悲しみの雨音   作:ルスワール

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今回は早めに投稿出来ましたね
執筆のモチベーションかなりあります
それではどうぞ!


15話 告白

「やっべぇよまじでやべぇよ!」

 

 

この夏休み、スクールアイドルフェスティバルやら夏祭りやらでかなり遊びまくったせいで学生の本分である勉学を忘れていた。

 

英語の補習もあったせいで他の人たちよりも課題が多いのはわかってたのに。

 

くっそ、もうこれは全部しずくのせいだな。いっそあいつに手伝って...

って思ったけど、あいつは絶対に人に宿題を見せるなんてことはしないんだよなぁ。

なんならくそ真面目だから教え始めるし、そんなやつが俺の宿題手伝うなんて絶対しないよな。

 

 

「あぁ、誰か助けてくれぇ~!」

 

 

ピロピロピロ

 

 

そんな時、俺の携帯に電話がかかってきた。まさかこれは神様からの救済か!?

急いで携帯を撮ったものの、表示されていた宛名は"中須かすみ"だった。

 

確かかすみは俺よりも低い22点という点数を叩き出していたな。そんなやつが俺の宿題なんてやってくれるはずないか... トホホ...

 

一応電話には出るけど、この間電話をされた時は鼓膜をぶっ壊しに来るかのような大声で叫ばれたから、警戒しなければならぬ...

 

 

ピッ

 

 

ボタンを押し、すぐさま机の上に置いて戦闘態勢へと入る。

 

 

『...』

 

 

あれ?

 

 

『...け!』

 

 

あ、これ普通の音量だ。

俺は携帯を耳に当て普通に電話するような体勢をとった。

 

 

『わたすけってば!』

 

 

「あー、悪ぃ悪ぃ。今日はえらく落ち着いてんな。」

 

 

『お、落ち着いてるって、かすみんはいつも大人しくていい子だけどっ!』

 

 

「かすみ... 嘘をつくのはよくないぞ...」

 

 

『もうっ!なんなの!それより今日のお昼さ、一緒にスイーツの食べ放題に行かない?』

 

 

「なんだ随分珍しいな。ていうか、スイーツで昼飯を済ませるつもりなのか?」

 

 

『あー、それなら大丈夫!普通の食べ放題みたいに主食もちゃんとあるよ!』

 

 

「なるほど、いいなそれ。よし、行くか!」

 

 

『...そんなあっさりとして、ほんとにいいの?』

 

 

「え? いや、まあかすみからこんな事誘われるなんて無かったから、驚きはしたけど...」

 

 

『そ、そっか~、じゃあ12時にスクールアイドルフェスティバルの時と同じ場所でね!』

 

 

「了解、じゃあまたな。」

 

 

テレン

 

 

一体どうしたんだ? 宿題の事はあるから多少心の中では渋ったけど、昼飯の時間さえも惜しい訳では無いからな。それにしても最後のは何だったんだろう。

あっさりとって言われても、そんなの自分の気の持ちようだと思うけどな。女の子と2人で遊ぶからと言って周りの目を気にして恥ずかしくなって自滅するか、友達として楽しく遊ぶって思えるかのどっちかだと思う。俺は後者だ。

 

現在の時刻は10時半だった為、もう少しだけ宿題を進めてから支度することにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ... 集合場所ってここで合ってるよな...」

 

 

時刻は12時20分を過ぎた頃合だった。2時間くらい前に約束をしたはずのかすみの姿はまだ見えなかった。

 

まあ、女の子は身支度に時間がかかるし遅くなるのは全然問題ないんだけど... もしここに来る途中で何かあったらって思うと心配になる。

かと言って探しに行って入れ違いになってもまた面倒くさいし、かすみの携帯にでも連絡入れとくか...

 

 

「わたすけ~!!」

 

 

そんなことを考えているうちに、聞き覚えのある声がした。

俺の事を訳の分からないあだ名で呼ぶやつなんて、1人しかいないよな。

 

 

「よっ、かすみ。随分遅かったな。」

 

 

「うぅ... ごめんなさい、 洋服選ぶのについ悩んじゃって…」

 

 

「まあ、女の子は身支度に時間がかかるのは分かってるからそんな気にしてねぇよ。」

 

 

「えへへ、ありがとっ!」

 

 

そう彼女は満面の笑みで答えてくれた。

とりあえずよかった、遅刻を引きずって勝手に申し訳なくなってもらうより全然いいな。

 

 

「じゃあもう行こうぜ、場所案内してよ。」

 

 

「うんっ!じゃあつきて来てね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼の時間帯ってのもあって、20分くらい待ったが無事店に入ることが出来た。

コースの説明を一通り聞いて、お互いに始めに食べる分だけ持ってきて向かい合ってテーブルに座る。

 

 

「じゃ、わたすけ!手を合わせてください!」パンッ

 

 

「あ、えっと... はい。」パンッ

 

 

「せーのっ

 

 

「いただきます!!」」

 

 

2人で同時に食べ物に取り掛かる。ちなみに俺は、ミートスパゲティやお寿司などの食べ放題での定番から攻めていく。一方かすみの方は、パンものを中心とし、スープやサラダなども程よく持ってきていた。

 

 

「う~ん!このパン美味しい~」

 

 

「食べ放題って手抜きの料理ばっかだと思ってたけど、このお店はそんなこと無く美味しいな。」

 

 

何だかんだで時刻は1時頃だったので2人ともお腹がすいていたのか、夢中に食べ物を口に運んでいく。

 

 

 

ふと思い出したんだけど、そう言えばどうして俺ってここに呼ばれたんだ?

 

 

 

「なあかすみ、なんで今日俺と飯行きたいって誘ってくれたんだ?」

 

 

「え!? えっと... ほら、この間のスクールアイドルフェスティバルで色々手伝ってくれたのに、お礼ちゃんと言ってなかったなぁって思って...」

 

 

えへへと言いながらどこか照れくさく微笑むかすみ。やっぱりこういう所はしっかり女の子なんだなこいつ。

 

 

「そういう事か、そこまで気にしなくても別によかったのに。」

 

 

「私の方が良くないの!とにかく... ほんとうにありがとね?」

 

 

「まあ、役に立てたのならこっちも嬉しいよ。」

 

 

「そっか。ていうか、わたすけは私とここに来るのあっさりとオッケーしてくれたけど、そういうのに抵抗無いの?」

 

 

「まあ、慣れてるからかな?」

 

 

「え!? 慣れてるの!?」

 

 

「うん、小さい頃から遊んでた相手が隣の家の女の子だったからな。そこまで気にならないかな。」

 

 

「あぁ... そいうことか。てっきり、わたすけは恋愛経験が豊富なのかと思ってびっくりしたよ。」

 

 

「そんなんじゃねぇよ。それになんだよびっくりって、失礼だな。」

 

 

「えへへ、ごめんごめん。」

 

 

そんな会話をしながら、2人してどんどん食べ物を食べ進めていく。

話していくうちにかすみの事を色々知れたし、意外な一面もあって驚いたりと会話に飽きることは無かった。

 

 

「はぁ~、もう腹いっぱいだ。」

 

 

「私も~、美味しいスイーツいっぱい食べれて幸せ~」

 

 

「じゃ、俺はそろそろ宿題をやんなきゃいけねぇから、この辺で帰るわ。」

 

 

「あ、ちょっと待って。」

 

 

そう言って席を立とうとした時、かすみに呼び止められた。

さっきまでの楽しげな表情とは一変、真剣なものへと変わった。

 

 

「あのね、スクールアイドルフェスティバルのお礼をしたかったのもそうなんだけど、もう一つ大事な話があるんだ。」

 

 

またこの間みたいな頼み事だろうな。でも今回は宿題も大量にあるし、夏休み期間内のものは申し訳ないけど断るしかないな...

 

 

「大事な話か、どんな事だ?」

 

 

「あのね...」

 

 

彼女はふぅと一息ついて、真剣な眼差しで俺の目を見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私ね、わたすけ... いや、渡くんのことが好きです...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...え?」

 

 

この状況に理解するのに数秒かかった。かすみが俺の事を好き?

 

 

「もちろん、友達としてとかそんなくだらないことは言ってないよ。異性として、お付き合いしたいなって思ってる...」

 

 

彼女の顔は真っ赤だった。まともに目も見れずにずっと右下に目線を逸らしている。

 

 

これは、どう答えたらいいのだろうか。

 

 

もちろん、かすみのことは嫌いではない。かと言って好きかと言われるとイマイチだった。

そもそも、野球しかしてこなかった俺には異性を意識した好きとかそういうことに無縁だった為、よくわからない。

 

 

この感情が、なんなのかよくわからない。

 

 

今取るべき行動は... するべき返事は...

 

 

「ありがとう、かすみ。お前の気持ちはよく伝わったよ。お前もその気持ちをどう伝えようかたくさん悩んできたんだと思う。だから、俺にも少し時間をくれないか? こういう経験が全くないもんでね、かなり疎いから慎重になりたいんだ。」

 

 

「うん、わかったよ。むしろいきなりごめんね、困らせちゃったよね...」

 

 

「そんなこと言うなって、自分の気持ちを人に伝えるのは難しい事だからな。尊敬するよ。とりあえず、俺の気持ちの整理がついたらまたこんな感じで2人だけの時間作ろうよ。その時に返事をするから。」

 

 

「えへ、ありがとっ!いい返事... 待ってるよ...?」

 

 

そう言って彼女は上目遣いをして俺の方を見てきた。

ほんとにずるいなこいつ。自分の武器をよく理解してるわ。

 

 

「じゃ、今日はこの辺で。」

 

 

「うん、またね、わたすけ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とは言ったもののなぁ~」

 

 

家に着き、午前中と同じように自室の机に座っていた。

 

かすみがいなかったら、俺の人生はずっと変わらないままだった。昔のように夢に向かって毎日を過ごす、そんなことができるようになったのも彼女のおかげだ。

 

もちろん、俺にとって大切な人... でも...

 

 

わかんねぇ、好きって一体何なんだ...

 

 

 




ありがとうございました!
次回もよろしくお願いします!
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