各国は深海棲艦に奪われた主要海域をほとんど取り返せていなかった。
しかし、そこである作戦が提案される。
各国は現在、深海棲艦に奪われた主要な海域を取り戻せていない事に頭を悩ませていた···
アメリカ大統領「主要海域を最も多く奪還できているのは日本か···我が国を含め、他の国はほとんど奪還できていない、か···」
現在、日本の『日本三大鎮守府』の提督達の手により次々と海域が奪還されている。
他の国々も小さくとも奪還している海域はあるものの、レイブンズ·ネストの手を借りて奪還した海域も少なくはない···
アメリカ大統領「···国内での波乱は解っている···だが、進まねば···希望を持たせねば···よし!」
アメリカ大統領『オズウェル·A·ハモンド』は何かの決心を固め立ち上がり、秘書を呼ぶ。
アメリカ大統領「各国と連絡を取れ。大規模作戦を決行するぞ!」
ロシア大統領《ほう、あのAL/MI作戦を再びやるつもりか?》
オズウェル「その通りだ。奴らの布陣の多くはかつての大戦で起こった戦いの場所に集中している。まるでかつての戦いを再現しているようにな···ならば、我々はその再現戦に乗ってやり、過去を乗り越えてやろうというわけだ」
イギリス首相《一理あるな。日本の論文では奴らはかつて沈んだ船の怨念という仮説が出ている···ならば、かつての大戦を"攻略"すればやれるやもしれんな···》
創平《しかし、こちらの三大鎮守府の艦隊を向かわせるにはいくつか通らなければならない海域があります》
ロシア大統領《そこはこちらの艦隊に任せろ。こちらの提督達も海域攻略の準備は万端だからな》
中国首相《こちらの艦隊も向かわせよう···なに、以前のようは悪行を行う提督は処罰しておいたからな》
ドイツ首相《こちらも、以前の戦闘からだいぶ戦力を回復させた、ようやく力になれる時が来たというわけだ。最高の艦隊を向かわせるさ》
こうして、各国の『AL/MI作戦』の再現戦への攻略作戦は決定された···
翌日、レイブンズ·ネストの電話が鳴り、ベスが出る。
ベス「こちらレイブンズ·ネストです。ご用件は?」
オズウェル《私はオズウェル·A·ハモンド、アメリカの大統領だ。君達に話がある》
ベス「は?なぜ大統領が直々に電話を?あなたが本物の大統領だとしても、なぜこちらに連絡をする必要が?」
オズウェル《疑うのも無理はない。なら試しに、これから言う番号にかけてみてほしい。私の秘書に繋がる》
ベスは1度電話を切り、オズウェルから言われた番号にかけてみる。すると本当に秘書が出たが、オズウェルは追加で本物と証明できる内容の話をし、ベスは信用することにする。
ベス「あなたを本物のアメリカ大統領と認めましょう···それで、用件は?」
オズウェル《まず先日のローレンスの件だが、いつか直接会う機会があれば、改めて謝罪をさせて欲しい···そして謝罪と共に、君達にどうしても参加して欲しい依頼があるのだ···》
ベス「大統領直々の依頼ですか?」
オズウェル《AL/MI海域の再現戦の攻略作戦を、各国と協力して行う。そこに、君達も参加してほしい》
ベス「なるほど···深海棲艦が現れた時とは、大きく違いますね」
深海棲艦が現れた時、大統領に就任したばかりのオズウェルは深海棲艦をその目で見て、怯えてしまった。
そのため、最初は防衛のみを最優先し艦娘に対しては敬意を表していたが、国民の艦娘を排除しようとする動きを止め切れなかった。
オズウェル《そうだ。我が国は"偉大なアメリカ"を掲げる以上、真っ先に深海棲艦に立ち向かわねばならなかったものを、私は怯えてしまい、更には我々の盾となり、矛となってくれていた艦娘達を無下に扱う者達を止め切れなかった···》
オズウェルは悔しさから拳を握り締め、声からもその悔しさが伺える程である。
オズウェル《その責任は私にもある···だが今、国民は絶望に打ちひしがれており、少しでも希望を持たせたいのだ!そして艦娘の力を今一度見せつければ、国民の艦娘への見方もきっと変わるだろう···
だが、傭兵を雇うことでの批判も出るだろう···だが、その責任は私自ら負うつもりだ···だから頼む!アメリカの大統領としても、個人としても、君達に依頼をしたい》
オズウェルには確かな覚悟があるとベスは感じ、1度話し合ってみることにした。
ベス「···私の一存では決められませんが、話し合ってみましょう」
オズウェル《本当か!?》
ベス「しかし仮に···裏切るような事があれば、その時は相応の処置を取らせていただきます」
オズウェル《当たり前だ···私も覚悟はできている!》
ベス「では後程、結果が決まり次第連絡します」
アン「そんな事を言って、裏切るつもりでしょうね」
ジュリアス「かなり本気さを感じるが、他の奴らがどう出るかは判りきってるな···」
瑞希「確かに、アメリカと日本の艦隊が裏切らなかったとしても、他の国の艦隊は裏切る可能性がありますね」
武龍「けど、この作戦を成功させれば希望を与えることができるんだろ?」
リプ「確かに」
草薙「日本の鎮守府はどうなってます?」
ベス「確認を取ったところ、日本三大鎮守府はいずれも出撃する模様です」
有澤「なら、受けてみても良いかもしれませんね」
ピス「不安要素はありますが···草薙、新型の機甲兵装はどうです?」
草薙「間もなく完成します」
ラン「なら行ってみても良いんじゃないか?最初の頃みたいに1人で行かせるって訳じゃないんだし」
草薙「では···」
ベスは結果を伝え、草薙は2日後に新型の機甲兵装を開発することに成功した···
そして、完成した機甲兵装のあるガレージに、武龍は呼び出された。
そこに佇むのは、赤く細身なフォルムの軽量2脚タイプの新型機甲兵装だった。
草薙「これは新型機甲兵装『バルバロイ』です。既存の機甲兵装とは、あらゆる面で桁違いのスペックを持ちます。しかし、この機体を扱うには、『AMS適正』が必要となります」
武龍「AMS適正?」
草薙「はい。AMS適正とは、この機甲兵装に備わっているシステムに適合している脳を持っていることです。そして、あなたにはその適正がある可能性があります」
草薙がそう言うと、リプが椅子と頭に着ける装置を持ってくる。
草薙「さ、座ってください」
武龍は椅子に座って装置を頭に着ける。2分程すると、装置を繋いでいる機械から適正の合否が表示される。
武龍「···どうだった?」
草薙「なるほど、やはり·····あなたは適正があります。数値は95%です」
草薙は何かに納得した様子で、リプは適正数値に驚いていた。
リプ「そんなに高い適正数値、滅多に無いのだ···!」
草薙「さて、後は手術ですね」
武龍「え、手術?」
草薙「そうです、手術です。AMS適正があっても、システムに接続するための手術をしなければなりませんから···無理強いはしませんよ」
武龍は少し考え、バルバロイを見る。
武龍「···俺、やるよ」
草薙「解りました、ではこちらへ」
武龍へのAMS手術は成功し、武龍はバルバロイを装備して演習場に出る。
読んでくださり、ありがとうございます!
さて、次からは第3章です。
そして遂にバルバロイのお披露目ですね!
●オズウェル·A·ハモンド
ブロンドの短髪で身長182cm、40歳で2月9日生まれ。
現在のアメリカ大統領であり、人格者としても知られている。
就任したばかりの頃に深海棲艦が現れ、襲撃された場所にたまたま居合わせた彼は間近で駆逐イ級を見て怯えてしまった。
しかし盾となり矛となっている艦娘には敬意を表していた。
だが結局艦娘達を無下に扱う者達を止め切れず、悔やんでいる。
余談だが、国民は悔やんでいるを知っており、それでもなお行動し続ける彼を評価する者は多い。
●AMS適正
新型機甲兵装を扱うのに必要な適正であり、『アレゴリー·マニュピレイト·システム』の略でもある。
本来、とある兵器を扱うのに必要だったが、それを機甲兵装用に変換することに成功した。
適正が高ければ高いほど、とある兵器を意のままに操る事ができるようになる反面、適正が低いと精神負荷が大きくなり、中には精神崩壊する者もいる。
また、適正は先天的なものであり、後天的に発生するわけでも適正が上がることもない。
余談だが、AMSは開発当初は障がい者の社会復帰などが目的だったが、兵器利用されてしまった。
●バルバロイ
赤いカラーリングの軽量2脚。
既存の機甲兵装とは桁違いのスペックを持つ機体であり、使用するにはAMS適正が必要。
武装は右手に『アサルトライフル』、左手にショットガン、右背部に『散布型ミサイル』を装備。
機動力を活かした戦闘を得意としているが、耐久は新型の中では高くない。
また、今回の大規模作戦において、弾切れの可能性を考慮し、本来は装備されていなかったロケットを左背部に装備している。
●アサルトライフル
ライフルとマシンガンの中間の性能をしており、扱いやすい部類である。
●散布型ミサイル
大量の小型ミサイルを同時に発射するミサイル。
弾道としては"面"で向かっていくが、マルチロックすることで複数の的に対しても有効となる。