鴉の航路(ver2.0)   作:ダイヤモンド傭兵

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これは、深海鴉棲姫が武龍と出会うまでの物語、その前編である。


DLCです。本編(番外編と外伝も含む)を読み終わってない方は読み終わってから来てください。


DLC⑤ 深海の鴉【前】 Ghost(新実装)

暗い海の中、不定形な怨念が漂っていた。武龍とリンクしたことで、単なる怨念だけの存在ではなくなった。しかし形が無いまま、深海棲艦達を眺めるだけで漂っていた。しかしある時不意に意識が別の場所へ移される。

 

そこは、赤く透き通った海の中だった。上にある海面からはカーテンのように光が差し込んでおり、海中だというのに水の抵抗を受けずに動けている。

 

気づけば、肉体を得ていた。髪は白いロングヘアで、顔や体を触ると左頬が抉れており、白いボディースーツを着ていた。肉体を得られたことに歓喜し、体を触り、様々な声を出していると背後から声をかけられる。

振り向くと、1人の男性が立っていた。

 

男性は黒いパイロットスーツを着ており、短髪の黒髪に優しげな顔をしていた。

 

男性「初めまして、僕は翔。翔·ニールセンだよ。君は?どうやら深海棲艦のようだけど」

 

形を得た怨念は首を横に振る。

 

???「私の名前は···無い」

 

翔は少し考えると、名前を思いつく。

 

翔「そうだね···なら···『深海鴉棲姫』ってのはどう?」

 

深海鴉棲姫と名付けられた深海棲艦は名前を気に入り、頷く。すると、翔はここからどうするのか聞いてきた。

翔の問いに、深海鴉棲姫はすぐには答えられなかった。しかし脳裏に浮かぶのは···自分に手を伸ばし、リンクした武龍だった。

 

深海鴉棲姫「私は···人類を滅ぼそうなどとは微塵も感じない。だが、探さなければならない者がいる」

 

翔は深海鴉棲姫から何かと感じ取ったように頷き、深海鴉棲姫の背後を覗くと、笑みを浮かべる。

 

翔「君、見たところ武器は無いけれど、後ろの刀が力を貸してくれるって」

 

深海鴉棲姫が振り向くと、先程までは無かった一振の刀が鞘に納められたまま海底に刺さっていた。深海鴉棲姫が刀を持つと、不思議と手に馴染む。

すると、背中をそっと押される。

 

翔「行ってらっしゃい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気づけば深海鴉棲姫は夜の海に立っており、深海鴉棲姫の左腰には円盤状の形をした、刀の鞘を接続できるものが着けられていた。深海鴉棲姫は刀を接続すると、航行していく。

 

しばらくすると陸地が見えてくるが、砲撃音と爆炎が見える。近づいてみると、深海棲艦が上陸しかけていた。艦娘達のほとんどは撃破されており、見れば民間人の避難は完了していないようだった。

 

深海鴉棲姫「奇襲されたか···まあいい、手を貸すか」

 

深海鴉棲姫は最も近くにいた重巡ヌ級の背後から刀を突き刺し、ヌ級はそのまま絶命する。そしてそのままヌ級の死体を盾にして進み、砲撃を躊躇った軽巡ホ級に向かってヌ級の死体を蹴り飛ばす。

 

そしてホ級の左側面から刀をホ級の側頭部に突き刺し、引き抜くと共に回転して砲撃を受け流し、砲撃してきた駆逐イ級を右側面から縦に一刀両断する。

それを見ていた艦娘は目を疑う。

 

艦娘「どういう、こと···?」

 

遂には単独で全ての深海棲艦を撃破した深海鴉棲姫は、月明かりに照らされながら刀についた血を払い、刀を納める。一瞬艦娘を見るが、興味無さそうにその場から離れていく。

 

また、その現場を2人の民間人が木の影から見ており、深海鴉棲姫から行った方向へ走っていった。

 

 

 

 

 

深海鴉棲姫が別の場所から上陸し、人気の無い場所を進む。すると右方向から呼び止められる。

 

?「ちょっと待って~!」

?「待った待った~!」

 

見れば、そっくりな顔をした2人の女性が息を切らして立っていた。黒髪を三つ編みのサイドテールを別方向にしており、右にいるのは黒に白いラインが入ったブレザーを、左にいるのは白に黒いラインが入ったブレザーを着た学校の制服を着ていた。

 

2人は同時に礼を言うが、深海鴉棲姫はそのまま立ち去ろうとする。しかし背後から2人に手を掴まれる。

 

深海鴉棲姫「なんだ?」

 

深海鴉棲姫を見つめる2人の目は輝いていた。

 

右の女性「あなた、深海棲艦だよね!?」

 

左の女性「本物だよね!?」

 

仕方なく深海鴉棲姫は本物だと答えるが、答えるが否や2人は歓声を上げる。

 

右の女性「よっしゃあ賭けに勝ったぁ!」

 

左の女性「明日はカレーだぁ!」

 

すると、突然2人は深海鴉棲姫に頭を下げる。

 

右の女性「さっきは深海棲艦をやっつけてくれて、ありがとうございます」

 

左の女性「お陰で私達や色んな人が助かりました」

 

常にテンションが高い2人なようだが、きちんと謝辞の言葉を伝えられるようだ。深海鴉棲姫はそのまま立ち去ろうとするが、再び止められる。

 

右の女性「お礼にご馳走させて!」

 

左の女性「うちら料理上手いから!」

 

深海鴉棲姫は仕方なく2人についていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人の家はマンションの1室であり、右の女性は『斉川(さいかわ) 理恵(りえ)』、左の女性は『斉川 恵理(えり)』という名前だった。2人は双子の高校生であり、ここには2人で暮らしているようだ。

 

2人は人間に友好的な深海棲艦がいるのではと仮説を立て、その賭けに勝ったらカレーを食べるということだったのだが、今夜深海鴉棲姫と出会ったため、今夜の夕飯はカレーとなっている。

 

2人は深海鴉棲姫が深海棲艦だとは周囲に話さないことを約束し、武龍を探す手助けをするとも約束してくれた。実際、翌日には聞き込みなどをしてくれていたため、深海鴉棲姫は安心できていた。

また、深海鴉棲姫の事はアルビノ体質の人だと周囲に説明していた。

 

 

 

そして数日が立った日、近所に住む双子の姪が双子の元へとやって来た。どうやら頼みごとがあるらしく、3人は話を聞いた。

 

双子の姪「裏山にある廃校、あそこに肝試しに行った友達がいなくなっちゃったんだ···」

 

恵理と理恵は互いに顔を見合せ、深海鴉棲姫は眉を潜める。

聞けば、裏山の廃校で消えた姪の友達を探すために大人や警察が廃校と裏山を探したものの、証拠は見つからなかったという。

 

姪の友達の家族は捜索を求めているが、大人や警察は捜査を打ち切ってしまい、姪はここを頼ったそうだ。

 

恵理「よし、出きる限りやってみるよ!」

 

理恵「まっかせなさい!」

 

そして姪が家に戻ると、恵理と理恵は廃校への調査を深海鴉棲姫に頼んできた。

 

恵理「今は戦争中、誘拐犯とかいるかもしれない」

 

理恵「そこに私達が行ったら足手まといになる」

 

深海鴉棲姫は恩を返すため、それを引き受けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裏山にある廃校の前に、深海鴉棲姫は立っていた。暗く静かで、どこか不気味さを感じさせている。

しかし深海棲艦であり、それも姫級の深海鴉棲姫は悟る。

 

なにか、いると···

 

 




読んでくださり、ありがとうございます!

今回からは深海鴉棲姫の過去編を書きます。その第1段はどうだったでしょうか?感想や高評価、お待ちしています。

●斉川理恵
黒髪を右に三つ編みのサイドテールにしており身長160cm、18歳で2月11日生まれ。

恵理とは双子の姉妹であり、黒に白いラインが入ったブレザーを私服として着ている。
得意科目は国語。

●斉川 恵理
黒髪を左に三つ編みのサイドテールにしており身長160cm、18歳で2月11生まれ。

理恵とは双子の姉妹であり、白に黒いラインが入ったブレザーを私服として着ている。
得意科目は英語。
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