鴉の航路(ver2.0)   作:ダイヤモンド傭兵

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ティスと武龍の関係とは一体?

引き続き番外編です。
今回は武龍とティスについてです。


番外編 武龍とティス(ver2.0)

修行の1年のある日、武龍は妖精に頼まれて地下室に鋼材を取りに来た···すると、奥の部屋の1つから何やら音が聞こえてきた。

 

武龍「あそこは確か防音室···草薙が『まだ完全な防音じゃない』って言ってたよな···」

 

近づくと、何やら誰かが歌っているようだ。

 

武龍(めっちゃ良い声じゃん···もしかしてティスか?)

 

ノックして声をかけると、少ししてティスが出てきた。

 

ティス「ハイハーイ!何かな~?」

 

武龍「なぁ、もしかして歌ってた?」

 

ティスは首をかしげる。

 

ティス「···アイドルだから練習するのは当たり前だよ?」

 

武龍「やっぱり?歌ってるとこ見たこと無かったし、めっちゃ良い声だったから···」

 

ティス「マジ?」

 

ティスは普段のティスからは聞いたことの無い口調で反応する。

 

武龍「···うん、マジ」

 

ティスは少し考えると、武龍に質問をする。

 

ティス「···後で時間ある?」

 

武龍「あるけど」

 

ティス「じゃあ時間ある時ここに来て」

 

武龍「わかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

武龍はその日の修行が終わると、ティスの待っている防音室に向かった。中に入ると即席のステージが作られており、音楽と共にティスが歌っていた。

 

ティス「おお!来たか!」

 

武龍「その口調って素なの?」

 

ティス「嫌なら···いつものにするけど」

 

ティスはばつが悪そうに後頭部を掻いている。

 

武龍「ぶっちゃけ素でも気にしないんだけどな」

 

ティス「ありがとな!···で、ここに呼んだのはさ、私の歌···聴いて欲しくてさ···」

 

武龍「全然聴くよ?」

 

ティス「ホントか!?よっしゃー!じゃあ早速歌うぜ!」

 

ティスが歌ったのは3曲はどれも良い歌だった···1曲目は普段のティスでのポップな曲、2曲目は素のティスでのロックな感じの曲、最後はバラードだった···

武龍は拍手する。

 

ティス「ホンットにありがとな!正直私、ちょっと自信無くてさ···私なんかの歌聴いてくれるやついんのか解んなくて···」

 

武龍「なら、俺がティスのファン第1号じゃん」

 

その言葉を聞いた瞬間、ティスの心臓が跳ねるように鼓動する。

 

ティス「え?私なんかのファンで良いのかよ?」

 

武龍「もちろん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後ティスと武龍はとても仲良くなり、まるで姉弟のようになっていった···

そんなある時、拠点の屋上で月を見上げながらティスが話してきた。

 

ティス「なぁ、私の兵器だった頃の話、聞いてくれるか?」

 

武龍は缶ジュースを1口飲んでから返答する。

 

武龍「OK···ってか俺、皆の時代の話ほとんど聞いたこと無かったな···」

 

ティス「そっか···私達のいた世界はな、"ある兵器"に使われてた"ある粒子"のせいで、世界中が汚染されてたんだ···といっても、『本来起こり得た未来』なんだけどな···」

 

ティスの顔は過去を思い出したことにより、暗めである。

 

武龍「本来起こり得た未来?」

 

ティスは頷きつつ話を続ける。

 

ティス「詳しい事は省くけどよ、その兵器ってのは簡単に言うと『最強の単体戦力』なんだよ。

けど私達を作った企業達はその危険性に気付いちまって、それでAFを作ったんだ···それで、更に戦争を加速させて、でも人間達の富裕層や企業関係者は皆、空に逃げたんだ···」

 

武龍「空に?」

 

ティス「まあ、そこら辺はまた別の時に話すさ···んで、AFの1つだった私は『ミミル軍港』ってとこで建造中にその兵器に襲撃されて、慌てて逃げようとしたけど間に合わなくて沈んだんだ···あ、まだ続きあるからな?」

 

ティスにとって、その時の奇襲は何もできないまま撃破されたことにより、悔しい思い出となってしまっている。

 

武龍「それで?」

 

ティス「元々量産型だった私はその後もすぐに建造されて、"そいつ"とタイマンしたんだよ。けれど、水没したビル群に衝突すると動きが鈍るっていう欠点が露になって、そこを突かれてやられたんだ···」

 

2度目の会敵は1対1。しかしまたもや撃破され、その時の悔しさはティスの顔を歪ませる。

 

武龍「AFって物凄く大きくて、とんでもない火力を持ってるんだな?それでも?」

 

ティスは頷くと歯軋りする。

 

ティス「私達AFはソラを除いて、皆何かしら致命的な欠陥があるんだ。だからそこを突けばやられる···

まあ、あの後またそいつとやりあう事になるんだけどな···」

 

武龍「結果は?」

 

武龍の質問に、ティスはため息混じりに首を横に振る。

 

ティス「惨敗だ···その時海にいた艦隊···駆逐艦30、戦艦8の合計38隻を共同で撃破するっていう依頼を出して、そいつを裏切って艦隊と一緒になってそいつを集中砲火したんだよ」

 

ティスの脳裏に、その時の凄まじい光景が浮かぶ。

 

ティス「しかもその海には水没したビルなんて無い···完全に私の独壇場だったんだ···けれど、それでも私は沈められたんだ···」

 

圧倒的な数と火力を用いても全滅した事に、武龍は驚愕する。

 

武龍「なんなんだよ···そいつ···!」

 

ティス「あの黒いメインカラーと金のサブカラー···そして赤い複眼を私は忘れない···まあ、これが私の兵器だった頃の話だ···なぁ、また"そいつ"みたいなのが現れたらよ···私と一緒に戦ってくれるか?」

 

ティスはあの時の恐ろしさに、僅かに体が震えている。

武龍は、そんなティスに力強く頷く。

 

武龍「もちろんだ···けどまだ修行中だから、そこを乗り越えないとな」

 

ティス「みっちり鍛えてやるからな!覚悟しとけよ!」

 

2人は拳を突き合わせる。

 

 

 




読んでくださり、ありがとうございます!

まだ番外編は続きますが、すいません。

●ミミル軍港
崖と岩山に囲まれた場所に隠すようにして建てられた軍港。
数年の間、他の企業に見つかることは無かったため、極秘裏にスティグロを建造していたが、"そいつ"を送り込んだ会社に場所が発見されてしまった。

●そいつ
情報を閲覧できません。

●AFの欠点
ソラ以外のAFには、何かしらの致命的な欠陥があるため、AFに挑む際はその欠陥を狙うことが重要となる。

スティグロの場合は、ビル群などの大型の障害物に衝突すると動きが大幅に鈍ってしまう。
ソラの場合は、AFの中で唯一欠点と言える欠点が無く、非常に厄介な性能を持っている。
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