戦争は終わり、復興が続く世界。
しかし戦争終結の中心にいた人物は、過去の記憶に蝕まれていた···
戦争が終わり、世界は復興が続いている。
艦娘達は様々な分野で活躍し、復興は人間だけの時よりずっと早く進んでいる。
しかし、やはり深海棲艦はすぐには受け入れられていなかった。だがそれでも少しずつ受け入れられており、艦娘や人間と共に復興を手伝っていた。
レイヴンズ·ネストには依頼が多く来ており、その日も武龍は修理したバルバロイで復興の手伝いをしていた。
バルバロイは構造的に作業がしやすく、背部に装備できる作業用のパーツを大蛇はなんとか作っていた。
そしてその日の作業が終わり、武龍は拠点に帰還して眠りにつく。
武龍「ハァ、ハァ、ハァ···」
子供の姿の武龍は学校の中を走っている。走って走って、そして躓く。
武龍「やめて···お願い···お願いだから···」
武龍は複数の男の子から殴られ、蹴られ、そして羽交い締めにされ、別の子供が右目の瞼を無理矢理開かせる。そして、右目の眼球を直接殴られる···
武龍「痛い!やめて!痛い!痛いよぉ!ヤメテヨォォォ!」
武龍は目を覚ます。酷く汗をかき、心臓も鳴り響いている。時計を見ると、まだ夜中の3:00だった。
武龍「またか···ちくしょう···ちくしょう···」
武龍は頭を抱え、布団の中で縮こまる···
提督となった武龍が着任する鎮守府が無いか探している戦艦水姫。『終結戦争』の後、『戦艦水姫改』となることで力を増し、あの巨大兵器に対抗できるような訓練も積んでいた。
そして深海棲艦の所有している海域の中に鎮守府"らしき"建物のある島を見つけたとの報告を受け、戦艦水姫改はその島に向かう。
そこには戦艦水姫改の先に青葉が来ていた。
戦艦水姫は復興を手伝う際、『南方棲戦姫』と共に武龍と仲良くなっており、現在は武龍のために色々と手を回している。
そして、戦艦水姫改はその鎮守府"らしき"建物を見て絶句した···
青葉「やっぱりそうなりますよね?私も驚きましたよ···」
その建物はボロボロであり、建て直しが必要な程だった。
戦艦水姫「お前はなぜ来てるんだ?」
青葉「危険なものはマークしておくためです!」
青葉はサムズアップしつつそう言った。
戦艦水姫改「なるほどな」
青葉「そういえば、戦艦水姫さんは深海棲艦としての名前以外になんて呼ばれてるんですか?」
戦艦水姫改「私か?私の本名は『マリアナ』だ」
青葉「なるほど!では改めてよろしくお願いします!」
戦艦水姫改「こちらこそ、よろしくな」
とりあえずその日は視察をするだけで終わった。
武龍は誰もいない場所で耳を押さえて蹲っていた···
耳を塞いでも頭の中に聞こえてくる夜逃げする前の言葉···
『お前はいらないんだよ!』『なんでお前なんか産んだんだ』『くっせぇ!汚ぇんだよ!』『こいつボコすとストレス発散できるわ~』『お前はモノなんだよ!モーノ!』『近づかないでください、汚物が』『まるで鴉だな···汚いゴミ漁りが』『鴉は鳩の餌場に来んなよ!』『この疫病神が!』『何もできないくせに、誰かを助けたいなんぞ作文に書くな!』『なんで泣いてんだよ?モノのくせに』
更に大量の言葉が頭の中に響き渡り、武龍は涙を流す···
武龍はこれまで、ある男性に渡された小説を読むことで自身を保っていた。しかしそれが親に燃やされ、その後夜逃げをした。
夜逃げの後、青葉達と出会ってからは戦いによって自身を保とうとしていた。
もちろん、青葉達といることで心は和らいでいた。しかしそれでも、武龍でも気づかない内に心の中のトラウマは大きくなってきており、そして今は本当の限界を迎えつつあった。
その日の夜中、アンが忘れ物を取りに資材庫へ行き、その帰りにトイレから出てきた武龍と鉢合わせした。
武龍の目には隈ができており、ゲッソリとした様子だった
アン「武龍様?顔色が悪いですよ?」
武龍「ごめん、ちょっと悪い夢見ちまってな···もう寝るよ。また明日」
そう言って武龍は自室に言ってしまった···『悪い夢を見た』そう言った武龍の顔はまるで怯えた子供のようだった···
アン「武龍様···」
翌日、アンは主要メンバーを集めた···
読んでくださり、ありがとうございます!
今回は武龍の裏側を出しました。武龍は誰にも見られないように必死に耐えてきていました。では、これからは?
●マリアナ
戦艦水姫のオリジナル。
他の深海棲艦達からは姉のように慕われており、武龍の事を弟のように思っている。