第2章最終回です。
推奨BGM『艦隊決戦』
武龍「行くぞ!奴を倒して、ラバウル鎮守府を守るぞ!」
そう言う武龍の足は微かに震えていた。それを見た青葉と北上はそれぞれ両隣に立ち並ぶ。
青葉「武龍···砲撃も雷撃も、青葉にお任せ!」
北上「ねぇ武龍、どこ撃てば良い?どこでも当てちゃうよ?」
ラングレーは武龍の後ろに立ち、武龍の肩に手を置く。
ラングレー「どこに爆撃してほしい?任せとけ!」
すると、ストークCに運ばれてきた時雨、夕立、大潮が投下される。
時雨「僕達も来たよ···ってこんなに大きいの始めて見たよ···」
夕立「誰が相手でも関係ないっぽい!」
大潮「私達ならきっとやれます!」
孤島棲姫の艤装が唸り声をあげ、孤島棲姫は嘲るように笑みを浮かべる。
孤島棲姫「何人来ヨウト同ジヨ···」
すると、ピスから通信が入る。
ピス《武龍、皆さん···成し遂げてみなさい。"ジャイアントキリング"を···あなた方の力を!》
すぐさまそれぞれが行動を起こし、攻撃を開始する。しかし孤島棲姫の艤装は島そのもの。
その圧倒的な耐久により霧島やラバウル鎮守府の金剛の砲撃も歯が立たない。それは空母を主体とする熊本艦隊も同じであった···
霧島「ヒレの部分にも効かないなんて···」
赤城(熊本艦隊所属)「艦橋に直撃してるはずなのに···」
孤島棲姫「ソノ程度?」
孤島棲姫は前進したかと思うと、進みながら横回転し、尾ヒレで薙ぎ払い、それに当たった艦娘達は一撃で大破した。
武龍は飛び上がったためその一撃を免れたが、機銃と高角砲の攻撃を避けるので精一杯で、海上に着水する。
大破した艦娘の中には意識を失った艦娘もいる。そのため時雨と夕立が青葉と北上の援護を受けながら大破した艦娘達を運ぶ。
しかしそれを見た孤島棲姫はニヤリと笑い、水中へと潜る。
瑞希《まさか!?皆さん、急いで離れてください!》
時雨と夕立が大破した艦娘を連れて離れようとしたが、真下から突き上げた孤島棲姫の攻撃を食らってしまう。再び潜った孤島棲姫が海上に現れると、艤装の鮫のような頭部が何かを咀嚼していおり、孤島棲姫が嘲るような笑いをしている。
ハッとした時雨は消えた大破した艦娘を探すが、ふと孤島棲姫の方を向く。
熊本提督《まさか···》
それを見た孤島棲姫の艤装は口を開く。そしてその口の中には大破した艦娘の頭部があり···それを一気に噛み砕いた。
熊本提督がその艦娘の名を叫ぶ。
武龍は怒りに任せてライフルを連射するが、その時ふとジュリアスの言葉が頭をよぎる。
ジュリアス(いいか、怒りで己を失うな。冷静に、相手を見て考えろ。弱点はどこか?動きの癖は何か?それを見抜ければ後はそこを突くだけだ···)
武龍は深呼吸を繰り返し、怒りがゆっくりと収まって行く···すると今度はティスの言葉が頭をよぎる。
ティス(私達AFは皆何かしら致命的な欠陥があるんだ。だからそこを突けばやられる···)
武龍「てことは···」
ピスはその声と状況を見ながら微笑む。
ピス(気付きましたね···さぁ、後は行動に移すだけですよ?)
武龍は機銃と高角砲を掻い潜り、ライフルを気になる部位に当てていく。
武龍(やっぱり艦橋とかの"島"の部分は硬いな···)
しかし、機銃に向けて放ったライフルの弾丸は機銃に損傷を与え、続けて連射すると、機銃を破壊することに成功する。
武龍「そうか···皆、こいつの砲台にはダメージが通る!砲台を狙え!」
孤島棲姫「チッ、ヤラセナイ!」
しかし金剛の砲撃が51cm砲に全弾命中し、その砲台が爆発する。
艤装「グギャアアッ!」
続いて、赤城とラングレーの爆撃が複数の機銃と飛行甲板を破壊する。しかし砲台を破壊しても艤装の動きは鈍らない。
北上「ん~、ここかな?」
北上の砲撃が孤島棲姫の女性の部分の腹部に直撃する。すると艤装ごと怯む。
孤島棲姫「ア"ア"ア"ッ!ヤルジャナイ···デモ···」
孤島棲姫の北上に狙撃された腹部は再生し、元に戻ってしまった。
時雨「さ、再生だって···!?」
武龍「再生するなら···再生する暇を与えなければ良い!」
武龍はライフルを孤島棲姫の本体に連射する。しかし再び水中に潜り、武龍目掛けて突き上げてきた。武龍はとっさに回避したが、増設レーダーを破壊されてしまう。
すると孤島棲姫は直接武龍に食らいつこうと武龍を追いかける。
孤島棲姫のスピードはかなり速く、武龍は追いつかれてしまう。
しかし、武龍に食らいつこうとした艤装の頭部に霧島と金剛の砲撃が直撃し、北上の砲撃が口内に撃ち込まれる。
武龍は振り向いて艤装の頭部に垂直ミサイルを発射する。
武龍「うおおおおおおおっ!」
放たれた垂直ミサイルは艤装の頭部に全弾命中し、弾切れとなった。しかし孤島棲姫の艤装は今まで蓄積してきたダメージにより、動きが鈍っている。
武龍はブースターを使って上陸し、目の前の機銃砲台をレーザーブレードで破壊し、再び飛び上がる。
そして本体の所まで辿り着くと、至近距離からライフルの最後の1発を心臓に撃ち込む。
続けて武龍はレーザーブレードで右下から左上まで袈裟に斬り上げる。
そして弾切れしたライフルを捨て、拳を顔面に撃ち抜くように叩きつける。
すると、意識を失った孤島棲姫の本体は艤装からズルリと落ち、艤装は沈んでいく···
武龍は着水して孤島棲姫に歩み寄る。
しかしそこに魚雷が撃ち込まれ、武龍は脚部装甲を破壊される。
水中には、『潜水棲姫』がいつの間にかおり、孤島棲姫の本体を掴むとそのまま逃げていった···
熊本提督《クソッ!》
瑞希《逃げられましたか···しかし今は負傷者の手当てが優先です》
ラバウル提督《こちらの鎮守府に来てください!鳥海、高速修復材の準備を!》
青葉「重症の方は私の携行修復材を使ってください!」
武龍は潜水棲姫と孤島棲姫の逃げていった方向を見つめる。
そこには、月の光に照らされた水平線が輝いていた──
読んでくださり、ありがとうございます!
これにて第2章は終わりです(番外編などは残ってますが)。
●各都道府県の鎮守府
深海棲艦との戦争が始まった頃は、かつての鎮守府や軍事基地を再利用していた。
しかし戦争の激化に伴い、海に面した都道府県全てに最低1ヶ所ずつ鎮守府が設置されることとなった。
●孤島棲姫の防御力と欠点
まず、大量の機銃と高角砲により対空防御はかなり高く、艤装は島そのものなのでそれだけで耐久は高く、更に装甲化しているためその耐久に拍車がかかっている。
しかし、砲台と本体は装甲で覆われていないため、通常の攻撃でダメージを与えることが可能である。
1番の弱点は本体であり、両腕と下半身が固定されているため、当てる技術のある者であれば攻撃は容易い。しかし艤装から常時修復材が供給されているため、再生する暇を与えない攻撃が必要である。