番外編です。
世界に現れた武龍達レイブンズ·ネストと量産型、彼らが世界に与えた影響とは?
時間軸は第12話の少し前です。
レイヴンズ·ネスト──
依頼を受けて戦場に向かい、謎の技術を用いるだけでなく艦娘まで保有する正体不明の傭兵組織。
レイブンズ·ネストが現れてから『人間でも対抗できるのでは?』という考えが強くなり、パワードスーツの開発を進める国もあった。しかしそれらはやはり深海棲艦に対して無意味であり、やはり人間では深海棲艦に叶わなかった。
一部の国では、開発したパワードスーツを艦娘に装備させ、逆に動きを阻害して轟沈させてしまうという事例まであった···
そんな中、新たなる機甲兵装"レオ"を装備した武龍がイギリスで量産型を使ったテロを鎮圧したのだ。
それは世界に更なる波紋を呼んだ。それは人間と艦娘両方だったのだが、その場に居合わせた『サウスダコタ』は違った···
サウスダコタ(私達は飛べない···しかもあそこまでの汎用性も無い···あいつらは一体何者なんだ!?)
その後、サウスダコタはイギリス政府のエージェントと共に日本に渡り、レイブンズ·ネストの拠点へと自ら足を運んだ。そして門のインターホンを鳴らす。
ベス《ここはレイブンズ·ネストの拠点です。何か御用でしょうか?》
サウスダコタ(イギリス艦隊所属)
「イギリス所属のサウスダコタです、頼みがあって来ました」
ベス《サウスダコタさんですね?堅苦しいのは無しで構いませんが、機甲兵装の件であればお引き取りください》
ベスにはすぐに勘づかれていた。
サウスダコタ(イギリス艦隊所属)
「頼む!ほんの少しで良い!話を聞いてくれ!」
ベス《申し訳ありませんが、それはできません》
サウスダコタ(イギリス艦隊所属)
「どうしてだ!?あれが世界に広まれば、人類はより深海棲艦に対抗できるはずだろ!?」
ベス《ではあなた方はその"力"を持った後、どうするのですか?人類がまた"あの頃"と同じことを繰り返さない約束はできるのですか?》
サウスダコタ(イギリス艦隊所属)
「それは···」
ベス《そこにいるエージェントの方々も、私達の"力"を求めているのですよね?渡すわけにはいきません、お引き取りください》
これ以上は無理だと、仕方無くサウスダコタとエージェントは去っていった···
その後、ベスは指令室で一人言を呟く。
ベス「···私達は力を"与える"のではなく"貸す"事しかできません···ですが、それが人類の行いの"結果"なのです···」
その頃、量産型の安定した数の確保に成功した国の多くは艦娘と提督の任を解いていった。
A国大統領「何度言ったら分かる?我々はもう艦娘には頼らん。量産型があれば十分だ」
A国所属提督「で、ですが···量産型に頼りすぎて滅んだ国もあったことですし···」
A国大統領「あそこの国は量産型の扱いを間違えたのだ!我々はそんなことは断じて無い!
だいたい···艦娘などという神の教えに反する存在がおかしいのだ!妖精?建造?そんなものは存在そのものが神への冒涜だ!出ていけ!艦娘など不要だ!」
A国所属提督(もう···この国はダメだ···)
そしてそれから1週間後、その国は孤島棲姫によって滅ぼされたのだった···
孤島棲姫「アラアラ···ゼンゼン楽シクナイワ···艦娘ガ1人モイナイジャナイ···」
量産型の単体戦力が艦娘の単体戦力に及ばない事は、ほとんどの国が知っていた···しかしそれでもなお、主力を艦娘から量産型へと以降させたのだ···
B国大統領「どうだ?国民の支持は」
秘書「はい、艦娘から量産型を主力とした途端、国民の支持が跳ね上がりました!これで次の選挙も勝てそうです!」
それを聞いたB国大統領は笑みを浮かべ、葉巻に火を着ける。
B国大統領「うむ、それなら良しとしよう」
主力が未だに艦娘という国はまだあるものの、その大半が軍備や予算を縮小されたり、一部の鎮守府を解体させられたりしていた···
しかし軍備や予算の縮小、鎮守府の解体だけならまだ良かった。
この状況下で量産型を使った戦争まで起こす国まで出始めたのだ···
アン「所詮は人間···結局繰り返す···目先の事すら見ずに。武龍にはそんな事はさせない、そんな奴らに手は出させない···」
アンは、中庭のベンチでのんびり昼寝している武龍の頬を撫でながら呟く···
ある日、再びサウスダコタがエージェントの制止を振り切ってまで、レイヴンズ·ネストの拠点を訪ねてきた。雨が降る中、サウスダコタは傘をさしていない。
そればかりか、門の前で土下座までしてきた···
サウスダコタ(イギリス艦隊所属)
「頼む!何でも良い!部品だけでも良い!国との貿易としてでも構わない!だから頼む!」
すると、門の開く音が聞こえる。
有澤「そんなところにいたら、風を引きますよ?」
サウスダコタが顔を上げると、黒い長髪で黒い和服を着た女性が立っており、サウスダコタに傘を差し出してきた。
有澤「ここにいては冷えます。中へどうぞ」
サウスダコタは有澤に連れられて拠点へと招かれ、タオルとコーヒーを渡される。
有澤「まず、ここの内部も含めて、一切の情報を教えてはなりませんよ?
···あなたのお話は聞いています。しかし、機甲兵装の技術は小さなものでも渡すことはできません···が、"別の力"なら与えましょう」
そしてサウスダコタは有澤に演習場へと連れていかれた。
有澤「艤装は···実は先日、丁度あなたと同じ艤装を妖精さんが造りましてね、それを使ってください」
サウスダコタは言われるままに艤装を着け、屋内の演習場へ出る。すると反対側の扉が開き、艤装を装備した有澤が現れる。
しかし、サウスダコタには有澤が艤装を装備しているとは思えなかった。
なぜなら、目の前に現れたのは巨大な"壁"だったからだ。
有澤《これは私の艤装です。もちろん、誰かに教えてはなりませんよ》
サウスダコタ「なっ!?」
有澤《あなたに文字通りの力を与えましょう。さぁ、見せてください、"あなたの力"を!》
推奨BGM『Mr.Adam』(AC4より)
演習開始のブザーが鳴ると同時にサウスダコタの左側に向けて有澤は移動する。正面から見れば単なる壁だった艤装は、多数の壁が連結されたものだった。
サウスダコタはすぐさま砲撃するも、全くダメージが入っていない。
サウスダコタ(イギリス艦隊所属)
「なんなんだ···あれ」
有澤は先頭車両の先頭部分の内部におり、背中に艤装の管を接続して椅子に座っていた。
そして周囲のディスプレイから状況を把握し、艤装を操作する。
すると有澤の艤装の上部にある巨大なガトリング『グレネードガトリング』の1つがサウスダコタに向けられる。
すると戦艦と同等の威力の砲弾が連射され、サウスダコタは避ける間も無く一瞬で轟沈判定になってしまう。
サウスダコタ(イギリス艦隊所属)
「な、なんなんだよ···」
有澤《どうしました?これで終わりですか?》
サウスダコタ(イギリス艦隊所属)
「···いや、まだだ!」
サウスダコタはすぐに演習用のペンキを落としに向かい、再び有澤に挑む。
すると今度は有澤はグレネードガトリングではなく、艤装上部にある別の武装を使用する。
それは長い台形の形をしており、その前後から大量のミサイルが放たれる。
グレネードガトリングとは違った弾幕に、サウスダコタは再び轟沈判定になってしまう。
サウスダコタ(イギリス艦隊所属)
「···まだまだぁ!」
何度もサウスダコタは立ち向かい、その度に凄まじい威力の弾幕により轟沈判定になってしまう。
何戦かした後、休憩を入れることになる。
休憩の後、サウスダコタは再び立ち向かう。
何度も何度も轟沈判定になり、それでもサウスダコタは立ち向かう。その結果、徐々にサウスダコタは有澤の動きに着いてくるようになってきた。
最初は何もできないまま轟沈判定となっていたが、今ではグレネードガトリングとミサイルによる弾幕を全弾では無いものの回避し、当たってしまう弾はできるだけ損傷が小さくなるように動いている。
それだけでなく、損傷を与えられる部位が砲台にある事にも気付き、グレネードガトリングとミサイル砲台に砲撃をなんとか当てられるようにもなってきている。
サウスダコタ(イギリス艦隊所属)
「うおおおおおおおおおお!」
しかし、サウスダコタは砲台に損傷を与えても有澤を撃破することはできなかった。
仰向けに倒れたサウスダコタに、有澤は手を差し伸べる。
有澤「お疲れ様でした、今日はもう戻りなさい」
サウスダコタ(イギリス艦隊所属)
「いや、私は···」
有澤「もう遅いですし、疲労はとらなければいけません。それに、今のあなたにはこれくらいが十分です」
サウスダコタ「そうか···」
その後、サウスダコタは有澤に礼を言ってイギリスに戻ってきたものの、技術ではない力を手に入れたと言っていた。詳しいことは他言無用だそうだ···が、サウスダコタはかつてとは比べ物にならない強さを見せつけるのだった···
読んでくださり、ありがとうございます!
今回は、レイヴンズ·ネストと量産型が世界に与えた影響の少し詳しい内容の話を書きました。
●レオの初使用タイミング
実は12話の少し前に起きたイギリスでの事件の際、始めて武龍は使用していました。
●イギリスでの事件
近海警備の依頼を受けていた武龍、青葉、北上、赤城、アークロイヤルの6人が、追加の依頼を受けて任務中に起きたテロの鎮圧を行った事件。
テロの規模は小さいものの、3ヶ所で同時に発生したため、最寄りの艦娘と量産型が足りなかったため、イギリス軍部は武龍達に追加の依頼をすることになった。