シラノちゃんは設定年齢11歳   作:しずくまい

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初投稿です。よろしくお願いします。


~佐久間ヒカリちゃんの場合~

 その出会いはなんといったらいいのか。

 バンドで路上ライブをしている時に迷子を見つけた。

物珍しそうに、それでいておっかなびっくりとした感じは小動物のそれに近い。

 

しゃがんでどうしたの? と聞いてみた。

「あ、あなたは誰?」

 あら可愛い声。思わず頭を撫でたくなる衝動を抑えて

「迷子? こんな時間に危ないよ?」

と続けてみた。

 

 もう既に夜の9時。夜の街にはいろんな人が出てくる。こんな少女? 幼女がいる時間帯ではない。

 

「わ、わっちは……」

 わっち? 一人称がどこの萌えキャラなの?

 大きく深呼吸してはなにやら小さく「よしっ」と気合を入れている。

 

「シラノちゃん設定年齢11歳独身幼女!! 貴方は見える子ね?」

「設定年齢って」

 苦笑いしてしまうが、大したことじゃない。大人びる子どもはそう見せようと頑張っているのだ。経験もある。

 

「お父さんとお母さんは?」

「いないよ?」

「じゃシラノちゃん。ここでどうしたの?」

「おなかすいてた」

「じゃ、これいる?」

 

 手にしていたのはライブ中にもらったシュークリーム。夜食のおやつ。

 

「たべるー」

 

……とりあえず抱きしめていいだろうかこの可愛い生物。

袋をあけようと頑張るのに開けれない。

開けて上げるとどこから食べたらいいのか悩む。

困った顔でこちらを見つめてくる。

 

――これは、これはいけません。今時の幼女じゃない。

大きな口をあけてぱくっと食べる真似をしてみると、真似してパクリ。

 

一口食べると目を大きく見開いてキラキラとこちらを見つめてくる。体を揺すりながらすぐに声を出したいのを我慢して食べきる。

 

「これなにこれなに?」

「シュークリームだよー」

「美味しいよ? これいいよ。うん、捧げられるならこれがいいーこういうのがいい!!」

 

 ぴょんぴょん飛び回りながら、中のクリームが垂れてくるのをあわあわとしながら舐め、幸せそうな顔をしている。

それを見て思わず笑みを浮かべる。

 

中のクリームを舐めながらじーっと見てくる。

 

「なまえはー?」

「ヒカリだよ」

「うん、ヒカリ。いいこいいこ」

 

 頭をなでようと背伸びしてくる。

――なんか可愛いんですけど、ねぇ、この子かわいいんですけど!!

 

 撫でようとするも届かない。正確には届けさせない。

笑みがこぼれながら、コンビニでもらったおしぼりを開ける。

 口元を拭い、手を拭かせると、手がクリームで汚れていたことに気づき頭を下げる。

怒っていないよというと

「りぱー☆」

と笑った。

 

 

……この出会いがまさかあんなことになるとはお釈迦様でもわからないよね。まぁ、再び出会うのは少し後の話になるんだけど。




登場人物説明
佐久間ヒカリ。
コミュ力お化け、行動力の化物、性善説を地で行く
可逆性SNSミステリー『Project:;COLD』の登場人物。
詳しくは公式サイトのほうで。

2021年1月11日段階で多くを魅了した天使な女子高生。
だが、本編では――な人。
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