鴉の航路(ver2.0)   作:ダイヤモンド傭兵

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巣を守りし者達、国を愛す軍人、裏の戦士達···
誰を相手にしようとも、守るものがある。


第26.7話 守る者達(新実装)

推奨BGM『敵機動部隊』

 

 

 

レイヴンズ·ネストの拠点の前にて、鳳翔達と多数の量産型(E型)は戦闘を続けていた──

 

大東は爆雷を直接ばら蒔いて攻撃し、大東に接近してきたE型に曙が砲撃して大東への攻撃を阻止する。

そして、損傷または撃破されたE型からは鮮血が飛び散る。

 

アークロイヤル「まさか···E型の元は、生きた人間?」

 

霧島「どうりでこれまでより動きが良いわけですね」

 

更に、大潮の機銃によりE型の仮面の一部が破壊される。仮面のしたにあった目は死体の目ではなく、明らかに生きた人間の目だった。

その瞬間大潮は動きが一瞬止まってしまい、E型の砲撃を左肩に受けてしまう。

 

鳳翔が戦闘機を大潮の援護に向かわせるが、戦闘機の機銃攻撃をE型は前方に飛び込んで回避する。

 

 

 

大東に接近したE型は大東の砲撃を身を屈めることで回避し、そのまま左に回転する。そして左足のチェーンソーで回し蹴りをするように攻撃してくる。

 

大東は咄嗟に主砲で防ぎ、チェーンソーの刃の当たっている場所からは火花が散る。

 

大東「うわぁっ!」

 

しかしそのE型にアークロイヤルの爆撃が命中する。

 

愛海《相手は生きた人間だけど、あそこまでなってるならもう元には戻れないわ。だから、楽にしてあげて···》

 

アークロイヤル「···そういうことなら」

 

大潮「解りました···」

 

大東の主砲には大きな損傷ができており、砲撃ができないわけではないが、暴発の危険性もあった。そのため大東は主砲を正面のE型に投げつけ、そこに爆雷も投げて共に爆破する。

 

愛海《あのチェーンソー、単に斬るよりも確実にダメージを与えることを優先してるようね》

 

砲撃や艦載機、雷撃など主体とする"艦娘"にとって、高い機動力と格闘能力のあるE型は相性の悪い相手だった。

 

曙「こいつらもしかして、艦娘を相手にするために作られたの?」

 

愛海《可能性はあるわね···ん?》

 

愛海はE型の動きに違和感を覚える。

 

愛海《皆、量産型の足元に攻撃して!》

 

霧島がE型の足元に砲撃すると、E型は避けなかった。そのため砲弾の爆発に巻き込まれて吹き飛ばされる。

 

 

 

愛海《なるほど、あの量産型は直撃するものでない攻撃は避けないわ!だから足元に撃ってから他の武装で攻撃して!》

 

鳳翔「はいっ!」

 

鳳翔はE型の足元に爆撃し、E型は避けずに爆発を受けて吹き飛ばされる。そこに別の爆撃機が爆撃して撃破する。

しかし、大潮、曙、大東の残弾は減ってきており、特に主砲を失った大東は爆雷が底を尽きかけていた。

 

すると、別方向からE型が砲撃される。見るとイ級4体とネ級2体がおり、鳳翔達を援護してくれていた。

 

愛海《今よ!一気に畳み掛けなさい!》

 

元から数の減っていたE型は大きく劣勢となり、次々撃破されていく。イ級やネ級も傷を負ったものの、犠牲となった者はいなかった。

 

大東「終わったぁ~」

 

大東と大潮はその場にへたり込む。

 

曙「そうね···で、後はそっちね」

 

曙はE型をけしかけた民間人達を睨み付ける。

 

アークロイヤル「さて、じっくり話そうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロシアにある、レヴォツィの所属する鎮守府では反乱分子であるレヴォツィを捕らえようとし、返り討ちにあった兵士達が拘束されていた。

鎮守府の内部では、交戦の痕跡が多数残されている。

 

レヴォツィ「さて、我々も行くぞ」

 

レヴォツィと共に、レヴォツィ艦隊は抜錨していく。

 

兵士「貴様···貴様が何をしているのか解っているのか!?これは反逆だぞ!」

 

レヴォツィ「解っているさ。だが、これ以上犠牲を増やし続けるのにはもう沢山だ!」

 

レヴォツィ艦隊は、AF組による戦闘で手薄になっているロシア中枢部へ突き進んでいく。

 

 

 

推奨BGM『反攻作戦開始!』

 

 

 

レヴォツィ「総員、戦闘開始!」

 

レヴォツィの掛け声と共に、中枢部を守る艦隊とレヴォツィの艦隊で戦闘が始まる。

どちらの艦隊も高練度の艦娘達であり、量産型も最新のJ型を採用していた。

 

しかし、レヴォツィの艦隊の方が押している。その理由は単純なものだった···

レヴォツィの艦隊は日々が実戦であるのに対し、中枢部を守る艦娘達は内地での訓練と防衛である。

 

無論、防衛も必要なことではある。だが"敵との交戦"において、レヴォツィ艦隊の方が圧倒的に経験が豊富であった。

 

仲間が轟沈しかけたことも···

鎮守府が空襲にあったことも···

孤立してからの消耗戦も···

鬼姫級との戦闘経験も···

砲雷撃ができないほどの近接戦闘も···

 

中枢部を守る艦娘達は経験したことが無かった。そしてレヴォツィ艦隊はそれら全てを経験しており、戦場での意気込みや目付きは、まったくもって格が違うものだった。

 

 

 

 

 

しばらくしてレヴォツィはAK-47を手にヴェールヌイと共に、ロシア大統領の元に辿り着いた。

ここまでの道のりで、兵士達は全て無力化してきている。

 

レヴォツィ「大統領、もうやめにましょう···こんな戦争を続けても、犠牲が増え続けるだけです」

 

ロシア大統領「···君は昔から勇敢で、正義感の強い男だ。しかし、政治的な部分が抜けている。この戦争は過去のものとは違う、この国が生き延びるための手段なのだよ」

 

レヴォツィ「この国が生き延びるために戦争を続け、他者の死を増やし続けるだけではなく、国民すら犠牲にして"国"を守るのはいかがなものかと」

 

レヴォツィはAK-47の銃身を撫でる。

 

レヴォツィ「この銃···カラシニコフ氏がなぜ作ったか、知っていますか?この国を守るためだそうです」

 

ロシア大統領「それがどうした?」

 

レヴォツィ「国民すら犠牲にして国を守ることは、本当に国を守ることですか?あなた方が守りたいのは、国ではなく自分達なのではないですか?」

 

ロシア大統領「·····」

 

ロシア大統領は沈黙し、レヴォツィはため息をついてロシア大統領に手錠を見せる。

 

レヴォツィ「これより、あなたを拘束します···大統領」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本の首相官邸の近くのビルの1室にて、5人男女が武装を整えていた。

窓から双眼鏡で首相官邸を見ていた茶髪のアイビーカットの男性『ダリオ·エンピオ』は、振り向いて他の4人に聞く。

 

ダリオ「おい、本当にやるのか?」

 

その問いに、ボサボサの黒髪の男性『エイリーク』が真っ先に答える。

 

エイリーク

「今さらビビってんのか?まだ死に場所選べる立場でも無いくせによぉ」

 

ダリオは舌打ちし、今度はFN57のマガジンを込めた黒い短髪のオカマ『アローズ·多島(たじま)』が答える。

 

アローズ「アンタら良いわよねぇ~。アタシなんて、特に戦う理由なんて無くなったのに駆り出されたのよ?」

 

次に、ボサボサの銀髪の男性『ハイム·ズァーク』が答える。

 

ハイム「戦う理由は無くっても、愛海さんに恩はあるよね~」

 

最後に、黒いポニーテールの女性『清姫(きよひめ)』が答える。

 

清姫「戦いとは、頭脳と技能。それを試せるなら、安いものよ」

 

それぞれが武装を整えると、作戦を開始する。

 

 

 

 

 

推奨BGM『Junk Mail』(初代ACより)

 

 

 

厳戒警備が敷かれている首相官邸の前に、1台の軽トラックが走ってくる。その車には人が乗っておらず、タイヤを含む前面には鉄板が溶接されていた。

軽トラックは門を突き破ると警備隊の車に激突する。

 

警備隊員「な、なんだいきなり!」

 

しかし、軽トラックの運転席には爆弾が仕掛けられており、爆発する。そして爆発と共に、AK-12を持ったエイリークとXM8を持ったダリオが門から突入する。

 

エイリーク「俺らとの違いを見せてやるよアハハハ!」

 

ダリオ「よう、税金泥棒」

 

エイリークとダリオを近くの木の上に登り、迷彩服を着たアローズが『M14』による狙撃で援護する。

 

アローズ「良いわよねぇ···思う存分殺れるんならさぁ!」

 

裏口からはIDWを持ったハイムと『HK417』を持った清姫が突入する。

 

ハイム「さぁて、始めるよ~」

 

清姫「師から授かったこの腕、負けるものかよ」

 

 

 

警備隊が盾を持って前進してくるが、ダリオは僅かな隙間を撃ち抜いて警備隊員を負傷させる。更にエイリークが『スタングレネード』を投げ、警備隊員の目と耳を潰す。

 

ダリオ「ケッ、この程度かよ」

 

エイリーク「海軍に力注ぎ過ぎなんだよ」

 

ダリオとエイリークは二手に別れて移動し、別々の方向から攻撃を加える。

そして、ダリオより先行したエイリークを狙おうとした警備隊員を、アローズが狙撃する。

 

アローズ「エイリーク、進みすぎよ」

 

エイリーク「悪ぃ悪ぃ」

 

 

 

首相達を捕らえている官僚は、この状況に狼狽えていた。

 

官僚「どういうことだ···誰も助けなど呼べないはずなのに、なぜ襲撃されている···いや、考えられるとすればレイヴンズ·ネストか!?」

 

警備隊員「報告!正面は7割ほど制圧され、内部にも襲撃犯が侵入している模様!」

 

官僚「なんなんだあのバカ共は!良いからあのテロリストを殲滅しろ!」

 

 

 

ハイムと清姫は官邸内部を進み、首相が捕らえられている場所へ向かっている。

ハイムは壁を蹴って銃弾を回避しつつ、IDWを連射する。

 

清姫は後方から狙撃しつつ、前進している。しかし警備隊の数が増えてくると、清姫はHK417を脇に抱えながら構え、左手にジェリコを持つ。

 

清姫「さて、行くか!」

 

清姫は走り出し、スライディングすると共に警備隊に両手の銃を連射する。更に、清姫に合わせてハイムが上から攻撃することで、警備隊は撃破されていく。

 

 

 

エイリーク「オラァッ!」

 

エイリークが警備隊員を蹴り飛ばし、官邸の正面玄関に侵入する。ダリオはそれに続くと共に手榴弾を投げ入れる。

 

アローズ「行ったわね」

 

アローズはM14のマガジンを交換し、しばらく息を潜めることにする。

エイリークとダリオは負傷した警備隊員を盾にしつつ、正面玄関に敵を引き付ける。

 

 

 

ハイムと清姫は首相達の捕らえられている場所に到着し、突入する。

 

ハイム「こんにちは~!」

 

ハイムと清姫は間髪入れずに発砲し、敵を無力化していく。そして室内の全ての敵が無力化したことを確認し、捕らえられている者達の拘束を解く。

 

創平「き、君達は···?」

 

ハイム「僕達はあなた達を助けに来ただけだよ···まあ、首相官邸でこんなことしたからテロリストになっちゃうけどね」

 

清姫「脱出まで護衛してやろう」

 

その後、首相達を解放したダリオ達は去っていき、創平は彼らを警察に追わせることはしなかった。

 

 




読んでくださり、ありがとうございます!

今回はレイヴンズ·ネストの拠点防衛、レヴォツィの動向、そして意外な人物達の登場でしたが、どうだったでしょうか?

●E型の元
E型は他の量産型とは違い、生きた人間を改造している。
そのため動きは格段に良くなっているが、改造された人間は元には戻れなくなってしまう。

また、戦闘に特化させるために直撃する攻撃以外は回避しないロジックになっており、それが弱点にもなっている。

●ダリオ·エンピオ
茶髪のアイビーカットで身長180cm、34歳で5月8日生まれ。

権力志向の強い野心家であり、他者を見下していた。しかし愛海の夫と出会ってから変わり始め、今では文句を言いつつも協力してくれるようになっている。

また、かつてはカナダの軍人でもあった。

●エイリーク
ボサボサの黒髪で身長180cm、33歳で6月5日生まれ。

その蛮勇さから『鋼の決闘士』とも呼ばれる傭兵だった。
愛海の夫と出会ってから愛海の夫を気に入り、愛海の夫からの依頼を最優先で受けていた。

また、これまで様々な傷を負いながらも必ず生還しているため、一部では『不死身のエイリーク』とも呼ばれている。

●アローズ·多島
黒い短髪で身長170cm、36歳で2月19日生まれ。

戦いと殺しを求めて傭兵となり、狙撃をメインとして戦っていたオカマ。その狙撃能力の高さから『狙撃魚(そげきうお)』という異名をつけられている。

愛海の夫と出会った後は、愛海の夫の依頼を最優先で受けていた。

●ハイム·ズァーク
ボサボサの銀髪で身長152cm、21歳で7月1日生まれ。

のんびり屋でよく昼寝をしている。
世界中を旅しており、愛海の夫と出会ってから海外での頼みを中心に聞いていた。

●清姫
黒いポニーテールの髪で身長162cm、30歳で7月18日生まれ。

様々な策を巡らしつつ、1対1を好んでいる。
かつては名家の長女だったが家族を殺され、敵討ちのために愛海の夫から狙撃の腕を教わり、見事敵討ちを成し遂げている。

その後、愛海の喫茶店のウェイトレスの1人として行動している。

●愛海の夫
かつて愛海と結ばれた男であり、ダリオ達に変化をもたらした。
今は亡くなっているが、彼の残した功績は大きなものだった。
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