鴉の航路(ver2.0)   作:ダイヤモンド傭兵

22 / 96

裏切りの後、長門達に事情を聞くベス。
しかし事態は思わぬ方向に···


第14話 レイブンズ·ネストのあり方(ver2.0)

レイヴンズ·ネストの地下にある部屋に監禁されている長門達。

彼女らの脳裏に、ベスから事情聴取の際に言われた言葉が浮かび、突き刺さっている···

 

『私達が国連に対し反逆を犯したと言われて、何も疑わなかったのですか?』

『少し考えれば証拠が捏造だとすぐに判ったはずですよ?』

『思考停止して盲目に従っていたのでは、ある種の宗教団体と同じですね』

 

ベスは拷問をしたわけでもなく、淡々と質問をしてきた···

ローレンス艦隊所属の艦娘の中には、レイヴンズ·ネストの事を何かしら世間に発信しようと考える者もいた。

 

しかし、1度だけこの監禁部屋にやって来たアンの言葉が長門達を戦慄させ、世間に発信しようという考えは打ち砕かれた。

 

『"コジマ粒子"って知ってます?知りませんよね···あれってとっても環境を汚染する性質と反応によって爆発する性質を持つんですよ···それが密閉空間と同等かそれ以上の濃度で撒き散らされたらどうでしょうね?

 

フフフッ、それもあなた方のいた地域なら···とっても素敵な事になるでしょうね。フフフフッ信じなくても構いませんよ?

だって私がその汚染を撒き散らすんですから···あ、全て喋ったらもうじきあなた方は元の鎮守府に戻されるそうですよ?良かったですねぇ···

 

けれど、この事を喋ったら···解りますよね?』

 

コジマ粒子···その粒子の存在が本当かは長門達には判らなかった。しかし、レイヴンズ·ネストは各国より高い技術を持っているため、嘘と断定することはできなかった。

 

長門(ローレンス艦隊所属)

「あれが···あれがレイブンズ·ネストのやり方なのか···」

 

 

 

その後、長門達は知っていることを全て話し、元の鎮守府に戻された。

そして、ローレンスが国連への反逆罪の罪を捏造し拠点に攻め入った事。それらがアメリカ海軍との共謀であり、依頼の遂行中の留守を狙って実行した事。

 

しかもローレンスはアイオワ達の提督を人質に取り、艦娘達を無理矢理作戦に参加させた事。そしてそれらを行った理由が『レイブンズ·ネストの持つ技術を得るため』だった事などを世界に流した。

 

当然、そのローレンスとアメリカ海軍は責め立てられたが、ローレンスに協力した者達は証拠を出されても否認を続け、アメリカ海軍は『ローレンス少将が勝手にやった事』とし、ローレンス少将を逮捕起訴した。

 

しかし、日本のマスコミはレイブンズ·ネスト側を責め立て、韓国は便乗して日本を責め立てたりして来た。

しかもそればかりか、いずれもレイブンズ·ネストの技術を渡すように要求してきたのだ。

 

···が、マスコミなどに真っ向から反論して来たのはレイブンズ·ネストだけでなく、今や『日本三大鎮守府』と呼ばれるまでになった横須賀、舞鶴、江ノ島の提督達と、ラバウル鎮守府の提督だった。

 

横須賀提督

「彼らが国連に反逆を行うならもっと早くやっていただろうね。それに、技術はあくまでも彼らの物であり、奪おうなんてのは論外だ」

 

舞鶴提督「これだけ決定的な証拠が集まっててまだ言うのか?マスコミの程度が知れるぜ」

 

江ノ島提督

「あいつらの行動のどこが国連への反逆に当たるのか、その説明も無しによく言えるな···しかも提督を人質に取ってよ···」

 

ラバウル提督

「あなた達は一体何を見てきたんですか!?彼らの今までの行動を考えてください!それに、もし彼らが国連に反逆するのなら···悪いのは私達でしょう···」

 

そして、これらに加えて更なる証拠が上がってきたため、ローレンスに協力した者達は職を辞めさせられ、マスコミへの批判も高まっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

拠点の中庭でお茶会をしている四人がいた。

 

ピス「私達のこれまでの行動がこのような形で報われましたね」

 

ピスは紅茶を飲みつつ、安堵の表情を浮かべている。

しかしリプは不満そうな表情である。

 

リプ「でも、マスコミはまだ勝手なこと言ってるのだ···ムカつくのだ。しかも傭兵は悪だなんて言ってる所もあるのだ」

 

有澤「傭兵はどこにも所属しない武装組織、しかも金で雇われる性質上、嫌われるのは仕方ありません。ですが幸いにも、蛟の事は晒されなくて良かったです」

 

有澤はそう言うと、抹茶を1口飲む。

 

ジュリアス「もし晒したのなら処分するだけだ」

 

ジュリアスは腰に下げている刀を一撫ですると、マカロンを頬張る。

 

 

 

その頃、草薙は新しい機甲兵装の製作に取り掛かっていた。大破したクレスト強襲戦闘型は解体し、複数の姫級との戦闘を想定してより強力なものを作ろうとしていた。

それを見ているランは草薙に質問をする。

 

ラン「なぁ、こいつを作るってことは···複数の姫級だけじゃなく、"オリジナル"との戦闘も考えてるんだろ?」

 

草薙「そうですね。高速軽空母水鬼はオリジナルではありましたが、随伴戦力の低さなどにより撃破でき、海峡夜棲姫は武龍とラングレーの介入が大きな変化をもたらしましたし···」

 

草薙は顔を上げ、製作中の新型機甲兵装を見る。

新型機甲兵装はこれまでよりも人の形に近く、手足の細さから軽量2脚であることが判る。

 

ラン「そのフォルムと、そこに置いてある武装からなんの機体かは判るけどよ、武龍に手術しなきゃいけねぇんじゃねぇか?」

 

草薙「それは解ってます。しかし武龍がもし···この時間軸での"あの人"なら、適正はあるはずです」

 

新型機甲兵装の機材が置いてある場所にかけてあるネームプレートには、その機体の名前が記されていた。

 

 

 

バルバロイ──

 

 

 

草薙「新時代を、切り開きましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、レイヴンズ·ネストになんと子供から依頼が入る。

 

子供《お願い助けて!》

 

子供は流暢な英語を喋っている。

 

瑞希「どうしましたか?とりあえず落ち着いて話してください」

 

子供《僕の街がめちゃくちゃにさてれるんだ!レイヴンズ·ネストにお願いすれば助けてくれるって聞いたから、お願い助けて!》

 

瑞希「では、これからする質問に答えてください。まず、あなたの名前はなんですか?」

 

子供《僕はジョニー》

 

瑞希《ではジョニー君、あなたの今いる場所とめちゃくちゃにされてる場所はどの国のどの場所ですか?》

 

子供《僕は今家の屋根裏部屋にいるんだ。場所はアメリカの『ノスライン』って街だよ》

 

瑞希「···分かりました。依頼を受諾、すぐにメンバーを向かわせます」

 

 




読んでくださり、ありがとうございます!

アンのあの発言は結構本気です。
アンは必要であれば躊躇い無くコジマ汚染をばらまきます。なぜ躊躇い無くばらまけるかは、後に出てきます。

●日本三大鎮守府
『戦略の横須賀』『戦況の舞鶴』『艦娘の江ノ島』といった風になっています。
誰も思い付かないような戦略を次々と立てる横須賀提督、あらゆる戦況を戦場で作り出す舞鶴提督、全ての艦娘を揃え、最高の練度を誇る江ノ島提督

●扶桑型秘匿航空戦艦蛟
建造されていれば戦争の結果を変えていた可能性を持つ艦船の1つ。
しかし、その巨体が故に建造する資材と時間が無く、建造される事は無かった。

左右斜めに計4つの飛行甲板を持ち、その巨体も相まって空母4隻分の艦載機を搭載する事が可能。
本体の武装は50cm3連装砲×4、25mm2連装機銃×2を装備している。

●秘匿艦船の武装
通常より武装の数が少なく表記されているのは、設計図の時点で武装のある場所に空白があったりするためであり、完成していれば武装はもっと多いのである。

●ノスライン
架空の街。
沿岸からは少し離れた位置にあり、治安は良く工業が盛んだったが、深海棲艦が現れてからは一気に衰退していき、今では治安がかなり悪くなっている。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。