高速軽空母水鬼を撃破した武龍達に、新しい依頼が入る。それは大規模作戦への参加だった。
武龍達にとって始めての大規模作戦。そして運命は交差する──
依頼主:大本営
目標:鉄底海峡の攻略
作戦開始時刻:15:00
報酬:10000000円及び各種資材
人類の大きな1歩のため、鉄底海峡への大規模な侵攻作戦を決行する。複数の鎮守府の艦隊が出撃するが、人数は多い方が良い。そのため依頼を出した。
武龍の機甲兵装は今回、武装とジェネレーター、そしてブースターを変更してきており、武装は左背部の武装を『中型ロケット』に変更し、射撃での火力を高めている。
また、ジェネレーターとブースターの変更により機動力は大きく向上している。
そして今回は武龍、青葉、北上の他に赤城、陸奥、大潮の3人も参加している。
これにより3人の時よりも大幅に戦力は向上している。
青葉と北上は通常の艤装に加え、『対艦ナイフ』や『試作携行修復材』、『スモークグレネード』を装備してきていた。
武龍達はストークAから投下されて周囲を見渡すと、かなりの数の艦隊が集結している。
青葉「これだけいると壮観ですね。でも···」
武龍「ああ、いくつかおかしな艦隊がいるな···」
ある艦隊は全員が痩せ細っており、ある艦隊は目に隈ができて明らかな疲労が見えており、ある艦隊はまるで感情の無い機械のような艦娘達である。
中には機甲兵装を真似ようとしたのだろう、体に装甲を装着し不格好な姿の艦隊までいる···
瑞希《ろくな運営がなされてないですね···》
赤城「それに対し、あちらは違いますね」
まともな艦隊の中に、確実に違う雰囲気の艦隊が3つ···
瑞希《江ノ島艦隊、舞鶴艦隊、横須賀艦隊···噂には聞いていましたが、やはり面構えが違いますね》
すると、この作戦唯一の大将Eの艦隊の旗艦である長門から通信が入る。
長門《総員!これより鉄底海峡へと侵攻する!この作戦が成功すれば、人類は大きな1歩を踏み出す事ができる!私の艦隊は、先頭に立って進む!総員、この長門に続けぇ!》
それぞれの艦隊が鉄底海峡に向けて突き進んでいく。
武龍は青葉達に『草薙印のレーション』を見せて目配せし、一部の艦隊に近づく。
青葉「皆さん、これ良かったら食べてください。腹が減っては戦はできぬと言いますし」
駆逐艦娘「···いいの?」
武龍「腹減ってんだろ?なら食っとけ。文句言う奴は俺らに任せろ」
武龍達は痩せ細った艦隊と疲労している艦隊に、持っていた草薙印のレーションを1つずつだけ残して全て与えた。
それらの艦隊から離れて陣形を組み直すと、武龍は拳を握り締めた。
武龍「許せねぇよ···頑張ってくれてんのにあんな扱いするだと···」
青葉「抑えてください。今は攻略に集中しましょう」
しばらく進むと作戦エリアに入り、海が赤く変色していく。
すると、作戦エリアに入ってすぐに多くの深海棲艦が現れる。
武龍「戦闘開始!行くぞ!」
武龍達の位置は全体の左側面であり、すぐ右横には先程の痩せ細った艦隊と疲労している艦隊があった。
現れたイ級の群れに武龍達は攻撃するが、痩せ細った艦隊と疲労している艦隊はほとんど攻撃を当てられていなかった。
武龍(やっぱり、あんな状態の艦娘じゃあ···)
陸奥と赤城は痩せ細った艦隊と疲労している艦隊の前に出る。
陸奥「あなた達は私を盾にして!」
赤城「絶対、あなた達を沈めさせません!」
武龍達は、痩せ細った艦隊と疲労している艦隊を守りながら戦っていく。
しかしそれは簡単なことではなく、それぞれの艦隊で被弾してしまう艦娘が数人おり、中には中破してしまった艦娘もいた。
4度目の戦闘の後、武龍達は全体の様子を確認する。
状態はあまり良くなく、半数以上が損傷しており、轟沈してしまった艦娘も数人いる。
それだけでなく、全体の疲労が溜まってきてもいる。
武龍「なぁ、そこに小島があるからそろそろ休憩と点検してかないか?」
武龍の問いかけに複数の艦娘が頷き、同意の意を示す。
江ノ島艦隊提督
《俺も同意見だ。陣形も崩れてきてる、そろそろ休憩しないとまずいぞ》
大将E《何言ってやがる?そんなことしてる暇あるなら進め!奴らを倒せ!まだ人数は残ってるし損傷も少ないだろ?なら行けるに決まってるだろ!》
横須賀艦隊提督
《それは難しい。疲労が溜まれば動きや判断は鈍り、被害拡大の要因になる》
舞鶴艦隊提督
《ああ。進みたい気持ちは俺にもあるが、休憩は必要だ》
大将E《休憩ならその場でできるだろ?ほら5分やるからそこで休憩しろ!》
江ノ島艦隊、横須賀艦隊、舞鶴艦隊のそれぞれの提督はため息をつき、武龍は拳を握り締めている。
そして5分が過ぎる···
長門「···艦隊、進むぞ」
大将Eの艦隊の長門は負い目を感じつつも、出発の合図をして進み始める。
それに伴って他の艦隊も進んでいく。すると、横須賀提督が武龍に通信を入れてきた。
横須賀提督
《初めまして、僕は横須賀の提督だよ···君はこの戦況、どう思う?》
武龍「···このままだと多分、負けると思う。人数は残ってるが、損傷と残弾、それに疲労のことを考えると···なぁ、横須賀提督と江ノ島提督、舞鶴提督に頼みがある」
武龍はこの3人の提督の艦隊の艦娘の雰囲気を見て『大事にされている』と感じ、あることを頼み込む。
横須賀提督
《戦略としてはありだけど···》
舞鶴提督《···解った。うちの艦隊にも連絡を入れておく》
江ノ島提督
《傭兵つっても共闘した仲間だ···死ぬなよ》
武龍「ありがとう···」
そして進み続けると前方に大量の反応があり、その中には···
瑞希《···敵姫級を確認》
黒いキャミソールを見に纏い、背後に人型の巨大な生物のような艤装を従えた『戦艦棲姫』。
戦艦棲姫「アイアン···ボトム···サウンドニ···シズミナサイ···」
白く、途中から黒くなっている長髪が特徴であり、長い主砲を持つ『泊地棲姫』。
泊地棲姫「イマイマシイ···艦娘ドモメ···」
対空砲を搭載した艤装に座り、こちらを嘲るような笑みを浮かべている『防空棲姫』。
「フフ···キタンダァ···ヘーエ···アノママキタンダァ···」
長門「姫級が···3体もだと!?」
3人の姫級の出現と同時に周囲から増援の深海棲艦が現れる。
そしてその猛攻により次々と艦娘が撃沈されていき、武龍達も応戦するが、とても捌ききれる数ではなかった。
江ノ島提督
《このままじゃやられる!撤退だ!》
舞鶴提督《俺の艦隊が道を作る!行け!》
横須賀提督《ブッキー、そこの駆逐艦を頼む!金剛は殿をしつつ援護!》
横須賀所属吹雪「はいっ!」
大将E《なっ!?お前ら撤退だと!?》
武龍は小型ミサイルを1発ずつロックオンして発射し、中型ロケットに切り替えると連射して損傷を与えていく。
そこに青葉、北上、大潮の砲撃が放たれ、陸奥と赤城は痩せ細った艦隊と疲労している艦隊を守りつつ後退する。
江ノ島提督
《今の戦力じゃ勝てない!》
武龍が深海棲艦を牽制しつつ後退していると、ル級eliteが武龍に主砲を向ける。
ル級eliteが砲撃しようとした瞬間、江ノ島艦隊所属の金剛がル級eliteに砲撃し、武龍にサムズアップする。
瑞希《逃げれるためのルートを送信します!》
瑞希は逃げれるためのルートを計算し、送信する。
それを確認した青葉と北上はすぐさまスモークグレネードを投げ、深海棲艦の視界を塞ぐ。そしてなんとかある程度の距離を離すことができた···
読んでくださり、ありがとうございます!
姫級3人···私ならビビり倒しますね···え?まだ温いですか?
●深海棲艦の階級
イロハ級の深海棲艦には主にノーマル、elite、flagshipの3種の階級があり、それは強力な個体を意味している。
ノーマルは青、eliteは赤、flagshipは金色の目をしており、同色のオーラを纏っている。
しかし、稀に目が青い炎に包まれ、金色のオーラを纏っている個体も確認されており、その個体はflagshipよりも強力な個体である。
●中型ロケット
無誘導のロケットを発車する武装であり、小型、中型、大型とある内の中型のタイプ。
小型より火力が高い代わりに、連射力が低く弾数は少ない。
●対艦ナイフ
新たに開発された、艦娘の標準装備とされるナイフ。
特殊な素材でできており、戦艦にも通用する切れ味を持つ。
●試作携行修復材
艦娘の高速修復材と同じ効果を持つが、コーヒー缶サイズなので回復できる量は10%程である。
また、轟沈してしまう状態では使用したとしても、僅かに延命させるだけになってしまう。
●スモークグレネード
煙幕を発生させるグレネードで、攻撃性は無い。
緊急時の撤退や奇襲などを目的としている。
●草薙印のレーション
草薙が開発した特別なレーション。
適度な味と満点の栄養素により、試作品ながらも好評の1品である。