まじでたまたまなんですが、今回はかすみん回になりました!
それではどうぞ!
「くぅ~!最っ高~!」
今日は補習がなく家でゆっくりできる日だ。
やっぱりこんなクソあちぃのに外なんて出ずに部屋で涼んでるのが1番幸せだわ。
よくもまあこんな暑い中去年は野球なんてやってたよ。
しずくたちも今頃スクールアイドルの練習でもしてるんだろうし、俺はこんな所で何もしてなくていいのだろうか...
ピロピロピロ
俺の携帯が鳴る。電話?全く、誰だよこんな夏休みの真っ最中に。
携帯を手に取り相手を確認すると、そこには"中須かすみ"と記されていた。
なんかまじで嫌な予感がする...
「はい、もし...」
『 わたすけー!!!』
スピーカーモードにしなくても携帯を机に置いて会話出来るような大声で話しかけてきた。
「なんだようるせぇな、急にでかい声だすなよ。」
『 かすみんを... かすみんを助けて~!』
「おらっ!はあ...これで全部か?」
「ばっちりだよわたすけ!ありがとっ!」
あまりにも深刻そうだったからわざわざ学校まで来てやったけど、大きな重い木材を中庭の隅に何本も運ばされた。
「たくっ、こんな休みの日に人を呼び出して... だいたい何に使うんだよこんなの!」
「ふっふーん、よくぞ聞いてくれましたわたすけ!」
そう言って彼女は何やら色々書かれているホワイトボードを見せつけてきた。そこにはちょっとかすみに似せている巨大なロボットのようなものだった。その上には...
「移動型ステージ、どこでもかすみん...?」
「そう!今度のスクールアイドルフェスティバルでかすみんがこの上でライブをやるんのですっ!」
「スクールアイドル... フェスティバル...?」
「もしかして、しず子とかから聞いてないの?」
「夏休みから全然喋ったりしてねぇよ。」
「そ、そうなんだー。じゃあ、かすみんが教えてしんぜよう!」
「は、はぁ...」
彼女は長々と語り出したが、要約はいろんな学校と合同でイベントをやるってことになったらしい。
「そのスクールアイドルフェスティバルってのはよくわかったよ。でも、なんで俺がこんな事しなきゃいけねぇんだよ!」
「だってぇ、コッペパン同好会のみんなが今日だけは手伝えないって言われちゃって、かすみん1人じゃ寂しいな~って思って。」
「俺は暇つぶしの相手って事か。確かに俺はいつでも暇人ですよー!」
「そ、そういうわけじゃないよぉ...」
彼女の目が少しだけうるっとするのがわかった。冗談でも流石にちょっと言いすぎたか。
「冗談冗談。お前が頑張ってるのはわかってるから、スクールアイドルフェスティバル成功させろよな。なにか手伝えることあるならまた...」
「ほんと!?じゃあ早速お願いしてもいいですか~?」
さっきのしょぼんとした表情から急変していつものヘラヘラモードに変わった。
なんだこいつ。
「実は、コッペパン同好会は5人しかいなくて、今設計してるどこでもかすみんは6人いないと持てなくてね、私はその上で歌わなきゃいけないから...」
凄く嫌な予感がする。
「1人足りないってこと... ですか...?」
「ピンポンピンポ~ン!だからわたすけに手伝って欲しいの!ね、お願い!今度かすみん特性のスペシャルコッペパン作ってきてあげるからっ!ね?」
そういって彼女はペコペコ頭を下げている。いくらかすみでもここまで女の子にお願いされたら流石に断れねぇよ。
どうせ補習のない日は暇だから、面倒だけど人の役に立てるならやってもいいっちゃいいんだよな...
「…はぁ、しょうがねぇなほんと。その代わり、とんでもないくらい観客湧かせて最高のライブにしろよな!」
「...え?ほんとにいいの?」
何故かかすみはキョトンとしてる。
まじでなんなんだこいつ。
「いや、お前から頼んできたくせになんだよそれ。」
「え、いやーなんと言うか... 私なんかの為にほんとにいいのかな~って思っちゃって...」
えへへと言いながら少し顔を赤らめている。
急に乙女になりやがって、やっぱこいつも女の子なんだなぁ。
「はぁ... さっきも言った通り、お前が最高のライブをしてくれるんだったら手伝ってやるよ。」
「うぅぅ...! わたすけだーいすきー!」
そう叫んで彼女は俺の胸元へ飛びついてきた。
しずくといいかすみといい、スキンシップが激しいんだよ。しかも"大好き"って、気軽に男に言うもんじゃねぇぞ。もうちょっとこっちの気持ちも考えてくれ...
「あぁもう、離れろって暑苦しいな!」
「いいじゃ~ん、誰もいないし~」
「そういう問題じゃねぇよ...」
そう返すと彼女は急に抱きつくのを辞めてしょんぼりモードになろうとするのがわかった。
まじでめんどくせぇー。
「やっばり... しず子じゃないと嫌だよね...」
「は?」
"かすみんこんなに可愛いのになんで嫌なんですか?"みたいな感じで来ると思ってたら、突拍子も無いことを言われて思わず困惑した。
「わたすけって、しず子の事... 好きなの...?」
真剣な顔でかすみが俺の顔を直視してそう聞いてきた。まあしずくの親友だもんな。そういうの結構気にしそうではあるよな。
「お前の思っている"好き"ではない、かな?普通の友達よりかは付き合いも長いし、よく知ってるからいざって言う時には助けたくなるんだよな。」
「そ、そうなんだ... 」
「なんだよ、その反応は。」
「ううん、てっきりしず子の事が好きで、私の事避けてるのかなって思っちゃったから聞いちゃったんだ。」
そう言って彼女はニコッと笑いだした。
「ほんとお前って感情がコロコロ変わるよな。結構相手するの疲れるわ。心配すんな、ほんとに嫌いだったらあの電話こんな所に来ねぇから。」
「えっへへ、わたすけはもうかすみんの虜だねっ!」
「いや、別にそう言うわけでも... まあいっか別に。」
またここで否定したらしょげちゃいそうだったから要らないことは言わないようにしよう。
結局その後から本番前まで、かすみのステージ作成の手伝いをやらされたりしていた。
でっかいロボットみたいなのを作り上げたりステージの飾り付けなどを仕上げ、遂に本番前日となった。
ヒーローショーをやることになったらしくそのリハーサルを終え、近くの公園のベンチに座り休憩していた。
「あ、わたすけー!」
声がする方を見ると、そこにはかすみともう1人しずくがこちらへ歩いてくる。
「なんか久しぶりだね。」
「まあ夏休みだしな。」
「ずっとかすみさんのお手伝いしてたの?」
「あぁ、こいつがどうしてもってうるさかったからな。」
「わたすけは素直じゃないなぁ~。もうすっかりかすみんの虜のくせに~。」
「全く、こっちの身にもなれよ...」
「うふふ、渡くんお疲れ様。」
最近かすみとしか喋ってなかったせいで、しずくと話すのがどれだけ楽なのかということが実感できた。
いい収穫だな。
「...2人とも、明日頑張れよ。」
「「もちろん!」」
「俺にはかすみのステージ運ぶくらいしか出来ないけど、お前らのこと応援してるからな。最高のライブにしてこいよな。」
「かすみんたちは最高のライブにするから、わたすけもちゃんと見ててよね?」
「もちろんだよ。お前らのこんな晴れ舞台、見逃す訳には行かないからな。」
「約束だよ?」
そう言ってかすみは俺に小指を差し出してきた。それに応え、俺も小指を出し指切りげんまんを交わた。かすみはえへっと満面の笑みで笑っていた。
「あ、かすみさんずるーい!私も指切りする!」
そう言ってしずくも小指を差し出してくる。しずくとも指切りを交わし、3人で笑いあった。
やっぱりいいな。環境は変わったと言えどもこうしてまた仲間たちと笑い合える。ちょっと前までの俺にはそんなこと考えられなかった。
過去に囚われ、新たな1歩を踏み出せずにいた俺を引っ張っていってくれた。
そんなこいつらには、ほんと感謝しかねぇな...
ありがとうございました!
次回もよろしくお願いします!