武龍の鎮守府に向かって一直線で走っている1人の秘匿艦娘がいた。機械の足故に疲れることはなく、走り続ける。その秘匿艦娘は下半身が銀色の馬の体となっているケンタウルスだった。そして鎮守府が見えてくると、空を見上げている深海棲艦が立っていた。
白髪のツインテールの髪の深海棲艦、深海鴉棲姫はケンタウルスの方を向くと刀に手を掛ける。
深海鴉棲姫「お前1人か?」
ケンタウルスは深海鴉棲姫に槍の矛先を向ける。
ケンタウルス「ああ。勝つために、雑魚など不要だからな。それに、お前こそ1人か?」
深海鴉棲姫は笑みを浮かべる。
深海鴉棲姫「お前のような奴とは、1対1で戦いたいからな」
ケンタウルスは納得したような表情を浮かべると、槍を構え直す。深海鴉棲姫は刀を抜き、正面に構える。
推奨BGM『Sirent Line Ⅲ』(ACSLより)
ケンタウルス「新型秘匿重巡、ケンタウルス」
深海鴉棲姫「深海棲艦、深海鴉棲姫」
2人「「参る!」」
2人は同時に駆け出す。ケンタウルスは初手から突きを繰り出し、深海鴉棲姫はその突きを回避しながら突くが、ケンタウルスも同様に回避する。
そして互いがすれ違う瞬間、互いに目が合う。
深海鴉棲姫はすぐに振り向くが、ケンタウルスはそのまま走って大きく旋回してから突撃してくる。ケンタウルスは横薙ぎに槍を振るが深海鴉棲姫はしゃがんで回避し、ケンタウルスの右足の膝に掌底を当てる。
しかし効果は薄く、ケンタウルスは逆手に持った槍で串刺しにしようとするが深海鴉棲姫は横に転がって回避する。そして刀を横に薙ぎに振って3機の爆撃機を同時に発艦させる。
至近距離からの爆撃は流石に回避できず、ケンタウルスの下半身に爆撃が全弾命中する。
ケンタウルス「やるじゃないか!」
ケンタウルスは後ろ足で蹴りつけ、深海鴉棲姫は回避しきれずに左腕が砕かれ、おかしな方向に曲がって垂れ下がってしまう。
しかし深海鴉棲姫は自身の左腕を斬り落とすと同時に刀を納め、海面に落ちた左腕を拾いつつ転がる。
そして立ち上がると共に、ケンタウルスの顔面に左腕から滴る血をかけ、そのまま左腕を投げ捨てる。
ケンタウルス「なっ!?」
怯んだケンタウルスの体に居合い斬りを命中させる。
深海鴉棲姫「トドメだ!」
深海鴉棲姫はケンタウルスの心臓に刀を突き刺す。
ケンタウルス「ここまで、来て···負ける、か···」
ケンタウルスは目を見開いたまま息耐えた···
すると、後方で待機していた天龍、龍田、暁、響、雷、電の6人が合流する。
天龍「力···か、それを求めるならなんでここまでするんだよ」
天龍は沈んでいくケンタウルスの死体を眺めながらそう呟く。
龍田「もしかしたら、強者を越えるっていうより···自分の力を認めてもらいたかったんじゃないかしら?」
暁「そうかもね。ただ、その方法を間違えちゃっただけで···」
響「そもそも、設計図を無下に扱うことが無ければ、こんなことは起こらなかったのかもね···」
雷「それはわからないわ。けど、もっと別の方法はあったはずよ」
電「今でもどこかで思うのです···どうにかして、解り合えたんじゃないかって···」
ジュリアス《過ぎた事は仕方ない。ただ、2度とこのようなことを起こさなければ良いだけだ···総員、帰還しろ》
新型秘匿重巡『ケンタウルス』
深海鎮守府正面海域にて轟沈。強者との戦いを求めて戦争を起こすことに賛同し強者を求めたが、1対1を望んだ深海鴉棲姫との決闘に破れ、撃破される。
設計図の時点で燃料のコストの高さが問題視されており、性能は圧倒的だが長時間の戦闘が不可能であり、スピードと特殊な装甲を活かして艦首につけられた巨大な"槍"で敵艦に突撃し、貫くという戦術が有効なのかは疑問視された。
しかし開発者意外は誰もケンタウルスの事を認めず、開発は打ち切られた。
ケンタウルスが強者を求めるのは、親である開発者に己の力を見せつけたかったからなのかもしれない。
読んでくださり、ありがとうございます!
ケンタウルスと深海鴉棲姫との決闘、どうだったでしょうか?
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