「ヒカリ? なにをして」
「しずちゃん!!」
ヒカリを発見したが、何をしているのだろう? しゃがみこんでシュークリームの袋を開けている。
こそっと食べるような代物ならプチシューにしたらいいのに。
「この子にね?」
「んん?」
耳元でりぱーっ☆と声がする。驚き横を見るが何もいない。
「どうしたの?」
「な、なんでもないってうわっいつのまに」
ヒカリのそばに幼女がいた。10歳ぐらいの女の子。シュークリームをパクつきながらキラキラとした瞳でこちらを見ている。可愛らしい。
さっきまで見えなかった気もするが、誰なのか?
「あー、見えちゃったの? しょうがないなぁ。お姉ちゃんは」
幸せそうな顔をしてこちらを見つめていたが、すぐにシュークリームを爛々と見つめる。
今の重要なのはこっちと言わんばかりだが、妙な眩しさが見えるのは成長した証なのか。
――それとも……それとも汚れてしまったのか……
大きな口を開けて食べては中のクリームに苦戦しているのを見ると何か小動物めいてて……
「この子迷子みたいで。シュークリームあげたら反応いいの」
「……もしかして餌付け中?」
「そう」
ヒカリも満面の笑みで笑顔全開。この眩しい生き物たちはサングラスが必要ね。
ヒカリがじーっと見つめてくる。それに気づいて女の子もじーっと見つめてくる。
「えー、でももってるのって……スポーツドリンクぐらいしか?」
「じゃ、それで」
ヒカリもノリノリで次の反応が見れると喜んでる。
「はいどうぞ」
「りぱーっ☆ えーと、これなに? お水?」
まるでペットボトルを持ったことがない人の反応をしてくる。
――なにこの子……今の子らしくない……
わざとか? 演技なのか? いや、これは多分素……
「ね、面白いでしょ?」
いやまて。今の時代そんな子が存在するだろうか? いやない。
もしも? もしも、この行動が素なら……天然記念物!
頭を振りながら我ながら馬鹿な考えを左から右へと流す。
「えぇぇ……これをくるくるっとひねってみ?」
「?」
「いやだからこうやって」
くいっくいっと回す素振りを見せると同じようにひねって見せる。
「おぉー面白いー玩具っぽい」
口つけ飲む仕草をしてみると同じように真似をする
「……ヒカリ」
「……なに?」
ぷはーっと声が上がる。
「誘拐じゃないよね?」
「えー」
時間は夜10時。今時の高校生でも帰宅する時間帯。まぁ悪い子は知らないけど。
「家どこ?」
「家?」
「そう、家」
家かーと考えている幼女。まさか、この子、家なき子?
こちらの気持ちを知ってか知らずか、いい笑顔をして言う。
「んー、じゃ、帰るね」
りぱーっ☆
笑いかけると駆け出していく。
「気を付けて帰ってね~」
「って一人で大丈夫なのー?」
だいじょーぶーと声が聞こえた気がしたが、すぐに見えなくなった。
残された二人は「今度はいつ会えるんだろうね?」と笑い合った。
登場人物説明
岩永静。
元気っこ、走るの大好き。家とかちょっとごちゃついているけど、明るいドラム担当。
空気読み癖がついてしまっている活発系。
その明るさと健気さの前にハートを撃ち抜かれた人多数。
だが本編では――な人。
こっちの世界では眩しい生き物を直視できない系。自分も十分眩しい生き物だというのにという認識。
可逆性SNSミステリー『Project:;COLD』の登場人物。
詳しくは公式サイトのほうで。