インフィニット・ストラトス ~一人の男と一つの王座(旧)~ 作:Bradford
1年1組 教室にて…
一夏(これは...想像以上にキツイ...)
最前列の、しかも一番前の真ん中という一番目立つ席にいる一夏。
周りの女子の目線がとても集まっている。
一夏(箒ぃ...)
箒 スッ...(無言の目線逸らし)
一夏(それが幼馴染に対する態度かよ...)
山田「全員揃ってますねー、ショートホームルームを始めますよ―」
そう副担任の山田 真耶先生が言う。
山田先生はぱっと見高校生ぐらいの身長だが、れっきとした大人である。
服のサイズも合っておらず、掛けている黒縁眼鏡も若干ずれている。
山田「それでは皆さん、1年間よろしくお願いしますね」
一同「「「.......」」」
全員の視線が一夏に集まっているせいか、だれも返事をしない。
山田「じ...じゃあ自己紹介お願いします、出席番号順で...」
一夏(これからどうなるんだ…)
山田「織斑一夏くんっ!」
一夏「は、はいっ!?」
山田「あはは…ごめんね一夏君、でも自己紹介、『あ』から始まって今『お』の織斑くんなんだよね。自己紹介してくれるかな?」
一夏「えーっと...織斑一夏です、よろしくお願いします」
だが、周りの女子からは「もう終わり?」や「もっと何か言ってよ」と
言わんばかりの視線が送られる。
一夏「うっ...」
その後、スゥっと息を吸い込こみ...
一夏「以上です!」
ガタガタッ!と女子が盛大にこける。
えっ、ダメでした?と言わんばかりの表情をする一夏の頭に"何か"が凄まじい速さで振り落とされる。
バシッ!!
そんな鈍い音が鳴り響く。
一夏「ううっ...痛った...げえっ、関羽!?」
バシッ!!
二発目が一夏の頭にヒットする。
一夏の前にはスーツ姿の女性が立っていた
???「誰が三国志の英雄か、馬鹿者」
山田「あ、織斑先生。もう会議は終わられたんですか?」
千冬「ああ、山田君。クラスへの挨拶を押し付けてすまなかったな」
目の前に立っている女性が自分の実の姉だと知った一夏は口を開けてポカーンとしている。
千冬「諸君、私が担任の織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物になる為のIS操縦者に育てるのが仕事だ」
突然周りが静かになる。すると...
「キャ―――!!!!!」
想像できないような黄色い歓声がクラス中に響き渡る。
言い忘れていたが、織斑千冬はあの"ブリュンヒルデ"と呼ばれた女性。
当然、日本の少女たちの憧れの的である。
「千冬様! 本物の千冬様よ!」
「私、お姉様に憧れてこの学園に来たんです! 北九州から!」
「私、お姉様のためなら死ねます!」
千冬「毎年、よくもこれだけ馬鹿者が集まるものだ。私のところにだけ馬鹿者を集中させてるのか?」
はぁとため息をつきながら頭を押さえる千冬先生。これからもこんな感じなのだろうか...
「お姉様! もっと叱って!もっと罵って!」
マゾ宣言を人前でする人。
「でも時には優しくして!」
千冬先生はそこまで甘くないと思うがな...
「そしてつけあがらないように躾をして~!」
流石にこれはどうかと思うんだが...
過激な発言をした人が出るほど人気なのだ、とても大変だろうと他人事のように考える"私"
というか、こんなことやっててよく苦情が出ないな...
千冬「で? 挨拶も満足に出来んのか、お前は?」
一夏「い、いや、千冬姉。俺は……」
最後まで言い切る前に織斑の顔が出席簿で叩かれる。あれは痛いだろう。
身内なのだからもう少し優しくしてもいいと思うんだが...
千冬「織斑先生と呼べ」
一夏「……はい、織斑先生」
"私"も呼び方には気をつけるとしよう。あんな物で叩かれたくないからな
「え? 織斑くんって、あの千冬様の弟?」
「じゃあ、ISを使えるって言うのも、それが関係してるのかな?」
だいぶ今更だな。それだけ千冬先生に夢中だったんだろうな。
と言うかこのままだと自己紹介終わる感じなんだが
「静かに! まだ自己紹介は終わってないぞ!」
良かった、一年間名無しで過ごすのは嫌だからな
千冬「おい!もう入って来ていいぞ」
???「はいはい」
千冬「はいは一回だ、怜也」
怜也「分かりました、千冬先生。」
怜也「私の名前は上田怜也、出身は日本で、好きな物は音楽。イカロスアーモリー社でテストパイロットをしている。一年間よろしく頼む。」
怜也「それで、私の席はどこですか?」
千冬「あそこだ。」
そう言って千冬先生は後ろの空いている席を指す
「よし。では、諸君らには半月でISの基礎知識を学んでもらう。その後の実習だが、基本動作は半月で身体に染み込ませろ。いいか? 良いなら返事をしろ。良くなくても返事をしろ」
「「はい!!」」
クラスメイト達は揃った返事を返した。
その後、滞りなく自己紹介は進み、とりあえず終わったようだ
怜也「これから一年間大変だなぁ...」
まぁ、頑張るか。