インフィニット・ストラトス ~一人の男と一つの王座(旧)~   作:Bradford

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第二話です
今回は、セシリア党の人を敵に回すような発言があるので、見る際は十分注意してください。
それでは、どうぞ!


第2話

自己紹介が終わり、放課になった後...

 

一夏「よぉ!」

 

怜也「なんだ?」

 

一夏「そんな冷たい反応するなよ」

 

怜也「悪かったな、こういう性格なんだ」

 

一夏「そうなんだな、俺は織斑一夏って言うんだ、よろしく!」

 

怜也「上田怜也だ、怜也でいい」

 

一夏「分かった、これからよろしくな怜也!」

 

怜也「こちらこそ」

 

???「ちょっといいか?」

 

一夏「ん?箒か、どうした?」

 

箒「少し話がある」

 

一夏「で、でも...」

 

怜也「私のことはいい、話してきたらどうだ?」

 

一夏「分かった、ありがとな!」

 

怜也「気にするな」

 

そう言って一夏と箒はどこかへ行ったが、さっきから変な視線を感じる...

 

???「じーー」

 

口で擬音を出す人は初めて見たな...

 

怜也「何のようだ?」

 

???「お菓子持ってない~?」

 

怜也「お菓子?」

 

???「そう、お菓子~」

 

怜也「悪いが、持ってないな」

 

???「え~」

 

怜也「特に、常備する物でもないしな。まあ、今度は、持って来るよ」

 

???「うん、分かった~」

 

怜也「そういや、名前は?」

 

本音「布仏本音だよ~、本音って読んでね~」

 

怜也「分かった、そろそろ授業が始まるから、自分の席に戻ったらどうだ?」

 

本音「分かった~ありがとね~」

 

そう言いつつ本音と名乗った少女は自分の席に戻っていった

 

怜也「本職の気配がしたな...一応警戒しておくか...」

 

ちなみに、一夏と箒は授業に遅れ、二人揃って出席簿で叩かれた

 

そして...

 

山田「___という事で現時点ではISを使うには様々な規制がかかっており、基本的には国家の承認が必要不可欠なのです」

 

山田「織斑君、どこか分からない所はありますか?」

 

一夏「先生...」

 

山田「はい!」

 

一夏「全部分かりません!」

 

 

ガタガタッ。

 

今日で二度目のズッコケだ。

 

山田「ほ、本当ですか?他に解らない人はいますか?」

 

誰も手を上げない。

 

山田「えーっと、怜也君は...」

 

怜也「大丈夫です。」

 

少し威圧感を込めてしまったが、大丈夫だろう。

 

千冬「織斑、入学前に渡していた教科書はどうした?」

 

一夏「あの分厚い本ですか?」

 

千冬「そうだ」

 

一夏「古い電話帳と間違えて捨てました」

 

パァン!

 

千冬先生の得意技、出席簿アタックが炸裂した。

 

千冬「再発行するから、1週間で覚えてこい」

 

一夏「え、でも1週間であの量は「いいな?」はい、分かりました...」

 

そして、なんやかんやで授業は終わり...

 

一夏「怜也~「教えないからな」まだ何も言ってないだろ!」

 

怜也「それに、中身を確認しなかったお前が悪い」

 

一夏「うぐっ、それを言われると以外と痛い...」

 

そんな風に話していると

 

???「ちょっと、よろしくて?」

 

金髪縦ロールの女子生徒が近づいてきた。

 

最初は自分が返事をしようと思ったが一夏の方が少し早かったようだ

 

一夏「ああ、聞いてるけど、なんだ?」

 

???「まあ! なんですの、そのお返事は。わたくしに話し掛けられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度というものがあるんではないかしら?」

 

一夏「悪いな、俺、君が誰か知らないし」

 

一夏や私にとっては普通の対応だが、この女子生徒にとってはあまりいい返事ではなかったようだ。

 

セシリア「わたくしを知らない? このセシリア・オルコットを? イギリスの代表候補生にして、入試首席のこのわたくしを!?」

 

名前はまだしも、聞いていないことも話してきた。

 

こういう女は嫌いだ。

 

一夏「あ、質問いいか?」

 

セシリア「ふん、下々の者の要求に応えるのも貴族の務めですわ。よろしくてよ」

 

一夏「代表候補生って、何?」

 

質問に聞き耳を立てていた生徒がずっこけ、怜也は呆れた顔をしていた

 

セシリア「あ、あ、あ……」

 

一夏「『あ』?」

 

セシリア「あなたっ、本気でおっしゃってますの!?」

 

誰でも今のセシリアを見ればわかる、完全に怒っている。

 

一夏「おう。知らん」

 

怜也「...。」

 

セシリア「信じられませんわ。極東の島国というのは、こうまで未開の地なのかしら。常識ですわよ、常識。テレビが無いのかしら……」

 

セシリアはそんなことを呟き始める。

 

一夏「なぁ、怜也?」

 

怜也「なんだ?」

 

一夏「代表候補生って何?」

 

怜也「それぞれの国に、国家代表IS操縦者がいるだろう?」

 

一夏「ああ、いるな」

 

怜也「簡単に言えばその代表の候補というわけだ」

 

一夏「へー、なるほど」

 

一夏「つまりは、エリートってわけだな」

 

セシリア「そう! エリートなのですわ!」

 

エリートと言う言葉に凄まじい速さで反応するセシリア。

 

セシリア「本来ならわたくしのような選ばれた人間とは、クラスを同じくすることだけでも奇跡……、幸運なのよ。その現実をもう少し理解していただける?」

 

一夏「そうか。それはラッキーだ」

 

セシリア「……馬鹿にしていますの?」

 

一夏に馬鹿にしているつもりなど全くない、幸運を理解しろと言われたから率直に応えただけだ、だがセシリアはその応答が凄く気に入らなかった。

 

セシリア「大体、あなたISについて何も知らないくせに、よくこの学園に入れましたわね。ISを操縦出来ると聞いていましたから、少しくらい知的さを感じさせるかと思っていましたけど、期待外れですわね」

 

一夏「俺に何かを期待されても困るんだが。」

 

セシリア「ふん。まあでも? わたくしは優秀ですから、あなた方のような人間にも優しくしてあげますわよ?」

 

この態度が優しさ?ふざけているのか?

 

セシリア「ISのことで分からないことがあれば、まあ……泣いて頼まれたら教えて差し上げてもよくってよ。何せわたくし、入試で唯一教官を倒したエリートですから」

 

因みに、IS学園で行われる入学試験には学科試験と実技試験が存在する

 

学科試験はそのままの意味だ。

 

実技試験は、教官と模擬戦を行うことが試験内容だ。

 

だが、実技試験で大事なのは、教官を倒す倒さないではない。

"ISを操縦出来るかどうか"だ、 操縦が上手かろうが下手だろうがどうでもいい。

 

一夏「入試ってあれか? ISを動かして戦うってやつ?」

 

セシリア「それ以外ありませんわ」

 

一夏「あれ? 俺も倒したぞ、教官」

 

セシリア「は...?」

 

その言葉にセシリアは驚愕する。

 

セシリア「わ、わたくしだけと聞きましたが?」

 

一夏「女子ではってオチじゃないのか?」

 

セシリア「つ、つまり、わたくしだけではないと……?」

 

一夏「いや、知らないけど」

 

セシリア「あなた! あなたも教官を倒したって言うの!?」

 

セシリアはそう言いながら私に指を指しながら詰め寄る。

 

怜也「倒そうとしたはいいが、機体が直ぐにオーバーヒートしたぞ?」

 

そもそも、私の反応速度では打鉄やラファールは反応速度の追いつけずに直ぐに破損するか、オーバーヒートするだろうし、イカロス社の試験で使用した新型の機体でさえオーバーホール修理が必要になるほどだったんだぞ?自分の専用機すら届いていないのに第二世代の量産型で一体どうしろと?

 

セシリア「......」

 

黙り込んでいるが手が震えている。

 

一夏「えーと、落ち着けよ。な?」

 

セシリア「こ、これが落ち着いていられ──」

 

その言葉を遮るようにチャイムが鳴り響き、セシリアの怒りは無理矢理鎮火される。

 

セシリア「っ……! また後で来ますわ! 逃げないことね! よくって!?」

 

 そういって彼女はズカズカと自分の席へ戻っていく。

 

怜也「二度と来るな、クズが」

 

凄まじい殺意と共にそんな言葉を吐き出す。

 

一夏「っ...!」

 

一夏も感がいいんだろう。

 

怜也「で、一夏」

 

一夏「ん?、な、なんだ?」

 

怜也「さっき教官を倒したって言ったが」

 

一夏「ああ、あれ?いきなり突っ込んできてかわしたら、勝手に壁にぶつかってのまま動かなくなったぞ?」

 

怜也「ただの自爆じゃないか...」

 

 

 

────────────

 

 

千冬「それではこの時間は実践で使用する各種装備の特性について説明する」

 

 一、二時限目と違い、三時限目は真耶に変わり千冬が教壇に立ち授業を行う──はずだったのだろうが、何かを思い出したのか話を変える。

 

 

千冬「ああ、その前に来月に行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めないといけないな」

 

"代表者"、私はその言葉が大嫌いだ。

 

千冬「クラス代表者とはそのままの意味だ。対抗戦だけでなく、生徒会の開く会議や委員会への出席……まあ、クラス長だな。ちなみにクラス対抗戦は、入学時点での各クラスの実力推移を測るものだ。今の時点で大した差は無いが、競争は向上心を生む。一度決まると変更はないからそのつもりで」

 

何となく想像はしていたが、教室内の女子が、ざわつき始める。

 

「はいっ織斑君を推薦します!」

 

「私もそれが良いと思いますー」

 

千冬「では候補者は織斑一夏……他にいないか? 自薦他薦は問わないぞ」

 

──やっぱり...

 

一夏「お、俺!?」

 

突然名指しされ、つい立ち上がってしまう一夏。

 

そして、一夏に向けられる数多くの視線。

無責任で勝手な期待を込めた視線。

 

だが勝手に決められた本人からしたらたまったものじゃない。

 

千冬「織斑。席に着け、邪魔だ。さて、他にいないのか?いないなら無投票当選だぞ」

 

一夏「ちょっ、ちょっと待った! 俺はそんなのやらな──」

 

その言葉を遮るように

 

千冬「自薦他薦は問わないと言った。他薦されたものに拒否権などない。選ばれた以上は覚悟をしろ」

 

一夏「そ、そんな...」

 

いくら何でも横暴じゃないか。そんなの言ったもん勝ちじゃないか。

 

そして、一夏は最後の手段に出る。

 

一夏「怜也、許してくれ...!

 

そんな小さい声で、私に謝る一夏、私だって、元からこうなることは分かっていたんだ、覚悟ぐらい出来てる。

 

一夏「だったら、俺は...」

 

そこで、少し戸惑いを感じたのか、視線合わせてくる

 

怜也(コク...。)

 

軽く頷く。

 

覚悟は出来てる、あとはお前次第だ、一夏。

 

一夏「俺は、怜也を推薦する!」

 

よく言ったな、一夏。

 

そう、心の中で一夏を褒める。

 

千冬「分かった、なら怜也と織斑のクラス投票になるがいいか?」

 

セシリア「待ってください!? 納得がいきませんわ!」

 

自分のプライドに傷がついたのだろう。

 

セシリア「そのような選出は認められません! 大体、男がクラス代表だなんていい恥さらしですわ! わたくしに、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!?」

 

セシリア「実力から行けばわたくしがクラス代表になるのは必然。それを、物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります!わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!」

 

セシリア「いいですか!? クラス代表は実力トップがなるべき、そしてそれはわたくしですわ!」

 

セシリア「大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛で──」

 

一夏「イギリスだって大してお国自慢ないだろ。世界一まずい料理で何年覇者だよ」

 

流石に一夏も切れたのだろう。

 

セシリア「あっ、あっ、あなたねえ! わたくしの祖国を侮辱しますの!?」

 

先に人の国を侮辱したのは誰だ?

 

セシリア「決闘ですわ!」

 

 

突然の決闘宣言に困惑する一夏。だが、言われっぱなしで黙っていられなかったのかこれに同意する。

 

一夏「おう。いいぜ。四の五の言うより分かりやすい」

 

セシリア「言っておきますけど、わざと負けたりしたらわたくしの小間使い──いえ、奴隷にしますわよ」

 

一夏「侮るなよ。真剣勝負で手を抜くほど腐っちゃいない」

 

セシリア「そう? 何にせよちょうどいいですわ。イギリス代表候補生のこのわたくし、セシリア・オルコットの実力を示すまたとない機会ですわね!」

 

売り言葉に買い言葉。こんなやり取りを見るためにこんな事をしてるんじゃないだぞ?

 

(代表候補生が素人に決闘か...幾ら何でもタチが悪い...)

 

ただ単に自分の実力を示したいだけなのだろう。

 

(というか、教師は何をしているんだ?何故止めない?)

 

山田先生はおろおろし、千冬先生はただただ傍観しているだけ。

 

(もしかして、戦わせるつもりなのか?)

 

(クソ!、まともな人間の考え方だとは思えないな!)

 

怜也はイカロス社の傭兵であり、テストパイロットだ。色々な壁が立ちふさがる事もあったし

戦いに恐怖を感じたことだってある、だが幾らなんでもこれは酷すぎる。こんなやり方では

成長するはずもないし、最悪この勝負に負けて、やる気をなくすかもしれない。

 

だがそんなことはお構いなしにまたとんでもない発言をする。

 

一夏「ハンデはどのくらいつける?」

 

セシリア「あら、早速お願いかしら」

 

セシリアは当然のことだと思った。

力の差は歴然なのだから。

だが──

 

一夏「いや、俺がどのくらいハンデをつけたらいいのかなーと」

 

(クソ!、この馬鹿野郎が!)

 

「お、織斑くん、それ本気で言ってるの?」

 

「男が女より強かったのって、大昔の話だよ」

 

「織斑君と怜也君はISを使えるかもしれないけど、それは言い過ぎよ」

 

"一部"を除く生徒はその言葉に笑う。

 

一夏「……じゃあ、ハンデはいい」

 

セシリア「ええ、そうでしょうそうでしょう。むしろ、わたくしがハンデをつけなくていいのか迷うくらいですわ。ふふっ、男が女より強いだなんて、日本の男子はジョークセンスがあるのね」

 

生徒達に嘲笑われる一夏を見て気分が良くなるセシリア。

 

(最低な女だな、セシリア・オルコット!)

 

「ねー、織斑くん。今からでも遅くないよ? セシリアに言って、ハンデ付けてもらったら?」

 

一夏「男が一度言い出したことを覆せるか。ハンデはいい」

 

「えー? それは代表候補生を舐めすぎだよ。それとも知らないの?」

 

一夏「っ……」

 

近くの生徒から助言を貰うが、その顔は苦笑と失笑が混じったものだ。

 

(怜也にひとまず後で謝ろう、許してもらえなくても)

 

だが、その怜也は...

 

怜也「フフフッ……」

 

怜也「ハハハッ……」

 

セシリア「?」

 

セシリア「何が可笑しいんですの?」

 

怜也「可笑しいと感じて何が悪い?」

 

怜也の"顔"は笑っていたが、"目"は笑っていなかった、虚ろな目でセシリアを見ている。

 

怜也「女が強い?それはISが有るからだろ?、それになぁセシリア?」

 

セシリア「っ…なんですの?」

 

怜也「"お前みたいな代表候補生"よりも"世界に二人しかいない男性操縦者"の方が貴重なんだぜ?」

 

セシリア「なっ……」

 

セシリアのプライドを容赦なく砕いた。

 

セシリア「男のくせに、随分と言ってくれますわね!」

 

怜也「いけないのか?」

 

セシリア「決闘、貴方にも参加してもらいます!」

 

怜也「へぇ、いいぜ?てめぇの"下らない"プライドを粉々にしてやるよ」

 

セシリア「言わせておけばグチグチと……!」

 

セシリアの目には怜也に対する明らかな怒りがこもっていた。

 

千冬「怜也、お前も決闘に参加するんだな?」

 

怜也「当たり前だろ?ブリュンヒルデさんよぉ」

 

千冬「織斑先生だ。」

 

怜也「はいはい、わかりましたよ。織斑先生?」

 

千冬「はぁ...勝負は1週間後の月曜日。放課後の第三アリーナで行う。セシリア、一夏、怜也は準備をするように」

 

 

 

こうして、3人の勝負は幕を上げた。

 

 




( ´Д`)=3 フゥ 疲れた...。
後誰かコメントください。

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