DLCです。本編(番外編と外伝も含む)を全て読み終わっていない方は、読み終わってから来てください。
DLC① 第0話 時を超えし者達(ver2.0)
ある日突如として現れた深海棲艦達によって、世界は混乱に陥った。
そんな時、ある海辺に和と洋の要素を合わせた屋敷があり、その敷地内の丘に、1人の車椅子の男性が、妖精達と共に海を眺めていた。
男性は手や膝、肩の上に立つ掌サイズの妖精達に対し、海と空の境界を眺めている。
男性「君達の話しは解ったよ···」
その男性は翔であり、膝の上に立っているリリは俯く。
リリ「すみません、言えずにいて···」
翔「気にしないで。何かあることは前から気づいてたから」
優しい笑みを浮かべながら答えた翔に、左手に立っている家具を作る家具妖精が告げる。
家具妖精「私達はもうじき行かなくてはなりません」
翔「そっか···なら、3つだけお願いしていいかい?」
翔の頼みに、右肩に立っている工廠妖精が"お願い"の内容を聞く。
工廠妖精(右肩の上)「···なんです?」
翔の表情は急に真剣なものとなる。
翔「1つ目は、僕が前に話した『イレギュラー』や『ドミナント』を探し出してほしいんだ。
2つ目はそれに該当する人を見つけたら、助けてあげてほしいんだ。イレギュラーやドミナントがいれば、きっと良い方向に行けるはずだから···」
妖精達はその願いに頷いている。そして翔は、1度空を見上げてから最後の"お願い"をする。
翔「3つ目は···僕のAMSを使って、僕の記憶の中にある秘匿艦船とAFをこの世界に呼び出してほしいんだ···もちろん、君達の創ろうとしている"艦娘"っていうのと同じ方法で」
最後の"お願い"を聞いた妖精達の表情は凍りつき、左肩に立っている羅針盤妖精が口を開く。
羅針盤妖精
「2つは良いですけど、最後の1つは無理です!そんなことをしたら···!」
翔は首を頷き、優しい笑みで言う。
翔「良いんだよ。これは僕が出した"最後の答え"なんだ。聞いてくれるかい?」
右手に立っている艦載機妖精は涙目になっている。
艦載機妖精「でも···」
翔は眉毛を僅かにハの字にして言う。
翔「お願い···」
リリは涙を流しながら、その願いを承諾した。
リリ「···解りました」
そして男性と妖精達は屋敷の個室に向かった。そこにいたのは、翔の妻である愛海だった。
翔は愛海にこれから始まることと自身の答えを告げる。
愛海「そう···あなたが最後に選んだ答えだから、私はその先を見届けるわ···でも···最後に私の作ったコーヒー、飲んでいって」
そう言うと、愛海は男性に静かに口づけをし、コーヒーを作り始める。
そして翔が愛海のコーヒーを飲み終わると、2人は妖精達と共に地下施設最下層の格納庫に向かう。
翔は後に建造される秘匿艦娘とAFに向けた"依頼"をビデオに撮った後、コルヴィスに乗り込む。
コルヴィスに妖精達が機材を取り付け終わると、翔はAMSの管を接続し、工廠妖精が装置を起動させるためのボタンを押そうとする。しかしそれを愛海が優しく止める。
愛海「私にやらせて···」
愛海は涙を流し、翔の乗っているコルヴィスを見上げる。
愛海「ねぇ、翔·····ありがとう」
翔は目頭が熱くなりながらも、最期の言葉を愛海に伝える。
翔《僕からも···ありがとう!》
愛海はボタンをそっと押した。その瞬間、翔のAMSから火花が飛び散り、一瞬の痛みと共に情報が機材に転送され、翔の脳は焼かれた···
そして愛海はその場に崩れ落ち、静かに泣いた。
それを、後の応急修復女神が見ていた···
そして、リリ達は後の応急修復女神の元へ向かい、1トンの金平糖を献上すると共にAFと秘匿艦船から艦娘を創ることを許可された。
秘匿艦娘とAF達が建造され、ドックから出てくる。それぞれが困惑しているなか、リリはこの時代の事と深海棲艦の事を伝える。
しかし、AF達は人類を守ることに否定的だった。
カブラカン「殺すんじゃなくて守るのか···難しいなぁ···」
カブラカンは頭を掻いており、スティグロは笑顔で真っ向から否定する。
スティグロ「う~ん、守る価値無しかな☆」
アンサラーに至っては人類を滅ぼすつもりである。
アンサラー「人間は全て滅ぼしましょう···私達の未来が訪れる前に」
だが、AF達が否定的ながらも安定しているのに対し、秘匿艦娘達の様子はおかしかった···
蛟「私ハ···ナゼ呼バレタノデス?AF達ダケデ十分デショウ?」
大蛇「守レナカッタ···私ト蛟ヲ見ツケテクレタ アノ人ヲ守モレナカッタ···ソンナ未来ナラ···」
リリ達にも予想外の事が起きていた。蛟と大蛇が最初から深海棲艦として産まれたのだ···しかし、それでもリリ達は彼女らに翔からのビデオメッセージを見せた···
翔《初めまして、僕は翔·ニールセン。そこのネクストのリンクスだ。この時代に建造されて困惑してるかもしれないけれど、どうか最後まで聞いてほしい···
まず、君達を再び戦争に巻き込ませてしまって、本当にごめんなさい···でも、君達の力が必要なんだ!》
映像に出てきた翔に、大蛇と蛟は固まる。
大蛇「エ···?ナンデ···生キテ···」
マザーウィルは自身と対峙した翔の顔を初めて見たため、目を見開いている。
マザーウィル「この人が、あの時突撃してきた···」
翔《僕は戦争を終わらせたいんだ。これは僕のエゴだ···けど、それでも終わらせたいんだ!僕は説明が上手くないけれど···》
グレートウォールとソルディオスは翔の頼みに感心している。
グレートウォール「なるほど···」
ソルディオス「この子なら、そう言うとは思ってましたけど···」
翔《えっと···人の形になると同時に感情も表に出せるんだよね?なら1人1人に伝えたいことがあるんだ》
蛟が首をかしげる。
蛟「トイウコトハ、私ヤ大蛇ニモ?」
翔《まず···マザーウィル、僕の初めてのリンクスとしてのミッションの時に壊してごめんなさい!でも···その、正直あのフォルム結構かっこよくて好きです!》
マザーウィルは微笑む。
マザーウィル「あの時の勇姿は覚えていますよ···あなたの方がかっこよかったですよ?」
翔の伝えたいことに、カブラカンが突っ込みを入れる。
カブラカン「伝えたいことってそっちかよ!?」
翔《次に···グレートウォール、僕の護衛···大丈夫でした?もしダメだったらごめんなさい!》
グレートウォールも微笑む。
グレートウォール
「あの時の殿は見事なものでした。それを批判することはできませんよ」
翔《次は···ソルディオス、何度も一緒に戦ってくれてありがとう!今度は僕はいないけれど、お願いします!》
ソルディオスは映像の中の翔に頭を下げる。
ソルディオス「もちろんですとも!」
翔《次にランドクラブ、資料映像とか設計図見たことあるけど、あの地形走破力は絶対に活かせるよ!》
設計図や映像を見ていたことにランドクラブは驚いている。
ランドクラブ「私の設計図や映像見てたんですね···」
翔《次はギガベース、僕はあのレールキャノン撃つところ見てみたかったなぁ!それにレールキャノンを推進力にできるってあの発想は凄いと思うよ!》
自身のレールキャノンを見てみたかった事に、ギガベースは意外だと感じている。
ギガベース「そんなに見たかったのですか···そこまで見たいと言う人は初めてですね···」
翔《次にジェット、試験運用の時に壊してごめんなさい!でもあのブレードはこの世界でもめちゃくちゃ活かせると思うからお願いします!》
ジェットは頷いている。
ジェット「フッ、あの時の味方との連携は良かったからな。むしろ清々しかったぞ」
翔《次にスティグロ、海での戦闘がメインになるこの世界だとあのスピードとブレードはめちゃくちゃ活かせるよ!それに···あの複眼の構造も結構好きです!》
スティグロは思わず素が出る。
スティグロ「···結構良いところ知ってるじゃん」
翔《次にカブラカン、あの独特の発想から来るあの構成はとっても凄いし、あの数の自律兵器は中々にエグいと思うから絶対に活かせるよ!》
褒められてカブラカンは得意気に胸を張る。
カブラカン「へへん、当たり前だろ?」
翔《次にイクリプス、まずあの時壊してごめんなさい!でも空を飛ぶAFって中々好きです!》
イクリプスは気にしてないどころか、翔を心配している。
リプ「あの時のは気にしてないのだ。というかその後の事が中々にエグかったから逆に心配だったのだ···」
翔《次にアンサラー、この世界でのコジマ汚染ってどうなるのか解んないけれど、コルヴィスの中にあるアンチコジマを増やして使えばきっと大丈夫だから!それにあのフォルムも独特でかっこいいよ!》
汚染をどうにかできることに、アンサラーは目を見開く。
アンサラー「それは···本当、ですか?汚染を···どうにかできるのですか?」
翔「次に蛟、僕は設計図を見ただけだけれど、なんだか直感で大丈夫だって思ったんだ。だから、お願いします···」
蛟は泣き崩れる。
蛟「ソンナ···アナタは···あナタに伝えたいコトガ沢山アルのに!」
翔《最後に、大蛇···僕と2度も一緒に戦ってくれてありがとう!しかも、最後の時は守ってくれてありがとう!君のあの性能なら絶対に大丈夫だから!》
大蛇は涙を流しながら首を横に振る。
大蛇「イエ···ワタシはアノ時マモレ切れずに···」
映像の中の翔は優しく諭すように続ける。
翔《もし、その時の事を悔やんでるなら、あれは仕方ないよ。相手が悪すぎたんだよ。それに、君はベストを尽くしたんだから···今回もお願いします!》
大蛇「ソンな···わたシは···私ハ···」
すると、映像の中で翔はまるで戦場にいるかのような目つきになり、姿勢を改める。
翔《最後に···どうか、この世界を頼みます。君達なら、絶対に成し遂げられるから···そこにイレギュラーがいれば更に良くなるから!···だから、お願いします!》
画面の中で翔は深く頭を下げたところで、映像は終わった。
リリ「どうでしょう?引き受けてくれますか?」
リリの問いにAF達は頷く。最初に口を開いたのはマザーウィルだった。
マザーウィル「もちろん、引き受けますよ」
グレートウォールは凛とした佇まいで答える。
グレートウォール「借りを返すのは当たり前です」
ソルディオスはコルヴィスを見つつ答える。
ソルディオス
「我が社···はもう無いですけれど、誇りを掛けて引き受けましょう!」
ランドクラブは拳を突き上げて答える。
ランドクラブ「今度こそ、もっと活躍してみせます!」
ギガベースは姿勢を改めて答える。
ベス「まあ、正式な依頼なのですから受けましょう」
ジェットは拳を胸に当てて答える。
ジェット「ORCAの名の元に」
スティグロはウィンクをして答える。
スティグロ「説明はあまり良くないけど、アイドルの見せ場だね☆」
カブラカンは胸を張って答える。
カブラカン「いいぜ、乗ってやるよ!」
イクリプスはやれやれといった感じで答える。
イクリプス「断れないのだ」
アンサラーは表情は冷たいものの、心の中では安堵していた。
アン「信じるに足るのかどうか、試させてもらいますよ」
しかし大蛇と蛟は未だに泣き続けている。そこに静観していた愛海が歩いてきて、大蛇をビンタする。そして蛟にもビンタをする。それを見たリリが思わず声をあげる。
リリ「愛海さん!?」
愛海は2人を交互に見る。
愛海「あなた達は···あなた達にはあの人の気持ちが伝わってないの!?」
愛海は蛟を睨み付ける。
愛海「伝えたいことがあってももうあの人はいないの!だったら行動で示しなさい!見せつけてやりなさい!」
次に大蛇を睨み付ける。
愛海「守りきれなかった?翔はそんなの1ミリも気にしてないし、その気持ちがあるなら最後の頼みくらい聞きなさいよ!」
そして今度は2人を睨み付ける。
愛海「泣いてばかりで···立ちなさい!あの人の事を想うのなら立ちなさい!」
大蛇「あ、あなたは···」
愛海「挨拶が遅れてごめんなさいね。私は愛海、翔の妻よ!」
場がどよめく。
グレートウォールは唖然としている。
グレートウォール「···妻、ですか?」
ソルディオスは驚きのあまり体が震えている。
ソルディオス「あの子、この世界で結婚したの!?」
愛海は勝ち誇ったような顔をした後、大蛇と蛟を抱き締める。
愛海「殴ってごめんなさいね···あの人の依頼、聞いてもらえないかしら?」
大蛇と蛟は謝る。
大蛇「こちらこそすみません···」
蛟「私もです···」
愛海「···じゃあ皆、早速行くわよ!オペレーターは私が務めるわ!」
リリ「アンサラーさん、今回の1戦だけはアンチコジマが使える量ありますので、汚染は心配しなくて大丈夫です!」
そしてそれぞれはストークAの発着場に立つ。
マザーウィル
「私は、AF『スピリット·オブ·マザーウィル』です。守るべき子らに祝福と安らぎを···」
カブラカン
「アタシはAF『カブラカン』だ!この独特な戦闘、見せてやるよ!」
蛟「私は扶桑型秘匿航空戦艦『蛟』です。皆さんに幸福を···」
アンサラー「AF『アンサラー』です。信頼に値するかどうか、試させていただきます」
ランドクラブ「わ、私はAF『ランドクラブ』です···戦場は、どこですか?」
イクリプス「僕はAF『イクリプス』なのだ!よろしくなのだ!」
ジェット「私はAF『ジェット』だ。●●●●の名の元に、お前の力となろう」
ソルディオス
「私はAF『ソルディオス』よ。これからヨ·ロ·シ·ク♡」
ギガベース「AF『ギガベース』着任しました。どうぞご指示を」
スティグロ「AFのアイドル『スティグロ』よ!よろしくねぇ~☆」
グレートウォール
「私はAF『グレートウォール』と申します。どうぞよろしくお願いいたします」
大蛇「私は大和型秘匿戦艦『大蛇/ZF型』です!これからよろしくお願いします!」
そして、彼女達はストークAによってそれぞれの所へ運ばれ、投下される。
そして大蛇はピンク色の髪の艦娘と1人の少年を見つける。
読んでくださり、ありがとうございます!
今作初のDLCはどうだったでしょうか?
そうです。大蛇と蛟は最初から深海棲艦として産まれていました。