鉄底海峡へと侵攻する大規模作戦。
しかし待っていたのは3人の姫級の深海棲艦であり、戦線は崩壊してしまい、撤退を余儀なくされる。
そして、武龍が提督達に頼んだ事とは···
武龍達の使ったスモークグレネードと江ノ島、舞鶴、横須賀の3つの艦隊によりある程度距離を離すことに成功したのだが···
武龍「青葉···俺はここに残って奴らの足を止める」
青葉「何言ってるんですか!?」
陸奥「武龍···あなたがさっき通信してたのは、その事?」
武龍は頷くが、青葉達は心配で仕方なかった。
瑞希《···戦略的には、誰かが足止めをしなくてはなりません。それに、負傷した艦娘の数が多すぎます》
武龍「戻ってくるさ···」
武龍は撤退する艦隊とは真逆の方向へ進んでいく。
北上「皆、後はお願い」
北上はそう言うと、武龍に着いていく。
武龍「おい、何も北上まで!」
北上「武龍1人だけじゃ、そんなにもたないかもしれないでしょ?だから私も行く」
青葉達は瑞希からの制止が入り、艦隊の護衛にまわる。するとそこに江ノ島提督達の通信が入る。
江ノ島提督
《俺の艦隊を助けに向かわせた!だから持ちこたえてくれ!》
横須賀提督
《僕の艦隊も向かわせたから》
舞鶴提督《俺もだ。絶対生き残れよ!》
青葉《2人とも、必ず生きて戻ってくださいね!》
武龍「解ってるさ···」
北上「もちろん」
武龍と北上は追撃にした深海棲艦と対峙する。
推奨BGM『モドレナイノ』
月明かりに照される黒い海──
そこに立ち並ぶ多数の深海棲艦とその姫級達。
それぞれが呪詛や怨嗟、無念の言葉を呟きながら進んでいる。
武龍はブースターを最大出力で吹かして突撃し、北上はその背後から主砲を構える。
途端に大量の砲雷爆撃が武龍と北上に襲いかかる。
武龍と北上はギリギリで回避しつつ攻撃をしていく。
武龍はイ級にマシンガンを連射し、怯んだイ級に北上が砲撃して撃破する。
更に、武龍の前に出た北上は最後の魚雷を扇状に放つ。放たれた魚雷はイ級2体、リ級1体を撃破する。
武龍(ごめんな、皆···北上···俺、嘘ついちまったよ)
武龍はもう、戻る気は無かった···
マシンガンで敵艦載機を撃ち落とし、そのままヲ級eliteに連射していく。そのヲ級が顔を腕で覆ったところに大型ロケットを撃ち込んで撃破する。
その流れで武龍は戦艦棲姫の頭部目掛けて大型ロケットを放つが、戦艦棲姫の艤装が本体を庇うことで防がれる。
武龍はそのまま接近しようとしたが、泊地棲姫を筆頭とする他の深海棲艦に阻まれる。
北上は武龍元へ行こうとするも、リ級eliteの砲撃により大破してしまう。しかし北上はすぐに携行修復材を使用してその場を凌ぐ。
北上「重雷装巡洋艦の名は、伊達じゃないよ!」
北上はリ級eliteの顔面を撃ち抜き、武龍と背中を合わせる。
周囲は囲まれており、撤退は絶望的である。
武龍「ハァ···ハァ···まだやれるか?」
北上「大破してるけど···なんとかやれるよ!」
武龍「なら···行くぞ!」
武龍は弾切れになった小型ミサイルをパージし、北上と共に再び攻撃を開始する。
しかし泊地棲姫とリ級の砲撃が武龍に命中する。
···が、その爆煙から武龍は飛び出て、横にいたリ級の顔面にレーザーブレードを突き刺す。
そして、武龍は北上の砲撃による援護を受けつつ、大型ロケットの最後の1発を防空棲姫に撃ち込みながら突撃し、そのままの勢いで防空棲姫を彼女自身のの艤装に押し付け、艤装ごと頭部を貫く。
泊地棲姫「コノッ!」
武龍は北上と並んで深海棲艦達を睨み付ける。
しかし周囲は未だに深海棲艦に囲まれ、数もまだ2桁も残っている。
それでも武龍達は、再び深海棲艦の群れへと突撃していく···
その頃、拠点では──
リプ「大変なのだ!ティスが勝手に行ってしまったのだ!」
リプがそう叫びながら指令室に駆け込んでくる。
ラン「なんだって!?」
ランが思わず机から立ち上がるが、ジュリアスは腕組みしたままだった。
ジュリアス「いや···ティスならあるいは···」
すると、その場に薄い紫の髪の艦娘がやって来る。
艦娘「えっと、今何が起こってるんだ?」
瑞希「あなたは···」
その艦娘に廊下からピスが歩み寄る。
ピス「休んでてと言いましたのに···この子は先日ドロップした艦娘です」
艦娘「
瑞希「今、鉄低海峡への大規模作戦で味方を撤退させるため、1人殿となって残った人間を、1人のAFが助けに向かったのです···AFの事は知っていますか?」
ラングレー「AFの事はピスから聞いてるけど···それより、"あの人間"が戦場に···でもそれじゃ間に合わないんじゃ?」
ラングレーの疑問に、ジュリアスは鼻で笑う。
ジュリアス「間に合うさ···」
ティスはブースターを吹かし、鉄低海峡へと最短距離を直進する。
立ち塞がる深海棲艦はティスの両手に逆手に持った青い刀身のレーザーブレードで薙ぎ払われ、攻撃を加えようとしても艦娘や深海棲艦では考えられないそのスピードにより、狙いを定めることすらできない···
ティス「オラオラァ!どけどけぇっ!轢き殺すぞガラクタ共がぁぁぁぁ!」
窓から海を見ながらジュリアスは言う···
ジュリアス「あいつは"最速のAF"、スティグロだからな」
武龍は戦艦棲姫の砲撃で吹き飛ばされ、海上をゴム毬のように転がる。
今の砲撃で頭部装甲のカメラが破壊され、武龍は頭部装甲を剥ぎ捨てる。
持っていたマシンガンは弾切れになったためパージしており、残っている武器はレーザーブレードのみである。
損傷も激しく、右腕の装甲は完全破壊され、胴体の装甲も大破している。
北上も全ての弾が切れており、右手に対艦ナイフを握り締め、左手には主砲の砲身を握っている。
武龍はなんとか立ち上がり、北上を守るようにして再び突撃する。
武龍(俺は···あなたのようになれましたか?誰かを守れるように、なれましたか?)
武龍は幼い時に小説をくれた男性とその小説の登場人物の事を思い浮かべる──
武龍(俺はここで死ぬ···けれど、代わりに誰かを生かすことはできたはず。それに、今は北上を守らなければ!)
武龍はイ級による背後からの不意打ちを受け、背部のブースターが破壊される。
更に、そこに放たれた戦艦棲姫の砲撃を回避するが、タ級が武龍に迫る。
機甲兵装の脚部の航行装置はまだ生きているため、走ってタ級の腹部をレーザーブレードで横向きに2度切り裂き、そこへ左手を突っ込み、内臓を引きずり出す。
タ級「ギャア"ア"ア"ア"ッ!」
タ級は吐血し、腹部から噴血しながら倒れ、沈んでいく。
しかしそれで武龍の体力は尽きてしまう···
北上「武龍っ!」
北上は近くのへ級の頭部を主砲で殴りつけ、壊れた主砲を投げ捨てつつ武龍の元へ駆け寄る。
武龍「北上···逃げろ···!」
北上「そんなの、できるわけないよ!」
北上は深海棲艦達に向けて対艦ナイフを構える。
周囲の深海棲艦が武龍に砲口を向けたその瞬間···
ティス「何してんだゴルァァァ!」
武龍と北上の左方向からミサイルが飛んで来る。そのミサイルはイ級3体を纏めて撃破し、ミサイルが飛んで来た方向から高速でティスが現れる。
ティスはそのまま最も近い所にいたタ級eliteを一刀両断する。
武龍「ティス、お前···」
ティス「仲間助けんのは当たり前だろ!」
ティスは頭部装甲のオレンジ色に光る複眼で深海棲艦達を睨み付け、次々と深海棲艦達を斬り伏せていった···
ティスは砲撃しようとした戦艦棲姫の懐に、一瞬で距離を詰める。そして次の瞬間には戦艦棲姫を艤装ごと袈裟に斬り裂く。
ヲ級達の艦載機はティスの背部から出るミサイルにより落とされ、深海棲艦達はほとんど何もできないままに沈められていった···
泊地棲姫「オノレェ···!」
残った泊地棲姫は主砲を構え、ティスに砲撃するが容易く回避されてしまい、回避と同時に放たれたミサイルは泊地棲姫の艤装に命中し、泊地棲姫は航行能力を失ってしまう。
泊地棲姫「オマエ···何者ダァ!?」
ティス「私は···スティグロだ!」
ティスは左手のレーザーブレードで泊地棲姫の主砲の砲身を斬り落とし、そのままの勢いで回転し、右手のレーザーブレードを泊地棲姫の心臓に突き刺す。
そして深海棲艦を全滅させた後、北上は武龍肩を貸し、ティスは2人を護衛しつつ拠点へと帰還していった···
読んでくださり、ありがとうございます!
ティスの描写が少なかったかもしれませんが、奇襲かつ深海棲艦の数が減っていたため、少なくなってしまいました。
また、泊地棲姫の描写を忘れていたため、すぐに修正しました。すいませんでした。
●ティス
金髪のセミロングで身長160cm、肉体年齢は16歳。
艦娘ではなくAF。
服装は白いフリルのついた金色のアイドル衣装を着ている(ちなみに毎回変わる)。
基本的には明るい性格をしているが、本来は腹黒い性格をしており、本気を出した時や武龍の前でしかその本性を見せない。
(レイブンズ·ネストのメンバーが相手の場合は時々見せるくらい)
●スティグロ
ティスの本名であり『本来起こり得た未来』の兵器であるAFの1つ。
金色の流線形のフォルムとオレンジ色に光る複眼が特徴。
海上を猛スピードで突き進み、先端にあるブーメラン状の青く巨大なレーザーブレードで敵や建物を薙ぎ払う。
また、横一列に複数同時発射されるミサイルは衝撃力が強く、空にいる兵器を撃ち落とし、そのまま轢き殺す事も可能である。
そしてそのスピードにより『最速のAF』とも呼ばれる。
余談だが、スティグロは量産が目的とされていたが初期建造途中に"ある兵器"により破壊され、更に正式配備された後も一騎討ちを仕掛けたが撃破され、大規模艦隊と"ある兵器"を裏切ってまで戦ったが撃破されてしまった経歴を持つ。