鴉の航路(ver2.0)   作:ダイヤモンド傭兵

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武龍の悪夢の頻度は減りつつあるものの、まだ深く残っていた。
しかし、武龍を救いたいのは艦娘や深海棲艦、AFだけではなかった。


34.5話 君に感謝を(新実装)

大蛇とリリは工廠にいた。目の前には並べられた部品やパーツがあり、それらは全てボロボロに破損していた。

 

大蛇「武龍を救うには、私達だけでは足りません」

 

リリ「そうですね」

 

大蛇「では、お願いします」

 

リリ「···はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

武龍は丘のベンチから海を眺めており、その顔は暗かった。

楽しいことは沢山あった。それでもやはり、トラウマはすぐには消えない。そしてこの状態の自分に対し、嫌悪感を抱いていた。

 

武龍(このままじゃダメだってのに、俺は何をやってるんだ···)

 

武龍は大きなため息をつき、頭を抱える。すると突然、背後から声をかけられる。

 

???「おおっ!前方に暗い顔で悩むレイヴンを発見!」

 

武龍が振り向くと、茶色のポニーテールの髪をした銀色のパイロットスーツを着た女性が立っていた。その右隣には銀色の短髪の白いパイロットスーツを着た女性が立っていた。

 

武龍「ええっと、2人は誰?」

 

茶色のポニーテールの女性は腰に手を当て、胸を張って答える。

 

茶色のポニーテールの女性

「ふふん、ボクはクレスト白兵戦型!クレ(はく)って読んでね!」

 

銀色の短髪の女性は腕組みをしながら静かに答える。

 

銀色の短髪の女性

「私はクレスト強襲戦闘型、『ミストアイ』と呼んで」

 

武龍は2人の自己紹介に唖然としている。

 

武龍「えっと···ど、どういうことだ?」

 

クレ白「なんだか良く解らないけど、大蛇とリリがボク達に肉体を与えて復活させてくれたんだ!」

 

クレ白は両手を広げ、深呼吸する。

 

クレ白「そうだ!それと···」

 

クレ白が何かを言いかけたところで、クレ白達の背後から何者かが声をかけてくる。

 

???「ここにいたか」

 

見ると、黒い軍服を着た黒い短髪の女性と赤いパイロットスーツを着た褐色肌で茶色の短髪の女性がいた。

黒い軍服の女性は武龍に右手を差し出して言う。

 

黒い軍服の女性

「私はシュープリスだ」

 

武龍がおずおずとシュープリスと握手をすると、横から赤いパイロットスーツの女性が腰に手を当てながら自己紹介をしてくる。

 

赤いパイロットスーツの女性

「私がバルバロイってんだ!よろしくな!」

 

武龍は目をパチクリさせている。シュープリスは丘から見える海を見て一言···

 

シュープリス「良い景色だ」

 

クレ白「同感だよっ!」

 

すると、ミストアイがクレ白達に問いかける。

 

ミストアイ「あなた達、武龍を探していた理由を忘れてないわよね?」

 

シュープリス「もちろん忘れてなどいないさ」

 

クレ白達は武龍に向き直ると、笑顔を向ける。

 

 

 

クレ白「ボク達は、君に感謝を伝えに来たんだよ!」

 

クレ白は腰に手を当て、胸を張って言う。

 

武龍「え、でも俺···クレ白とミストアイはほぼ全損させたし···」

 

すると武龍の頭をミストアイが優しく撫でる。

 

ミストアイ「私達は気にしていない。それに、私達はあなたを守れた。そこに後悔はない」

 

クレ白は武龍に向けてサムズアップする。

 

クレ白「むしろボク達の事をよく使ってくれてたしね!」

 

すると、シュープリスは武龍の前に立った。

 

シュープリス

「"AC"とは破壊のために使われることが大半であり、それを当たり前とする風潮があった。しかし君は破壊のためには使わなかった。それだけで我々にとっては幸せなのだよ」

 

ACという言葉に武龍は違和感を覚える。

 

武龍「ん?AC?」

 

クレ白「そうだよ。ボク達はACだよ。シュープリスとバルバロイは『ネクスト』だけど」

 

ACとネクストという言葉を聞いた武龍は更に違和感を覚える。

 

武龍「ACにネクスト···あれ、これ···」

 

バルバロイ「ん?ACとかネクストの事、知らないのか?」

 

 

 

武龍はACやネクストの事は自身が読んでいた小説ARMORED·COREに登場するものだと説明する。

 

武龍「でも、クレ白のパーツは俺が知ってるのと同じだし···」

 

しかし、武龍の話にクレ白達は疑問を持つ。

 

バルバロイ「神城 翔ねぇ···アタシは知らない『リンクス』だね」

 

シュープリス「その小説、気になるな。その翔という男、調べる必要がある」

 

クレ白「う~ん、もしかしたらボク達の後の世代のレイヴンかもね」

 

ミストアイ「だとしても、私達はAC。そしてあなたは機甲兵装として私達を使った、レイヴンでありリンクスよ」

 

武龍は空を見上げる。

 

武龍「なんだか···実感無いな」

 

 

 

 

 

クレ白「今さら実感なんてどうだって良いよ!君はボク達を破壊のための道具として使わなかったんださしさ!」

 

ミストアイ「そうね。じゃあ改めてよろしく」

 

シュープリス「そうだな、よろしく頼む」

 

バルバロイ「よろしくな!」

 

武龍の心の中には機甲兵装を自分が使って良かったのか、気になっていた。

 

武龍(ああ、俺···機甲兵装を使ってて、良かったんだ)

 

また少し、武龍の心は軽くなった。

 

 




読んでくださり、ありがとうございます!

遅れましたが、艦これ10周年おめでとうございます!

●クレ白
茶色のポニーテールの髪型で身長160cm、肉体年齢は18歳。
銀色のパイロットスーツを着ている。

明るく、まるで柴犬のような印象であり、大蛇とリリの手により機甲兵装の状態から肉体を与えられた。
(後述のミストアイ、シュープリス、バルバロイも同様)

●ミストアイ
銀色の短髪で身長162cm、肉体年齢は18歳。
白いパイロットスーツを着ている。

静かで常に冷静な性格をしている。
また、名前の由来は頭部パーツの名称から。

●シュープリス
黒い短髪で身長170cm、肉体年齢は19歳。
黒い軍服を着ているが、その下に黒いパイロットスーツを着ている。

冷静な性格で、軍人のような雰囲気を醸し出している。

●バルバロイ
茶色短髪で身長168cm、肉体年齢は18歳で褐色の肌である。
赤いパイロットスーツを着ている。

溌剌(はつらつ)とした性格で、卑怯な事を特に嫌っている。

●小説
実は武龍が過去に渡されたのは翔が最初に出版したものであり、全9巻の方は完全版となっている。
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