前回の珍道中〜
宿毛湾泊地の第1泊地に着任した寮。
そこで初期艦・吹雪と出会い、
着任記念として門の前で写真を撮った。
吹雪「……あの〜司令官?」
寮「…なんでしょうか吹雪さん?」
吹雪「コレを自分達で直せ、と本当に
大将閣下が言ってたんですよね?」
寮「……そういう事だよな、コレって…」
寮&吹雪「「このボロボロの泊地の建物一帯を
倉庫にあるレンガを積んで直せ、って…」」
〜2時間前〜
寮「…にしてもさ、前に襲撃を受けた
泊地だって聞いてたけどさぁ…」
俺、桂田 寮は今日、宿毛湾泊地の第壱泊地に
着任した。着いた時には、あらかじめ移動前に
指名した『初期艦』と呼ばれる5人の艦娘の
1人、『吹雪』と合流した。
で、その後2人で記念撮影して、
とりあえず司令室を探すついでに建物内を
見て周り、『司令室』と書いてある
部屋のドアを開けた。
そしてあらすじみたいに頭の中で振り返りながら
俺は3階にあった司令室(?)を見渡した。
そして感想をひとつ。
寮「…屋根も壁も無いとはな…」ハァ
なんということでしょう〜
屋根は存在しないため、青空が空一面に
広がっているではありませんか〜
……かなりまぶしいです、はい。
本来ならレンガが主張する事でレトロな雰囲気
が出てくるはずの壁も…………
なんということでしょう〜(2回目)
辺り一面に広がる海がまるで壁紙のように
広がっているではないでしょうか〜
しかも床は木製で壁に接しているはずの部分は
焼け焦げており、家具に関しては入口に
黒電話1つだけ!
………家具が黒電話だけぇぇ!?
いやさ、ドアの上に『司令室』と書いてあってさ、
いかにも立派そうなドアだったからさぁ…
正直無事じゃないとは思ったけど!
吹雪「……とりあえず、どうします?」
隣に立つ少女…特型駆逐艦『吹雪』は
じっと見上げながら聞いてきた。
寮「…どうしよっか、てか荷物いつ下ろそうか」
吹雪「だから言ったじゃないですか、
重そうだから玄関で下ろしたらどうですかって」
寮「えー、だって居ない間に盗られるかも
しれないだろ、だって玄関だぞ?」
吹雪「え、たしか玄関前の門に
憲兵さんがいたはずですよ?」
寮「…………そんな人いたっけ⁇」
吹雪「……たしかにいませんね、はい。」
ジリリリリリリリ!!!!
寮「フォウ!?」
吹雪「ひゃあ!?」
テキトーに吹雪と雑談してたら、突然
黒電話が鳴りだした。うるせぇ。
おそるおそる受話器を取ってみる。
<ガチャ
寮「…もしもし、どちら様でしょうか?」
⁇『おぉ、繋がったか。どうやら電話線は
まだ生きていたようだ、よかった。』
……………………???
⁇『おっと失礼、君が宿毛湾泊地の
第壱泊地に着任した新人提督かね?』
…なんか上官の匂いがしたから、
敬語で言っとくか、めんどくさいが。
寮「…はい、本日宿毛湾泊地に着任しました、
桂田 寮と申します。階級は少佐であります。」
⁇『…例の徴兵制度出身の者か、全く元帥閣下は
一体何を考えているのやら………』ボソボソ
俺が徴兵願で徴兵された事を知っているだと!?
情報まわるの早いなぁオイ(゚ω゚)
⁇『…あぁいや、すまない。
ちょっとした独り言だ、あまり気にしないでくれ。
…あぁそうだ、自己紹介しなきゃ(使命感)』
……なんだろう、この人なんかアキラに似てる。
ひょっとしたらアキラのお父さん?
今川大将『私は
現在は〈
これからもよろしく頼むよ、桂田少佐。』
まさかの大将!?てか今、第二って言ってたよな?
寮「はい、よろしくお願いします!!」
今川大将『ははっいい返事だ…あぁそうそう。
君が着任した泊地とは、第壱泊地かね?』
第一泊地…あぁたしか門に書いてあったなぁ。
寮「はい、その第一泊地です。
それがどうかされましたか?」
今川大将『…そこって、かなりボロボロだろ?』
…なぜそれを!?
どこかから見てたのか!?
寮「…司令室は屋根も壁もありませんでした。
ただ、
被害がほとんどありませんでした。」
…と吹雪がこっそり教えてくれました。
ナイス吹雪。
今川大将『…だろうな。桂田少佐、よく聞け。
今いるであろう建物を出て右に進むと
建物1階くらいの大きな倉庫があるはずだ。
そこにある資源や資材、修復材などは全て
君たちの資源とする。私が保証しよう。
で、君たちはその倉庫内の建築用資材を使って
宿毛湾泊地を修復してもらいたい。
…頼めるかね?』
…えっ直せと!?
寮「…分かりました。
ちなみに締め切りとかって…」
今川大将『締め切り?何それ美味しいの⁇』
…………締め切りは無しか、うん。
今川大将『…とにかく、頼んだよ!』
寮「……あっはい」
ガチャ、ツー、ツー、ツー…
俺はそっと受話器を置いた。
そして吹雪と一緒に倉庫へと向かった。
寮「ここがその倉庫なのか…?」
吹雪「…なんでしょうこの倉庫、なんか
100人乗っても大丈夫そうに見えてきました。」
寮「吹雪それ倉庫ちゃう、物置や…」
…まぁ、吹雪の言い分も分からなくもない。
現に俺も倉庫というより物置にしか見えない。
俺的に倉庫と聞くと鉄製で頑丈なイメージがあり、
逆に物置はプラスチック製で脆いイメージがある。
…で、ここの倉庫はと言うと………
四角い。トタン屋根で蓋をしただけの
いわゆる『豆腐建築』なのだ。
おいおい、こんな倉庫で大丈夫か…?
⁇「大丈夫です、問題ありません!!」
おいこら吹雪、人の心を読むんじゃn…え、誰?
そこには薄ピンク色の髪色をし、
すす汚れた作業服を着た少女が
右親指を上に立てていた。
その後ろには黒髪でメガネをかけており、
いかにも堅そうな少女が書類を抱えていた。
………どちら様⁇
寮「…あの、2人とも、どちら様でしょうか?」
明石「あっ申し遅れました…本日付けで
宿毛湾泊地に着任しました、工作艦『明石』です!
よろしくお願いします!!」ビシッ
大淀「同じく本日付けで舞鶴鎮守府より
派遣されました、軽巡洋艦『大淀』です。
よろしくお願いします。」ビシッ
なるほど薄ピンクヘアーが明石で、
黒髪メガネが大淀か…よし覚えた。
寮「私も本日付けで着任しましたわ、
新人提督の桂田 寮でございますわ。
何とぞよろしくお願いいたしますわ」ペコリ
とりあえずお嬢様っぽくなったが
一応あいさつを。
吹雪「………えっ?」
明石&大淀「「よろしくお願いします!」」ペコリ
寮「…………」
明石&大淀「「…………」」
吹雪「…………」
寮「…だめだコレ精神的に吐き気を催しそう」
吹雪「………司令官、正直言って今のアレ、
かなり無理がありましたよ…てか何であんな風に
お嬢様っぽくして気持ち悪くしたんです?」
寮「いやさ吹雪、よく考えてみろ。
2人は舞鶴から来た派遣社員だぞ?
ココで失礼な事してみろ、それが舞鶴へと
知れ渡って最終的にこの職をクビになるかも
しれないんだぞ!?…コレはきっと、
上からの刺客なんだぁー……」ハァ
明石&大淀「「…………えっ」」
吹雪「心配しなくても今の発言、
全部2人に聞かれてますよ司令官。
もう腹をくくりましょうよ。」
明石&大淀「「あ、あのー…………」」
寮「え、マジで?俺1日目でいきなり無職?
提督として行ったのレンガ積んだだけ?
それ提督じゃなくてただの作業員じゃねぇかよ…」
明石&大淀「「あのーー!!」」
寮「?」
吹雪「はい?」
明石「私たち実は舞鶴でやらかしまして」アハハ…
大淀「その際に舞鶴鎮守府への連絡が
取れなくなってしまいましたから……」
寮「……どーゆーこと?」
大淀「ですから舞鶴へと泊地の噂が知れ渡る
ということはおそらくないかと思うのですが…?」
寮&吹雪「「えっ」」
明石「…と、とにかく!
これからお世話になりますね!!」
吹雪「えーと、つまり2人は…」
寮「何も聞くな、いいね?」
吹雪「アッハイ」
〜ちょっと経過〜
寮「…で、この倉庫で何が大丈夫なんだ?」
明石「提督は『妖精さん』をご存知ですか?」
妖精…あーなんか親父が言ってたな。
確か…ん?吹雪の頭上で寝てるやつが…
こんなの今までいたっけ?
寮「…もしや今吹雪の頭上で寝てるやつか?」
吹雪「…!?」
明石「はいその通りd…え!?」
大淀「提督、今なんと!?」
なんか驚かれた。
…………え、もしや俺天才なのか!?
そんなに見つけられないのか妖精って!?
寮「…だから、今吹雪の頭上で寝t…あっ起きた」
ほらぁ、そんなに騒ぐからさぁ…
その妖精ってやつが起きちまったじゃねぇか…
吹雪の頭上にいた妖精(?)は
大きなあくびをした後、
俺の足元まで飛び降りてきた。
そして深々とお辞儀をした。
なんだよ、結構可愛いじゃねぇか…フヘッ
明石「………何という境遇でしょう、
あっちょっと私工廠見てきますねー」スタコラサー
いかにも混乱気味な表情をした
明石は何処かに行ってしまった。
…倉庫の説明は?
大淀「提督、あなたって人は…」
吹雪「司令官…」
寮「…ハイ、ナンデショウカ」ピキピキ
大淀「…これは出世確定だわ」キラーン
吹雪「今晩は赤飯ですね(迫真)」
なんだろう、この違和感は。
…………てか赤飯って!?
そんなにめでたいことか?
大淀はぶつぶつ言いながら
どこかへ行ってしまった。
寮「…俺、なんか凄い事したか?」
吹雪「少なくとも普通の人よりも
はるかに凄いですよ、司令官。
妖精さんは基本、私達艦娘にしか
見えないんですから。」
寮「通りで明石と大淀が驚くわけだ…」ハァ
なんか基本見えない者が見えたり、
上官に自力で泊地を直せと言われたり、
俺今日着任してまだ数時間しか経ってないぞ…
寮「とりあえずは倉庫に入って建築資材を
ひと通り確認するかぁ…あー、しんどっ」
吹雪「私も手伝いますから、最初から
やる気ゼロなの何とかして貰えません?」
寮「…じゃあ後の作業任せていい?」
吹雪「ダメです」
寮「ショボン(´・ω・`)」
俺は吹雪に連れられ、渋々倉庫の扉を開けた。
そこにはドラム缶と弾、鉄インゴットと
銅っぽいインゴットが大量に保管されていた。
だがしかし、肝心の建築資材が見当たらない…
寮「…なぁ吹雪。」
吹雪「なんでしょう司令官?」
寮「建築資材ってコレ?」
俺は銅っぽいインゴットを指差した。
吹雪「…それはボーキサイトであって、
銅インゴットではありませんよ?」
寮「…じゃあ建築資材は何処へ?」
そう聞くと吹雪は鉄インゴットの山を
指差しながらやや呆れた様子で、
吹雪「…そこに大量にレンガが
積んであるじゃないですか。
司令官、まさか老眼なんですか?」
寮「…俺19なんだが?」
吹雪「…とにかく、あのレンガの山を
まず倉庫から出しましょう!」
寮「…見るからに多くないか?」
吹雪「手伝ってください(威圧)」
寮「…ちょっと前まで『手伝う』
って言ってたのにぃ…オニ」
吹雪「何か言いました?」ピキピキ
寮「…イエ、ナニモ」
明石(ちょっと提督に聞きたいことが
あったんですけど…アレじゃ無理ですね)
明石(それにしても、『あの艤装』って
誰のなんだろう…?吹雪ちゃんのかな?)
寮と吹雪が倉庫内で騒いでるところを
外から覗いていた明石が考え事をしていた。
そして考え事をしたまま
明石は倉庫から離れていった。
一方、大淀も1階の作戦司令室で、
不審な資料を発見した。
大淀「…何でしょうか、この古びた資料は?
えーと…『宿毛湾艦娘開発計画』?」
大淀は『宿毛湾艦娘開発計画』と呼ばれる
資料をまじまじと読んだ。
そこには、艤装に関する情報が
事細かに書かれていた。
すると、突如大淀の顔色が変化した。
大淀(ここでこんな危険な計画が!?
…しかし、提督に知らせるのは不味いですね。
当面の間は黙っておきましょう…)
そして大淀は計画の資料をこっそり畳んで
作戦司令室をあとにした…
30分後〜
寮「やっと半分くらい出せたな…」フゥ
吹雪「やっとですよー本当に…」フゥ
倉庫の外にはレンガが山積みになっていた。
だがしかし、まだ半分以上は
倉庫内に保管されたままである。
寮「にしてもこれだけあればまぁ、
量的に直せるんじゃねぇの?」
吹雪「確かに、これだけあれば
十分な気がしますね!」
寮&吹雪「「AHAHAHAHA!!!!」」
高らかな笑い声をあげながら2人は
レンガの山から第1泊地の半壊した建物を
視認した。その後、急激に笑いが途絶えた。
そして、冒頭へ…
吹雪「これではいつまで経っても
半壊したままで終わりません!
司令官、『建造』しましょう!!」
…え、新しい建物建てる気!?
吹雪「…言っておきますけど、増やすのは
あくまで艦娘であって、建物は
1件も増やしませんよ?あ、宿舎は別ですが」
…あー、あれか。
確か『燃料』『弾』『鉄』『ボーキサイト』
を工廠に持っていけば新しい艦娘が現れる…
ってやつだよな、うん。
寮「うん理解した。けどな、
明石といい吹雪といい、勝手に人の心読むの
やめてもらっていいっすか?」
吹雪「仕方ないじゃないですか、
だって司令官分かりやすいんですもの。」
寮「マジか…」チーン
吹雪「…たしか建造は工廠でできたはずです、
早速作業中断して工廠へ行きましょう!」
寮「…本当は新艦娘に丸投げしたいだけだろ」
吹雪「さぁ司令官、倉庫内から燃料などを
工廠へ持って行ってください。」
寮「…俺ってここの司令官だよな?」
5分後〜
寮「なぁ吹雪…本当に100も要るのか?」
俺は吹雪によって(提督なのに)
燃料に弾、鉄とボーキを100ずつ、計400程
工廠に運ばされた。マジで疲れた。
(ちなみに量に関しては
妖精さんが教えてくれたから
余分に運ばなくて済んだ。ナイス。)
吹雪「だって司令官が着任して初めての
建造ですよ?ホントは30ずつの計120で
十分ですがまぁ将来への投資、てことで」
寮「…ちなみに残りの資材ってどれくらい?」
吹雪「ざっと300ずつの計1200
ってところですかね?」
寮「300って多い方なのか?」
吹雪「大抵の場合、新たに着任された
提督に対し、上が着任祝いとして支給する
資材が200くらいですので、ここだと
その倍あったってことになりますね。」
初期で倍って…これもしや今川大将の力か?
明石「まぁ戦艦や空母を狙うならば
圧倒的に足りませんがね…」アハハ…
工廠奥からまるで生えてきたかのように
明石が現れた。脅かすなよ…
明石「戦艦ならば鉄が600と燃料が400、
弾薬が100とボーキサイトが30ずつ、
空母ならば燃料と弾薬が300ずつ、
鉄とボーキサイトが600ずつ要ります。」
うーん、莫大だなぁ…(遠い目)
てか空母ってそんなにかかるのか、
よっぽど強いんだろうなぁ…
明石「でもまぁ、オール100でも巡洋艦娘
とか出るかもしれませんし…」
吹雪(出るとは言ってませんが)
寮「…とりあえず資材入れるか。」
明石「あっはい」
吹雪「あっそうですね」
工廠に入ると、人1人入りそうな程の
大きさのドックが2つ設置されていた。
幸いドックがどういうものかは、
親父によってみっちり叩き込まれていた。
たしかそこで建造されるはず…だよな?
明石「ではこちらに資材を入れてください。
順番はテキトーで大丈夫ですよ。」
寮「え、大丈夫なのか?」
明石「大丈夫ですよ、だって建造は主に
妖精さんが行うんですから。」
…妖精さんここにもいた!?
すると建造ドックから3人程妖精さんが
現れた。そして何やら1人が
看板を持って何やら訴えている。
看板妖精『早く建造させろ』
寮「oh…」
吹雪「え」
明石「あちゃー…」
大淀「何やら騒がしいのですが…て、
どうしたんですかこの大量の資材」
突然工廠の外玄関から大淀が現れた。
お前ら雑草かの如く生えてくるなぁ…
明石「あ、大淀、これからちょうど
建造するところだったんだー!」
大淀「…の割には資材多くない?」
明石「投資だって吹雪ちゃんが…」
大淀「100も30も大して変わらないのに」
大して変わらないのに………
大して変わらないのに……
大して変わらないのに…
大淀の何気ない一言が
看板妖精たち3人を怒らせた。
妖精A「ヤッテヤロージャネ−カァァァ!!!!!」
妖精B「イッテクレタナ?オイコライッテクレタナ?」
看板妖精『いいだろう…受けて立つ!』
寮「…妖精さんの声は聞き取りにくいが
看板妖精さんはすっごい分かりやすい。
なんかそんな気がする。」
吹雪「奇遇ですね、私もです。」
寮「なぁ明石、これって期待していいやつ?」
妖精B「マカセトケ」
明石「期待していいやつです。
まぁ序盤ですし、軽巡洋艦辺りが妥当かと」
吹雪「確かに戦艦や空母が来られても
資材の量的に難しいですしね…
できれば低燃費な艦娘がいいなぁ」
寮「艦娘にも低燃費とかあるんだ…」
大淀「ありますよ。天龍型軽巡洋艦や
睦月型駆逐艦とかが代表例ですね。」
明石「まぁ序盤ですし(2回目)、
燃費辺りはあまり気にしなくて大丈夫ですよ。」
寮「いずれ気にするときが来る…
私にはそれが分かる(確固たる意志)」
吹雪「何サトリ開いたみたいなこと
言ってるんですか。そんなことより、
妖精さんたちが建造始めちゃいましたよ」
…いつの間に!?
我に返り、建造ドックを見ると
そこには作業中の妖精3人衆と
『59分14秒』と書かれた掲示板が
規則的に動いていた。あ、つまずいた。
明石「おっとこれは…?」ニヤニヤ
吹雪「もしかして…?」ニヤニヤ
大淀「え」
…なんか楽しそうだな、うん。
寮「大淀…」
大淀「……………」
寮「残念だったな」肩ポン
大淀「うわぁぁぁ……」
そして、大淀はひざから崩れ落ちた。
1時間後〜
妖精A「オワッタゾ」
明石「お疲れ様でしたー」
建造が終わった途端、妖精3人衆は
そっと姿を消しました。
さてと、提督達を呼びますか…
明石「てーとくー!皆さーん!
新しい艦娘が進水しましたよー!!」
しばらくすると提督と吹雪ちゃんが
やや眠たげに戻ってきました。
寮「ふぁあ…あ、完成したんだ?」
吹雪「ふぁあ…眠いです〜」
2人とも……さっきまで寝てましたね?
私ずっと起きてたんですよ?
⁇「おいおい、お前がここの提督か?」
おっと、どうやら新しい艦娘が
建造ドックから出てきたみたいですね…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1時間かかるみたいなので、
吹雪と倉庫内でぐっすり寝ていました。
そうしたら明石から『もうできた』
みたいなこと言ってたから、吹雪を
起こし、あくびをしながら工廠に入ると
そこに誰かいた。
黒っぽい短めの髪、
頭部に動物の耳のようなもの、
左眼に眼帯、全体的に黒っぽい制服(?)、
背中には砲台が左右に1つずつついた
大きな艤装(てか箱だよな?)を背負っており、
右手には太刀のようなものを持っている。
そして何より雰囲気が怖いです…
⁇「なぁ、お前が提督なのか?」
声もなんか不機嫌そうな声!
やべぇ寝起きだから脳みそまわらねぇ…
あぁもうこうなったら腹括ってやる!
寮「…どうもどうも、宿毛湾泊地第1泊地
新人提督の桂田 寮と申しますわ」ペコリ
吹雪「……またですか。」
お嬢様ボイスは警戒心を解く。
まさか親父の迷言が役に立つとは
思いもしませんでしたわ…あっ間違えた、
思いもしなかったぜ…
吹雪(どうせ回想でもお嬢様なんだろうなぁ)
⁇(なんだこいつ?一応提督…みたいだな)
寮「…吐き気を催すのは相変わらずってか?」オエッ
吹雪「ほーら言わんこっちゃないんですから…
これで2回目ですよー?はいポリ袋」スッ
寮「あーサンキュ…orrrrrrrrrrrr」
吹雪「…そういえば名乗るのを忘れてました。
私は特型駆逐艦1番艦の吹雪です!
で、この吐いてる人がここの司令官です」サスサス
吐いてる人って………
そう言いつつ背中さすってくれるんだな…
お、orrrrrrrrrrrr
明石「私は工作艦、明石です!訳あって
本日着任しました、よろしくお願いします!」
⁇「スゲー吐くんだな…あ、そうだ。
俺も自己紹介しなきゃな」
そう言うと、その新艦娘はやる気に
満ちた表情で名乗りだした。
天龍「俺の名は天龍…天龍型軽巡洋艦の
1番艦で、その性能は世界水準を軽く
超えている事で知られているんだぜ…?
要は1番強い軽巡だ!フフフ…怖いか?」
なんだろう、一気に吐き気が引いた気がする。
それに最後なんて言った?
『怖いか』って言わなかったか?
最初は怖かったな…最初はな。
まぁ今となると…
寮「…天龍って実はバカなのか?」
吹雪「司令官よりはマシだと思います」
明石「私は吹雪ちゃんも同類だと思うなー…」
大淀「明石も同類だと思いますが?」ニョキッ
寮「大淀…お前はモグラか?」
大淀「今回ばかりは私もそう思いました。」
明石「大淀も抜けてるところがあるんですよ」
天龍「…なぁ提督。」
寮「…なんだ天龍?」
天龍「ここっていつもこんな雰囲気なのか?」
寮「今日着任したところだから分かんないが
まぁ、ピリピリしてるよりかはマシだろ?」
天龍「逆に不安だ…だが、これもアリ
かもしれないな。ま、よろしく頼むぜ」スッ
ドックから出てきた時とは全く違う雰囲気。
本当に同一人物なのか?
だがまぁ握手求めるくらいだ、これは将来
かけがえのない戦友になる予感…がする!
だが今は…
寮「あぁ、よろしくな天龍。」ニギリ
握手、これ大事。
あぁそうだ…アレもやっておかなきゃ
寮「…てな訳で『天龍着任記念』
って事で写真撮らないか?」
と、カメラを取り出した。
天龍「…アイツらはどうするんだ?」
あー明石と大淀の分も撮らなきゃだよなぁ…
寮「…あとで⭐︎」キラーン
天龍「おいおい大丈夫か…?」
寮「大丈夫だ、問題ない」トルゾー
『パシャ』
ドウダ?
ウン、バッチリトレテルゾー
明石「…あ、写真撮ってる〜!」
大淀「何ですって!?ずるいですよ!」
ゲッバレタ
ニゲルゾテートク!
アカシニモトッテクダサイヨー!
ヌケガケハヒキョウデスヨー!!
ドウシテコウナッタンダァァァ‼︎
一方その頃〜
⁇「ここが『宿毛湾第2泊地』…」
大きなスーツケースを引きずりながら
また1人、新人提督が着任した。
⁇(…まさか、寮が着任してる訳ないよね。
だってあの子が、そんな…)
その新人提督…彼女はなぜか
悲しそうな表情をしていた。