鴉の航路(ver2.0)   作:ダイヤモンド傭兵

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武龍サイドの艦隊はスリガオにて秘匿艦娘を迎え撃つ。戦争を終わらせる艦は、どのような運命を辿るのか···


第45話 存在を憎みし不信(ver2.0)

スリガオ海域にてロイヤル、時雨、夕立、伊58はオリジナルの海峡夜棲姫の率いる艦隊と共に秘匿艦娘を待ち受けていた。

 

ロイヤル「もうすぐ来る頃ね」

 

時雨は深呼吸をし、夕立は背伸びをする。

 

ベス《···》

 

時雨「ベス、何か考えてるの?」

 

ベス《はい···1つ、ある仮説を考えていまして···それがこの戦闘に関係する可能性があるので少し考えていました》

 

伊58「なんの仮説でち?」

 

ベス《秘匿艦娘の事ですが、調べたところによると彼女達は最初から改二で建造されたようです。しかし、元から設計図のみだったものを建造するだけでも深海棲艦として誕生するリスクがあるのに、最初から改二などと···

 

そうなると、艦娘や深海棲艦になる以前にその"魂そのもの"に過剰な負荷がかかるはずです》

 

海峡夜棲姫は2人とも哀れむような表情を浮かべる。

 

海峡夜棲姫(白)

「負荷が掛かるってことは···」

 

海峡夜棲姫(黒)

「不幸なことしか起きませんね···」

 

ベス《はい。なので私の仮説というのは、『魂が不安定が故に自我と肉体を保てない』、あるいは『非常に短命』という事です···》

 

ロイヤルはため息をつく。

 

ロイヤル「どのみち短命なら、この戦争の最中に命が途絶える可能性があるわね···けどそんなの、あんまりじゃない」

 

ベスは眉を潜め、周囲の反応を確認する。

 

ベス《私の杞憂で終われば良いのですが·····来ましたよ》

 

 

 

推奨BGM『HIGH FEVER (sweetest thing)』(ACVDより)

 

 

 

海に大量の量産型が見えてくる。すぐにロイヤルやヲ級flagship、ヌ級flagshipが艦載機を発艦させ、攻撃を仕掛ける。更にル級flagshipやタ級flagshipが砲撃し、近づく前に数を減らそうとする。

しかし前線のル級flagshipが海中からの魚雷のようなものを受けて轟沈する。

 

タ級「なっ!?これは···潜水艦よ!」

 

ベス《ということは···来たのはウォーエンドですね!総員、対潜体制!》

 

ヌ級flagshipが空から機雷をばらまくが、ウォーエンドはスイスイとかわしながら魚雷を撃ち込んでいく。その魚雷はミサイルに近い追尾性能を持っており、動きの遅い深海棲艦は振り切れずに劇はされてしまう。

 

その隙に量産型は攻勢を強める。時雨と夕立は量産型に突撃し、伊58はウォーエンドを倒すために思いついた作戦をロイヤルに伝える。

 

ロイヤル「なるほどね···やるからには、必ず成功させなさい!」

 

ロイヤルはウォーエンドがいるであろう方向に進み、艦載機を発艦させる。

 

ロイヤル「さぁ、引きこもりの潜水艦!さっさと出てきなさい!」

 

するとどこからか声が聞こえてくる。

 

ウォーエンド「そんな安い挑発には乗らないけど、君は厄介だから沈めさせてもらうよ」

 

ロイヤルにミサイルが発射されるが、ロイヤルは手に持つ弩によってミサイルを海面近くに来たミサイルを撃ち抜いていく。

 

ロイヤル「そんな単純な事しかできないなんて、愚かねぇ!」

 

 

 

その間、時雨は踊るように砲撃していき、夕立は三次元的な動きで翻弄する。更に時雨の踊るような攻撃に合わせ、夕立は時雨の肩を踏み台にして三次元機動をより複雑化している。

そして、その2人を海峡夜棲姫と深海棲艦達が援護する。

 

海峡夜棲姫(白)

「もう不幸は繰り返させない···」

 

海峡夜棲姫(黒)

「不幸を、乗り越えてみせる!」

 

海峡夜棲姫に接近したN型にイ級flagshipがタックルで怯ませ、そこにネ級flagshipが砲撃する。そして海峡夜棲姫は周囲の量産型に一斉砲撃し、その量産型達は纏めて撃破される。

 

 

 

ロイヤルがウォーエンドを攻撃を防ぎつつあるなか、突然泳いでいたウォーエンドの腹部に魚雷が連続で命中し、装甲を貫かれる。

 

ウォーエンド「ガハァッ!真下からだって!?」

 

ウォーエンドの真下には真上を向いて魚雷を構える伊58がいた。

 

伊58「真下からの攻撃···武龍のアイデア、ドンピシャでち!」

 

反撃しようとしたウォーエンドの足に後方から忍び寄っていた潜水ヨ級flagshipと潜水ソ級flagshipが魚雷を命中させる。

 

ウォーエンド「このっ!」

 

再び真下からの魚雷を受け、ウォーエンドは浮上する。そこに待っていたのはロイヤルの放った矢だった。その矢はウォーエンドの右目に突き刺さり、ウォーエンドは悶える。

 

ウォーエンド「がああああああああっ!痛いっ!痛いぃぃっ!」

 

そこに深海棲艦による更なる追撃が与えられる。すると時雨達が量産型を殲滅し、戻ってくる。

 

ロイヤル「ウォーエンド、あなたのしようとしていることは一理あるけれど、戦争が終わっているのになぜ再び戦争を起こそうなんてしたの?」

 

ウォーエンドは右目に突き刺さった矢を抜き、右目を押さえながらロイヤルを睨み付ける。

 

ウォーエンド「フゥー、フゥー···そんなの、簡単じゃないか···原因だよ···君達の存在そのものが、戦争の火種なんだよ!火種は···1つ残らず消えるべきだぁ!」

 

ウォーエンドは無理矢理魚雷を発射しようとし、既に損傷していた魚雷が爆発し、ウォーエンドの両腕が吹き飛ぶ。

しかしウォーエンドはそれでも向かおうとする。

 

ウォーエンド「ヒダネはぁ!全部ケシサル!全部!ゼンブ!誰もシンライするものか!誰も!誰もぉぉぉォォォオ"オ"オ"!」

 

ウォーエンドの深海化が始まり、ウォーエンドの体は竹が割れるような音と共に変異を始める。しかし唐突に苦しみ始める。

 

ウォーエンド「グッ···ヴオェェ···なんダ、コレ···!?」

 

ウォーエンドの肉体はまるで土人形が崩れていくように剥がれ落ちていく。

 

ベス《まさか···限界が···》

 

ウォーエンドは前に進もうとしたものの、遂に全身が剥がれ落ちてしまった。

 

ロイヤル「···こんな終わり方、あんまりじゃない!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新型秘匿潜水艦『ウォーエンド』

 

スリガオ海峡にて自壊。多数のG型と共にスリガオ海峡に侵攻したものの、伊58の提案した作戦により大破。その後深海化し始めたものの、限界を向かえて体が自壊した。

 

その不信心は設計図の頃に多数の人間によって売買され、誰1人として自身を本物だと信じていなかった事が理由として挙げられている。

 

撃破数は計300を超えているが、ゴアとは違い、ほとんどが本人の撃破によるものであるとされる。もっとも、トドメを刺していったものが大半なのだが···

 

 




読んでくださり、ありがとうございます!

●秘匿艦娘の自壊
現在現れている秘匿艦娘はいずれも設計図のみだった状態から無理矢理改二として建造されており、精神が不安定なだけに留まらず魂そのものに過剰な負荷がかかっている。

そのため個体差はあれど短命であり、限界を向かえると肉体を維持できずに自壊してしまう。
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