宿毛湾泊地の珍道中   作:一生涯ソロプレイヤー

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初めて書きます。
2次創作とかもっと初めてです。

一応先に言っとく!!

語彙力?いえ、知らない子ですね…


プロローグ  徴兵願

艦娘と深海棲艦との戦争が始まり、

気づけばもう5年が経とうとしていた。

 

季節は夏、ミンミンゼミの鳴き声が青空に響く。

ここは、とある小さな港町。

開戦して5年、未だに深海棲艦からの襲撃に

遭っていない為、皆戦時中だと思ってもいない。

それくらい、のほほんとしている集落だ。

 

その港町で、今日も平和に暮らす一家が居た。

桂田(かつらだ)家である。

そこに、1人の青年がリビングのソファーに

寝そべりながらテレビを見ていた。

 

桂田 寮(かつらだ りょう)、19歳。

趣味はシミュレーションゲーム。

特に『ガンダムブレイカー3』を

よくプレイしている。

 

そんな彼が見ているテレビ番組は、

毎日流れる戦局報道だ。

今はどのチャンネルも戦局報道しか流れない。

しかもどれも鎮守府が襲撃された…という

暗いニュースしかない。しかし、ここの住民は、

皆他人事としか見ておらず、大した影響もない。

せいぜい、「あぁ、またか」と

流されて終わりである。

 

寮「…ったく、いつになったら

こんな戦争が終わるのやら……」ハァ…

 

寮父「まぁまぁ、軍も頑張ってるんだし、

そのうち終わるだろうさ。」ハハッ

 

「父さん……そうだといいけどな。」

 

気楽そうに笑っているのは俺の父。

今は現役引退したが、彼が20代の頃は

自衛隊に勤めていた、結構偉い人らしい。

 

…こんな気楽そうに笑っている人が?

 

 

そんな父と世間話をしていると、

浮かない顔をした俺の母が

リビングにやってきた。

 

寮母「……………」トボトボ

 

「母さん?どうしたんだよ、風邪⁇」

 

「…大事な話があるの、お父さんも来て。」

 

「えっ…あぁ、うん。」

 

…よく見ると、母の眼が赤く腫れていた。

大泣きでもしない限りこんなに腫れるなんて、

せいぜいボコボコに殴られなきゃできない。

 

それだけ泣かせることがあったというのか?

 

「…寮、よく聞いて。ニュースで

徴兵の話をしていたのは知ってるわね?」

 

「…うん。アレだろ?

『提督』が少なくなってる、みたいな話。

それがどうしたんだよ?」

 

「……………」

 

母は俯きながら1枚のA4くらいの紙を

取り出して見せた。

 

「…何これ、[徴兵願]!?」

 

徴兵願。分かりやすく言うと、

遠回しの赤紙だ。

 

2年前、開戦して3年が経った時、深海棲艦による

鎮守府への襲撃が始まった。

 

鎮守府は、深海棲艦に唯一対抗できる『艦娘』の

言わば拠点、生命線である。

鎮守府が壊滅し、修理が不可能となれば、

継戦は困難だし、資源が使い物にならなければ、

補給も叶わなくなる。

深海棲艦は、そこに気がついたのだろうか。

…そうジャーナリストが言ってた気がする。

 

話を戻すと、その襲撃により、

提督の殉職…戦死者が一気に増えてしまい、

有能な提督までもが

戦死する事態になってしまった。

 

これに対し政府…というより軍は、

『徴兵令を復活させる』ということを言い出した。

これだから政府(軍も)は無能!

はっきりわかんだね。

 

もちろん議会は大反対。

国会議事堂前は反対する国民と

強行採決しようとする軍とで大騒ぎ。

100人近くが亡くなる大惨事となった。

 

結果的に強行派の勝ちとなり、徴兵令…ではなく、

『あくまでお願い』というスタンスのもと、

『徴兵願』が成立した。

 

徴兵願は{満25歳以上の男女}と

最初はそう定義されていたが、

戦局が激化していくにつれ、

現在は{満19歳以上の男女}

と定義が大きく変更されている。

なぜ19歳かというと、政府いわく、

20歳も19歳も大して差はない…とのこと。

…そうネットニュースで書いてあった。

 

ともかく、実質赤紙である徴兵願を見せられた

俺は、とにかく驚くことしかできなかった。

 

しかし、驚いているのは俺だけじゃなかった。

 

「…そんなバカな…それはいつ届いたんだ!?」

 

さっきまで気楽そうに笑ってた父が、

やけに焦っている。

 

「…今朝よ。封筒に折り畳まれてたわ。

『重要書類』ってご丁寧にね。」

 

それを聞いた途端、父は突然

携帯を取り出し電話をかけ出した。

おそらく自衛隊時代の知り合いにだろうか?

 

「もしもし佐藤さん!どういうことですか!?

自衛隊の関係者なら徴兵は

免れるんじゃないんですか!?」

 

………佐藤さん?

父が敬語で話してるって事は

上司か恩師かその辺りか?

 

『…すまない、状況が変わったんだ。』

 

「変わった…!?どういう意味ですか?」

 

変わった…?何が?

 

『私は、今まで軍の関係者なら家族も

徴兵対象外になると考えてた。

だが上層部は違った。

軍関係者とその奥さん以外の家族は

対象外にはならないんだそうだ。』

 

「そんな…………」

 

父はポロっと携帯を落とし、愕然としていた。

そのとき、よくわからなかったが、

何をすれば良いか…………

なんとなくわかった気がした。

まぁ、絶対両親は納得しないだろうけど。

 

「…なぁ、父さん。俺、やるよ。」

 

案の定、両親は驚いた。

あぁ、どうせ猛反対されるだろうなぁ…と思った。

だが、2人の返答は意外なものだった。

 

「…身体には気をつけるのよ?

無理は厳禁だからね?」

 

「…よく言った!それでこそ元自衛隊の息子だ!」

 

ま さ か の 反 対 じ ゃ な い

 

「…えぇ!?2人共反対しないの!?

俺最悪死ぬかもだぞ、

息子を戦地に送っていいの!?」

 

「えぇ?そんなの、たしかに嫌だけど…」

「まぁお前のことだ、嫌でも生き残るだろ。多分」

 

多分って何!?まさかの生き残る前提!?

 

「…まぁとりあえず、

お前は国や政府の命令なんか気にするな。

お前はただ立派に立って、

自分の護りたいものだけ護っとけ。

それが俺の…父さんの知る軍人だ。」

 

「…父さん。」

 

「これでも自衛隊時代のパイプがある。

いざって時は遠慮なく頼れよ?

息子を…家族を護るのは、父さんの仕事だからな!」

 

父さん、いきなり泣かせるんじゃねぇよ…………

ありがとな。

 

「そういえば母さん、召集場所と日にちは?」

 

父さんが母さんに徴兵願の詳細を確認させた。

 

「…どうやら、迎えのバスが来るみたい。

場所は…『森棚(もりだな)駅』に1週間後、

朝9時ですって。」

 

森棚駅とは、この集落の中央沿いにある

少しフォームは古いが、

現役の汽車が走る立派な駅だ。

 

「さて、そうと決まれば、早速準備するか!」

 

…準備⁇父さん、何をするんだね?

 

「何をするって…お前『提督』になるんだぞ?

そもそも艦娘について何も知らないだろ?」

 

「…………確かに!!」

 

「そこで、元自衛隊の父さんが艦娘について

1から教えてやる!まず…………」

 

 

 

1週間後…

 

俺は、白い軍服に着替え、大量の荷物を入れた

リュックを背負い、森棚駅へと両親と来た。

 

「いい?無理はしないで、くれぐれも身体に

気をつけるのよ?いいわね?」

 

「母さん…過保護すぎません?」

 

「まぁとにかく、こっちは心配するな。

………気をつけるんだぞ?」

 

「わかってる、元自衛隊の息子を甘く

見ないでもらおうか!」

 

「ハハッ、その調子なら大丈夫だな。

ほら、行ってこい。」

 

「…………あぁ、行ってくる。」

 

『国や政府の命令なんか気にするな。

お前はただ立派に立って、

自分の護りたいものだけ護っとけ。』かぁ…

やるだけやってみるよ、うん。

 

するとどこからか、聞き覚えのある声がした。

 

⁇「……寮!?」

 

「………ん?」

 

女子の声?しかも俺の名前を⁇

 

振り返ってみると、視線の先には

1人の女性が駆け寄ってきた。

(ちなみに俺の身長は大体170くらいだったから)

160くらいだろうか?大体それくらいの小柄で

黒髪でロングヘアな女性が

俺と同じ白い軍服を着ていて、

両手にはパンパンに詰まったカバンを持っており、

しかも士官用の制帽を被っていた。

 

…あれ?もしかして偉い人!?

 

偉い人ではないか、とかいろいろ考えているうちに

ついに彼女は目の前で立ち止まった。

 

⁇「まさか、あなたも徴兵されたの!?」

 

…なんでそれを知っているんだこの人は

てか、すっげー馴れ馴れしいなぁ………

 

「えーと…誰かと間違えてませんか?

あっもしかして、軍の関係者の方ですか⁇」

 

俺は、この女性は軍関係者の人だと思った。

すると、その女性は頬を膨らませ、

 

「ちょっと、冗談はよしてよ!

ワタシよ、ワ・タ・シ!!

あんたの幼馴染の姫流(きりゅう) なつ芽(なつめ)

…まさか、あんたに軍人と間違えられるとはね。」

 

………そういえば言い忘れていた。

俺には小学校の頃からの幼馴染がいる。

それが彼女、『姫流 なつ芽』その人である。

彼女とは家族ぐるみでの仲で、

年末年始は互いの家に遊びに行ってた程だ。

 

彼女の性格は、真面目で賢く、高嶺の花みたいな

オーラをまとっているような感じだ。

高校の時は会話もなかったな、オンの時は。

 

だがオフの時は俺に対して、やけに絡んでくる。

俺がゲームをしていると、一緒にやりたそうに

こちらを見てくるのだ。

 

………猫かっ!!

 

まぁ根は良いやつなのは確かである。

でも、そんなやつがなんで徴兵願を…?

 

「あー、すまん。徴兵願が届いてバタバタしててな。

………すっかり忘れてた。」

 

「いいわよ、別に。それより、なんで徴兵願を?

あんたのお父さん、軍関係者なんでしょ?

軍関係者の家族は徴兵対象外なんじゃないの?」

 

「…………実はそうでもないんだってさ。

状況が変わって、俺、徴兵対象者になった。」

 

その瞬間、なつ芽がピクンと反応した。

 

「でもまぁ、徴兵願から逃げるつもりはないよ。

なにせ俺の父親は元自衛隊だったんだ、

そうそう死ぬつもりはn」

 

「その話はやめて!!」

 

なつ芽が急に叫ぶから、驚いて尻餅をつきかけた。

顔を見ると……あれ、泣いてる?

なんか泣かせるような事言った!?

 

「…ワタシ達、戦場に行くんだよ?

人が沢山死ぬ場所に赴くんだよ?

だから…その話だけはやめてほしい。」

 

「…………ごめんな。」

 

それもそうだ。

これから人が死ぬ戦地へと赴くんだ。

この話はもうよそう。

 

すると、森棚駅前にバスが1台停まった。

徴兵願の対象者を輸送するバスだ。

確か行き先は最寄りの鎮守府だと書いてあった。

ここから最寄りの鎮守府は…

 

「…何ボーッとしてるの?

早く乗らなきゃ、置いていかれるわよ。」

 

そう言い残すと、なつ芽はそそくさとバスに乗り込んだ。

俺は置いていかれまいと、バスに乗り込んだ。

 

…バスには、『舞鶴(まいづる)鎮守府行き』

とだけ、書いてあった。

 




正直思った。

書きすぎたぁぁ〜…………ハァ

まぁ、こんな感じで進みます。

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