?「さて、あとはもう君のやるたいように進めば良いだけだよ。けど、その前にやることがあるようだね」
コアに改めて問われた武龍は口を開く。
武龍「俺は···やっぱり戦争を続けようとする奴らを倒したいと思う···そいつらがいる限り、この戦争は終わらない。
だからそいつらを倒すための戦いを始めようと思う···
でも、やっぱり話し合いで済まないかなぁ···」
リリ「それで済めば1番良いんですけど、そうはいかないんですよねぇ···」
コア「それがお前のやり方か···良いだろう、それなら遠慮無くやれるな···ところで孤島棲姫、何か言いたそうだな?」
武龍達の話を聞いていた孤島棲姫は、鋭い目付きで武龍を見ていた。
孤島棲姫「私は武龍君の意見には賛成よ···けど、もう一度戦いたい···今度こそ勝ちたいの···」
その意志に、武龍は同意した。
武龍「もちろん良いさ。けどえーっと···ペイント弾ってある?」
武龍の問いに、最も資材を持っている集積地棲姫が答える。
集積地棲姫「君の武器に使えるのは多分無いけど、材料ならある」
それを聞いたリリはガッツポーズをする。
リリ「なら、私が作りましょう!」
コア「手伝おうか?」
コアの申し出に、リリは目を輝かせる。
リリ「はい!また前みたいに作りましょう!」
少し沖に出たところで互いに向き直る···やはり孤島棲姫の艤装は巨大で、ラバウル防衛戦の時とは違い、1対1である。
コア《それでは···始め!》
推奨BGM『Panther』(AC4より)
試合開始のラッパをレキが吹く。
それと共に武龍は空へ飛び上がり、アサルトライフルとショットガンを連射していく。弾丸の連射を受けた孤島棲姫の砲台はすぐに2つ程破壊判定となる。
しかし孤島棲姫は水中に潜り、浮上したかと思えば戦闘機を発艦させてまた潜るという戦法を取った。
ミッドウェー(なるほど···持ち前の頑丈さを活かしての消耗戦か···)
そして時折下から突き上げたり、尾ヒレを振ってきたりという攻撃も織り混ぜてくる。
武龍はアサルトライフルと比べて有効射程の劣るショットガンでは分が悪いと思い、ロケットを起動させて砲撃していく。
孤島棲姫(あの時とは比べ物にならない···機甲兵装とかいうやつの性能もそうだが、本人の実力がここまで成長してるとは···)
その光景を見ていた深海棲艦達も食い入るように見ている···
ミッドウェー「アイツと渡り合うとはな···」
リリ「流石武龍です!武龍はレイブンズ·ネストの戦闘部隊のエースですから!」
戦艦水姫「この戦い···武龍が勝つな」
次第に武装が減らされていく孤島棲姫···
しかし最後の秘策として発艦させた戦闘機の反対側から武龍を挟むようにして飛び出ると、艤装から抜け出し、艤装を蹴って武龍から少し高い高度から、右手に持った12.7cm2連装砲を向ける。
3方向からの時間差を合わせて計算された同時攻撃···砲弾、戦闘機、艤装の距離は同じ···しかし武龍は戦闘機の弾をPAで受け、艤装と砲弾を孤島棲姫へ向けてQBすることで回避し、孤島棲姫に接近する···
武龍「この距離なら、外さん!」
ペイント弾を発射、孤島棲姫の顔面はピンク色のペイントに染まる。武龍は孤島棲姫を抱えると、海上に着地する。
武龍「気は済んだか?」
孤島棲姫「いずれまた決着をつけるわ···それまでは死なないことね···」
その日は武龍達は休む事となり、のんびりと休憩を取っていた。そしてその夜、深海吹雪棲姫は深海鴉棲姫に問いかける。
深海吹雪棲姫
「深海鴉棲姫さん、あなたは何者ですか?」
武龍「あ、そういえば俺も聞いてなかったな」
ミッドウェーはお茶を1口飲みつつ頷き、レキも興味津々である。
深海鴉棲姫
「そういえば、まだ話してなかったな」
明かりとして使っていた古い裸電球が一瞬だけ点滅する。
深海吹雪棲姫
「私はあらゆる艦船の記憶を持っていますが、あなたの記憶はありません。それに、全ての深海棲艦の事を把握しているコアさんですら、あなたの事を把握できずにいました···
あなたは、本当に深海棲艦なのですか?」
深海鴉棲姫は不敵に微笑む。
深海鴉棲姫
「私はもちろん深海棲艦だ···が、通常の深海棲艦ではない」
すると、深海鴉棲姫は武龍の頬を左手の甲で撫でる。
深海鴉棲姫
「武龍···私は、お前だ」
その言葉に、場が凍りつく。
武龍「ええっと···ど、どういうことだ?」
レキ「いやいやちょっと待て、どういうことなんだ?」
深海鴉棲姫
「深海棲艦が誕生する前は、私は単に轟沈した艦船の怨念の中でも特に形の無い、不定形な怨念が漂っているような状態だった。しかし、ある日武龍が海に落ちた時があってな」
武龍「海に落ちた···もしかして、小学校の頃の臨海学校の頃か?」
深海鴉棲姫は頷く。
深海鴉棲姫
「おそらくな。その時に武龍が私に手を伸ばしてな···私は不意にその手を取ったんだが、その瞬間···私と武龍がリンクしたんだ」
武龍「やっぱり、臨海学校の時で確定だな」
深海鴉棲姫
「その後コアによって深海棲艦が現れたんだが、私は元から不定形な存在だっただけに、意識がハッキリしているだけで形はなかったんだ。
しかし、気づけば"透き通った赤い海"に私はいた」
透き通った赤い海に、深海吹雪棲姫の脳裏に誰かが背中を押してくれた時の事がよぎる。
深海吹雪棲姫
「透き通った赤い海···?」
深海鴉棲姫
「そうだ。そこで私は誰かは解らん男と出会ってな。その男が私を送り出してくれてな···海の上に浮上した時には、この姿になっていて、刀も持っていたよ。そして今に至る、というわけだ」
深海鴉棲姫は自身の形を確かめるように、指をゆらゆらと動かす。
深海吹雪棲姫
「そんなことが···はぁ、どうりで私もコアさんも探知できないわけですね」
ミッドウェー「武龍とリンクしたということは、それまでの武龍の記憶も持っているのか?」
深海鴉棲姫
「ああ、持っているとも」
武龍「なんか、俺と同じっていうかあの後に生まれたんなら···なんだか妹みたいだな」
その言葉に、深海鴉棲姫は笑う。
深海鴉棲姫
「アッハッハッハッハッ!そうだな、それでも良いさ。"兄さん"」
推奨BGM『海原へ!』
翌日の午前8:00──
リリとコアが応急処置をした頭部装甲を着け、武龍はレイブンズ·ネストと連絡を取る。
武龍「こちらミグラント···ではなく武龍だ。聞こえるか?」
瑞希《その声は···生きてたんですね!》
武龍「ああ!色々あったが、深海棲艦との戦争はもう終わりだ!だが、戦争を続けようとする連中を倒さなきゃこの戦争は終わらないと思う···どうだ?」
ティス《武龍!このやろう!心配させやがって!後で埋め合わせしろよ!》
アン《私も埋め合わせを求めます···でも、無事で良かった···》
ピス《ご無事でなによりです···その通りです、武龍。ようやく辿り着きましたね···》
青葉《後で取材させてくださいね!》
ジュリアス《無事なら良い···で、作戦名はどうする?》
武龍《そうだな···作戦名はこの戦争を終わらせるためだから···『クローズプラン』なんてのはどうだ?》
その言葉に、AF組は目を見開いて顔を見合わせる。
なぜならそれは『本来起こり得た未来』での作戦名だったからである···
草薙《では···これよりレイブンズ·ネストは深海棲艦達と合流し、戦争を続けようとする者達の撃破に移ります!》
ベス《目標となる組織と鎮守府は既に特定してあります!》
草薙《総員!準備でき次第、出撃してください!》
サウスダコタ《初めましてだが、私もレイブンズ·ネストに加入した。力になるぞ!》
そして武龍は振り向き、深海棲艦達に告げる···
武龍「行こう!」
深海棲艦達は雄叫びを上げ、それぞれが艦隊を組み、出撃準備をしていく。その先頭に立つのは武龍である。
そして、武龍と深海棲艦達、そしてレイブンズ·ネストの面々は海原へと進み出て行く···
読んでくださり、ありがとうございます!
孤島棲姫との再戦を乗り越え、更に深海棲艦と共に進み始めましたね!
そして明かされた深海鴉棲姫の真実、どうでしたか?
●深海鴉棲姫の誕生
深海鴉棲姫は元は形の無い、不定形な怨念だった。
しかし、武龍が小学校の臨海学校にて海に落ち、その際に怨念である時の深海鴉棲姫に手を伸ばし、深海鴉棲姫はその手を取った。
その瞬間深海鴉棲姫は武龍とリンクし、武龍の記憶を手に入れる。
その後コアによって深海棲艦達が生まれるが、元となる形の無かった深海鴉棲姫は意識だけ漂っていた。
だが謎の"透き通った赤い海"にて謎の男性と出会い、形と刀を得て浮上し、深海鴉棲姫として誕生した。
●サウスダコタの入隊
AL作戦の後、ロシアからは裏切り者として認定されたため、帰還する時にレイブンズ·ネストに着いていき、そのままレイブンズ·ネストに入団した。
戦闘力は有澤からの教授により、回避力は他の艦娘と比べて相当なもの。