しかし、武龍を救いたいのは艦娘や深海棲艦、AFだけではなかった。
大蛇とリリは工廠にいた。目の前には並べられた部品やパーツがあり、それらは全てボロボロに破損していた。
大蛇「武龍を救うには、私達だけでは足りません」
リリ「そうですね」
大蛇「では、お願いします」
リリ「···はい」
武龍は丘のベンチから海を眺めており、その顔は暗かった。
楽しいことは沢山あった。それでもやはり、トラウマはすぐには消えない。そしてこの状態の自分に対し、嫌悪感を抱いていた。
武龍(このままじゃダメだってのに、俺は何をやってるんだ···)
武龍は大きなため息をつき、頭を抱える。すると突然、背後から声をかけられる。
???「おおっ!前方に暗い顔で悩むレイヴンを発見!」
武龍が振り向くと、茶色のポニーテールの髪をした銀色のパイロットスーツを着た女性が立っていた。その右隣には銀色の短髪の白いパイロットスーツを着た女性が立っていた。
武龍「ええっと、2人は誰?」
茶色のポニーテールの女性は腰に手を当て、胸を張って答える。
茶色のポニーテールの女性
「ふふん、ボクはクレスト白兵戦型!クレ
銀色の短髪の女性は腕組みをしながら静かに答える。
銀色の短髪の女性
「私はクレスト強襲戦闘型、『ミストアイ』と呼んで」
武龍は2人の自己紹介に唖然としている。
武龍「えっと···ど、どういうことだ?」
クレ白「なんだか良く解らないけど、大蛇とリリがボク達に肉体を与えて復活させてくれたんだ!」
クレ白は両手を広げ、深呼吸する。
クレ白「そうだ!それと···」
クレ白が何かを言いかけたところで、クレ白達の背後から何者かが声をかけてくる。
???「ここにいたか」
見ると、黒い軍服を着た黒い短髪の女性と赤いパイロットスーツを着た褐色肌で茶色の短髪の女性がいた。
黒い軍服の女性は武龍に右手を差し出して言う。
黒い軍服の女性
「私はシュープリスだ」
武龍がおずおずとシュープリスと握手をすると、横から赤いパイロットスーツの女性が腰に手を当てながら自己紹介をしてくる。
赤いパイロットスーツの女性
「私がバルバロイってんだ!よろしくな!」
武龍は目をパチクリさせている。シュープリスは丘から見える海を見て一言···
シュープリス「良い景色だ」
クレ白「同感だよっ!」
すると、ミストアイがクレ白達に問いかける。
ミストアイ「あなた達、武龍を探していた理由を忘れてないわよね?」
シュープリス「もちろん忘れてなどいないさ」
クレ白達は武龍に向き直ると、笑顔を向ける。
クレ白「ボク達は、君に感謝を伝えに来たんだよ!」
クレ白は腰に手を当て、胸を張って言う。
武龍「え、でも俺···クレ白とミストアイはほぼ全損させたし···」
すると武龍の頭をミストアイが優しく撫でる。
ミストアイ「私達は気にしていない。それに、私達はあなたを守れた。そこに後悔はない」
クレ白は武龍に向けてサムズアップする。
クレ白「むしろボク達の事をよく使ってくれてたしね!」
すると、シュープリスは武龍の前に立った。
シュープリス
「"AC"とは破壊のために使われることが大半であり、それを当たり前とする風潮があった。しかし君は破壊のためには使わなかった。それだけで我々にとっては幸せなのだよ」
ACという言葉に武龍は違和感を覚える。
武龍「ん?AC?」
クレ白「そうだよ。ボク達はACだよ。シュープリスとバルバロイは『ネクスト』だけど」
ACとネクストという言葉を聞いた武龍は更に違和感を覚える。
武龍「ACにネクスト···あれ、これ···」
バルバロイ「ん?ACとかネクストの事、知らないのか?」
武龍はACやネクストの事は自身が読んでいた小説ARMORED·COREに登場するものだと説明する。
武龍「でも、クレ白のパーツは俺が知ってるのと同じだし···」
しかし、武龍の話にクレ白達は疑問を持つ。
バルバロイ「神城 翔ねぇ···アタシは知らない『リンクス』だね」
シュープリス「その小説、気になるな。その翔という男、調べる必要がある」
クレ白「う~ん、もしかしたらボク達の後の世代のレイヴンかもね」
ミストアイ「だとしても、私達はAC。そしてあなたは機甲兵装として私達を使った、レイヴンでありリンクスよ」
武龍は空を見上げる。
武龍「なんだか···実感無いな」
クレ白「今さら実感なんてどうだって良いよ!君はボク達を破壊のための道具として使わなかったんださしさ!」
ミストアイ「そうね。じゃあ改めてよろしく」
シュープリス「そうだな、よろしく頼む」
バルバロイ「よろしくな!」
武龍の心の中には機甲兵装を自分が使って良かったのか、気になっていた。
武龍(ああ、俺···機甲兵装を使ってて、良かったんだ)
また少し、武龍の心は軽くなった。
読んでくださり、ありがとうございます!
遅れましたが、艦これ10周年おめでとうございます!
●クレ白
茶色のポニーテールの髪型で身長160cm、肉体年齢は18歳。
銀色のパイロットスーツを着ている。
明るく、まるで柴犬のような印象であり、大蛇とリリの手により機甲兵装の状態から肉体を与えられた。
(後述のミストアイ、シュープリス、バルバロイも同様)
●ミストアイ
銀色の短髪で身長162cm、肉体年齢は18歳。
白いパイロットスーツを着ている。
静かで常に冷静な性格をしている。
また、名前の由来は頭部パーツの名称から。
●シュープリス
黒い短髪で身長170cm、肉体年齢は19歳。
黒い軍服を着ているが、その下に黒いパイロットスーツを着ている。
冷静な性格で、軍人のような雰囲気を醸し出している。
●バルバロイ
茶色短髪で身長168cm、肉体年齢は18歳で褐色の肌である。
赤いパイロットスーツを着ている。
●小説
実は武龍が過去に渡されたのは翔が最初に出版したものであり、全9巻の方は完全版となっている。