしまってもいいんじゃないですか?」
「それに、私の魔力を使えば分霊箱に宿るリドルの魂を押し殺すことができる。これでも曰く付きの物の扱いには慣れているのよ?」
ダンブルドアは少し渋るような仕草を見せたが、最終的には指輪をレミリアに手渡した。
レミリアはそれを無造作にポケットに入れると、話は終わったと言わんばかりに手を叩く。
「さて、これから忙しくなるわよ。何かわかったらダンブルドア、貴方宛にコウモリを送るわ」
レミリアは右の手のひらから一匹のコウモリを出現させてみせる。
「このコウモリは私の分身、いや、分離体のようなものだから情報が外部に漏れることはない。ようは情報漏洩の危険のないフクロウのようなものね」
コウモリはレミリアの手のひらの上で大きく羽を広げると、尊大な仕草で両手を腰に当てた。
なるほど、確かにこのコウモリから野生味は感じない。
まるでカートゥーンアニメーションに出てくるキャラクターのようだ。
レミリアが性格そのままにコウモリに姿を変えたら、まさにこんな感じだろう。
「重ねて、ご協力感謝申し上げる。スカーレット嬢。こちらも、新しい情報が分かり次第ペットのフォークス……不死鳥で伝達しよう」
ダンブルドアとレミリアは互いに立ち上がり握手を交わす。
私もその流れで立ち上がり、ソファーの横に置いていた鞄を手に取った。
「美鈴。館の外までお客様を見送って差し上げて」
「かしこまりました。それではダンブルドア先生、サクヤちゃん、こちらへどうぞ」
私は最後にレミリアにペコリと頭を下げると、応接室を後にする。
応接室を出て屋敷の廊下を歩いていると、先頭を歩く美鈴が楽しそうに言った。
「なんだか良いですね。きっとこれからワクワクドキドキな大冒険が待ち構えていますよ」
「そんな気楽なものですかね?」
私がそう尋ねると、美鈴は笑顔でこちらを振り返る。
「まあ、私もお嬢様も人間じゃないので。貴方たち人間とは死生観が違うんでしょうね。私やお嬢様にとっては百万を殺し、百万を殺されるような戦争もお祭りと変わらないんですよ。まあ、もちろん死にたくはないですけどね」
美鈴はそう言うと、無邪気な表情で私の顔を覗き込む。
「サクヤちゃんは何のために戦っていますか? 家族のため? 友達のため? それとも社会のため?」
「私は──」
私は、何のために戦っているんだろう。
ここ戦いの先に、私の望む平穏はあるんだろうか。
私には家族はいないし、友達はこの手で殺した。
今現在、結果として社会のために戦うことになってはいるが、少し前まで闇の勢力にいた身だ。
だとしたら、私は……。
「もちろん、全部です!」
私は笑顔で嘘を吐く。
私は、私のためにしか戦っていない。
リスクを回避するために、親友の一人を殺すような女だ。
「そうですか! それは何より」
美鈴は私の答えに満足したのか、また前を向いて屋敷の廊下を進み始めた。
「……ふう。なんというか、予想外の方向に話が転がりましたね」
付き添い姿現しで校長室に帰ってきた私は、来客用のソファーへ腰を下ろす。
「最悪の展開にならなくてホッとしてますよ。最悪、蘇りの石を争って戦闘になるんじゃないかと思っていたぐらいですから」
ダンブルドアもいつもの椅子に腰掛けると、私の言葉に頷いた。
「確かに。わしとしてもスカーレット嬢が不死鳥の騎士団に加わりたいと言ったのは予想外じゃった。彼女は良くも悪くも孤高な存在じゃ」
「どうするんです? 本当に彼女を不死鳥の騎士団の会議に呼ぶんですか?」
私の問いに、ダンブルドアは首を振る。
「いや、わしの考えでは、あくまで分霊箱探し専門の別動隊として動いてもらおうと思っとる。もちろん、人手が必要な場合は向こうに人材を派遣することになるじゃろう」
「それで向こうが納得しますかね? あの口ぶりだと、騎士団の運営にも口を出したいといった感じでしたけど」
まあ、私としてはそれでも構わないのだが。
ダンブルドアと同等とまでは言わないが、長年生きている吸血鬼ならば頭も回るだろう。
彼女ならいい参謀になってくれるかもしれない。
「その辺に関しては追々じゃ。さて──」
ダンブルドアは校長室に設置された時計に目を向ける。
「もう日を跨いでしもうた。今日のところは学生寮へお帰り」
ダンブルドアにそう言われ、私も自分の懐中時計を確認する。
今の時間は深夜の零時三十五分。
普段なら眠りについているような時間だ。
「わかりました。そうさせて貰います。また何かありましたらいつでもお呼びつけください」
私はダンブルドアに小さく頭を下げると、校長室を後にする。
そして談話室までの道を歩きながら今日のことを思い返した。
今日一日で分霊箱探しはかなり大きく進展したと言えるだろう。
おおよその分霊箱の正体から、強力な助っ人。
レミリアがダンブルドアの陣営に加わったことで両陣営のパワーバランスが大きく傾く筈だ。
「例のあの人を殺して魔法界に平和をもたらす……かぁ」
その先に私の望む未来があるとは思えない。
だが、負け戦はもっと嫌いだ。
多少窮屈な思いはするだろうが、勝ち馬に乗っていたほうがいいに決まっている。
「それにしても、ダンブルドアはなんで私を殺さなかったのかしら」
私は一人呟くと、真っ暗な階段を上り始めた。
設定や用語解説
ホラス・スラグホーン
長年ホグワーツの魔法薬学教授を務めていた魔法使い。スリザリン寮監。現在は教員職を引退しており、隠居生活中。
Twitter始めました。
https://twitter.com/hexen165e83
活動報告や裏設定など、作品に関することや、興味のある事柄を適当に呟きます。