秘匿艦娘達との戦争が始まる前、武龍と深海棲艦達との戯れとは···
レキ「行くぜぇっ!」
武龍「うおおおおおおっ!」
2人はティラノサウルスに向かって棍棒を振りかざし、突撃する。しかしレキはティラノサウルスに頭から食われてしまう。
武龍「レキィィィィッ!」
そして武龍も食われてしまう。
武龍「だああああぁっ!またかよ!」
レキ「拠点の位置にティラノいるとかマジかよ···」
2人はゲームのコントローラーを置いてうち倒れる。それを見ていたヘンダーソンが訪ねる。
ヘンダーソン「なんでそもそも棍棒なんかで挑もうと思ったのよ?」
武龍とレキは顔を上げて答える。
武龍「資材無いし、棍棒には棍棒のロマンがあるし」
レキ「どうせならペットにしたいし」
ヘンダーソンはそれに対し、額に手を当ててため息をつく。
ヘンダーソン「それダメなやつじゃない···ていうか、パチンコとか無いの?」
レキは少し考えると、道具箱に入れておいたのを思い出した。
レキ「そういえばあったな···よし武龍行くぞ!あと少しで気絶するはずだ!」
武龍「おうやってやんよ!あの野郎···何度でも、何度でも凸ってやんよ!」
ヘンダーソンはそんな2人を暖かい目で見守っていたのだった。
ヘンダーソン「·····」
そしてその直後、再び2人はうち倒れるのだった···
ある日、夜な夜な渾が鎮守府の森に向かっていくのを見たとツルから聞いた武龍はツルと夕立(たまたま居合わせた)と共に渾を尾行することに。
暗視装置を着けた武龍は渾の持ち物に疑問を覚える。
武龍「あれは···タッパー?」
ツル「そうね···中に何か入ってる」
すると渾は小さな崖に向かっていく。
夕立「あっ!崖を降りたっぽい!」
崖から覗き込むと、その下で渾は1匹の三毛猫に魚をあげていた。
ツル「そういえば最近よく釣りに行ってると思ったら、そういうことだったのね」
武龍「そういえばそうだな」
渾が釣りに行っていた事を知らない夕立は首をかしげる。
夕立「そうっぽい?」
しかし三毛猫が上を見上げて一声鳴いた。そして上を見上げた渾と武龍の目が合った。
渾&武龍「「あ···」」
渾は三毛猫を抱えて逃げようとするが、ツルの艦載機によって阻まれる。
渾「ち、違うの!この子は前からこの島にいたみたいで、そのっ···」
渾は必死に弁解しようとするが、武龍は三毛猫を見つめながら予想外の言葉を発する。
武龍「猫かわいい···」
渾「···え?」
渾は最初は怒られるのかと思ったが、武龍達は怒っている様子は全く無かった。
武龍「いや、猫飼うぐらい良いんじゃないかって思うし···まあ、飼うっていうよりかは同居って感じかな?」
武龍がツルと夕立の方を見ると、2人は頷いている。
ツル「正直癒しにもなりそうだし、コアだって案外猫好きだし」
夕立「そうそう!」
渾「皆···ありがとう!あ、この猫は『ニム』って名付けたの!」
ニム「
ある日、武龍は風邪を引いた。
セイレーン「軽い風邪ね。私達深海棲艦には無縁だけれど、艦娘は風邪引く可能性があるから気をつけて。武龍も、部屋で安静にしてなさい」
武龍「わかった。ゴホゴホ、ありがとう」
セイレーン「ほら薬」
その後武龍が自室で寝込んでいると、昼食の時間になる。すると扉がノックされ、セイレーンがお粥を持ってくる。
セイレーン「ほら、栄養満点のお粥よ」
武龍「ありがとう···」
セイレーン「お礼は鳳翔にいうんだよ。彼女、栄養バランスを結構考えてくれたんだから」
武龍「うん、そうするよ···」
その後はセイレーンの薬のお陰もあって完治したのであった。
ある雨の日、武龍は和室で古風と将棋を差していた。
古風「はい、王手」
武龍「マジかよ···」
武龍は古風にあっという間に王手を取られてしまっていた。これで武龍は4戦4敗であり、2戦目は良いところまで行ったが負けてしまった。
古風「今度はもっと歩と銀を有効活用してみて」
武龍「なるほどな···」
すると和室にパシーが入ってくる。パシーは将棋盤を見ると目を丸くする。
パシー「Oh!確かこれってショーギ?」
古風「そうよ」
パシー「···私もやってみて良いかしら?」
古風「良いわよ。武龍、ちょうど良いからパシーとやってみて」
武龍「よしっ!」
武龍とパシーは静かに駒を差し、武龍が勝利した。
パシー「やっぱり練習してると違うわね···」
ある晴れた日、ロイヤル、大蛇、蛟、ミッドウェーでお茶会をしていた。
武龍「やっぱりロイヤルの紅茶は旨い!」
ロイヤル「それは良かったわ!」
お茶会は和やかに進んでいたが、不意に武龍が以前耳にした事の疑問を大蛇に聞いてみる。
武龍「そういえば、計画だけで終わった船に80cm砲を8つも積んだ船があったって聞いたけど、大蛇とはどっちが強いんだ?」
大蛇「それは判りませんね。例え相対したとしても、性能差だけでなく、扱う者の技量も合わさってきますし···」
実際、艦娘でも練度の違いで駆逐艦が重巡や戦艦に勝利する事例があったりしている。
大蛇「その船の性能はどうなのか解りませんが、私の76cm2連装砲は特殊な装填機構により、ある程度連射性が高く、速力もかなりありますからね。それに···この私のZF型であれば間違いなく勝てます」
数日前の演習で大蛇と対戦したミッドウェーは項垂れる。
ミッドウェー「ZF型はもはや反則級だろ···」
蛟「それは同意します」
すると今度はロイヤルが蛟に質問を投げかける。
ロイヤル「蛟の場合は?」
蛟「私は大量の艦載機を搭載できるので、1対1なら本体が轟沈しても勝つことは十分可能性でしょう。しかし実際の戦闘では他の船も来るでしょうし、それであれば判りませんね」
ロイヤルはそれに頷く。そしてその後も楽しいお茶会は続くのだった。
マリアナはある日、武龍の部屋に来たがノックしても返事が無い。ドアノブに触れてみると鍵は開いている。そっとドアを開けると、部屋の隅で丸まって震えている武龍を見つける。
マリアナ「武龍···」
まるで小さな子供のように縮こまり、怯えている武龍にマリアナは触れようとするが、武龍はより縮こまった。マリアナは武龍をそっと抱き締める。
武龍は逃れようとするが、マリアナは優しく力を込める。
マリアナ「大丈夫、大丈夫だ。もうあいつらはいない···ここには私達がいる」
武龍の耳元でそう囁くと、武龍は逃れようとしなくなる。マリアナは武龍の頭を優しく撫で、武龍は次第に震えが収まってゆく···
ふと気づくと、マリアナは自室のベッドの上だった。
マリアナ「なるほど、少し夢を見ていたか···」
マリアナは起きて身支度を済ませ、食堂に向かう。そこで武龍を見つけるととりあえず頭を撫でておくのだった。
武龍が鎮守府の砂浜を散歩していると、椅子にもたれ掛かって海を見つめるコアがいた。傍にはリリがフルーツジュースを飲んでいる。
コア「武龍か···なぁ、少し海を眺めていかないか?」
武龍はリリが用意した椅子に座って海を眺める···その場はとても静かで、波と風の音しか聞こえない···ぼうっと眺めているだけでも、とても落ち着く···しかしずっと見ていると、僅かに違和感を感じる···まるで海が震えているかのような···
コア「武龍も感じたようだな···海が震えていることに」
武龍はそれに頷く。
武龍「ああ···」
コア「これからまた、何か良くないことが起きる。その時はまた、共に戦ってくれるか?」
コアは武龍の方を向いて聞くが、武龍はサムズアップしている。
武龍「当たり前だ···また戦争が始まるなら、終わらせるだけだ」
コア「ありがとう···」
すると3人の所にセンがやって来る。
セン「あ~ら、ここにいたのね武龍。コアは海眺めるのが本当に好きね。私もだけれど」
コアはセンを誘い、センは持ってきた折り畳みの椅子を置いて腰掛ける。
コア「お前も眺めていくか?」
セン「フフッ、そのつもりで来たもの」
読んでくださり、ありがとうございます!
今回の番外編は第37話の少し前のお話です。どうだったでしょうか?感想やがあれば遠慮なく送ってください!
●武龍とレキのプレイしていたゲーム
ぶっちゃけ言うと『A○K』。2人は何も知らずに始めたため、ティラノなとが出る位置からスタートしてしまっていた···
●ニム
渾が鎮守府の森で見つけた三毛猫。
実は前の飼い主から『フェルナンドス』と名付けられており、とある王国で飼われていた。
しかし深海棲艦と人類との戦争に巻き込まれ、小舟と共に流れ着いた。