武龍達3人が始祖のいる海域に進めば進むほど海の赤みは増していく···
武龍「さっき送ってもらった手紙、受け取ってくれてるかな···」
ミッドウェー「それは解らないな···」
武龍はMI海域を出る直前に、ミッドウェーの艦載機で手紙を送ってもらっていた···
ミッドウェーの放った艦載機は2機、1機はレイブンズ·ネストの拠点に、もう1機は始祖の元へである。
拠点に艦載機が向かい、どこに手紙を置こうか迷っていると···
夕立「ぽい?」
艦載機は夕立に見つかり、狼狽えるが···
夕立「もしかして、ミッドウェーの艦載機っぽい?その手紙は?」
艦載機は手紙を握り、夕立から離れようとする。
夕立「そんなに恐がらなくて良いっぽい!覚えてない?私『ソロモン』よ!」
艦載機は何かを思い出した様子で夕立に手紙を渡す。
夕立「もしかして、武龍君の事?」
艦載機は頷く···
夕立「ありがとう!ちゃんと渡しておくわね!」
一方、始祖のいる島では···
始祖「ナルホド···ココマデ直接話シタイ人間ガ現レタカ···ミッドウェーヲ助ケタ事ハ良イトシテ···マア、良イダロウ···デハコレヨリ、全テノ オリジナル ヲ 呼ブ」
そして、深海棲艦の始祖は1つの焦げた鈴を鳴らす。
深海棲艦の始祖が鈴を鳴らす前、レイヴンズ·ネストの拠点では会議室にて、草薙が手紙を読み上げていた。
手紙『俺はまだ生きている。でも戦争を終わらせるために、直接話に行く。もし深海棲艦が人類への攻撃をやめなかったら、その時は俺は死んだものとしてくれ』
ティス「アイツ、また抱え込みやがって」
アン「また私達を心配させた代償は払ってもらいますよ」
そしてそれぞれが自身の行動に移った頃、ラングレー、夕立、深海吹雪棲姫にだけ鈴の音が聞こえる。3人は何が起きたかを悟り、出撃ドックへと向かう。
しかし、出撃ドックの前にジュリアスが立っていた。
ジュリアス「どこへ行く?2人揃って出撃ドックに行こうとは、どういうことだ?何か任務や襲撃があったわけでも無いだろうに」
ラングレー「Shit···頼む、行かせてくれ」
深海吹雪棲姫「えっと、その···」
夕立「私達、悪いことするつもりじゃ無いっぽい!」
ジュリアスは2人を鋭い目付きで見ている。
ジュリアス「ほう、ではなんのつもりだ?」
夕立「それは···」
ラングレー「詳しいことは、Me達は言えない···けど、武龍のためにも行かなきゃいけないんだ」
ラングレーはそう言うとジュリアスに深く頭を下げる。
ラングレー「この通りだ!頼む!」
それを見た夕立と深海吹雪棲姫も同じように深く頭を下げる。
夕立「頼むっぽい!」
深海吹雪棲姫「お願いします!」
頭を下げ、頼み込むラングレー、夕立、深海吹雪棲姫。しかし心の奥では、最悪の場合は戦うしかなくなるかもしれない、そう思っていた。
すると、ジュリアスは2人に道を空ける。
ジュリアス「···行け」
夕立「え?」
ジュリアス「そこまで言うのなら、信じよう。だが、どのようなやり方かは知らんが、武龍はなんとしてでも守れ」
ラングレー「···Thank you!行ってくる!」
夕立「ありがとうっぽい!」
深海吹雪棲姫「ありがとうございます!」
ラングレーと夕立が出撃していくのをジュリアスが見送ると、ジュリアスの背後からリプが出てくる。
リプ「あの3人は、なんで行ってしまったのだ?」
ジュリアス「さぁな、裏切る様子ではなかったからな。そっちは任せるさ」
武龍達が始祖のいる島に着くと、もうその周囲のイロハ級は全てflagshipであり、ちらほらとオリジナルの者もいる···
武龍「なんか···物凄く緊張する」
ミッドウェー「私も久しぶりにアイツらと会うからな···」
ヲ級オリジナル
「アナタ ガ 本件ノ人間デスネ?ミッドウェー様ト共ニ コチラノ控え室デ待機シテイテクダサイ」
レキ「オレと深海鴉棲姫は?」
ヲ級「アナタ ハ 適当ニ ブラツイテイテ クダサイ。今回ノ会議ニハ 鬼姫ノミ ノ 出席トナリマス。深海鴉棲姫ハ人間ト共二出席シテクダサイ」
レキ「ちぇ~」
深海鴉棲姫「了解だ」
そして武龍とミッドウェーは会議の時間となったため、大広間に入る。
そこには鬼級姫級のオリジナル達が揃い踏み、中には人類が観測していない鬼級姫級もいる。見れば、深海化したラングレーと夕立、深海吹雪棲姫もいる。
そして武龍達の正面であり、1番奥の場所に巨大な艤装に寄り掛かるようにしている深海棲艦が口を開く。
その深海棲艦は白い肌と髪をしているが、腹部には穴が開いておりそこには虚空がある。
姫級「ヨクゾ来タナ···人間···私ハ 『中枢棲姫』ダ」
武龍「俺は武龍と言います」
中枢棲姫「堅苦シイノハ イイ···ソレデ、1度始マッタ コノ戦争ヲ ドウ終ワラセタイ?」
武龍は深呼吸をして話し始める。
武龍「俺は···皆が人間を憎んでて、でも悲しくて苦しくて···けど人間にも何かしら原因はあるし、でも罪の無い人間もいる。だから···」
次の言葉を、その場の全員は静かに聞く。それはまるで深海のようだった。
武龍「戦争を続けようとしてる奴らを倒せば良い、それが俺の答えだ。どうしてかって言うと、それは···ハッ···ハッ、ハッ···!」
緊張で、武龍は過呼吸気味になってくる。しかし、武龍の右側の背後にいた深海鴉棲姫は武龍の肩に手を置く。
深海鴉棲姫「大丈夫だ。ゆっくり、ゆっくりで良い···」
再び武龍は深呼吸し、続きを話し始める。
武龍「俺は、戦ってるのが正直怖い···初陣の時に"死ぬかも"って思って、それが戦う度に続いてる。戦うのが怖いのは、艦娘も同じ。それに···深海棲艦だって、辛いことを繰り返してるんだろ?」
再び武龍は深呼吸をする。
武龍「人間だって、罪の無い奴もいるし···だから俺は、皆に苦しんでほしくない、悲しんでほしくない···でも、そっちには憎む理由があるんだろ?」
武龍は何度も深呼吸をしつつ続けるが、その声は悲しく絞り出すようで、胸を押さえて喋っている。
武龍「なら、その原因になった奴らや戦争を続けようとしている連中を倒せば良いんじゃないか?めんどくさいのなんて関係無しに!」
再び武龍は過呼吸気味になり、膝をつく。ミッドウェーと深海鴉棲姫、ラングレーや夕立、深海吹雪棲姫も武龍に駆け寄ろうとするが、中枢棲姫はそれを制する。
すると、武龍はゆっくり立ち上がる。
武龍「もう、大丈夫だ···悲しまなくて良い、苦しまなくて良い···」
武龍は深海棲艦達を見回す。
武龍「大丈夫だから···だから終わらせよう、終わらせるための戦いをしよう···俺も、戦うから」
武龍は思いのたけをぶつけ、緊張で後ろに倒れるがミッドウェーが受け止める。
ミッドウェー「おい、大丈夫か?」
武龍「正直こういう場は産まれて初めてだから勝手が判らん···ハァ、ハァ···」
すると、深海棲艦達がそれぞれ反応を示していく。
『港湾棲姫』「まあ、あなたの気持ちは解ったわ···正直私とこの子は争いは嫌いだもの···」
港湾棲姫は隣の『北方棲姫』と『北方棲妹』の頭を撫でながら言った。それを皮切りに賛同の声が上がり始める。
『深海鶴棲姫』「なんか···こいつの話聞いてると···戦争なんかどうでもよくなっちゃった···」
『集積地棲姫』「まあボクはコレクション集められれば戦争なんてどうでも良いんだけど···それに、武龍と言ったね。君もしかしてアスペルガーなんじゃない?」
武龍「···なんで気づいたんだ?」
戦艦棲姫「アスペルガーって何?」
集積地棲姫「発達障がいの1つさ···まあ、武龍君は軽度な方だけどね···まあ、気づいたのはなんとなくそう思っただけさ」
防空巡棲姫「そういえばあんたから借りた医学書にあったね···」
『南太平洋空母棲姫』
「どうりで言動に違和感があったわけね···」
集積地棲姫「まあ、アスペルガー持ってるからといってどうとかって訳じゃない。コンプレックスに感じてるかもしれないけれど、全然その必要は無い···って話が脱線した!」
ラングレー「Meは、武龍の選んだ戦いに賛成だ」
夕立「ソロモンも賛成っぽい!」
深海吹雪棲姫「右に同じくです!」
中枢棲姫「この様子だと···"これまでの戦争"は終わりで良いか?まあ、事の真相はこの場で話そう···」
ミッドウェー「真相···あの事か?」
中枢棲姫「そうだ···」
場の空気が一変する···武龍はまるで深海にいるかのような冷たさを感じ、鬼級姫級達はオーラを纏い始める···
読んでくださり、ありがとうございます!
さて、次は事の真相ですね!
●レイヴンズ·ネストの夕立
かつて『ソロモン』と呼ばれた深海棲艦のオリジナルであり、江ノ島艦隊に撃破され、数時間後に夕立としてドロップした。
その後は小さな鎮守府に所属、後に改二となり、日本と中国の政治的な取引で中国に移籍、霧島達と中国を脱出する際、発見した兵士をためらいなく砲撃している。
●オリジナルのドロップ
オリジナルはドロップしても深海棲艦の頃の艤装を扱うことが可能であり、場合によっては艦娘の艤装と両方使うことが可能、また、艤装無しでも海に立てるという違いもある。