メイド共観察記録 作:ナレーショナー:[削除済み]
『違うな、絶望を楽しむ馬鹿どもの遊びだ』
「目標、第二防衛ラインを突破! 急速に接近中!」
「第二第三防護壁展開! ならびに、ルート542からルート613までを閉鎖!」
多くの機材が並ぶ薄暗い部屋に怒号が飛び交う。
所々で光源が点滅しているそこは、ナレーショナーの自室。
ではなく、記録室の地下深くにある
「第二防護壁崩壊! 使用可能な防護壁、残り35枚!」
そこが今、襲撃を受けていた。
「仕方ない」
「第一トラップ≪
および第二トラップ≪
「了解しました」
「対侵入者迎撃用火水風地複合術式≪
電水複合術式≪
「第三防護壁が予定どおり突破されました!」
「目標、ポイントへと向かっています!」
慌ただしく報告と指令が飛び交う。その中にナレーショナーの姿があった。
「ふう、しばらく様子見ですね。あ、皆さん前回ぶりです。いつもニコニコ、皆さまのそばに這い寄る天使、ナレーショナーでございます。まさか、自身がたくさんパロディしてるのに自分がされたら怒るなんてことはないですよね。さてさて、今回は前回何だかんだで
前回のあらすじ
存在Xが亀甲縛られる→ホ○ケモンバトルが始まる→存在Xは棒人間だった(過去形)→棒人間(過去形)態度が豹変する→メアって名前をもらう→何だかんだあった→あれあれ? 結界壊れてない?
今? 襲撃? 前回関係ない、今のところは。
この先の文章は前回、メアの「ああ、分かった。~俺なんだよ」という台詞からの続きです。
『どこだよ』
[カットしたって私が言っているところです]
『分かりにくい』
[後で変えときまーす]
常人ならいろんな意味で衝撃を受けるだろうメアの告白だが、ニルソニアは動じなかった。
それどころか、鼻で笑い飛ばした。
「神? は、今更神だなんて信じられる訳がないじゃない」
ニルソニアの眼が鋭い光を帯びる。
「本当に神がいて、善意でローゼのやろうとしていることを手伝うつもりなら。だったら、どうして、私の両親は帰ってこないの? 百年以上祈り続けたっていうのに? どうして?」
自身の過去を吐き捨てるようにメアにぶつける。
それは今までローゼにさえ、10年間隠し続けてきた心にある影だ。
少しばかり感情が高ぶっているとはいえ、ニルソニアがそんなことを躊躇なく話してくれるようになったことを、ローゼは場違いながら嬉しく思う。
日記を見られる前のニルソニアなら、こんな奇妙な侵入者が現れた時点で事情聴取もせずに、即刻地下牢にぶち込んで警吏に突き出していただろう。
ただ、ローゼはこうも思う。
――何故、こいつに話してしまうのか、と。
その思いが振る舞いに漏れ出てしまった。
キッとメアをにらみつけてしまう。
そんな重い感情たちをぶつけられても、メアは表情を崩さない。それどころか、ニヤついた笑みをヘラヘラしたものに変え、
「いや、そんなことを言われても困るよな、へカミュルナさま?」
と、いつの間にかメアの隣にいた女性に話しかけた。
冥界と月を司る女神であり、神々の良心とも呼ばれる(メアが勝手に呼んでいる)最高神の娘へカミュルナその
「神々にだって限界が存在するのです。全員が全知全能ではないのです。尤も、
鈴を転がしたかのような心地よい可憐な声をしていた。
メアが頭をかきながら、面倒くさそうに、しかしとても楽しそうに。
「あー、紹介するわ。この
「第一および第二トラップ突破されました!」
「うわ、ここでですか。タイミングがいいのか悪いのか。――第一トラップは地の底まで続く落とし穴に、大気圏最上層から強制的に起こしたダウンバーストで突き落とし、落とし穴の底に溜まっているマグマとダウンバーストに含まれる大量の水分で水蒸気爆発を起こし追撃する術式ですが、本当に突破されました?」
部下はコンソールを確認することで精いっぱいらしく、声だけを放った。
「まず、落ちませんでした!」
衝撃の答えを。
「……ダウンバーストは風速70mにもなるはずですが。――第二トラップは全方位ゼロ距離からの水槍でめった刺しの後、電子レンジ(一瞬で水が蒸発する威力。運が悪ければ、プラズマ化する事も)でチンするものですが、これは避けられませんよね」
「はい! 死んだあと生き返ってました!」
これを聞き、ナレーショナーは天を仰ぐ。仰いだところでいるのは、あの筋肉だが。
「……知ってはいましたが、絶望的な能力ですね」
数秒間、天井を見つめていたが、視線を前に戻すと。
「まあ、いいでしょう。こちらの狙いは時間稼ぎです。――第三トラップ≪EACTAMRG≫、第四トラップ≪
「了解しました。対侵入者殲滅用特殊戦略級兵器≪EACTAMRG≫および≪EACTAMRG≫専用加電隔壁、ならびに虚時空融合術式≪
「あー、紹介するわ。この
「――実は滅茶苦茶パットで盛ってる貧乳だ」
例のごとく、時間停止が起きた。
ヘカミュルナは何が起きたかさっぱり分からないと言わんばかりに、目を白黒させていた。
が、気にすることなく、いや、一層イキイキしながら話を進めるのがメアクオリティ。
「この事はこの場の四人しか知らねぇ。――いや? 一応のため、天使がこの場を監視してるんだっけか? だったら、今のやつはお父さまの所まで報告がいくんじゃねぇ――」
「あー! あー! あー!!」
メアの言葉で再起動した貧乳女神さまは、全力で両手をぶん回し事実を揉み消そうとする。
手の動きに連動して動くその胸は、なるほど不自然な動き方をしていた。
だが、
「[『もう遅い』]」
報告はすでに終わっており、必死のの努力(女神としての威厳が死んだ)も、無駄に終わった。
結局、
[娘様の秘密、ハーメルンの皆様に知られてしましたね(笑)]
「死なす」
[口悪]