鴉の航路(ver2.0)   作:ダイヤモンド傭兵

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レイヴンズ·ネストの声明により、世界に混乱が起こる。
そして武器を取る者達は···

何が為に、その武器を取るのか?


第25.5話 何が為に武器を取る(新実装)

レイヴンズ·ネストの声明により起こった混乱は様々な所で発生し、瞬く間に広がっていった。

その混乱は政府や軍の関係者だけではなく、民間人にも広がっていった。

 

戦争を続けることで利益を得ていた者達はもちろん、レイヴンズ·ネストを敵視していた者達や、戦争が終わった際に戦争犯罪者として裁かれるであろう者達などには戦慄が走った。

 

そのため世論に向けてすぐさま情報操作を始め、武器を取る。

全ては自分達の利益のために。

 

···がしかし、一部の民間人には新たな情報操作など不要だった──

 

 

 

 

 

レイヴンズ·ネストの拠点の前には民間人が押し寄せ、即席のプラカードや横断幕を掲げている。しかし中には包丁や草刈り鎌、猟銃すら持つ者もいる。

 

男性A「戦争反対ー!」

 

女性B「深海棲艦と手を結ぶ悪党を許すなー!」

 

男性B「俺らが殺らずに、どうするんだ!」

 

男性C「こんな風に戦争が終わるなんて、信じないぞ!」

 

押し掛けた民間人達の顔はいずれも狂気を孕んでおり、明らかに冷静では無い様子だった。

その光景を見たレイヴンズ·ネスト所属の艦娘達の顔はひきつっている。

 

大東「なに、あれ···?」

 

ジュリアスは大東の頭に手を置きつつ前に出る。ジュリアスの右手にはトンプソンが握られており、腰には予備のドラムマガジンを2つ下げている。

 

ジュリアス「奴らが感じているのは、恐怖だ」

 

大潮「恐怖···?」

 

ジュリアス「そうだ。戦争が終わる、それも戦争屋である傭兵の手によって···それを信じられる人は少ないだろう。そして信じられない者達は不安を抱く」

 

押し寄せる民間人の一部は「殺せ」と言っている者がおり、民間人達は拠点の門に近づきつつある。

 

 

 

ジュリアス「適切でない不安はやがて恐怖に変わり、恐怖は切っ掛けがあれば狂気に変わる···その切っ掛けを与えたのは、おそらく"戦争を続けたい者達"なのだろう。

そしてあの大衆の中には、その扇動者がいると見て良いだろう」

 

霧島は口々に叫びながら迫る民間人達を見る。その中に、扇動者や戦争を終わらせたくない者は、どれだけいるだろうか?

 

ジュリアス「それに、事実を受け入れられないだけではなく、単なる恐怖もある。

考えることが、真実を知ることが、信じていた常識が覆るのが···恐ろしく感じ、それに目を背け、耳を塞ぎ、蓋をする事を選んだのだ」

 

ジュリアスは迫り来る"民間人"達にトンプソンの銃口を向ける。

 

ジュリアス「あんな人間相手に砲弾など使う必要は無い、奴らの相手はこれで十分だ」

 

ジュリアスはトンプソンを連射し、迫り来る民間人の脚を撃ち抜いていく。

 

男性A「ギャァァァ!」

 

男性B「痛い!痛いぃぃ!」

 

男性D「あいつ、銃を撃ってきやがった!」

 

すると民間人の中にいた猟銃(上下2連散弾銃)を持った男性が、ジュリアスに銃口を向ける。

しかし、その男性の持つ猟銃は高所から撃たれた弾丸により破壊される。

 

女性B「な、何今の!?」

 

 

 

拠点の窓からは、黒いコートを着た黒い長髪の女性がM200を構えており、既に次弾を装填し終えていた。

 

愛海《『カレン』ちゃん、ナイスヒット!》

 

カレン「この程度、なんてこと無い···お前達!ここで死にたくなければ、今すぐ立ち去れ!」

 

カレンは再びM200の引き金を引く。すると包丁を持っていた女性の包丁が撃ち抜かれる。

 

女性C「ヒイッ!」

 

カレン「ふん、痴れ者が」

 

アークロイヤル「あ、あなたは···」

 

愛海《カレンちゃんは、私の経営してる喫茶店のウェイトレスよ。そして···》

 

再びカレンはM200の引き金を引き、放たれた弾丸は男性の構えている弓を正確に撃ち抜いた。

 

愛海《世界トップクラスの、元殺し屋よ》

 

すると、一部の民間人は正面ではなく別方向から侵入しようとする。しかしすぐに後退る。

拠点の右側にはAA-12を持った、短いツインテールの髪を浅緑色に染めた女性が民間人に歩み寄っている。

 

 

 

女性「あんなぁ···怖いのは解るんやが、やってええ事と悪い事があるやろ?」

 

女性は銃口を向けているわけではないが、ユラユラとした掴み処の無い動きをしている。

その顔には左目の上から右頬にかけて大きな傷痕と縫い痕があり、不気味な様子を醸し出している。

 

愛海《彼女は『クラエス·パッカード』、喫茶店の料理人の1人よ》 

 

クラエス「ご紹介に預かりました、クラエスや···そんで、今すぐ立ち去ってくれたら、うちは楽できるし、あんたらも痛い思いに済むまでな」

 

男性E「うおおおおおっ!」

 

バールを振りかざして走ってきた男性に、クラエスはAA-12を迷わず発砲する。放たれた9発の散弾は、男性のバールを持った右腕の肘から先を穴だらけにする。

 

愛海《それに、彼女も元殺し屋よ》

 

男性E「ギャァァァァァ!」

 

男性の右腕は血が溢れ出し、流れ弾が左肩に当たった別の男性は悶えている。

 

クラエス「も~だから言うたやんか~。ほれほれ、他のモンも立ち去らんと痛い目見るで~。

そんで艦娘の皆はもうちょい下がっとき。こいつらの相手は、うちらに任しとき」

 

クラエスはニヤニヤしながらAA-12を構える。

 

 

 

 

 

ジュリアス達が銃のマガジンを交換したところで、これまでとは違う民間人が押し寄せている民間人に向かっていき、先程まで押し寄せていた民間人を攻撃し、拘束していく。

 

男性F「ずっと守ってくれてたモンに、何してんだボケェ!」

 

男性G「お嬢の家と仲間に手ぇ出してんじゃねぇぞ!」

 

その様子にレイヴンズ·ネストの艦娘達は目を丸くする。

 

鳳翔「ええと···今度は何ですか?」

 

ジュリアス「フッ、人間も捨てたものではないということさ」

 

押し寄せていた民間人が全員拘束されると、カレンは何も言わずM200に簡易的なメンテナンスを始める。

クラエスはリンゴを囓りつつ、誰かに侵入されてないかチェックを始める。

 

しかし、今度は量産型を伴って数人の民間人が現れる。引き連れている量産型は全てE型であり、戦闘態勢に入っている。

その民間人達も、やはり狂気を孕んだ顔と目をしていた。

 

クラエス「あー、こりゃアカンな。後は艦娘の皆に任せるで」

 

そういうとクラエスは茂みに隠れ、そのままどこかへ消えていく。カレンはいつの間にか消えており、鳳翔達はE型に向けて艤装を構える。

 

ジュリアス「高額なE型か···おそらく与えられたものだろうが、行くぞ!」




読んでくださり、ありがとうございます!

一部量産型の値段を書き忘れていたので、修正しておきました。すいませんでした。

●カレン
黒い長髪で身長165cm、25歳で3月8日生まれ。

強者とは1対1での決闘を好み、義理堅い性格をしている。
世界トップクラスの元殺し屋であり、狙撃を得意としている。しかし強者を求めていた彼女は嫌気が差し、殺し屋を引退した。

引退後は愛海の喫茶店に転がり込み、ウェイトレスをしている。

●クラエス·パッカード
短いツインテールを浅緑色に染めた髪で身長152cm、19歳で7月29日生まれ。

左目の上から右頬にかけて大きな傷痕と縫い痕があり、リンゴと飴をこよなく愛している。
カレンと同じく元殺し屋であり、時にテロにも加担しているが、それらは趣味の1つでしかない。

また、面倒見とノリの良い性格をしており、依頼も気分で受けるか決めており、依頼を遂行する際はショットガンを愛用している。

現在は料理とお菓子作りにハマっており、レイヴンズ·ネストに興味を持ったこともあり、愛海の下で働いている。
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