鴉の航路(ver2.0)   作:ダイヤモンド傭兵

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ある日に起きた必然──

血に染まる海に向かいし者達──

続く戦乱に、光はあるのか?


第16.5話 艦隊、突入(新実装)

レイヴンズ·ネストに霧島達からの依頼が来る少し前から、"海が血に染まっている"との報告が大本営に複数寄せられていた。

調べてみると、特定の海域にのみ起きている現象であり、報告の通り海が血に染まっていた。

 

明石(大本営所属)

「この海域、海水が血に変わっているだけでなく、この海域に入った艦娘の艤装が急速な経年劣化を起こすそうです。また、誰の血なのか検査したところ、中身は海水と大差ない事が解りました」

 

夕張(大本営所属)

「中には、戦闘中に艤装が自壊してしまった艦娘もいるようです」

 

報告を聞いている元帥は神妙な顔つきだった。

報告を聞き終わった元帥は、小さなため息をついてから指令を下す。

 

元帥「江ノ島艦隊に調査に向かわせろ」

 

大和(元帥秘書艦)

「江ノ島の提督は現在、空襲の影響で入院中ですよ?」

 

元帥「あそこは代わりに長門が指揮を執っているだろう?大丈夫だ、あくまで調査に向かわせるだけだ。それに、佐世保の艦隊も出撃させるように」

 

大和(元帥秘書艦)

「解りました。では、危険を感じたらすぐに撤退するようにも伝えておきます」

 

元帥「うむ、そうしてくれ」

 

明石(大本営所属)

「そういえば、レイヴンズ·ネストはどうします?依頼を出せば戦力を増やせると思いますが?」

 

元帥「うむ、そこは江ノ島艦隊の判断に委ねよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

指令を聞いた江ノ島艦隊、提督代理の長門は調査艦隊の作戦と編成を決めると、所属艦娘を集めた。

夜の風が吹く中、長門は台の上に立つ。

 

長門(江ノ島艦隊所属)

「皆、大本営からの指令は聞いているな?これより調査艦隊の編成を伝える。また、作戦は追って伝える」

 

そして、それぞれの編成が伝えられていく。

 

 

 

第1艦隊:戦艦 大和、『金剛』、空母赤城、加賀、駆逐艦『吹雪』『睦月』

 

第2艦隊:軽巡『天龍』『龍田』、駆逐艦『暁』『響』『雷』『電』

 

第3艦隊:空母『翔鶴』『瑞鶴』、戦艦『比叡』『霧島』『榛名』、駆逐艦『叢雲』

 

第4艦隊:軽巡『川内』『神通』『那珂』、雷巡 北上、『大井』、軽空母『龍驤』

 

 

 

長門「そして、今回の作戦だがレイヴンズ·ネストに依頼を出している。危険だと感じたらすぐに撤退するように」

 

艦娘達にざわめきが起こり、中には不服そうな顔をする艦娘もいた。

 

長門「静かに。傭兵の手を借りる事に違和感を感じたる者もいるだろう。だが、戦力は多い方が良い」

 

 

 

 

 

その頃、呉では──

 

呉提督「なるほど、あの特殊な海域への調査か」

 

大淀(佐世保艦隊所属)

「私達の任務はあくまで支援だそうですが、編成はどうしますか?」

 

呉提督「編成は···」

 

 

 

呉艦隊から出る編成は以下の通りだった。

 

航空戦艦 扶桑、山城、軽空母『龍鳳』、軽巡『矢矧』、駆逐艦 時雨、雪風

 

扶桑達が出撃していく際、空は晴れていた···

 

 

 

 

 

レイヴンズ·ネストでは再び艦娘から依頼が来たため、蛟とベスは依頼内容と共に添付されている資料を確認していた。

 

蛟「艤装が経年劣化を起こす海域···厄介ですね」

 

ベス「となると、短期決戦になりますね。しかし前例の無い海域となると、その分強力な深海棲艦とその戦力がいるのはほぼ確実でしょう」

 

蛟「依頼は受けましょう。ただ、編成は厳選しなくてはいけませんね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストークCに運ばれて武龍達は作戦エリアへと向かう。

今回の編成は武龍(フォックスアイ装備)、陸奥、ラングレー、青葉、北上、島風、夕立である。

 

武龍はストークBに運ばれ、武龍を投下した後はストークBも戦闘に加わる予定である。

 

蛟《作戦エリアに到達。総員投下、作戦開始!》

 

投下された武龍達は第1艦隊に合流し、並走する。

すると、呉艦隊の旗艦である山城が武龍達に近づいてきた。

 

山城(呉艦隊所属)

「スリガオの時は、ありがとうございました」

 

武龍「無事で良かった」

 

陸奥「今回はちゃんとした味方だから、今回もよろしくね」

 

山城(呉艦隊所属)

「もちろんよ」

 

そう言って山城は艦隊の陣形に戻っていく。

 

今回の作戦では、第2、第4艦隊は主力となる第1、第3艦隊の露払いと足止めを担い、呉艦隊は主力艦隊と共に敵の殲滅。

そして、武龍達レイヴンズ·ネストの艦隊も敵の殲滅である。

 

武龍「なんか···おかしい」

 

蛟《調査なのに、"殲滅"だからですか?》

 

武龍「いや、違う···なんだか、"ここで勝たなきゃならない"って感じるんだ」

 

青葉「武龍もですか?」

 

ラングレー「·····」

 

大和(江ノ島艦隊所属)

「あなた達も、感じるんですか?」

 

北上「そうだね。ここには勝たなきゃいけない"ナニカ"がいるね」

 

この作戦に参加している艦娘全員と武龍は、"ここで勝たなくてはならない"と強く感じており、普段以上に気を引き締めている。

 

蛟(艦娘であれば、何かを察知してもおかしくありませんが、武龍までとなると···人間にまで察知させる程のナニカがいるのか、武龍に何かあるのか···)

 

 

 

 

 

艦隊が進んでいく中、江ノ島艦隊の吹雪と睦月は不安を抱えていた。

江ノ島鎮守府では、睦月の姉妹艦である駆逐艦『如月』が1度轟沈し、その後ドロップしたことにより再び戻ってきた。

 

しかしその如月の体は徐々に深海棲艦となっていき、髪は白く、角が生え、体には紫色の痣や滲みのようなものが広がっていた。

その事を知った睦月や吹雪など、一部の艦娘はそれを秘匿していた。

 

今回の作戦から帰艦した際、どこまで深海化が広がっているのか不安だった。

しかし同時に、艦娘であり深海棲艦であるとの噂があるラングレーに希望を持っていた。

 

睦月(江ノ島艦隊所属)

(ラングレーさんなら、何か知ってるかもしれない。けど···)

 

傭兵である彼女と話せるのは、作戦中のみである。

だが作戦中に詳しいことを聞ける余裕があるかどうか、そう考えるとなかなか聞けずにいた。

 

青葉《何か悩んでるのですか?》

 

青葉から通信が入り、睦月は驚く。

 

睦月(江ノ島艦隊所属)

「はい···その、ラングレーさんとお話させてくれますか?」

 

睦月は思い切って聞いてみることにすると、ラングレーからはすぐに返答が来た。

 

ラングレー《なんだ?》

 

睦月(江ノ島艦隊所属)

「あの···私と姉妹艦の如月ちゃんが···深海棲艦になっちゃいそうで」

 

ラングレー

「···それは、どのくらいまで進行してる?」

 

睦月(江ノ島艦隊所属)

「髪が白くなって、角も生えて···それから、体に紫の痣か滲みみたいなのが沢山···」

 

ラングレー《Oh、そこまで進んでるか···戻りたいって思いが、強すぎたんだな···ドロップした艦娘の中には、皆の所に戻りたいって気持ちが強すぎて、逆に深海化しちまう奴がいるんだ》

 

ラングレーの脳裏に、高速軽空母水鬼だった頃に見た光景が浮かぶ。

深海化しつつ、その力をもって高速軽空母水鬼を倒そうとしたが、深海化が進み過ぎて味方を攻撃してしまった艦娘を。

 

ラングレー《意識や言動は?意識はハッキリしてるか?言動は普段と変わらないか?》

 

睦月(江ノ島艦隊所属)

「うん。意識はハッキリしてるし、言葉はいつも通りだし···ただ、深海棲艦になりたくないって叫んでて···」

 

ラングレー《なら大丈夫、深海化しても理性を失ったりする事は無いだろうさ。逆に、変に冷静だったり何かを憎んだりするようになってたら危なかったぜ》

 

その言葉を聞き、睦月は安堵した。

 

睦月(江ノ島艦隊所属)

「ありがとうございます!改めて今回の作戦、よろしくお願いします!」

 

ラングレー《Off course!こっちこそ頼むぜ!》

 

睦月から不安が消え去り、気を引き締めてラングレーの方を見ると、ラングレーはこっそりサムズアップしていた。

 

 

 

 

 

しばらくすると先行していた第2艦隊が交戦を始め、先程までいなかった深海棲艦が後方と側面から集まってくる。

 

川内「行って!ここは私達が引き受ける!」

 

川内達が交戦を開始したため、武龍達は先へ進んでいく。すると再び深海棲艦による攻撃が強まったため、今度は天龍達がその場を引き受ける事となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空には暗雲が立ち込め、海は赤く血に染まっており──

 

暗い空へと伸びる紫色の光の柱──

 

その周囲を守るように集まっている大量の深海棲艦──

 

そして海に咲き乱れる彼岸花──

 

 

 

蛟《これは···皆さん!》

 

武龍「ああ、ここで···ここでやらなきゃならない!」

 

ラングレー「Meもそう感じるよ」

 

夕立「"ソロモン"、突撃するっぽい!」

 

 

 

 

 

推奨BGM『突入』

 

 

 

大量の深海棲艦はどれもeliteかflagshipであり、スリガオの時より明らかに強力な艦隊であることが解る。

しかし、誰1人臆する事無く戦っていく。その目には、確かな覚悟と闘志が宿っていた。

 

武龍がカラサワでル級eliteを撃破し、ル級eliteの右隣にいたロ級eliteに青葉が砲撃して撃破する。

北上もミサイルを4体のイ級eliteに命中させ、まとめて撃破する。

 

北上「さぁて、どんどん行っちゃうよ!」

 

大和が砲撃でヲ級flagshipを撃破すると、それに合わせて放たれた吹雪の雷撃がル級flagshipを撃破する。

更に、翔鶴と瑞鶴の放った爆撃機によりロ級eliteが6体程撃破され、そのまま次の攻撃に繋げていく。

 

瑞鶴(江ノ島艦隊所属)

「どんだけいんのよ!けど、負けられない!」

 

扶桑と山城の同時砲撃により、ル級flagship2体が撃破される。すると爆炎を利用してネ級eliteが接近しようとするが、時雨と雪風が左右から同時に砲撃して撃破する。

 

時雨(呉艦隊所属)

「必ず、勝つんだ!」

 

 

 

そして、次々と深海棲艦が撃破されていくと、奥から6体の姫級が現れた。

 

かつて武龍達と戦った者とは別個体の戦艦棲姫、防空棲姫、軽巡棲姫、駆逐棲姫。

 

ネ級をそのまま強化したような見た目の『重巡棲姫』。

 

服を纏っていないが、明らかに他とは違う艦載機を発艦させている『装甲空母姫』。

 

重巡棲姫「バカメ···役立タズ共メ···マタ、沈ンデシマエ!」

 

装甲空母姫「ウフフ···シズメ···シズメェ!」

 

6体の姫級を見た武龍達は戦慄し、息を呑む。

 

赤城(江ノ島艦隊所属)

「姫級が···1艦隊分!?」

 

矢矧(呉艦隊所属)

「てことは、余程の何かがあるようね」

 

武龍「やるしかない、か···」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃レイヴンズ·ネストの拠点では、出撃ドックにて艤装を取り付けている者がいた。

 

ベス「では、頼みます」

 

ベスが艤装を装備し終えると、妖精達はかつて高速軽空母水鬼との戦闘の際に使った巨大なブースターの完成品を装備させる。

完成品であるヴァンガード·オーバーブースト(以下VOB)は幾度の試作により、遂に完成品となっていた。

 

出撃ハッチが開き、VOBのブースターが点火される。そしてかつての試作品の倍以上のスピードで、ベスは空へ飛び立っていく。

 

ベス(今回は私も参戦しないといけないようですし···)

 

 

 

 

 

武龍達は大量のイロハ級と姫級に苦戦しつつ、進み続ける。

そしてなんとか光の柱の発生場所の近くまでまで辿り着いた武龍達。

空へ飛び上がった武龍が見たものは···

 

武龍「なんだよ···あれ···!?」

 

海に開いた大穴から伸びる、光の柱だった──

 

 




読んでくださり、ありがとうございます!

今回はアニメ劇場版の作戦に介入することとなりました。
武龍達の行動により、様々な変化が現れました。
え、武龍達と関わりの無い場所で変化がある?そりゃそうですよ。運命なんて、"最初から"変わってましたしね···

●謎の海域
新たに発見された海域では海が血に染まり、艦娘の艤装が急速な経年劣化を起こしてしまう。
また、その深部では海上でありながら彼岸花が咲き乱れ、中心には紫色の光の柱が伸びている。

●艦娘の深海化
艦娘から深海化してしまう場合は2通りある。

1つは極度に負の感情を抱えてしまい、それに加えて極度の憎悪をもってしまったが故に深海化する場合。

もう1つは江ノ島艦隊の如月のように、艦娘がドロップする前に「皆の所に戻りたい」という思いが強すぎて深海化する場合。
これは艦娘としての思いか深海棲艦としての思い、どちらの方面で強く出ているかで危険性が変わる。

艦娘としての思いが強ければ危険性は低く、深海棲艦としての思いが強ければ危険性は高くなってしまう。

●ヴァンガード·オーバーブースト
かつて高速軽空母水鬼との戦闘の際、ベスが使用した巨大なブースターの完成品。

本来はAFや艦娘などを運ぶものではないため、本来よりスピードは落ちるものの、それでも圧倒的なスピードにより、長距離を超高速で移動することが可能。
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