鴉の航路(ver2.0)   作:ダイヤモンド傭兵

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ある雨上がりの日、武龍とミッドウェーはとある場所を訪れる。


番外編 雨上がり(新実装)

雨上がりの日──

 

とある瓦礫が残る、かつて町だった場所にある簡素な慰霊碑。その前で手を合わせる男女がいた。武龍とミッドウェーである。本当なら青葉と大蛇も来るはずだったのだが、それぞれ用事が入ってしまったため来れなかった。

 

ミッドウェー「···なぜ、ここの慰霊碑に手を合わせる?この町の人間は君を散々な目に合わせたのだろう?」

 

武龍「ああ。けど、関係の無い人もいたとは思う。だからその人達のために、俺の故郷だった場所としても、こうしたかったんだ」

 

武龍は周囲の瓦礫を見渡す。かつて自身が引き取られた先の町であり、夜逃げした日に空爆を受けて瓦礫と化した町。この町にいた両親は本当の親ではなく、本当の両親の親族である。

 

引き取られる前に住んでいた場所は覚えていないが、武龍にとってはさほど問題ではないように感じている。

 

武龍「なぁミッドウェー、ちょっと歩いてみないか?」

 

武龍とミッドウェーは周囲を歩いてみる。ほとんどが瓦礫ではあるものの、僅かに残ったものが1つだけあった。それは武龍が夜逃げした際に最初に逃げ込んだ公園だった。

 

今では噴水は止まり、広場には工事業者のプレハブ小屋とテントがある。一通り公園を見て回ると、2人は青葉と出会った場所まで行く。

 

武龍「懐かしいなぁ。ある意味、ここから始まったと言っても良いくらいの場所だ」

 

ミッドウェー「ここが、武龍にとっての始まり、か···」

 

暖かい日の光が2人を照らし、2人は近くの木の下に座る。そしてぼんやりと海を眺めていると、心地よい風と暖かな日光により少しずつ眠気がやって来る。

 

ミッドウェー(なんだか気が抜けるな。少しだけ、少しだけ眠るか···)

 

そして、ミッドウェーはゆっくりと瞼を閉じるのだった。

 

 

 

 

 

ミッドウェーは暗い空間に立っていた。すると前方に歪んだ姿をした艦娘達が現れ、ミッドウェーにふらつきながらも歩み寄ってくる。ミッドウェーは悪寒を感じて引き下がる。

 

すると突然、ミッドウェーの後方から頭上を飛び越えて武龍が現れる。武龍は機甲兵装(バルバロイ)を頭以外に装備しており、歪んだ艦娘達に攻撃していく。

 

武龍の攻撃により、歪んだ艦娘達は次々と倒されていく。しかし歪んだ艦娘達は数を増やしていき、武龍は劣勢となる。そして次第に被弾が増えていき、遂には膝をつく。そこに歪んだ艦娘達は一斉に武器を向ける。

 

ミッドウェー「やめろ···」

 

歪んだ艦娘達の引き金にかかる指に力が入る。

 

ミッドウェー「やめろぉぉぉぉぉ!」

 

ミッドウェーは大量の艦載機を発艦させ、歪んだ艦娘達に攻撃する。歪んだ艦娘達は倒れ、ミッドウェーは武龍に駆け寄る。

すると、周囲の歪んだ艦娘達が喋り出す。

 

歪んだ艦娘A「なんで助けるの?」

 

歪んだ艦娘B「アンタら深海棲艦が嫌ってる"人間"だよ?」

 

歪んだ艦娘C「しかも深海棲艦を沢山沈めた」

 

歪んだ艦娘D「あなたの敵でしょう?」

 

歪んだ艦娘E「一緒に沈めましょう?」

 

ミッドウェーは拳を握り締め、立ち上がる。

 

ミッドウェー「確かに、この男は数多の深海棲艦を沈めた。しかし同時に数多の深海棲艦を救った···私も、その救われた深海棲艦の1人だ」

 

ミッドウェーは歪んだ艦娘達を睨み付ける。

 

ミッドウェー「だから私は···武龍を、守る!」

 

ミッドウェーは艤装を展開する。しかしこれまでの艤装と違い、両肩に1枚ずつ飛行甲板が、両手には14cm単装砲が現れる。

 

ミッドウェー「何度でも、何度でも沈んでいけ」

 

ミッドウェーは艦載機を発艦させると共に、単装砲の引き金を引く。

 

 

 

 

 

目が覚めると、ミッドウェーは頭を武龍の肩に預けて寝ていた。いつの間にか武龍も寝ていたようで、柔らかな寝息を立てている。その顔を見たミッドウェーはあることに気づく。

 

ミッドウェー(そうか、だから私は···)

 

 




読んでくださり、ありがとうございます!

今回は始まりの場所に訪れると共に、ミッドウェーの新たな艤装が発現した時の話を書きましたが、どうだったでしょうか?
感想、いつでもお待ちしています!
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