鴉の航路(ver2.0)   作:ダイヤモンド傭兵

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武龍達がMI海域での作戦の裏で行われたAL作戦。
そこでの敗退の原因とは?


外伝 AL作戦(ver2.0)

武龍達がMI海域に出撃し、レイブンズ·ネスト陣営の時雨、夕立、大潮、曙、霧島、鳳翔の6人は日本の横須賀艦隊、ロシア艦隊(レヴォツィとは別の艦隊)、イギリスのラニエダ艦隊と共にAL海域へと進んでいた。

 

ちなみにこちらのオペレーターはベスが務めており、日本陣営の艦隊は横須賀の艦隊である。

 

ベス《そろそろAL海域へと入ります。皆さん、覚悟はよろしいですね?》

 

全員が気を引き締め、海域に入る···波は穏やかで確認できる深海棲艦も少ない···

 

時雨「ここは本当に主要海域なの?」

 

ベス《はい。確かにAL海域ですが、主要海域にしては数が少ないですね···》

 

利根(ロシア艦隊所属)

「おかしいのう···これは待ち伏せもあり得るぞ···」

 

加賀(横須賀艦隊所属)

「偵察機からも、大きい数は確認できなかったわ···」

 

すると、突然通信が入る···

 

 

 

???《(ノイズ)···聞こえますか?···私ハ ココ二 住ム 港湾棲姫 ト イイマス···》

 

ガングート(ロシア艦隊所属)

「姫級からの通信だと!?」

 

港湾棲姫《私達ハ 戦イヲ望ミマセン···ダカラ、来ナイデクダサイ···》

 

ベス《なるほど、争いを望みませんか···どうりで数も攻撃頻度も少ないはずです···資料を見ても、この海域での被害報告は少ないですね》

 

夕立「このまま手を出さないんなら、戦わなくても良いっぽい!」

 

大潮「そうですね」

 

横須賀提督《それには僕も賛同だよ。実際、周りの深海棲艦も自衛のための攻撃に徹してるし、それ以外は監視にまわってる···こちらを攻撃する気ならもう既にやってるしね》

 

港湾棲姫《デスカラ、オ願イデス···来ナイデクダサイ···》

 

しかし、ロシア提督とラニエダはそれを拒否する。

 

ロシア提督《構わん、やれ》

 

夕立「ちょっと待つっぽい!あっちは戦いたくないって言ってるっぽい!」

 

ロシア提督《このまま奴らを野放しにしておけば、この海域が深海棲艦の航路となったままだ。それを見逃す訳にはいかない···それに、『戦いたくない』など、口ではいくらでも言えるからな!》

 

ラニエダ《それは私も賛同いたします···深海棲艦を倒す、それが私達提督と艦娘の役目ですから···艦隊、攻撃を開始!目標、前方の深海棲艦!》

 

ロシア艦隊とラニエダ艦隊は攻撃を再開し、イロハ級が次々と撃破されていく。

 

ベス《港湾棲姫さん、戦いたくないという証拠は出せますか?》

 

港湾棲姫《イマ、ヒブソウ デ ココニイマス···》

 

ベスが観測ドローンを確認すると、島の砂浜に3人の深海棲艦が丸腰で立っている···

港湾棲姫と思われる白い女性とその手を握り、後ろに隠れて様子を伺っている2人の子供の深海棲艦が確認できる。

 

子供の深海棲艦は、2人とも震えていた──

 

 

 

 

 

ベス《なるほど···解りました···レイブンズ·ネスト艦隊、これより『我らの目的』の遂行に移りなさい!》

 

その瞬間に時雨達はロシア艦隊とラニエダ艦隊に砲口を向ける。

 

ロシア提督《貴様ら、裏切ったのか!?》

 

ベス《裏切ってなどいません···ただ『私達の目的』を遂行するだけです···規約にもありましたよ?

『我らの目的は"あくまでも戦争の終結"』だと···今のあなた方の行動は"戦争を続ける行為"であり、規約に違反しています》

 

ラニエダ提督《奴らが戦争を望んでいない証拠はあるのです?》

 

ベス《先程、観測ドローンで捉えた映像を送ります···それに、彼女達がもし戦う気なら、この時点で攻撃していますよ?》

 

ロシア提督《···やれ!》

 

ロシア艦隊はサウスダコタを除いて攻撃を開始し、イロハ級が沈む。

そのサウスダコタは、かつて有澤から手解きを受けた者だった。

 

サウスダコタ「おい!」

 

ガングートはサウスダコタを睨み付ける。

 

ガングート(ロシア艦隊所属)

「なぜ撃たなかったサウスダコタ?」

 

サウスダコタ「なぜって···戦いたくない奴らと戦ってどうするんだよ!?それに、武装解除してるなら降伏してるのと同じだ!」

 

ガングート(ロシア艦隊所属)

「聞いたはずだ。このまま奴らを野放しにしておけば航路は奴らのままだと」

 

サウスダコタ「だが現にあいつらは···」

 

ガングート(ロシア艦隊所属)

「奴らの所業を見てきただろう!?それに···沈んだ者達の事も考えろ!」

 

サウスダコタ「けどよ···」

 

するとそこに、霧島と大潮、鳳翔がやって来る。

 

霧島「お取り込み中すみません、もし彼女らを攻撃するというのなら···ガングートさん、私を倒してから行きなさい」

 

ガングート「ほう···良いだろう、大戦の時のケリをつけてやる」

 

ロシア艦隊に、大潮と霧島が立ち塞がる。

 

 

 

ラニエダ艦隊の前に、時雨と夕立、曙が立ち塞がっている···

 

ラニエダ提督《あなた方も裏切るのですか?あの時深海棲艦を助けていた時点で、ろくなものではないですがね》

 

曙「規約に違反したのはどっちよ?」

 

レイヴンズ·ネストの曙とラニエダ艦隊の曙が対峙する。

 

曙(ラニエダ艦隊所属)「アンタも私と同じ曙でしょ!?深海棲艦に味方するの!?」

 

曙「深海棲艦がしてきたことは許せないわ···けれど、それ以上に戦争を続ける事が何を生むのか···私達は知ってるはずでしょ!このクソ曙!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、イギリスの別艦隊がAL海域に向かっていた···この艦隊は全て量産型で構成されており、かなりの数がいる。

 

イギリス提督「もうすぐだな···さぁ人形ども!やってやろうぜ!」

 

しかしそこに砲撃が撃ち込まれる。

 

イギリス提督「なっ!深海棲艦か!?」

 

装甲空母姫(ノーマル)「クックックッ···沈ンジャナイナサイ···」

 

北方水姫(オリジナル)「マッテイロ···港湾、ホッポ···今行クゾ!」

 

2人の姫級とネ級2体、ヲ級2体の艦隊は大量の量産型を薙ぎ倒しながら進む···

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガングート(ロシア艦隊所属)

「なんだその動きは!?」

 

霧島はゆらりゆらりとした動きでガングートの攻撃をかわし続ける···これはアンから教えられた戦術であり、ゆらりとした動きの最中に、確実に砲撃を撃ち込んでいく···

 

その動きに統一性は無く、掴みどころの無いものだった。

 

霧島「経験こそ、あなたが勝っているでしょう···けれど、戦術が違います!」

 

そして霧島はガングートに肉薄すると、掌底をガングートの腹部に打ち込む。

 

ガングート(ロシア艦隊所属)

「ガハァッ!」

 

 

 

曙同士の戦闘ではレイブンズ·ネスト側の曙が一方的に攻撃していた···正面から、確実に、隙を与えず、押し通す···ジュリアスとランから教わったことをミックスした戦闘を続けている···

 

曙は砲撃と格闘を合わせ、左腕で肘鉄を打ち込んでから体を左に回転させつつ、主砲のストックで顔を殴り付ける。

そして回転した勢いで回し蹴りを叩き込み、曙(ラニエダ艦隊所属)は倒れる。

 

曙(ラニエダ艦隊所属)

「こんなの···駆逐艦のやり方じゃない···」

 

曙「そうよ···私達は"駆逐艦"じゃなくて、"艦娘"よ!」

 

 

 

一方、ロシア所属のサウスダコタは説得に失敗し、裏切り者として攻撃されていたが、その全てをかわしていく。

 

サウスダコタ(皆の攻撃は···有澤さんの弾幕と火力に比べたらなんでもない!)

 

今のサウスダコタにとって、ロシア艦隊の攻撃は練習にすらならない程のものとなっており、歩きながら回避できるほどである。

 

サウスダコタ「戦争を終わらせず続けることに、なんの意義があるんだ!」

 

サウスダコタは利根に一気にに接近し、アッパーを食らわせる···

 

 

 

 

その頃時雨と夕立はラニエダ艦隊と戦っていたが、時雨の誘導戦術と夕立のトリッキーな攻撃にラニエダ艦隊は翻弄されていた。

時雨の誘導戦術はピスに教わり、夕立は『ソロモン』としての経験とティスから教わったスピードを活かした戦術を組み合わせている。

 

夕立「この程度、止まって見えるっぽい!」

 

夕立は時雨の肩を踏み台に大きくジャンプし、体を回転させて周囲に魚雷をばらまく。

しかしそのばらまきは正確なものであり、周囲にいた3人の艦娘に魚雷を直撃させる。

 

その3人の艦娘は、時雨によっていつの間にか誘導されていたものであり、夕立が着水するのに合わせて屈んだ夕立の頭上を時雨の砲撃が飛んで行く。

 

気づけば、時雨と夕立はイギリス艦隊を全滅させていた。

 

 

 

 

 

一方横須賀艦隊は深海棲艦の援護に務め、ロシアとイギリスの提督と話していた。

 

ロシア提督《なぜ深海棲艦の味方をする!?深海棲艦など全て根絶やしにすれば良いだろう!》

 

ラニエダ提督《これは国際問題ですよ!》

 

横須賀提督《根絶やしにすれば良いという問題じゃない···君達も映像を見たはずだ。彼女達は争いを望んでいない···

 

ならこちらも攻撃する意味はないはずだ···国際問題?あの映像と現状を無視してでも攻撃をするということは···戦争を続けなければならない理由でもあるのかい?》

 

ロシア提督《なっ···そんなこと、あるわけ無いだろう!》

 

ラニエダ提督《そんな妄想、今すぐやめなさい!》

 

しかしその時、装甲空母姫と北方水姫が到着する。

 

 

 

北方水姫「港湾!ホッポ!···コノ状況ハ?」

 

港湾棲姫「日本ト レイブンズ·ネスト ノ 艦隊ガ話ヲ聞イテクレタノ···」

 

北方水姫「ソウカ。オ前達、感謝スルゾ」

 

 

 

 

 

戦闘が終了し、それぞれが帰還する···

 

ベス《あなた方が争いを望まない者達ということは解りました···この事は、こちらが敗退したということにしておきます。その方があなた方も動きやすいでしょう》

 

港湾棲姫《デモ、あなた達は···》

 

ベス《私達レイブンズ·ネストは戦争を忌む者達の集まりであり、戦争が無いに越したことはありませんので···では、また縁があれば会えるでしょう···》

 

 

 

 

 

 

 

こうして、AL作戦は『敗退』という形で幕を閉じたのだった···

 

 




読んでくださり、ありがとうございます!

レイブンズ·ネストの艦娘達はAF達との修行により戦闘能力が超強化されています。ちなみに、この時点でレイヴンズ·ネスト所属の艦娘は全て改二となっております。
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